中途採用の面接官になったら? 準備からコツ、効果的な質問 COLUMN

更新日:2019.11.05

中途採用の面接官になったら? 準備からコツ、効果的な質問

中途採用の面接を担当することになったけれど、面接官としてどのように振る舞えば良いかわからない。良い人材はどうやって見抜けば良いのだろう……。そんな風に悩んでいる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事ではそんな方に向けて、中途採用面接の面接官になった場合の心構えや準備、コツ、さらには目的に応じた効果的な質問まで、徹底的に解説していきます。

採用成功するために必要な考え方をまとめました。

目次

面接官に向いている人とは? まず押さえるべき心構え

まずは面接官に向いているタイプについて知ったうえで、面接官が持つべき心構えを押さえておきましょう。

面接官に向いている人とは?

面接官に向いているのは「応募者の能力を的確に評価できる人」「応募者を口説いて入社意欲を上げられる人」 です。

応募者の能力を的確に評価できるということは、自社に対する応募者に適性があるかどうかを見極められるということです。日ごろから広い視野を持って人を見ている方、人のネガティブな部分だけでなくポジティブな部分に気づける方はこのタイプに当てはまるといえるでしょう。この能力に加えて、どのような理由で面接を通過させたのかを、具体的かつ論理的に次の担当者に伝えることができる表現力があれば、面接官に最適です。

応募者を口説いて入社意欲を上げる能力は、昨今の売り手市場において非常に需要が大きいです。自社の魅力について説得力を持って伝えたりできる方はこのタイプに当てはまります。ただし、応募者を口説いて採用するということは、その人の人生に対して大きな影響を与えてしまうことにもなるので、最後まで応募者をフォローする責任感が必要になります。

最終的にはこれらの両方に当てはまることが良い面接官の必須条件です。

大切なのは目的をしっかり意識すること

面接官を務めるうえで大切なことは、面接を行う目的をしっかりと意識することです。面接を行う目的として基礎的なものは以下の2つです。

目的1:人材の見極め

面接においては、人材を見極めることを意識するのが大切です。ここで重要なのが、礼儀や服装、履歴書の内容など目に見える特徴だけでなく、さまざまな質問をしながら応募者の背景や仕事への適性なども確認する意識が必要だということです。
即戦力を求めることが多い中途採用では、どうしても履歴書などから見える経歴やスキル、または見た目や受け答えの印象に注目しがちになってしまいます。もちろん、これらも重要ですが、応募者の性格や価値観などが自社の文化や社員と合っているかどうかの見極めは、入社後の定着率や活躍に大きく影響してくることも忘れてはなりません。

目的2:自社に対する魅力づけ

中途採用面接のもう一つの目的は、自社に対する魅力づけです。バブル期並みの売り手市場となっている現在の中途採用において人材の見極め以上に重要な要素となっています。

エン転職が行なったインターネット調査によると、求職者の約7割~8割が面接を受けて入社意欲が変化したと答えています。そのため、人材の見極めを行いながら、いかに自社の魅力を伝えていくか、ということをしっかり意識しなければなりません。

応募者に選んでもらうという意識を持って、適切な情報を提供したり、応募者の魅力や転職動機などを言語化して伝えたりして、会社をより魅力的に感じられるようすることが大切です。

面接前に行うべき準備とは?

面接官としての心構えができたら、来たる面接に向けてしっかりと準備を整えましょう。具体的には以下にあげる4つの準備をしておくことが重要です。

評価基準を可視化・共有する

面接によって応募者を見極めるためには、中途採用の評価基準について明確にし、採用関係者の間で共有しておく必要があります。面接官の価値観や好みによって採用・不採用を決めてしまった場合、本当に会社に必要な人材を確保できなくなる可能性が大いにあるからです。

応募してきた人材について何を優先的に評価するのかを可視化し、採用担当者の間で共有しておくことで、このような事態を防ぐことができます。

できるだけミスマッチを防ぐために必要な準備であるということを理解しておきましょう。

応募者が実力を発揮できる環境を整える

面接前には、応募者が自分の実力を発揮できるような環境を整えておくことも必要です。人の出入りが多い場所や、他人の話し声が聞こえる場所、個室ではない場所で面接を行った場合、応募者が落ちついて自分のことを話すことは難しくなります。仕事の電話や打ち合わせの声が筒抜けになるような狭い事務所の場合は、近所のカフェなどを利用して面接を行い、その後社内見学してもらうという形式を取るのも良いでしょう。

面接に臨む応募者はほとんどの場合緊張しています。その状態で応募者が本来の自分の力を発揮できるようにすることは、人材の見極めという点からも大切です。[

履歴書・職務経歴書を読み込んでおく

面接を行う前に、応募者の履歴書や職務経歴書をしっかり読み込んでおくことも大切です。

応募者の経験や人柄、性格を見極め、経歴詐称を見抜くには、履歴書や職務経歴書の内容に対して限られた面接時間の中で深掘りした質問をする必要があるからです。事前にこれらの資料を読み込み、質問する内容を考えておくことで、面接中に必要な事項を聞き漏らす心配がなくなりますし、面接自体をスムーズに進行させることができます。

なお、応募書類を事前に送付してもらうのではなく、面接時に持参してもらう企業は、面接前に適性試験や15分間程度の簡単な会社説明会を行い、その間に応募書類を読み込むのが良いでしょう。また、応募者をより深く理解するために、応募から面接までの期間に電話面談を挟むケースも増えています。

臨機応変に対応できるよう話を通しておく

面接を行い、応募者が自社に欲しい人材であることが判明した場合、臨機応変に対応することができるよう、役職上位者に話を通しておくことも大切です。転職希望者は複数の選考を受けている場合が多く、良い人材ほど他社から内定が出て入社が決まってしまうことがあるからです。
そのため、役職上位者に事前に話を通しておき、応募者の感触が良ければそのまま最終面接を行い、素早く内定を出せるようにしておくことも準備として必要になるでしょう。

良い人材を見極める5つのコツ

心構えや準備が整ったら、いよいよ実際に面接に臨むことになります。

ここからは実際の面接において、応募者が良い人材であるかどうかを見極めるコツについて紹介していきましょう。

【1】中途採用は2名以上で多角的に判断する

中途採用の面接を行う場合は、できるだけ2人以上の面接官を用意しておくことが大切です。応募者の評価基準をしっかり定めていたとしても、面接官によって応募者に対する印象が異なってしまうからです。

面接官は複数人配置し、評価に偏りが出ないような工夫をすることで公平な面接ができるようにしましょう。

専門職の場合は現場の社員を同席させる

募集している職種が専門的な場合、面接には現場スタッフを同席させるようにしましょう。
面接官には、応募者が現場の実務レベルに適した人材であるかどうかを判断することが難しい場合があるからです。また専門職の場合、現場スタッフのほうが仕事の魅力をしっかり伝えたり、仕事についての具体的な話をしたりしやすくなります。

どうしても現場スタッフを同席させることが難しい場合は、面接後に会社見学を実施したり、現場スタッフとの顔合わせをしたりするケースもあります。こうすることで、採用時のミスマッチを防ぐ効果を期待できます。
このような配慮があれば、会社にとって最適な人材を確保しやすくなるでしょう。

【2】リラックスした雰囲気づくりを

良い人材を見極めるためには、リラックスした雰囲気づくりを意識することが大切です。

応募者・面接官の双方が緊張したまま面接を進めていては、良い人材を見極めるどころか、正しい判断をすることも難しくなってしまうからです。笑顔や落ち着いた話し方を意識すると、お互いに話しやすくなり、応募者の性格や人柄なども判断しやすくなります。
緊張をほぐすために合否に関係がないような質問をしたり、面接官の方から自己紹介をしたりすることも効果的です。

また、応募者の能力を引き出す一番のテクニックは傾聴です。意識して、話しを聞きながらしっかりと頷いたり、「それは興味深いですね」と相槌を打ったりしてみてください。黙って聞くのではなく、その都度リアクションをとってあげることで応募者は安心感を覚えます。

【3】思考・行動の軸に着目する

良い人材を見極めるためには、応募者の思考や行動の軸に注目しましょう。それらは応募者の仕事ぶりにかかわる部分であり、さらに人間性やチームで働くことへの適性にも直結するからです。

そのためには、面接では過去のエピソードや苦労話を聞いたり、ある状況下でどのように考えて行動するかを質問したりすることが効果的です。

【4】発言はとことん深堀りする

応募者の発言をとことん深掘りすることも人材を見極めるためには重要です。応募者の本質的な部分を見極めることができなければ、採用・不採用の判断をすることができないからです。応募者の発言に対してただ相槌を打つだけでなく、「それはなぜですか?」「具体的に教えてください」などと質問してみましょう。

その際、荒さがしをするような聞き方では何気ない話題でも圧迫面接と受け取られることもありますので、注意が必要です。なんとか上に引き上げようという態度で接すれば、多少突っ込んだ質問をしても好感を持ってもらえます。

【5】経歴詐称がないか注意

経験やエピソードのほかに、応募者が経歴詐称をしていないかどうかを見極めることも大切です。具体的には、短期間で辞めた会社について記載していないケースや、ある業務の経験について虚偽記載しているケースなどがそれにあたります。

在職期間については、前職を辞めてから半年以上ブランクがある場合、その期間に何をしていたのか確認してみましょう。実は他社で働いていたことが判明するかもしれません。

経験や能力については、その業務に取り組む際の注意点や手順について詳しく質問してみると、真偽を判断しやすくなります。専門的な業務の場合は同席している現場の社員に質問を任せましょう。

目的別、面接で聞くべき質問15選! NG質問や逆質問も

実際の面接で聞いておくべき質問や、聞いてはいけない質問について実例を挙げて紹介します。質問内容とその質問の意図を理解することが大切になりますので、ぜひ参考にしてみてください。

応募者をリラックスさせる質問

面接で合否の判断に必要な情報を聞き出すためには、話しやすい雰囲気を作ることが大切です。まずは、応募者をリラックスさせる質問から面接を始めると良いでしょう。

●本日はどのように来社いただいたのですか?
●弊社のことは以前からご存知でしたか?
●昨晩はよくお眠りになられましたか?

このような、誰にでも答えることができて、かつ合否に直接関係ないような質問をすることが大切です。

経歴・スキルを確認するための質問

応募者のこれまでの職務経歴やスキルについては、具体的な内容を確認する質問をするようにしましょう。

●前職ではどのような業務を担当されていましたか?
●△△については、何年ほど経験がおありですか?
●担当された業務に対して、最も苦労したことは何ですか?

エピソードを交えて具体的に教えてください。
これらの質問により、経歴について具体的な事実を聞き出すことができ、大きな合否の判断材料を得ることができます。

志望動機・意欲を確認するための質問

志望動機や意欲についての質問は、応募者の仕事に対する考え方や自社に対して何を期待しているのか、どんなキャリアを積みたいのかを探るために必要です。

●当社を志望した理由をお聞かせください。
●転職先を選ぶうえで、どのようなことを重視されていますか?
●当社でどのような目標を達成したいと考えていますか?

これらの質問によって、実は自社では達成できない目標を定めていたことなどが発覚する場合があります。入社後のミスマッチを防ぐためにも、しっかりと確認しておきたいところです。

仕事の軸を見極めるための質問

応募者の仕事の軸を見極めるためには、責任感や目標意識についての質問をするのが効果的です。

●仕事におけるノルマや目標についてどのように考えますか? また、その理由も教えてください。
●あなたの業界をキャッチアップしている第一人者のような人はいますか?
●10年後にどのような仕事をしたいと考えますか?

このような質問によって、応募者が何のために働くのか、また自分の軸を持っているかどうかを確認することができます。

人間性を見極めるための質問

応募者の人間性を知るためには、応募者の資質や性格、価値観を問う質問を投げかけてみましょう。

●あなたの強みについて教えてください。また、その強みを弊社でどのように生かせると考えますか?
●お付き合いのあるご友人は、あなたのことをどんな性格であると考えていると思いますか?
●あなたの長所と短所について教えてください。また、短所を克服するためには努力していることがあれば教えてください。

応募者の資質や価値観が自社の社員や社風と合うのかどうかを判断するために欠かせない質問です。応募者の本質的な部分を探るために、必ず確認しましょう。

こんな質問はNG!

質問内容によっては聞くこと自体が無意味であったり、応募者の自社に対する印象を悪くしたりしてしまうこともあるので注意が必要です。

面接時に避けるべき質問についても理解しておきましょう。

思想・信条・出生地・家族の職業などにかかわる質問

面接では、思想・信条・出生地・家族の職業などに関わる内容は差別につながりかねないため、質問してはならないと定められています。そうした質問があった場合は職業安定法に基づく改善命令を出されることもあり、改善命令に違反すると6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。そもそも、こうした質問は採用の判断条件にならないため、面接で聞く意味がありません。また、購読新聞や愛読書についての質問も個人の思想に関わると判断されかねないため注意してください。

過去の経歴を根掘り葉掘り聞く質問

過去の経歴に対して根掘り葉掘り質問してはいけません。

応募者には守秘義務の関係上面接で話せない内容もありますし、プライベートに関わることについてまで度を超えて追及するとブラック企業ではないかと疑われてしまう可能性も高まります。

面接官が深堀りして良いのはあくまで合否の判断に関わる部分についてだけですし、それも常識的な範囲内であることが求められています。

セクハラ・パワハラになる質問

面接官は面接時の質問がセクハラやパワハラにならないよう徹底しなければなりません。

性別によって質問内容を変えることはセクハラにあたり、法律で禁じられています。応募者に対して有利な立場であることを利用して無神経な質問をすることはパワハラにあたります。

事前に質問内容の精査をしたり、面接のロールプレイングを行ったりして、セクハラやパワハラにあたらないように配慮し、応募者に対して不快な思いを抱かせないようにしましょう。

応募者の意欲を確かめるのに逆質問はうってつけ

面接官が応募者に質問するのではなく、応募者から面接官に質問することを逆質問といいます。特に中途採用面接においては、逆質問の時間を設けることが有効です。

面接官から応募者に対して「なにか質問はありませんか?」と聞いたときの逆質問の内容によって、応募者がどのような点に興味や関心を持っているのか、仕事に対する意欲がどれくらいあるのかを確認できるからです。

●自社に対する下調べを十分に行ったことがわかる、現場の仕事内容について質問
●応募者と同年代の社員がどのようなスキルを持っているのかについての質問
●同年代の社員がどのような職務を担当しているのかについての質問

このような質問をされた場合は、入社後に期待できる人材であると判断する一つの材料になります。

まとめ

中途採用面接の準備やコツ、効果的な質問について解説してきました。自社にとって最適な人材を確保するための面接を行うには、これらについてしっかり理解しておくことが大切です。
事前にしっかり準備をして、会社・応募者双方のためになる面接ができるよう心がけましょう。

採用成功するために必要な考え方をまとめました。

監修/中森規仁

コピーライター、求人媒体の管理・運用職を経て、2011年クイックに入社。ディレクター・プランナーとして、求人広告や採用企画(採用プランニング・採用ツールのご提案)に携わっています。2018年より本メディアの編集・執筆も兼任。御用の方はこちらまで⇒nakamori-norihito@919.jp

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