会社説明会の資料の役割とは?
会社説明会は、参加者に自社理解を促し入社意欲を高めてもらう、いわば「採用選考の入り口」のような行事です。参加者は会社説明会で興味を抱かないとその後応募には至らないため、非常に重要な機会となります。
そんな会社説明会で使用する資料は「その場で理解や興味関心を促す」「持ち帰って思い出してもらう」という大きく2つの役割があります。
特に新卒採用の場合は、学生は多くの会社説明会に参加するため、説明会の記憶が曖昧になりやすい傾向があります。説明会当日はもちろんのこと、後日見返した際に魅力がある資料であれば、応募する確率が上がりやすくなります。
会社説明会資料の作成ポイント
ここからは、説明会資料を作成するときに知っているかどうかでクオリティに差が出るポイントを紹介します。
説明会資料の好例として、当社のクライアントである「株式会社スリール様」が実際に使用したスライドの一部をお見せします。ぜひ参考にしてみてください。
1スライド1テーマを徹底する
1つのスライドに盛り込むテーマは必ず1つにし、2つ以上の話題を混在させないようにします。
手元で読む文書と異なり、スライドではあまり多くの情報を盛り込むと、非常に読みにくくなってしまいます。話題の推移とページめくりを連動させることで、聞き手に情報をインプットしてもらいやすくなります。
文字数は極力減らして見える大きさに
会場の広さやスクリーンの大きさにもよりますが、スライドの文字が小さすぎると、後方の座席に座っている人が内容を読めなくなってしまう懸念があります。
なるべく文字を大きくするために、情報をすべて書き連ねるのではなく、話題の骨子や強調したい点の記載に絞り込みましょう。スライドが見えにくい、読めない状態では、聞き手の関心や集中力を大幅に下げてしまいます。
図や写真を用いてイメージさせる
スライドには文字だけでなく、図や写真などを要所要所に入れるようにしましょう。
文字ばかりのスライドでは参加者は目が疲れるだけでなく、情報を理解する労力が強いられます。画像を用いることで、テキスト文字だけでは伝えにくいイメージや雰囲気を、直感的に参加者に届けることもできます。
ページ数は「総時間」と「1枚に使う時間」から設定する
スライドのページ数は「説明に使える総時間」と「1枚のスライドに使う時間」から考えましょう。
このとき、1枚のスライドに使う時間を1~3分程度で考えると、全体のページ数を設定しやすいです。
例えば、説明の時間がトータル30分で、1枚のスライドに1.5分使うとすれば、20枚が目安となります。もちろん、スライドのページ数設定にルールはありません。
次から次へと高速でページをめくったり、スライド1枚に対して情報を詰め込んだりする方法もあります。ただし、「参加者が十分に理解できるか」というポイントを忘れてはいけません。
アニメーションを多用しない
スライドを作成するときについ使いたくなるアニメーションですが、やりすぎには注意が必要です。
何度もアニメーションが入ると動きに慣れて強調の意味が薄れたり、人によっては動きの方を注視してしまったりと、あまり良い影響がありません。
文章を順番に表示するようなシンプルなものは問題ありませんが、大きな動きを伴う派手な印象を与えるものは、ここぞという時だけ使うよう心がけましょう。
社内の雰囲気を伝える
会社説明会の資料で必ず伝えるべきポイントは、社内の雰囲気です。
代表的な部署の仕事の進め方など業務プロセスが伝わる内容や、職場の画像などのスライドを盛り込むようにしてください。また、社内イベントなど業務から離れた催しの紹介などもおすすめです。
学生のメモスペースがある
意外と忘れてしまいがちですが、資料には参加者がメモをとるスペースを設けるようにしてください。
参加者は自ら手を動かしてメモを取ることで、聞いた内容を記憶しやすくなったり、後から読み返すことができたりします。副次的な効果としては、「聞き手側への配慮が行き届いた会社」など、自社の印象アップにつながる可能性もあります。
会社説明会のプレゼンで意識すること
会社説明会の資料が完璧だったとしても、当日のプレゼンテーションが準備不足であれば、効果も半減してしまいます。ここからは、プレゼンテーションで意識すべきポイントを紹介していきます。
プレゼンターや司会は活躍している若手社員を選ぶ
プレゼンターや司会は参加者からの注目が集まりやすいため、活躍している若手社員を選ぶようにしましょう。
特に新卒採用の場合は生き生きとした社員が登場することで、学生から「この人と働きたい」や「自分もこの人のように成長したい」という前向きな思いが生まれます。ただしあまりにも年齢が上の社員を選ぶと、学生は自分を重ねにくくなるため、登壇するのは若手社員をおすすめします。
イメージしやすい具体例を入れる
プレゼンテーションは、学生がイメージしやすいようになるべく具体的かつ実事例を伝えるようにしてください。
まだ働いた経験がない学生は、どうしても会社や仕事を具体的にイメージをしにくい側面もあります。なるべく学生が理解できたり興味を持ったりできるよう、リアリティがある情報を話すよう心がけましょう。
企業のビジョン・ミッションを明確に伝える
企業のビジョン・ミッションは会社説明会で必ず伝えるべき内容の一つです。
参加者は事前にWebサイトや会社案内などで文字ベースでビジョン・ミッションは見ているはずです。会社説明会はそれらを直接伝えられる絶好の機会となるため、なるべく自らの言葉で熱量高めに伝えることをおすすめします。
ビジョン・ミッションの説明だけでなく、なぜ「このビジョンにしたのか」などの背景情報や、ビジョン・ミッションがよく現れているエピソードなどを伝えると良いでしょう。
ポジティブな情報だけ伝えない
会社説明会では、ポジティブな情報だけでなく、正直に自社の姿を伝えることを意識してください。
志望度を高めてもらうためにポジティブな情報ばかりを伝えたくなりますが、参加者が知りたいのはその会社の素の姿です。失敗談や会社の課題・改善点などを伝えることで、誠実な会社という印象になるばかりでなく、風土にマッチしやすい人からの応募が期待できるようになります。
社員の属性や福利厚生なども具体的に伝える
参加者から興味・感心が高いポイントとして「どんな社員がいるのか」や「どんな福利厚生メニューがあるのか」が挙げられます。
社員の年齢層や性格タイプなどの情報は、一緒に働くイメージを持つうえで重要な情報となります。また福利厚生については、単なるメニュー紹介だけでなく消化率や人気がある福利厚生メニューを伝えると、より丁寧な情報提供となるでしょう。
【NGポイント】つまらない説明会の特徴
最後に、参加者の志望度を下げてしまうような、望ましくないパターンをまとめました。
- 登壇者の印象が悪く、不安を与えてしまう
親しみやすさを出そうと言葉遣いがカジュアルになりすぎたり、質疑応答などの対応が雑だったりすると、会社の印象が悪くなってしまいます。また、新入社員や人事部以外の社員などプレゼンに慣れていない人の場合、過度に緊張しておどおどしてしまうと、「この会社は大丈夫なのか?」と感じさせてしまう懸念があります。
- 内容が「独りよがり」
自社をアピールしたいあまり、応募側の立場を考慮せず社史や事業の優位性ばかりを延々と述べていては、参加者の関心は低下してしまいます。自社の強みは、働く環境やキャリアステップ、仕事の楽しさをイメージしてもらえるようなプレゼンをすることで、自然とアピールできるようにしましょう。
- 資料を読み上げるだけになっている
スライドや動画をうまく活用できておらず、企業パンフレットを読み上げるような内容では、参加者が退屈に感じてしまいます。学生にとって会社説明会は社員と直接コミュニケーションがとれる貴重な場です。多くの参加者がパンフレットやホームページの記載内容よりも密度が濃く、実感を伴った情報を求めて来ています。ただの音読にならないよう、プレゼンの構成を工夫して臨みましょう。
会社説明会資料の作り方【サンプル付き】
会社説明会のスライドは、適切な情報を選び、業界の説明から選考に関する細かい連絡まで、自然な流れで参加者が理解できるよう構成します。以下の要領で情報を整理してみてください。
説明会資料に盛り込む内容を選定する
まずは、説明会のプレゼンテーション内で紹介する内容を選びます。
必須で盛り込む内容は「企業理解」と「採用選考の方法」です。自社が属している業界の概要や市場のトレンド、会社概要、事業領域などは、必ず内容に入れましょう。また、募集職種の仕事内容、説明会後の選考の流れなどもピックアップするようにしてください。
現場の声や紹介する事業に関するこぼれ話など、親しみやすさを持たせるエピソードは発表者用のメモ(スピーカーノート)に盛り込みます。募集職種の説明などのように、必須事項と同じレベルで扱う必要はありません。
スライド以外の資料との重複をチェック
プレゼンで紹介する項目を挙げたら、会社案内や採用パンフレットなど当日配布する資料との重複がないかを確認します。
紙の資料の記載内容と同じ情報を読み上げるだけでは、せっかく対面でコミュニケーションを取れる説明会の時間を活用しきれません。
スライドには要点のみ記載し、詳細を確認したい参加者のために適宜パンフレットのページ数を案内するなど、情報のすみ分けを工夫しましょう。
マクロ→ミクロの視点で構成する
スライドに記載する情報の粒度は、大きいものから小さいものの順序でまとめましょう。
例えば、最初に業界や市場などの「前提情報」、次に会社の立ち位置や事業概要、その後部署や職種ごとの仕事内容、などと推移させていきます。
粒度の小さい情報から先に紹介してしまったり、程度がバラついてしまったりすると、説明の中で「そもそもこの業界は……」などと流れが逆戻りしてしまいます。内容がきちんと整理されていないプレゼンは、聞き手にとってなかなかに理解しにくいものです。スライドの順番を考えるときは、話題の粒度を意識しましょう。
まとめ
会社説明会の内容は、参加者の志望度に大きく影響を与えます。用いる資料、プレゼンテーションの構成をしっかり検討して、自社で働くイメージを持ってもらえるよう工夫しましょう。
とはいえ実際に資料を作成してみて、「説明は足りているはずなのにいまいち面白くない……」と新たな悩みが出てくる経験をされた方も多いはず。そんな歯がゆさを解決するには、説明会での司会・トークを見直してみてはいかがでしょうか。
「面接や説明会で、学生(求職者)を惹きつけるトークができない場合の対処法。」では、説明会で参加者にメッセージを届けるためのポイントと、志望度を高められない原因を解説していますので、併せてご覧ください。
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