新卒採用とは?メリット・デメリットやフロー、中途採用との違いを解説 COLUMN

2019.04.23

2023.01.10

新卒採用とは?メリット・デメリットやフロー、中途採用との違いを解説

新卒採用を行うかどうかは、企業の長期的な存続や戦略を考える上で非常に重要な判断になります。新卒採用の開始を検討している採用担当者の方は、まずは基礎知識を押さえることをおすすめします。

今回は、新卒採用のメリットやデメリット、中途採用との比較についてご紹介します。

目次

新卒採用の基礎知識

まずは新卒採用の成り立ちや、採用活動を行うにあたって企業が遵守することを推奨されているガイドラインの存在など、基本的な内容についてご紹介します。

新卒採用とは

新卒採用とは正社員として就業経験がなく、学校を卒業したばかりの学生を採用することです。本来は大学も高校も問いませんが、多くの場合は「大学を卒業したばかりの学生」を採用すること(または採用活動)を指します。

既卒も新卒?!新卒採用はいつまでか

企業によっては既卒も新卒扱いにすることがあります。ここでは新卒や既卒の定義、新卒はいつまでかを説明します。

そもそも新卒とは?

そもそも新卒とは基本的に3月末に卒業、または卒業見込みの学生を指します。そのため、在学中の学生が新卒と扱われることが基本です。

既卒とは?

既卒とは、主に、学校を卒業して正規に働いていない人を指します。卒業後に、アルバイトなど非正規で働いていた人も、既卒に含まれます。

また、学校卒業後、進学した人も既卒扱いとなります。たとえば、大学卒業後に大学院に進学したものの、中退した場合、大学既卒扱いとするようなケースです。

新卒はいつまで?

厚生労働省では、青少年雇用機会確保指針により、少なくとも卒業後3年以内を新卒扱いとすべきものと事業主に要請しています。

企業は、雇用対策法によって、「青少年の雇用機会の確保」の努力義務が課されています。そのため、雇用機会確保の観点では、新卒は、卒業後3年以内と考えるべきでしょう。

しかし、実態としては、企業によってや既卒を新卒に含めていないこともあります。

(※参考)厚生労働省:「青少年雇用機会確保指針

新卒一括採用とは

新卒一括採用とは、新卒者を対象に毎年同じ時期に一定数の人員を採用することです。上述の通り、日本独自の雇用戦略として長きにわたり多くの企業が取り入れてきました。

詳しくは「新卒採用のメリット・デメリットとは」で紹介しますが、新卒採用には人材を効率よく確保できるほか、組織を活性化できるといったメリットがあります。一方、学生には就労経験がないためミスマッチや、特定期間に選考業務の負荷が集中するといったデメリットもあります。

毎年同じ時期に行うとはいえ、新卒採用を成功させるためには、スケジュールを踏まえた準備が重要になります。特に新任の採用担当者の方は、まず新卒市場の全体像とスケジュールを把握することから始めましょう。

新卒採用のスケジュールの組み方について詳しくは→「新卒採用スケジュールの組み方とコツ|策定までの流れも

新卒採用の歴史

新卒採用は「企業が学生に対して選考を行い、内定を出して、卒業後の4月に入社してもらう」という流れが一般的ですが、実はこの採用方法は日本独自のものです。

1879年から三菱などの一部企業が大学卒の人材を定期的に採用し始めたのが新卒採用の始まりといわれています。その後、企業による学生の青田買いが横行したため、採用の早期化を防ぐために「就職協定」というものが制定されました。ところが就職協定には十分な効果がなかったため、1998年の春に卒業する学生から適用するガイドラインとして、いわゆる「倫理憲章」が経団連により策定されました。

新卒採用のルール「倫理憲章」の変遷

倫理憲章は何度か改定を経て、現在は「採用選考に関する指針」という名前でガイドラインの機能を引き継いでいます。採用選考に関する指針もたびたび変更が加えられていますが、2018年3月12日に改訂された最新版の指針には、企業の採用活動の時期に関して以下の内容が記されています。

広報活動:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
選考活動:卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降

ただし、採用選考に関する指針は経団連が定めたものであるため法的拘束力はなく、指針に背いたとしても罰則が科されることはありません。内閣府と文科省が2018年に行った調査によれば、面接の解禁などを意味する選考活動の開始時期を守った企業は約4割程度であることがわかりました。

なお、経団連は2018年10月、2021年の春に入社する新卒者の採用から、採用選考に関する指針を廃止することを決定し、正式に発表しました。その一方で、政府は「学生が学修時間等を確保しながら安心して就職活動に取り組むことができるよう」として、企業に上述の採用活動日程を継続して遵守するよう要請しています。ただし、これはあくまで「要請」であるため、ガイドラインがなくなれば企業間の採用競争はさらに激化することが予想されます。

※経団連と大学が2022卒より通年採用を行うことに合意しました→経団連と大学が「通年採用」に合意。就活はさらに早期化・長期化へ。

近年の新卒採用の傾向

新型コロナウイルス感染拡大により、学生との対面コミュニケーションを控え、オンライン説明会・面接に切り替える企業が増えています。

対面に比べオンラインによる採用活動は、企業の魅力を十分に伝えにくい上に、学生との信頼関係が構築しにくい傾向があります。採用担当者は、社内の雰囲気が伝わるよう、動画や採用ホームページなどの制作に力を入れたり、相互理解を深めるためにチャットやWEB面接ツールを導入したりするといった柔軟な対応が求められます。

日本では新卒一括採用が主流でした。しかし前述した経団連による「採用選考に関する指針」の廃止や、さらなる選考の早期化を背景に、通年採用を取り入れる動きも広がっています。

また、新型コロナが採用市場に与えた影響は大きく、説明会や面接などアフターコロナに合わせた対策が必要です。

2021新卒採用の傾向と対策|コロナウイルスの影響、学生動向は」では、アフターコロナの傾向と対策を、「【2020】採用トレンドまとめ 注目の手法|新卒・中途」では、アフターコロナにおける作業のオンライン化動向についてを、より詳しく説明しています。

また、2024年卒の新卒採用における動向については、「2024新卒採用の傾向と対策│インターンシップ設計とタッチポイントの整理が採用成果を分ける」で紹介しているので、ぜひご覧ください。

新卒採用のメリット・デメリットとは

新卒採用にはメリットとデメリットがあります。これから新卒採用の導入を検討している採用担当者の方は、双方をしっかり把握しておきましょう。

メリット

まずは新卒採用のメリットをご紹介します。

人員構造の最適化

新卒採用で若手労働力をまとめて確保することは、長期的に企業を存続させる上で大きなメリットになります。仮に中途採用のみを行うとしても、それはそれで即戦力を確保することになるため企業にとってはプラスです。

しかし、中途採用中心では社員の年齢構成に偏りが生まれやすく、比較的若手の人材を採用できない場合は社員の平均年齢がどんどん上がっていく恐れがあります。
年齢構成をバランス良く保ち、安定した企業経営を実現するには、毎年一定量の若手労働力を確保できる新卒採用が有用です。

リーダー・幹部候補となる人材の獲得

将来のリーダー・幹部候補を確保する面でも新卒採用は適しています。すでに他社の風土やカラーを体感・経験している中途者よりも、企業への忠誠心や愛着心を醸成しやすい新卒者を一から育成する方が、企業にとってはよりスムーズです。

ただし新卒採用はポテンシャル採用であるため、当然ながら入社早々から将来のリーダー・幹部候補としての動きは期待できません。企業は選考の段階で学生の素地を見極め、獲得後も継続的に教育・指導することが求められます。

組織の活性化

フレッシュな新卒者が入社することで、社内の空気や人間関係に刺激を与えられるというメリットがあります。

また、新卒者への教育・指導を通して、既存社員も自らの知識やスキルを改めて学習できるほか、新卒者の受け入れ体制の整備に伴い、それまで言語化されていなかった不文律などを形式知化できるというメリットもあります。さらに、新卒には同期がいるため、部署間の横のつながりを強化してくれることも期待できます。

企業文化の継承

「リーダー・幹部候補となる人材の獲得」でご紹介した「育成のしやすさ」にもつながりますが、他社を経験した中途者よりも、まっさらな状態である新卒者の方が自社の理念や文化といったカラーを受け入れやすく、また馴染みやすいといえます。そのため、企業文化を継承する担い手としても期待できます。

デメリット

続いて、新卒採用のデメリットをご紹介します。

教育コストがかかる

新卒採用は「就業したことのない学生」が選考の対象となるため、基本的にポテンシャル採用となります。そのため、多くの場合は戦力化するまでに教育コストがかかります。現場の状況によっては既存社員の平常業務に支障をきたす恐れもあるため、新卒採用を行う場合は受け入れ体制を整備しなければなりません。

ミスマッチが起こり得る

採用する学生は社会人(正社員)としての就業経験がないため、「いざ働いてみたら思っていたのと違った」というようなミスマッチが起こり、会社を辞めてしまうことにもなりかねません。選考中は学生のポテンシャルを見極めることのほかに、自社の理念や業務内容について、可能な限り深く理解してもらえるような工夫が必要です。

人材確保が難しい年がある

新卒採用は景気動向に左右されやすいです。当然、企業の経営状況によっては新卒者への先行投資を行えない状況も考えられます。若手労働力を毎年まとめて確保できるのがメリットではあるものの、景気動向に左右されずに新卒採用を継続するには、企業としてある程度の体力が必要になります。

新卒採用が向いている企業

ここまで新卒採用のメリット・デメリットを紹介してきました。

とくに新卒採用のメリットは「企業文化を浸透させやすい」「人員構造を最適化させやすい」などがあることを確認しました。

これらのメリットから、次のような企業が新卒採用に向いています。

企業文化を浸透させたい企業

新卒採用は、中途採用のように他企業での就業経験がないことから、就業における価値観や行動特性がクリアな状態です。

そのため、新卒入社者は中途入社者と比較して、自社の企業文化や価値観を浸透させやすいといえます。

新卒入社者には、入社後早期に企業文化や価値観などをマインドセットすることが有効です。

人員構造を最適化したい企業

定期的に、一定数の新卒採用を実施することで、長期的に年齢構造を平準化することが可能です。

ただし、これから新卒採用を行う企業は、数が少ない年齢層を中途採用で補う必要があります。

新卒採用は景気に左右されやすいデメリットがありますが、不景気時でも、最低限の新卒採用をすることが望ましいでしょう。

新卒採用は中小企業にもおすすめ

中小企業で新卒採用を行うかどうかを検討している方は、特にコスト面が気になるかもしれません。

たしかに新卒採用には計画から選考・採用までの「採用活動そのもの」と「入社後の育成」にコストがかかりますが、長期的な視野で見れば、上述のように多くのメリットを企業にもたらします。

さらに新卒採用には、企業PRにもなるという副次的効果があります。新卒採用を行うと、説明会の開催やメディアへの求人掲載など、学生および世間全般に情報を発信する機会が必ずあります。そのため、将来自社で採用する中途者になる可能性のある学生や、既存顧客、競合他社、その他のステークホルダーに対して、自社の広報活動を行っていることにもなるのです。

新卒採用にはある程度の体力が求められますが、企業の「ブランド力」や「知名度」の向上にも役立つため、現在新卒採用を行っていない中小企業の採用担当者の方も、ぜひ検討されることをおすすめします。

新卒採用 学卒区分による違い

新卒採用といっても、学卒区分によりルールが違います。ここでは、学卒区分ごとの新卒採用を説明していきます。

高卒の新卒採用

高卒の新卒採用は、法的責任能力がない未成年が対象となっていることから、他の学卒区分と違い、次のような独自の厳格なルールがあります。

  • 求人募集の一斉解禁
  • 求人はハローワーク経由
  • 1人1社制
  • 学生への直接アプローチ禁止
  • 書類のみでの選考禁止

求人は、必ずハローワーク経由で行い、求人公開は、全国一律、7月1日スタートに統一されています。また、企業から直接学生へのアプローチは認められていません。

とくに特徴的なのは、1人1社制。基本的には、一次募集となる9月までは1人1社の応募・推薦ですが、二次募集の10月以降は、3社まで推薦・応募が可能となります。

なお、高卒の採用ルールは、行政(厚生労働省・文部科学省)、学校、ならびに企業の三者間で設置された「高等学校就職問題検討会議」で定められています。この採用ルールに基づき、都道府県ごとの詳細なルールが定められているのです。

(※参考)厚生労働省:「高等学校就職問題検討会議

大学/大学院卒の新卒採用

大学や大学院(修士)の就活ルールは2021卒より経団連による「採用選考に関する指針」が廃止され、2021卒以降、政府主導で「就職・採用活動に関する要請」によって就活ルールが定められています。

2021年11月19日、政府は、2024卒までは、旧来の経団連による就活ルールを踏襲することを発表しています。スケジュールは次のとおりです。

なお、就活ルールは、学生が学業に専念し、多様な経験ができる環境づくりを進めることを目的に策定されています。

しかし、これまで説明してきたように、就活ルールは法的拘束力もなく、順守している企業は4割程度です。水面下で選考を早期化している企業も多く、就活ルールは形骸化しています。

この形骸化した就活ルールについて政府は、2022年6月13日、2024卒以降を対象に、条件つきで採用直結型インターンを認めるようルールを見直しました。

【人事必見】インターンシップで何をさせる?内容や事例、1day企画も解説」の記事では、2024卒から解禁される採用直結型インターンシップについて詳しく解説していましていますので、ご参考ください。

専門学校・短期大学卒の新卒採用

専門学校・短期大学卒の新卒採用も大学・大学院卒と同様の就活ルールです。そのため、ルールやスケジュールは、基本的には大学・大学院卒と同様となります。

ただし、専門学校は資格取得を目的としているため、就活が資格試験日程に影響することがあります。なかには、資格試験終了後に一斉に就職活動することもありますので、専攻学科によって就活日程が違うこともあるでしょう。

そのため、専門学校生の採用予定がある場合は、対象学科を明確にしたうえで、専門学校の就職課に問い合わせすることをおすすめします。

新卒採用と中途採用の違い

新卒採用と中途採用には、下図のような違いがあります。項目ごとに比較してみましょう。

新卒採用 中途採用
採用目的 ・将来的な幹部候補の育成
・人員バランスの最適化
・組織の活性化
・欠員補充
・人員増強
・新たな知識やメソッドの導入
入社時期 4月入社
※9月入社もある
通年
準備・選考期間 1年以上 数週間程度
教育コスト 高い 安い
人件費 安い 高い
即戦力になる可能性 低い 高い
企業の文化・理念の継承のしやすさ しやすい しにくい

新卒採用は「将来的に企業の中核を担う人材」中途採用は「即戦力としての人材」を獲得するという目的が大きいです。

新卒採用を重視するか、中途採用を重視するか、あるいは双方をバランスよく実施するか。人材の獲得手法はさまざまですが、ぜひ自社に最適なスタイルを確立してください。

中途採用のメリット・デメリット

最後に、中途採用のメリットとデメリットを補足的にご紹介します。

中途採用のメリットとしては、やはり戦力化までのリードタイムが短い点が挙げられます。また、スキルや経験を評価して採用するため即戦力としての活躍が期待できます。さらに、自社にないノウハウやメソッドを共有してくれる可能性があることや、経験者であるため教育コストが低いという点もメリットです。

ただし、スキル面で教育コストがかからないとしても、会社独自の仕事の進め方になかなか馴染めず、新しいやり方に合わせてもらうのに時間がかかるケースはあります。中途採用で入社した人材は一度他社を経験しており、さらに転職を行っているため、組織に定着しにくい人材である可能性も否定できません。また、新卒者と比較して給与が高い点はわかりやすいデメリットでしょう。

企業としては「何を目的として採用を行うのか」という一貫した軸を念頭に置きつつ、新卒採用・中途採用のメリット・デメリットを比較検討し、目的に合った採用方法を選択すると良いでしょう。

人事必見!成功に導く新卒採用フロー

新卒採用は場当たり的に活動するだけでは、効果を上げることはできません。自社が求める人材を採用するには、踏むべき手順があります。

ここでは人事が知るべき新卒採用を成功に導くフローを説明します。

採用ターゲットの明確化

まずは、新卒採用の目的に合わせて、採用ターゲットを明確化する必要があります。

企業文化や価値観、経営戦略の方向性に合致する人材を「求める人材像」として設定することで、採用ターゲットを明確化します。

求める人材像を設定するには、自社で活用する人材を分析する「コンピテンシー」が有効でしょう。自社で高業績を上げる社員の価値観や思考、行動特性などを評価し採用基準を作成します。この採用基準を「求める人物像」として落とし込むのです。

採用目標人数の決定

長期計画と経営環境を照らし合わせ、新卒採用の目標人数を決定します。

人員構成の適正化を図るには、長期的には、定期的に一定数の新卒採用を行うべきです。しかし実際には、年次計画を立てる前に、景気動向や事業環境に合わせて、毎年採用人数を決定する必要があります。

採用スケジュールの策定

採用ターゲットを明確化したあとは、採用スケジュールを年次単位で策定します。

「採用広報準備→募集実施→会社説明会→選考→面接」などの大日程スケジュールです。

前半戦の春から後半戦の秋まで、企業規模や業態、募集時期によってスケジュールは大きく変わります。とくに、BtoB企業は、夏以降に注目されやすい傾向にあるなど、企業によってベストの採用スケジュールは異なりますので、自社に適した採用スケジュールを立てましょう。

採用手段の決定

今までの採用手段を踏襲しているだけでは、今の厳しい採用市況を乗り切ることはできません。

常に採用市況に打ち勝つための戦略を練る必要があります。SNSやダイレクトリクルーティング、各種採用ツールの導入など、採用目標人数や募集職種など採用条件を元に採用手段を決定します。

社内体制の整備

新卒採用は人事担当部門だけで行えるものではありません。OB訪問や工場見学、インターンシップなど、各部門の協力が必要不可欠です。

面接には役員から各部門の責任者など、多くの面接官の手配が必要となります。また、自社の求める人材を採用するために、採用基準を面接官に共有し、面接手法も統一しておきましょう。

選考活動

新卒採用の選考プロセスは、「書類選考→適性検査・面接→内定出し」の流れが一般的です。
書類選考では履歴書やエントリーシートをもとに選考しますが、企業によっては独自のエントリーシートが使われていることもあります。書類選考通過者に対し、適性試験、企業によっては筆記試験を行います。

面接は企業によって回数は変わりますが、最終面接は役員面接が一般的でしょう。応募者数が多い企業は一次面接をグループ面接にすることもあるほか、面接前にグループワークを実施する企業もあります。

なお、学生は選考プロセスが多くなるほど応募を敬遠する傾向があります。そのため、応募者が集まらない場合は面接回数や応募書類を減らすなど、状況に合わせて調整することも必要でしょう。

内定者出しにおいては、必ず電話など口頭で伝えましょう。口頭で伝えることで、文書ではわからないニュアンスや意思などを読み取ることができます。入社意思を確認するとともに内定者の入社意欲を高めるため、可能であれば選考時の評価や採用理由も伝えてください。

内定者フォロー

内定出しを行ったあとは、内定者を放置しないように、内定フォローを行うことが重要です。

入社までの間、内定者との定期的なフォローや食事会、先輩社員との座談会などを行うことで、自社に対する内定者の帰属意識醸成を高めることができます。

内定者は、求職活動を継続していることもあり、放置していると内定辞退につながる恐れがあります。内定辞退を防ぐため、定期的なフォローを行うことで内定者の不安を取り除くとともに、蜜にコミュニケーションをとることが重要です。

振り返り

新卒採用を成功させるには、振り返りを行うことが最も重要です

この振り返りを行わないと、過去の失敗の改善や、採用市況に合わせたベストな施策を取り入れることができません。

1年を通じた採用活動を振り返り、母集団形成や求職者の意欲醸成なのか、あるいは採用基準の明確化かなど改善点を抽出します。この振り返りを行うことでPDCAサイクルを回し、自社の新卒採用を継続的に改善していくのです。

まとめ

新卒採用にはコストがかかるなどのデメリットもありますが、それを補って余りあるメリットがあることも事実です。「停滞した雰囲気を何とかしたい」「企業理念に基づいた行動を取れる人材が欲しい」といった考えをお持ちであれば、新卒採用の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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コピーライター、人事(採用担当)を経て、大手人材会社でディレクターとして、クリエイティブ企画や経営戦略にひもづいた人材採用・活用のコンサルティング業務などに従事。現在はIT企業勤務の傍ら、マーケティング・人材採用の領域を専門に中小企業支援を行っている。

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