リクルーターとは?
リクルーターとはどのような人を指すのでしょうか。ここでは、リクルーターの意味や役割を解説します。
求職者と直接コミュニケーションを取る社員
リクルーターとは、求職者と直接コミュニケーションを取って採用活動の一部を担当する社員です。リクルーターは以下に挙げる取り組みをするのが一般的です。
・出身大学に行き、学生との接点を作る
・求職者の就活相談に乗る
・自社の魅力を伝える
・内定者フォロー など
新卒採用では、同じ大学の出身者や学生と年齢が近い入社2~3年目の社員を選ぶのが一般的です。中途採用では、自社への思い入れが強く求職者にポジティブなイメージを与えられる社員を選びます。リクルーターの詳しい選び方や育成のポイントについては「リクルーター制度を始める前に!知っておきたい基礎講座」をご覧ください。
リクルーターの3つの役割
リクルーターは以下3つの役割を担っています。
(1)母集団形成
(2)企業理解の促進
(3)内定率の向上
人材確保のためにはリクルーターがこれらの役割を果たすことが重要です。3つの具体的な役割を紹介します。
(1)母集団形成
リクルーターの役割は、求職者に直接アプローチして自社の認知度を高め、母集団を形成することです。母集団形成のためには、まず求職者に自社を認知してもらう必要があります。リクルーターは自身の所属していた部活動・ゼミへの訪問や説明会参加者への個別面談などで自社の認知度を向上し、母集団形成に貢献します。
合同説明会や就活サイトでの母集団形成よりも、自社にマッチしそうな人材に直接アプローチできるリクルーターのほうが質の高い母集団形成が期待できます。
(2)企業理解の促進
求職者が知りたい情報について詳細に説明し、求職者の企業理解を深めることもリクルーターの役割です。企業説明会は時間が限られている上に、大勢に向けた内容なので求職者によっては欲しい情報が得られず、志望度向上につながりません。しかし、リクルーター面談であれば、求職者は気になる点について徹底的に質問でき、企業理解が深まるだけでなく企業のイメージアップや志望度の向上が期待できます。
(3)内定率の向上
内定者が入社するまでの期間中にさまざまなフォローを入れ、内定辞退を防ぐ役割があります。内定を出してから入社するまでに数か月かかるのが一般的です。この期間に不安が募り、内定を辞退する人もいるため、内定者フォローが重要になります。内定者フォローとは、入社までの期間中に定期的に内定者と連絡を取る、既存社員や内定者同士の交流の場を設けるなどのフォローをして内定者の不安を払拭する取り組みです。
リクルーター制度導入のメリット・デメリット
リクルーター制度にはメリット・デメリットがあるため、導入を検討している採用担当者の方は、双方を理解しておきましょう。
リクルーター制度のメリット2つ
まずは、リクルーター制度のメリットとして以下の2つについて紹介します。
(1)求職者とのコミュニケーションを密に取れる
(2)選考を簡略化できる
(1)求職者とのコミュニケーションを密に取れる
リクルーター制度を活用すると求職者と密にコミュニケーションができ、志望度の向上やミスマッチ防止に役立ちます。求職者にとってリクルーターは、就職活動のさまざまな不安を気軽に相談できる貴重な存在です。リクルーターがES(エントリーシート)の添削や面接対策などを実施すると、求職者は親身になってくれていると感じ、企業に良いイメージを抱くようになります。
また、求職者と年齢の近い社員をリクルーターにすると、求職者の本音を引き出しやすくなります。面接では見抜けなかった求職者の価値観や行動特性が分かれば、入社後の配属先決定に役立ちます。
(2)選考を簡略化できる
リクルーター面談を通して求職者が自社の採用基準を満たす人材と分かれば、選考を簡略化して、早い段階で優秀な人材を採用できる可能性が高まります。
通常の選考では、書類選考と複数回の面接を経て採用が決定します。応募から採用までの期間が長いと、求職者が他の企業に流れてしまう可能性があります。リクルーター経由で選考に参加している求職者は、志望度や能力が一定以上であると見込めるため選考をスキップしてもらうことが可能です。
リクルーター制度のデメリット2つ
これらのメリットがある一方で、以下2つのようなデメリットもあります。
(1)リクルーターによっては悪い印象を与える
(2)リクルーターの選定と教育に時間がかかる
デメリットの具体的な内容について解説します。
(1)リクルーターによっては悪い印象を与える
リクルーターの対応によっては求職者にマイナスイメージを与える可能性があります。近年問題になっているのが、就活パワハラやセクハラです。私的な用件で求職者にしつこく連絡する、評価を下げると脅すなどの行為が実際に起きており、会社としての信用を損なう事態になっています。人事担当者は責任を持ってリクルーターの選定と教育をしなければなりません。採用活動に関わる社員を対象に、ハラスメント防止研修やハラスメントになる行為の共有などの対策を行ってください。
(2)リクルーターの教育に時間がかかる
リクルーター制度では、リクルーターの質を一定に保つための教育に時間がかかってしまいます。新卒採用の場面では、採用に関する知識の少ない若手社員がリクルーターとして選ばれがちです。求職者とのコミュニケーションの取り方やフォローの仕方、人材を見極めるポイントなどある程度の能力・スキルを身に付けてもらうために、教育に時間がかかってしまいます。
リクルーター面談実践のコツ
リクルーターの役割や導入のメリット・デメリットを理解できたところで、リクルーター面談を通して、より多くの優秀な人材に選考に参加してもらうためのコツを紹介します。
目的に応じた採用フェーズで実施する
リクルーター面談を目的に応じた採用フェーズで実施すると、より多くの優秀な人材に次の選考に進んでもらえます。ここでは、「スカウト」「説明会」「面接」のフェーズで実施するリクルーター面談の特徴について紹介します。
スカウト
優秀な人材をスカウトしたい場合にリクルーター面談が有効です。スカウトは、採用基準を満たす求職者に自社を認知してもらい、選考に参加してもらえるように促すための活動です。リクルーターは、出身大学や求職者データベースなどから自社の求める人材を見つけてコンタクトを取り、選考参加を促します。
説明会
自社に関心を持つ人材向けにより詳しい説明会を実施したい場合にもリクルーター面談が有効です。リクルーターは業務内容やキャリアについて、実際に働いているからこそ分かるポイントを交えての説明を心がけてください。インターネットで調べても出てこない情報を伝えると、求職者が入社するかの判断材料が増え、ミスマッチ防止に役立ちます。また、情報を提供することで求職者はリクルーターが親身になってくれていると感じ、自社への魅力が高まる可能性があります。
面接
自社に高い関心がある優秀な人材と早い段階で面接するのにリクルーター面談を活用できます。面接では、カフェやレストランで複数名の求職者とじっくり話して、求職者の人柄が自社に合いそうかを見ます。自社にマッチするのであれば、なるべく早く採用できるように書類選考や一次面接をスキップします。
面談時に見るべきポイントを押さえておく
リクルーター面談時に見るべきポイントを押さえておくと、選考に進める人材を人事側である程度コントロールできます。具体的には、「求職者が自社に興味を持っているか」「自社の社風にマッチしそうか」の2点を押さえるようリクルーターに伝えると選考時に自社に合った人材かを見極めやすくなります。2つのポイントの内容や有効な質問を紹介します。
求職者が自社に興味を持っているか
求職者の志望度が高ければ、選考途中や内定後に辞退されるリスクの軽減が期待できます。リクルーター面談では、求職者の志望度を測るために自社に興味を持っているか以下に挙げる質問をして確認します。求職者の返答が自社の理念を踏まえた説得力のある内容であれば、事前に下調べをしたことが伺えるため、自社に興味を持っている可能性があります。
・自社に興味を持った理由を教えてください。
・入社後はどんな仕事をしたいと考えていますか?
・他に興味のある業界、企業はありますか? など
自社の社風とマッチしそうか
入社後のミスマッチを防ぐために自社の社風にマッチしそうな人柄かを確認します。入社後のミスマッチが起きる原因の一つとして、人間関係がうまく構築できないことが挙げられます。書類や面接では自分をよく見せようとする求職者もいるため、以下に挙げる質問をすると、面接や書類上では見られない求職者の人柄や性格の一面を垣間見られます。
・友人からどんな性格と言われますか?
・論理的な主張と感情的な主張どちらに心動かされますか?
・今までチームでやり遂げたことはありますか?そのときどんな工夫をしましたか?
・最近面白かったニュースを教えてください。 など
まとめ
リクルーターとは、求職者と直接コミュニケーションを取って採用活動する社員です。リクルーターは、母集団形成や求職者の企業理解の促進、優秀人材の囲い込みなどに有効です。ただし、リクルーターの質が低いと求職者にマイナスイメージを与えるため、リクルーターの質を一定に保てるように教育が必要です。
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