中途入社の社員が、入社後すぐに辞めてしまう理由
- 職場の雰囲気が合わなかった
- 上司が苦手なタイプだった
- 人間関係がうまくいかなかった
- 経営者がワンマンだった
- 残業が多かった
- 仕事内容が想像と違った
- 仕事についていけなかった
- もともと辞めグセのある人だった
主だった退職理由は、こんな所でしょうか。
どれもこれもありがちな理由です。
でも実は、ここに挙がった「辞めてしまう理由」は、事前に予防することができるものばかりなんです。
いまからその方法についてお伝えしていきます。
早期離職の防止策は、3つのフェーズに分けられる
早期離職の防止には次の3段階あります。
(1)求人募集フェーズでの離職防止策
(2)選考フェーズでの離職防止策
(3)入社後の離職防止策
今から順番に解説していきます。
(1)求人募集フェーズでの離職防止策
仕事内容を明確にする
入社後にお任せする仕事内容は、求人募集の段階で、できるだけ具体的に示すようにしましょう。
転職者は、これまでの経験を踏まえて新しいキャリアを築きたいと思っています。
ですから、転職者のイメージする仕事内容と実際に任せる仕事内容には、極力ズレがないようにすべきです。
入社後、転職者の方に「思っていた通りの仕事ができている!」と感じてもらえる状態がベストです。
そうなれば本人の仕事へのモチベーションが高まりますし、自然と周囲とのコミュニケーションも円滑になっていきます。
必要なスキルを丁寧に表記する
こちらは人事が主導で採用を行う際には、特に注意してください。
いざ現場に配属されたら、スキル不足で活躍できない、といった失敗はよくあるパターンです。
そうなっては、企業も求職者もお互いに不幸です。
安易な未経験歓迎は早期離職のもと
採用が難しいご時世ですから、求人会社の営業スタッフからは、応募のハードルを下げるように勧められることも多いと思います。
ですが、安易な条件緩和はミスマッチ採用のもとです。
入社後に教育・育成が可能なスキルについての条件緩和は有効ですが、これがないと話にならないというコアスキルについては、絶対に妥協しないでください。
待遇は正確に表記する
休みとお金に関わる部分については、特に神経質になってください。
実際に提示される条件と求人情報との差異に、転職者は敏感です。
たとえ、その差が取るに足らないものだとしても、その事実は会社への不信感として、転職者の心に残ってしまいます。
ハローワークで募集する場合は特に注意
無料で求人できるのは便利ですが、写真が見せられなかったり、求人票に記載できる情報が少なかったりするため、どうしても入社後のミスマッチが起こりやすくなります。
足りない情報については、その後の選考フェーズでできるだけカバーできるようにしてあげてください。
(2)選考フェーズでの離職防止策
面接で直属の上司と引き合わせる
性格や雰囲気などが苦手というのは、お互い人間ですから、どうしても起こり得ます。
スキルチェックも兼ねて、仕事で関わる上司やリーダークラスの方には、ぜひ面接に参加してもらうようにしてください。
仕事に対する価値観の相違など、後々トラブルの芽になることも、この段階で摘んでおくことができます。
社内見学やメンバーとの顔合わせを行う
面接時に社内見学を実施できるとベターです。
さらに内定がほぼ決まった段階で、メンバーと引き合わせることも有効です。
入社後のコミュニケーションが円滑になりますし、すでに顔合わせが済んでいることで、初出社するときの緊張や不安が緩和されます。
職歴の確認
職歴が多い人については、退職理由を丁寧にヒアリングしてください。
入社先がブラック企業でやむを得ず早期離職している場合も、
上記のような会社の評判を調べられるサイトで検索すれば、ある程度は、情報の裏付けが取れると思います。
適性検査、ちゃんと活用できていますか?
本人に受験してもらうのはもちろん、配属先のチームメンバーやリーダー、上司にも受験してもらうことで、あらかじめ相性を予測することも可能です。
ご注意いただきたいのは、検査の結果を参考にして「落とす」のは最終手段だと認識しておくこと。
教育係や上司を相性の良い人に変えることで、人材を活かす采配を心がけてください。
もし、少人数の組織で、上長や教育係を変えられない場合は、できるだけ相手のタイプに合わせたコミュニケーションをしてあげてください。
同じ内容でも、伝え方一つ工夫するだけで、マネジメントは驚くほど円滑になります。
RJPの考え方を取り入れる
RJP(リアリスティックジョブプレビュー)という言葉をご存知でしょうか。
入社前に、仕事や職場の実態をありのままに伝えることで、入社後に受けるギャップを緩和する試みのことで、近年、この手法を取り入れる企業が増えてきています。
仕事の厳しさや社風についてオープンにすることで、より納得した状態で入社してもらうことができます。
もちろん、ありのままの状態を伝えることで、選考辞退が増える可能性はあります。
ただ、入社後に合わなくて早期離職になるよりも、企業と転職者双方にとって無駄がない採用スタイルだとも言えますね。
(3)入社後の離職防止策
即戦力にも、慣らし運転は必要
仮にまったくの同業・同職種の転職であったとしても、いきなり仕事を任せて放置するのではなく、仕事に慣れるまでの慣らし運転期間は必ず設けるようにしてください。
資料の作り方一つとっても、会社が違えば作法は様々です。
仕事の裁量の範囲も異なるはずです。
転職者の方には、ひと通りの仕事の流れを体験してもらいながら、前職とのギャップを埋めてもらう準備期間が必要です。
最初の1ヶ月がスローペースだったとしても、長い目で見れば、確実にリターンが得られるはずです。
意図的に周囲との接点を作ってあげる
入社して間もないタイミングで、部署内やチーム内のメンバーとコミュニケーションをとらざるを得ない状況を、あえて作ってあげるのは有効な作戦です。
オフィス内に知らない人がたくさんいる状況は、少人数の組織であればあるほどストレスになります。
仕事で強制的にでも一度からむことができれば、顔と名前が一致して、コミュニケーションは格段にやりやすくなります。
チームメンバーでランチに行くなど、気軽に参加できる懇親の場を作ってあげるのもお勧めですよ。
今後、中途採用は、人材戦略においてますます重要になる
新卒一括採用。
石の上にも三年。
転職は恥。
こうした昭和の価値観が薄れ、スキルUPや待遇改善を目的に転職を繰り返す人が増えてきました。
第二新卒者を、新卒同様の処遇で迎え入れる企業も増えてきています。
かつては35歳が限界と言われた転職年齢もジワジワと上昇し、いまでは40代での転職も珍しくありません。
そんな中で、優秀な人材、事業にとって必要な人材を確保し続けるためには、いかに中途採用を成功させるかが重要です。
今回ご紹介した内容を、1つでも2つでも実践いただき、企業と求職者の素敵な出会いがたくさん生まれることを願っています。
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