面接評価シートとは【サンプルあり】
応募者を客観的に評価するための「モノサシ」となるのが、面接評価シートです。まずは、面接評価シートの利用目的や注意点について確認しましょう。
面接時の評価項目・基準を明記したチェックシート
面接評価シートとは、面接時に確認する「評価項目」と「評価基準」を一覧にしたチェックシートのことです。面接官は面接評価シートに沿って質問・評価を行い、最終的に合否を判断します。
面接官によって評価ポイントや基準が異なると、入社後のミスマッチにつながるリスクがあります。そんなときに、面接評価シートは公平で客観的な評価を行い、自社の要件に合致した人材を見極める助けとなります。また、評価項目と基準が統一されることで、面接の振り返りが容易になり、配属時の参考資料としても活用できます。
人材要件を正確に反映させることが重要
面接評価シートを作成する際に重要なのが、人材要件に合致した評価項目をつくることです。業界や事業戦略、社風、募集職種などによって必要なスキル、経験、志向性は異なります。これらの人材要件と評価項目がリンクしていないと「自社や応募職種に必要な人材かどうか」見極めることができません。
何年も同じ評価シートを使いまわしていたり、テンプレートをそのまま活用していたりする場合は、自社が求める人材像と評価項目が合致しているか、シートが形骸化していないか見直すことをおすすめします。
面接評価シートのサンプル
面接評価シートには、おおむね以下のような項目が必要です。
項目 | チェックポイントの例 |
---|---|
1. 応募者情報 (氏名、年齢、最終学歴など) | 面接時に内容に間違いがないか確認する |
2. 選考情報 (面接日、面接官、選考ステータスなど) 面接前に社内で確認する | 面接前に社内で確認する |
3. マナー・第一印象 (身だしなみ、姿勢・態度、視線・表情、話し方・声の大きさなど) | ・スーツを着崩していないか、髪を整えるなど適度な清潔感があるか ・相手の目を見て受け答えできているか ・面接官に届く大きさの声で話しているか |
4. 志望動機 | ・当社を志望する理由が明確か ・筋道を立てて説明ができているか ・深堀りの質問にも根拠を持って答えられるか |
5. 自己PR | ・アピールポイントを端的にまとめられているか ・良さ、強みを今後どう発揮するかのイメージができているか |
6. 成功体験 | ・単なる体験にとどまらず、成功要因を分析し、当社においても再現することができそうか |
7. 失敗体験 | ・エピソードだけでなく、失敗に対してどのように対処し、乗り越えたか |
8. 人材要件(評価項目、評価基準、質問例) | ・求めるスキル、経験、志向性と合致しているか ・コンピテンシーに照らし合わせた評価 |
9. 面接官コメント記入欄 | チェック項目だけでは不十分な場合の補足や、特に印象に残ったことなどを記入 |
10. 合否欄 | すべての項目を踏まえ合否を記入 |
基本を押さえつつ、カスタマイズしやすい面接評価シートの採用サロンオリジナルサンプルはこちら→「面接評価シート【サンプル】」
面接評価シートの作成方法
それでは実際に、自社に合った面接評価シートを作成する手順について解説します。
【STEP1】評価項目を一覧にする
まずは、評価項目を俯瞰します。この時点では優先順位をつけず、幅広くフラットに項目を洗い出すことが重要です。一般的には下記のような項目に分類されます。
※履歴書などの提出書類、適性検査などで判断できる項目も含まれます。
知識 | コミュニケーション能力 |
---|---|
教養・一般常識 専門知識 語学力 | 傾聴力 表現力 協調性・柔軟性 交渉力・折衝力 |
行動力 | 思考力 |
主体性・積極性 向上心・チャレンジ精神 リーダーシップ 責任感 | 論理的思考 仮説思考 課題解決思考 創造力 |
その他 | |
ストレス耐性 ビジネスマナー 第一印象 |
また、業界や企業規模を問わずに利用できる評価項目としては、経済産業省が提唱する「社会人基礎力」が参考になります。これは「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として2006年に発表されたもので、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力と、それらの能力を構成する12の要素に分解されます。
Ⅰ.前に踏み出す力(アクション) | 一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力 |
---|---|
1. 主体性 2. 働きかけ力 3. 実行力 | 物事に進んで取り組む力 他人に働きかけ巻き込む力 目的を設定し確実に行動する力 |
Ⅱ.考え抜く力(シンキング) | 疑問を持ち、考え抜く力 |
4. 課題発見力 5. 計画力 6. 創造力 | 現状を分析し目的や課題を明らかにする力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力 新しい価値を生み出す力 |
Ⅲ.チームで働く力(チームワーク) | 多様な人々とともに、目標に向けて協力する力 |
7. 発信力 8. 傾聴力 9. 柔軟性 10. 情況把握力 11. 規律性 12. ストレスコントロール力 | 自分の意見をわかりやすく伝える力 相手の意見を丁寧に聴く力 意見の違いや立場の違いを理解する力 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 社会のルールや人との約束を守る力 ストレスの発生源に対応する力 |
出典:経済産業省『社会人基礎力』 より作成
【STEP2】人材要件を明確にする
面接の評価項目を決めるにはピックアップだけでは不十分で、人材要件と照らし合わせる必要があります。人材の要件定義には、さまざまなアプローチ方法があります。
事業計画から今後必要になるスキル・経験・志向性を絞り込む方法や、自社で高い業績を残している社員がどんな項目で優れているか照らし合わせる方法など、自社に合った方法を見つけてください。
※人材要件を定義する方法について詳しくは→「人材要件の作り方 MUST/WANTの使い分けやペルソナ設定のコツ」
【STEP3】評価項目を選定する
STEP1の評価項目から、STEP2の人材要件に適合するものを絞り込み、自社独自の評価項目とします。さらに、絞り込んだ項目の優先度の順位づけも行います。
【STEP4】評価基準を定める
面接の評価基準として、5段階評価など数値で表せる定量評価と、面接官の所感を自由に記入できる定性評価をどちらも取り入れましょう。
このとき、面接官による判断のバラつきを抑えるために、定量評価の判断基準を明確にすべきです。例えば5段階評価なら、自己PRでは自身の経験を交えて回答できたら「3」など、中間の基準を具体的にすることで、低~高評価の段階を設定しやすくなります。
【STEP5】質問例を挙げる
面接を担当するのは、必ずしも面接に慣れている人事・採用担当者とは限りません。各項目を確認するための質問例をいくつか例示しておくと、初めて面接を担当する人もスムーズに対応できるでしょう。
※質問例について詳しくは→「中途採用の面接官になったら? 準備からコツ、効果的な質問」「採用面接の流れ 新卒・中途への質問やマナーも紹介」
まとめ
面接評価シートには、応募者の評価項目と基準を統一することで、面接官の主観による評価のズレを防ぎ、面接の質を安定させる効果があります。自社の人材要件に合致したシートを作成することで、採用効率を高めましょう。
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