インナーブランディングとは?メリットや実施手順などを紹介 COLUMN

公開日:2021.06.25

更新日:2021.06.25

インナーブランディングとは?メリットや実施手順などを紹介

社内向けのブランディング活動であるインナーブランディング。言葉自体は耳にしたことがあっても、その効果や手法などについては理解できていない人事の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、インナーブランディングの意味や期待できる効果、インナーブランディング実施の手順と手法などを紹介します。

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目次

インナーブランディングとは?

インナーブランディングは、社内に向けたブランディングです。ここでは、インナーブランディングの概要や見込める効果、デメリットを紹介します。

社員に企業理念を浸透させるための活動

インナーブランディングとは、自社の社員に対して、企業理念を浸透させるための活動です。社員が自社に愛情や誇りを感じる、企業理念に沿った行動ができるようになるといった効果が期待できます。社内コミュニケーションが希薄化している現代で、社内が一丸となって業務に取り組むためにインナーブランディングが実施されています。

インナーブランディングで見込める3つの効果

インナーブランディングで見込める効果として、「商品やサービスの質が向上する」「社員のモチベーションが向上する」「アウターブランディングの効果が上がる」の3つが挙げられます。それぞれについて詳しく説明します。

【1】社員が企業理念に沿った行動をとる

インナーブランディングを実施して企業理念やビジョンなどについて社員が理解すると、それらに沿った行動を自発的にとれる人材になります。例えば、新たな商品やサービスを思いつく、既存の商品やサービスの改善点を見つけるなど、自社の商品やサービスの質向上につながります。また、自身の業務が企業理念に沿ったものになっているかと真剣に向き合い、業務効率化や業務改善の促進にも効果的です。

【2】社員のモチベーションが向上する

インナーブランディングによって、社員が自社に対して愛着や誇りを持てると、「業績アップのために頑張ろう」「自社が実現したい社会のために頑張ろう」など、モチベーション向上につながります。自社に対して愛着や誇りを持つ社員が増えれば、社員定着率の向上も期待できます。やりがいを感じている社員が多く、離職率の低い職場は求職者にとって魅力的です。そのため、人材を安定して確保して、事業を進められるようになります

【3】アウターブランディングの効果が上がる

インナーブランディングは、結果的にアウターブランディングの効果向上にも役立ちます。

アウターブランディングとは、社外の顧客や消費者に向けて商品やサービスの価値をアピールする活動です。ブランドロゴやCM、キャッチコピーなどがアウターブランディングに当たります。

インナーブランディングによって、自社の価値を理解できると、社員は自社の商品やサービスについて愛着や誇りを持って外部に情報発信できます。社員が愛着や誇りを持って発信する姿は、顧客や消費者に好印象を与えるため、アウターブランディングの効果が高まります。

インナーブランディングの2つのデメリット

インナーブランディングには前述した3つの効果が見込める一方で、コストや時間がかかるデメリットもあります。それぞれのデメリットについて紹介します。

【1】コストがかかる

インナーブランディングのデメリットは、方法によっては費用や人的コストがかかることです。企業理念やビジョンを全社員に伝えるために、社内報やポスターを制作するケースは分かりやすい例といえます。本来やるべき業務がおろそかになったり、必要以上に費用をかけたりしないために、社内のリソースや達成すべき目標を把握した上で実施すると最低限のコストに抑えられます。

【2】効果が出るまでに時間がかかる

インナーブランディングのもう一つのデメリットは、全社員に企業理念を浸透させるのに時間がかかることです。インナーブランディングを実施するまでの準備にも時間がかかりますし、実施後に社員の考え方が変わるまでにもある程度の時間が必要です。どれくらい浸透しているかを明確な数字で測るのも困難なため、インナーブランディングを実施するときは、中長期的な計画を立てて、根気強く取り組む必要があります

インナーブランディング実施の手順と手法

ここでは、インナーブランディング実施の手順や代表的な手法について、ポイントや効果を紹介します。

インナーブランディングの4つの手順

インナーブランディングを適切に実施するには、「自社の現状を把握」「企業理念・ビジョンの検討」「施策の決定」「効果測定」の4つの手順を踏むのが効果的です。

【1】自社の現状を把握

企業理念やビジョンが浸透しているか、浸透を阻害している要因は何か、理念そのものの評価などをヒアリングやアンケートで社員に確認し、社内での浸透度を把握します。ヒアリングやアンケートで社員のリアルな声を集めて、今の理念に社員が共感しているか、社員が目指したい姿とのギャップはあるかなどを確認できます。これらを把握せずに、経営層の判断だけで理念の浸透を進めても効果は期待できないため、ヒアリングやアンケートは確実に実施してください。アンケート実施時は、社員の本音を引き出すために無記名とするのも一つの手です。その場合、年代や性別、部門などは、傾向を把握するために明記してもらう必要があります。

【2】浸透させる企業理念・ビジョンの検討

自社の現状を把握し、自社の商品やサービスの核となる価値観や強み、顧客に提供している価値は何かを踏まえて、浸透させるべき企業理念やビジョンを決定します。現在の企業理念・ビジョンが社員に受け入れられていない、時代にそぐわないなど、やむを得ない場合は企業理念の刷新も視野に入れなければなりません。

また、浸透させる企業理念やビジョンは明確にする必要があります。インナーブランディング実施時に浸透させる企業理念やビジョンが曖昧だと、社内の認識がばらばらになる可能性が高いため効果が期待できません

【3】具体的な施策を決定

浸透させる企業理念やビジョンを社員に浸透させる具体的な施策を決定します。このとき、一つの施策を実施するか、複数の施策を組み合わせるか、コストはどれくらいかけられるかなどを考慮します。施策例として、社内報の発行や集団研修などが挙げられます。他の代表的な手法や効果は、「インナーブランディングの代表的な手法」で紹介します。

【4】定期的な効果測定

定期的にアンケートやヒアリングを実施して、施策の効果を見たり、改善点を洗い出したりします。インナーブランディングは時間がかかるため、継続的な取り組みが重要です。1年後に効果測定し、社内への浸透度が高まっていれば、現在の施策をさらにブラッシュアップし、変化が見られなければ改善策を考えます。PDCAサイクルを回しながら、企業理念が浸透するまで粘り強く取り組むことが大切です。

インナーブランディングの代表的な手法

インナーブランディングの代表的な手法として日報や社内イベント、社内報などが挙げられます。ここでは、代表的な手法の概要と実施する上での注意点を紹介します。

日常的にできる取り組み

インナーブランディングの代表的な取り組みに日報やサンクスカードといった日常的にできる施策があります。

▼日報
日報は他の社員がどんな業務を行っているか、どんな考えを持っているかを把握するのに効果的です。社員の日報に対して経営者がコメントを返すと、社員と経営者の相互理解を深められます。しかし、社員が日報を書くのに時間がかかる、経営者や上司が確認する量が多く読みきれない問題も発生しかねません。日報の共有範囲を部署やチームなどに限定しておくと、無理なく運用できます。

▼サンクスカード
サンクスカードは直接言いにくい感謝の気持ちをカードで伝えて社員同士のつながりを深めるものです。ポジティブなやり取りが増えるため、社内の雰囲気が良くなり、会社への愛着を湧かせる効果が期待できます。ただし、手間になる、恥ずかしくて使えないなどの理由から利用率が下がるケースも珍しくありません。運用時は社内ルールを設定する、社内ポータルに掲示板を用意して気軽に送れる仕組みにするなどの工夫が必要です。

社内イベントやワークショップの実施

代表的な取り組みとして、社内イベントやワークショップなども挙げられます。社内イベントやワークショップを開催すると、企業理念の浸透やコミュニケーションの活性化が期待できます。

▼社内イベント
社内イベントは、上司・同僚・部下の業務面以外の一面を知る機会となり、関係性を深められます。花見やバーベキューといった食事をメインとするイベントから、運動会やフットサル大会など体を動かすイベントまで幅広く行われています。イベント後もその話で盛り上がれるので、社内コミュニケーションも活性化します。

▼ワークショップ
ワークショップは、課題解決のために社員同士が意見交換する取り組みです。お互いが持っている自社のイメージを共有できるので、社員間で企業理念やビジョンの共通認識を形成するのに効果的です。業務改善について話し合うワークショップやチームコミュニケーションを高めるために暗闇の中で話し合うワークショップなどが行われています。ワークショップは、意見を交換するためのものなので、誰でも意見を出しやすいリラックスできる雰囲気作りが重要になります。

定期的な社内報の発行

インナーブランディングでは社内報を定期的に発行する手法もよく用いられます。社内報を定期的に発行すると、企業理念やビジョンを繰り返し社員に伝えられます。インナーブランディングに有効な社内報のコンテンツとして以下が挙げられます。

・社長や役員からのメッセージ
・社内制度紹介
・業界動向
・業務紹介
・社員や経営層へのインタビュー
・健康対策
・イベントレポート など

インタビュー記事を掲載すれば、他部署で働く社員の業務内容や頑張り、経営層の考えを伝えられるので社内理解を深めるのに効果的です。また、社内報で社員の趣味紹介や他己紹介などを掲載すると、部門を超えたコミュニケーションが生まれやすくなります。

ただし、社内報を発行しても興味を持ってもらえない、内容がマンネリ化して読む人が減るなどの懸念があります。上記のような社員が自分にとって有益と思える内容や愛着が湧きやすい内容を盛り込むとマンネリ化の防止につながります。

愛着が湧くようなポスターや動画の作成

馴染み深いポスターや企業理念を盛り込んだ動画は、自社理解の促進や自社愛の醸成に役立ちます。

▼ポスター
ポスターは社員の目に入りやすい場所に貼っておくと、浸透させたい情報を意識させるのに効果的です。さらに、有名デザイナーや漫画家に依頼すると社員の興味関心を惹きやすくなります。ただし、貼りすぎると煙たがられるケースもあるので注意が必要です。

▼動画
動画を社内で協力して制作すると、自社の企業理念やビジョンが何かを再確認する機会になります。また、採用活動の際に自社の企業理念やビジョン、雰囲気を伝えるのにも活用可能です。情報を詰め込みすぎると、メッセージが伝わらない、長くなり途中で見るのをやめてしまうなどの可能性あるため、目的を明確にし、伝えたいメッセージを軸にして制作してください。

社内ポータルサイトの導入

社内ポータルサイトの導入もインナーブランディングで役に立ちます。社内ポータルサイトに企業理念やビジョン、会社の歴史を紹介すると社員の理解を深められます。さらに、社員に役立つ福利厚生の情報やマニュアル、事業に関する最新情報などを掲載すると使用率の向上にもつながります。ただし、社内の重要な情報を多く掲載するので、セキュリティを厳重にする必要があります。

インナーブランディングの成功事例

社員が愛着や誇りを持って働いている企業のインナーブランディングの事例として、カルビー株式会社の社内報Loopとオリエンタルランド株式会社の社内イベントを紹介します。

カルビー株式会社|社内報Loopで役立つ情報を発信

カルビーが隔月で発行している社内報Loopでは、社員に役立つ情報や自社の活動内容、社員の結婚・出産などを発信して、社員が自社に愛着を感じる工夫がされています

カルビーでは1970年から社内報を発行しており、2018年度からは「私の生活を豊かにする情報がたくさんつまってる。これを読むと、元気や勇気がもらえて、カルビーをもっと好きになる」をコンセプトに情報網羅型の社内報から、社員に役立つ特集内容や親しみやすいデザインに一新しました。「社内報を読んで、明日から頑張ろうと思った」「社内報で紹介されていた〇〇さんのようにやってみる」といった意見が社員から寄せられており、モチベーションアップや自発的な行動を促していると分かります。

株式会社オリエンタルランド|大規模社内イベントで一体感を醸成

オリエンタルランドでは、上司が感謝を伝える社内イベントを通してキャストのモチベーションを高めています

中でも、サンクスデー・アンド・ウィークというイベントは、上司がキャストに感謝を伝えるためのイベントです。閉園後のパークで上司や役員がキャストをおもてなしして、セレモニーやスペシャルメニューなど通常と違うパークを楽しめる工夫をしています。参加したキャストからは、「日頃の感謝の気持ちが伝わってきて楽しい」「やる気が湧いてくる」といった意見があり、自社への愛情の醸成やモチベーション向上につながっていると分かります。

まとめ

インナーブランディングとは、自社の社員に対して企業理念やビジョンを浸透させるための活動です。インナーブランディングは効果が出るまでに時間がかかるものの、成功すれば社員が企業理念やビジョンに沿った行動を取るようになったり、アウターブランディングの効果が上がったりなどの効果が見込めます。今回紹介した手順や手法を参考にインナーブランディングに取り組んでみてください。

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監修/中森規仁(中小企業診断士)

コピーライター、人事(採用担当)を経て、株式会社クイックに入社。ディレクターとして、求人広告や採用企画(採用プランニング・採用ツールのご提案)に携わる傍ら、経営戦略にひもづいた人材採用・活用のコンサルティング業務にも従事。2018年より本メディアの編集・執筆も兼任。

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