インターンシップの定義|目的・実施時期・給料・募集方法も解説 COLUMN

公開日:2020.12.16

更新日:2023.07.11

インターンシップの定義|目的・実施時期・給料・募集方法も解説

今やほとんどの企業が学生との早期接触のため、インターンシップを実施しています。しかし、まだインターンシップを実施したことがなく「どのように実施すればいいか分からない」「実施の注意点は?」とお悩みの採用担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、インターンシップの種類や目的、注意点などについて解説します。

目次

インターンシップとは

文部科学省が公表している「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」によると、インターンシップとは「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」を指すようです。

興味がある業界や、将来就きたいと考えている職種の業務を体験できるインターンシップは、学生にとって、職業適性を考えたり、企業理解を深めたりする機会になります。

以下、文部科学省の資料を参考に「インターンシップの種類」と「目的」を説明します。

インターンシップの種類

インターンシップは、大きく3種類あります。

1.大学等における正規の教育課程として位置付け、現場実習などの授業科目とする場合
つまり、参加すれば大学の単位が認定されるインターンシップを指します。

 

2.大学等の授業科目ではないが、学校行事や課外活動等大学等における活動の一環として位置付ける場合
つまり、正規の授業科目ではないものの、大学や大学院などの活動の一環として位置付けられるインターンシップを指します。

 

3.大学等と無関係に企業等が実施するインターンシップのプログラムに学生が個人的に参 加する場合
つまり、大学や大学院などは関与せず、企業が主導して実施するインターンシップを指します。

※文部科学省「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」より抜粋(一部編集、加筆)

企業がインターンシップを行う目的

企業がインターンシップを行う目的としては以下の3つが挙げられます。

実践的な人材の育成

業種・職種・企業の理解促進や、ビジネススキルの習得などに役立つインターンシップは、実社会で生かせる能力の醸成につながります。インターンシップに参加した学生が新入社員として入社した場合、早い段階で戦力となることが期待できるでしょう。

大学等の教育への産業界等のニーズの反映

インターンシップを通じて大学・大学院などと連携すれば、業界動向を踏まえた最新のニーズを大学や大学院などに伝えることができます。教育現場にニーズが反映されれば、自社の求める人材が輩出されるようになるかもしれません。

企業等に対する理解の促進、魅力発信

会社説明会や採用サイトからでは分からない「社内の雰囲気」や「業務内容」などを肌で感じることができるため、企業に対する理解促進につながります。特に中小企業やベンチャー企業にとっては、学生に自社の魅力を知ってもらう良い機会となるでしょう。自社への志望度が上がる魅力的なインターンシップにすれば、応募者数の増加も期待できます。

インターンシップを行う際の注意点

ここでは、インターンシップを実施するにあたり必ず押さえておきたい5点を紹介します。

いつから実施するのかを決める

まず、インターンシップの実施時期を決めましょう。このとき、文部科学省が示している「インターンシップ実施時期についての考え方」を押さえておくことが大切です。

【インターンシップの実施時期についての考え方】

インターンシップの教育目的、全体の教育課程との関係、企業等の受け入れ可能時期との関係等を検討した上で、適切な時期を選択する必要がある

※文部科学省「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」より抜粋

リクナビが2019年卒の内定者1,239人に「インターンシップの参加時期」についてアンケートしたところ、8月・2月と回答した学生が多いことが分かっています。また、インターンシップを実施する時期に8月と回答した企業が多いことからも、インターンシップ実施時期の1つの目安として、「学生の長期休み」があります。

ちなみに、就職みらい研究所の「2020年度インターンシップの見通し」によると、新型コロナウイルスの影響で、インターンシップを実施すると回答した企業は16.8%にとどまっていますが、実施すると答えた企業の41.3%が昨年度と同時期にインターンシップを開催すると回答しています。対面によるインターンシップを行う際は、学生や社員の健康・安全への配慮を第一に、新型コロナウイルス感染症の発生状況を確認した上で実施時期を検討しましょう。

給料の有無を決める

学生が「労働者」とみなされるかどうかで、給料の有無が変わることを押さえておきましょう。

【労働者の定義】

一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生の間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられる(旧労働省平成9年9月18日基発第636号)

※経済産業省「成長する企業のための インターンシップ活用ガイド活用編」より抜粋

「業務に関する指揮命令を受けている」「企業に利益が発生する業務を行っている」などの場合は「労働者」とみなされるため、給料を支払います。

企業が支払う給料の相場は、時給にして1,000円~2,000円程度、日給であれば5,000円~1万円程度になります。

募集方法を決める

インターンシップを募集する際は自社に合った方法を選択しましょう。募集方法として、求人媒体や自社採用サイト、大学のキャリアセンターなどがあります。以下、それぞれの特徴を簡単に紹介します。

求人媒体

求人媒体は媒体ごとにターゲットや特徴、料金形態が異なります。幅広く募集をかけたいなら「大手メディア」を、理系の学生に向けて募集をかけたいなら「理系学生に特化したメディア」を選ぶという具合に、ターゲットに合わせて最適な媒体を選ぶことが可能です。中には無料で掲載できる媒体もあるため、効果とコストを天秤にかけながら選びましょう。

自社採用サイト

すでに自社採用サイトをお持ちの場合は、自社サイトを利用すれば比較的簡単に募集要項を掲載できます。ただ、募集要項をチェックする学生はほとんど限られてしまうため、認知度を上げるためにSNSを活用するといった工夫が必要です。

大学のキャリアセンター

大学のキャリアセンターで募集する際は、採用ターゲットに合致する学生がいる学部や成績優秀者に絞ることが可能です。掲載方法などを確認したい場合は、各大学に問い合わせてみましょう。

社内体制・環境を整える

インターンシップをオンラインで行うのか、対面で行うのかを検討した後、円滑にプログラムを進められるよう社内体制・環境を整えます。

オンライン・対面問わず、業務内容を教えるトレーナーや相談役のメンターの配置は大切です。オンラインの場合は特にコミュニケーション不足になることが多いため、細かな気配りが可能な社員に依頼すると良いでしょう。

対面でインターンシップを実施する際は、新型コロナウイルスの感染防止のため、マスクや消毒剤などを用意しましょう。学生が使用するデスクやパソコンなども忘れずに準備します。

インターンシップ保険への加入を確認する

インターンシップが短期間であっても、参加学生が「怪我をした」「会社の備品を壊してしまった」などのトラブルが起こる可能性はあるため、インターンシップを対象とした保険に加入しているかを確認することは重要です。

インターンシップ保険は主に、大学を通して加入できる「学生教育研究災害傷害保険(学研災保険)」「学研災付帯賠償責任保険(付帯賠責)」と、民間保険会社を通して学生個人で加入する「災害傷害保険」「傷害賠償保険」があります。インターンシップの実施形態によって適用可能な保険が異なるため、注意しましょう。

基本的に、インターンシップを大学や大学院などと提携して実施する場合、「学生教育研究災害傷害保険(学研災保険)」「学研災付帯賠償責任保険(付帯賠責)」が適用されますが、大学や大学院などと提携せず企業単独で実施する場合、これらは適応外です。民間保険会社の「災害傷害保険」「傷害賠償保険」といった保険に加入しているのか確認しましょう。

自社に合うインターンシップのスタイルは?

インターンシップを実施する上での注意点を押さえたら、インターンシップのスタイルを検討しましょう。このときに参考になるフレームワークとして、「形式」「プログラム」「期間」「時期」があります。

インターンシップの形式

自社に合うインターンシップのスタイルを決める際は「採用活動の目的達成が実現できる内容か?」「自社で実行可能か?」などのポイントを踏まえて考えましょう。

インターンシッププログラムの詳しい作り方や実例については「インターンシッププログラムの作り方|企画内容の考え方と事例」をご覧ください。

まとめ

企業理解の促進や自社の魅力発信に役立つインターンシップ。企業にとっても学生にとっても満足のいくインターンシップにするためにも、本記事で紹介した注意点を押さえた企画・運営を心掛けましょう。

クイックでは、「インターンシップを実施したことがない」「採用ターゲットに効果的なインターンシップができていない」などとお悩みの人事ご担当者様向けに「インターンシップ企画・運営サポート」を行っています。インターンシップ企画の無料セミナーも実施しておりますので、インターンシップ関連でお悩みの方はぜひチェックしてください。

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コピーライター、人事(採用担当)を経て、大手人材会社でディレクターとして、クリエイティブ企画や経営戦略にひもづいた人材採用・活用のコンサルティング業務などに従事。現在はIT企業勤務の傍ら、マーケティング・人材採用の領域を専門に中小企業支援を行っている。

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