人材要件の作り方 MUST/WANTの使い分けやペルソナ設定のコツ COLUMN

公開日:2020.02.05

更新日:2020.07.28

人材要件の作り方 MUST/WANTの使い分けやペルソナ設定のコツ

採用活動を行うための骨子となる「人材要件」。これがなければ採用は成立しないといっても過言ではありません。しかし、人材要件を作成するには企業理念からスキルまで幅広い要素を落とし込まねばならず、なかなか自社にとって理想的なものができないと苦労されることもあるのではないでしょうか。

この記事では、人材要件を作るための基礎知識を改めて振り返り、流れをまとめています。作成経験のある方は復習用として、初めて挑戦される方は予習や全体像の把握にぜひご覧ください。

目次

人材要件とは

人材要件とは、企業理念や経営戦略をベースに、スキルや人物像などを含んだ採用ターゲットの条件全体のことです。いわゆる「求める人物像」として提示している企業も多くあります。

ペルソナは人材要件に含まれるキャラクター(の設定方法)であり、コンピテンシーは優秀な社員の特徴をモデル化したものです。人材要件は、個々の条件や作成の手法も加味した包括的な条件なのです。

人材要件の作成が採用に欠かせない理由

人員計画(採用計画)は中長期的な経営戦略と連動するものであり、業績向上や目標達成のためにどのような人物をどれだけ採用するか、という指針がなくては採用活動を始められません。採用広報の推進や選考基準の策定なども、理想の人物像に当てはまる人の獲得を目指して行われます。

人材要件を設定しないまま採用活動を進めてしまうと、かじ取りや振り返りが困難になってしまいます。社員の負担増加、ミスマッチや早期退職のリスクにもつながりかねないため、手間や時間を要しても取り組むべき過程だといえます。

人材要件の作り方

人材要件に盛り込むべき要素は多岐にわたります。要件を固めていくにはスケールの大きな段階から細かい段階へと落とし込み、具体化するよう意識しましょう。幅広いアイデアを出す作業方法としては「ブレインストーミング」などの手法があります。

企業理念・経営戦略を確認

まずは、企業の方向性と採用計画が連携し、矛盾や非現実的な設定が生じていないか確認しましょう。採用の背景と目的を明確化することも重要です。新規事業開発や社員の退職によるリソース減少が背景に当たり、長期的な増員や短期的な人員の補充などが目的になります。

条件をMUST/WANT/NEGATIVEに分類

最初に整理した採用の目的、採用を通した業績向上を達成するにはどのようなスキルや経験を持った人材が必要か、これまでの採用実績や現場へのヒアリングを通してピックアップします。

一通り条件が挙がったら、それらを優先順位付けします。業務に欠かせない条件は「MUST(必要条件)」、あると望ましい条件は「WANT(十分条件)」、評価する必要のない項目は「NEGATIVE(不要)」として分類すると優先度が明確になります。

個々の条件は無難なレベルでも、条件の数が増えると複数をすべて持ち合わせている確率は下がってしまいます。業務に必要なスキルを持っているのに、条件の一部が合わないからと採用を見送ると、機会損失を生み出してしまうかもしれません。優秀な人材の流出を回避できるよう、条件の優先順位付けは不可欠です。

人物像を設計

スキルとその優先度を決定したら、定量的には測れない「人柄」の部分も検討します。これにより、条件面が合致する候補者のうち、社風に合うタイプの人を選びやすくなります。

人物像を設計するには、以下のような方法があります。

ペルソナ設計

ペルソナとは仮定の人物像(の設定)で、主にマーケティングで使われる手法を採用に応用したものです。ここまで整理した条件を足がかりに、性格や興味関心、家族構成、学校や前職での経験、仕事や生活に対する価値観、趣味や休日の過ごし方など「キャラクター」を作り上げるように設定します。実際に活躍できる人物像とずれないよう、現場の社員に作成やチェックの協力をしてもらいましょう。パターン数や更新の頻度は、必要に応じて決定してください。
設計の助けになる「ペルソナ設計シート」は、こちらからダウンロードできます。

ペルソナが設計できたら、面接の質問を考えたり、選考で通過者を絞り込んだりするときに活用しましょう。

コンピテンシーモデル

コンピテンシーとは、「優秀な人材が持つ考え方や行動の特性」のことです。企業においては上位クラスの営業成績を出すなど高いパフォーマンスを発揮している社員の行動・考え方=仕事の進め方がコンピテンシーとなります。ヒアリングなどを通じて行動特性を集約・整理し、採用する職種に合わせてモデル化したのが「コンピテンシーモデル」です。

「コンピテンシーモデルを作るには、対象の社員本人や上司、同僚にヒアリングを行い、ある状況でどのような考えに基づきどのような行動を取るか、を探ります。採用においては、「このような状況のとき、あなたはどのような行動をとりますか」などと質問し、コンピテンシーモデルに近いかどうかで適性を判断することができます。

<行動特性の例>

Q.営業先で提案した商品の導入を断られた場合、どのようにフォローするか?

A.そのまま押し続けても印象が悪化するだけと考え、同じ商品で食い下がることは控える。「それではこのような困りごとではお役に立てるのではないかと思います」と別の商品を案内し、その場で契約に至らずとも「いざという時に相談できる」相手として覚えてもらえるように話題を切り替え、後日の訪問につなげる。そのためにも、業界研究や商材理解は怠らないようにしている。

競合分析/訴求点の明確化

人材の必要十分条件、人柄や行動特性をまとめることで、採用ターゲットに届く訴求点をより明確にすることができます。このターゲットなら自社のどのような点に魅力を感じそうか、人材要件に照らし合わせて取捨選択しましょう。強み・弱みをまとめ、相手の人柄によってはあえて弱みを見せることが「この会社は良い面だけでなく、課題も含めて伝えてくれる」と好印象に捉えてくれる可能性もあります。

人材要件を作成するときのポイント

それでは、新卒、中途の人材それぞれで、人材要件を作成するときに気をつけるべきポイントを紹介します。

新卒採用では伸びしろを重視する

新卒は基本的にポテンシャル採用となるため、多くの「条件」を満たす人材を探すのは困難です。そのため極力条件を絞ったうえで、「先天的な要素」を重視し、「後天的な要素」はハードルを下げて採用に臨みましょう。先天的な要素が人材要件と合致していればその他の部分は入社後の教育で伸ばすことができますが、逆は難しいためです。

例えば研究職やアナリストを採用する場合、専門分野の学力が高く研究に没頭できるような人はビジネスマナーや業務知識を教えることで育成できますが、研究所にこもることが苦手で人と話すのが好きという人には苦痛になってしまいます。

適材適所の配置ができるよう、「最初から備わっていてほしい素質」と「後から育てられるスキル」を見極めましょう。

中途採用はスキルと意欲のバランスをとる

中途採用の場合は即戦力としての活躍を期待することが一般的です。そのため仕事の経験、理解度などのスキルが人材要件と合致していて、かつ自社で働くことへの熱意が強い人を選ぶようにしましょう。

新卒と異なり、スキル面の条件にある程度合致する人材は多くなります。同時に他社を経験している分、「社風と合わない」と感じると離職してしまう可能性があるため、欠かせないスキルと意欲の両方のバランスをとるように意識してください。

まとめ

人材要件作成の流れとポイントをおさらいしました。一つ一つプロセスを踏んで人材要件を作成することが重要ですが、それだけではどうもうまくいかない……と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ターゲット像を作る過程で発生する悩みを解決するヒントを「欲しい人材からの応募がこない」を解決する方法。」で紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。

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