「欲しい人材からの応募がこない」を解決する方法。 COLUMN

公開日:2019.10.17

更新日:2022.09.29

「欲しい人材からの応募がこない」を解決する方法。

求人募集をかけると一定の応募はあるが、採用に至らない。
そんな悩みを抱える企業は少なくありません。

もしかすると、以下に示す項目を点検いただければ、この問題を劇的に改善できる可能性があります。
採用を行う時系列順に書いていますので、上から順番にご確認ください。

 

目次

募集するポジションを明確にする

まずはここから。採用の出発点になるのがオファーポジションの明確化です。

オファーポジションが不明瞭な求人は、特に経験者の募集では不利になってしまいます。
イメージしやすいように、よくあるパターンを例としてお伝えします。

たとえば営業職を募集するときに、本当に欲しいのは経験7~8年くらいで主任レベルの人材だとしましょう。
しかし、求人募集では、未経験からOKで、給与も新卒に近いような金額からの提示になっていることが少なくありません。

なぜこんなことになるのかと言えば、「経験者から応募がくればもちろん嬉しいけれど、経験がなくても若い人なら第二新卒として採用したい」という会社側の事情があるためです。
経験の浅い人を採用する可能性も踏まえて、給与の下限を低く提示するんですね。

ただ、この求人を見た経験者は確実に不安になります。
経験者でも新卒1年目のような給与からスタートするのだろうか…?と。当然、応募は見送られることになるでしょう。

解決策:1求人・1ターゲットを遵守する

中途半端な求人募集にならないためのコツは、1求人・1ターゲットを遵守することです。

まずはポジションをしぼれないか考えてください。理想は1つにしぼって求人を出すことです。

どうしてもしぼれない場合は2本にわけて求人を出稿します。

複数ポジションを同時募集する際には、IndeedやWantedlyのような、求人本数を増やしても追加料金のかからないメディアを活用することをお勧めします。

通常の求人広告の場合は、予算を分割するとそれぞれの求人枠が小さくなり、露出量や情報量がパワーダウンしてしまいますが、IndeedやWantedlyを使えばその心配はありません。

予算に関係なく、求人情報量は無制限に記述ができますので、伝えるべきことを伝えきることが可能です。

両者の使い分けについては下記をご覧ください↓

・Indeed
クリック毎の課金方式となっており一般の中途採用募集に適したメディアです。

・Wantedly
月々の定額料金で運用でき、インターン募集など超若手層やIT人材の募集に適したメディアとなっています。

【Indeedキャンペーンを実施中】
月額20万円以上のご利用の場合、初月の運用費を無料とさせていただきます。
→詳細はTEL(0120-990-8060120-990-806)または、フォームよりお問い合わせください。

募集ポジションに必要な「スキル」「タイプ」を言語化する

募集するポジションが明確になった次に考えるべきは、募集するポジションの職務内容についてです。
経験者を惹きつけるためには、任せる仕事内容をいかにリアルに伝えられるかが重要です。

仕事内容にリアリティを持たせることの重要性については、実際にご体感いただくのが一番です。
試しに、転職求人サイトをひらいて、ご自身と同職種の求人文面を読んでみてください。

自分と同じ職種の求人文面にも関わらず、仕事のイメージができなかったり、自分がその会社で活躍できるかどうかの判断がつかなかったりしませんか?
人生を左右する転職において、そんな求人募集に対して応募を踏み切れるでしょうか?

採用をお手伝いしている実感としては、世の中にある求人情報の9割以上が、読んでも仕事内容がいまひとつ理解できない、あいまいな求人内容になっていると感じています。

未経験者の場合は、良くも悪くも「やってみるしかない」と腹をくくっている方が多いため、説明のあいまいさを飲み込んでもらいやすいのですが、経験者は現状との比較で転職を判断するため、適切な判断材料を提供できなければ、そもそも検討すらしてもらえないのです。

解決策:現場ヒアリングを実施してみてください

経験者に響く求人メッセージを作る一番の近道は、現場ヒアリングを行うことです。

たとえば、現場から以下のようなことをヒアリングできていると、経験者に響く、具体性のある求人文面を作成しやすくなります。

・募集する職種の詳しい仕事内容
・その仕事で成果を出すためにはどんなスキル・タイプが必須か
・仕事の流れ
・仕事のスピード感とボリューム
・仕事の裁量
・どんな人と働くのか
など

実際に入社した人が働く部署のエース社員やリーダー、マネージャークラスの方に、ヒアリングを実施できるとより効果的です。

このとき、マネージャーなど管理する立場の方と現場をよく知る方の両面からヒアリングできると、より実態に即した情報を得ることができます。

どんなに風通しの良い会社であっても、採用担当者と現場の認識には乖離があるものです。そして、現場とマネージャーの間にも多くの場合、認識のズレが存在します。

面接で大量の不合格が出たり、配属後にミスマッチがおきたりする原因のほとんどは、採用担当者と現場、現場と管理職、それぞれが求める人材像にズレが生じていることが原因です。

ミスマッチを防ぐためには、採用活動に現場全体を巻き込み、求める人物像に対する目線合わせを行うことが大切です。

現実にいないような、完璧な人材を求めていませんか?

現場ヒアリングを実施すると、現場からはハイスペックな人材を要求されることが多いと思います。
あれもできて、これもできて、こんな資格・経験も…、と。

しかし残念ながら、現実にそんなパーフェクトな人材はほとんど存在しません。結果、ほとんどエントリーが集まらず採用に失敗してしまいます。

どんな人物を採用すべきかしっかり定めたにも関わらず、なぜか求人募集に失敗してしまう企業は、このパターンに陥っている可能性があります。

解決策①:スペックのMUST・WANTを決めましょう

現場ヒアリングを経て情報が手元に集まったとき、次に取り組むべきは、求めるスペックに対してMUST・WANTの優先順位をつけるということです。

現場から要求されることすべてに当てはまる人材はそう見つかりませんから、現実的な落としどころを設定する必要があります。
MUST要件は1つか2つにしぼるようにしてください。

人材の課題は、すべてを採用(入口)で解決しようとしても上手くいきません。
研修や配置転換など、様々なオプションを組み合わせて総合的に解決するという発想が求められます。

資本力のある企業であれば、給与などの待遇を強化して押し切ることもできますが、この手法で成功できるのは一握りです。

“その職務にとって絶対に必要で、なおかつ後天的な習得が困難な要素”に限り「MUST」に設定する。
この方法がお勧めです。

解決策②:求めるスペック・タイプについて、詳細に言語化する

また、MUST・WANTの要件を設定する際に、もう一つコツがあります。
それは要件をできるだけ具体的にするということです。

たとえば、「営業経験5年以上」という基準があったとしましょう。
「5年」と数字を提示しているので具体的だと思われるかもしれませんが、これでは不十分です。

営業経験が5年だから「何ができるのか」「何ができて欲しいのか」。これを具体化することが重要です。
たとえばこんなふうに細かく定義していきます。

・テレアポでアポイントが取れる(〇件あたり〇件以上の取得率が理想)
・いきなり本題に入らずアイスブレイクできる会話術がある
・一方的な商品説明ではなく、顧客の悩みを傾聴できる
・顧客の課題を引き出すことができる
・ヒアリング内容を元に解決策を考えることができる
・自分一人で仕事を処理せず、各部門と連携して仕事を進めることができる
・解決策をパワーポイントで資料化できる
・顧客にプレゼンテーションができる ・・・etc

といった具合に、営業経験5年で培われていて欲しい能力を言葉にしていきます。

そうすることで、「この部分は素養としてMUSTだな」「この部分は実践しないと身につかないから入社後に教育が必要でWANTの要素だな」といった判断がつきます。

何を見極めるべきかが明確になるため、求人票のみならず面接の質も高まるでしょう。
たとえば、過去の仕事エピソードを質問してスキルの再現性を判断することで、採用の精度を高めることも可能になります。

具体的な人物像(ペルソナ)はイメージできていますか?

仕事内容が明確になり、どんなスキルやタイプの人物が欲しいかも決まったとしましょう。
次にポイントになるのは、その条件に当てはまる人が、いま「どこで」「何を」している人か、を明らかにすることです。

求人手段ごとに、リーチできる人材の層は異なります。
「どこで」「何を」の2点を明らかにすることで、求人広告なのか、人材紹介なのか、リファラルなのか、どんなチャネルで採用活動を行えば良いかが明確になります。

採用予算の配分を左右する要素になりますので、採用部門の方が問われることの多い「費用対効果」を追求する上でも非常に重要なプロセスとなります。

簡単にペルソナ作成する方法

人物像を考える、と言ってもどこから手をつけて良いやら…と頭を抱える方も多いと思いますので、比較的考えやすい方法をお伝えします。

それは既存社員をベースに人物像を考える方法です。

一つは、ハイパフォーマー(優秀な方)を一人ピックアップして、その人をベースに考えるのがオーソドックスです。

あるいは、ハイパフォーマーと平均的な従業員とを比較することで、優秀者に共通する因子を特定する…というやり方も有効です。

具体的には、

・その人がどんな家族構成で、
・どんな学生時代をすごして、
・どんな就職活動をして、
・何の仕事をしていて、
・どのくらい稼ぎがあるのか、
・なぜ転職しようと思い至ったのか…

など、想像を膨らませます。

そして、その人物像にとって、貴社への転職が「情緒的に良い選択」「合理的な判断」だと受け入れてもらえるようなメッセージやシナリオを考えます。

この段階で、待遇や制度などハード面で不足があれば、処遇改善などに着手することもあります。
処遇の改善が難しい場合は、より採用可能性の高いペルソナに設定し直すのも手段の一つです。

ポイントは一方通行の議論にしないこと。
ときにはMUST・WANTの部分まで巻き戻して考え直すプロセスがあっても良いということです。

こちらにペルソナを考える際に使えるワークシートもご用意しています。
もしよろしければ参考にしてみてください。

まとめ:自社に必要な人材を「知る」ことが重要

どんなに予算が潤沢でも。採用にかけられるマンパワーが豊富だったとしても。
どんな人物を採用すべきかが分かっていなければ、満足のいく採用をすることはできません。

社会が成熟して、人材の質が多様化している現在においては、大学名や体育会系といったラベルに頼ったスクリーニングも機能しづらくなってきています。

今回ご紹介した採用手法は、いわゆる「ジョブ型」と言われる、中途採用が主流の欧米で実施されている、業務遂行にふさわしい人材を採用することに長けた採用手法です。

ポジションや職務を明確にすることは、IndeedをはじめとしたWeb系の求人メディアとも相性が良く、人材の質向上のみならず、採用単価の抑制につながりやすいメリットもあります。

他部門の助力を得る必要があるため、すぐに実践することは困難かもしれませんが、長い目で見て、お取組みいただく価値は十分ある施策です。
この機会にぜひご検討ください。

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編集・執筆/中森規仁(中小企業診断士)

コピーライター、人事(採用担当)を経て、大手人材会社でディレクターとして、クリエイティブ企画や経営戦略にひもづいた人材採用・活用のコンサルティング業務などに従事。現在はIT企業勤務の傍ら、マーケティング・人材採用の領域を専門に中小企業支援を行っている。

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