2024新卒採用の傾向と対策│インターンシップ設計とタッチポイントの整理が採用成果を分ける COLUMN

公開日:2022.09.30

更新日:2022.10.13

2024新卒採用の傾向と対策│インターンシップ設計とタッチポイントの整理が採用成果を分ける

「初めて採用を担当することになったので、これまでのトレンドを改めて知りたい」
「2024新卒採用ならではのポイントを押さえて、採用設計をしたい」

中途採用と比較すると、新卒採用には毎年のマーケットトレンドがあります。変化し続ける新卒採用市場において自社の採用を成功させるには、近年の新卒採用の動向を正しく理解することが重要です。

当記事では2023年卒の採用活動の概況を振り返りつつ、2024年卒に向けた採用活用の展望を解説します。昨今のトレンドを踏まえて採用計画を立てたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

目次

2023年卒の採用活動の振り返り

まずは2023年卒の新卒採用を俯瞰して振り返った際に、人事担当者であれば押さえておきたい特徴的なポイントについて紹介します。

2023年卒/求人倍率は1.58倍。大手企業でも求人倍率は増加

2023年3月卒の求人倍率の平均値は1.58でした。コロナ禍に代表される社会不安などにより、2020年卒から企業の求人は減少傾向にありました。

しかし2022年卒の1.50と比較すると2023年卒は微増しているため、コロナの影響による雇用控えは一旦は歯止めがかかり、人材採用に復調の兆しが見えている状況がうかがえます。

企業規模別で見ると、300名未満の企業の求人総数は微増に留まっていますが、それ以上の規模の企業になると5.8~12.9%の増加傾向があるため、大手企業を中心に人材採用を牽引している状況です。

いずれにしても、どの従業員規模においても2022年卒に比べると2023年卒の求人倍率は上昇傾向にあるため、企業の求人意欲は回復傾向にあると言えます。

参考:株式会社リクルート 第39回ワークス大卒求人倍率調査(2023年卒)

内定率は高止まり

学生側の状況に目を向けると就職内定率は83.3%(2022年7月時点)で、前年同月比+2.8ポイントとなっており、高止まりの傾向が見て取れます。

文理別に傾向を見ると文系の内定率は「81.2%」に対して理系の内定率は「88.3%」と、7.1ポイント高い結果となりました。IT分野や研究開発分野の人材を採用で強化したいと思う企業には、依然として過酷な人材獲得競争が続いています。

内定率が高い状況は、学生にとっては「もっと良い企業があるのではないか?」と就職活動を継続することにも繋がります。企業にとっては内定者フォローなどの施策が今後も重要になるでしょう。

参考:株式会社リクルート 就職みらい研究所 就職プロセス調査(2023年卒)「2022年7月1日時点 内定状況」

インターンシップの参加は増加

昨今メジャーになりつつあるインターンシップへの参加状況ですが、参加した学生は2022年卒の70.0%と比べて2023年卒は72.2%と増加しました。またインターンシップの参加社数も平均8.62社と前年の7.88社と比べて増加しています。

社員としての就業経験がない学生にとっては、企業の働き方に実際に触れることができるインターンシップは今後も人気のイベントとなることが予想されます。

参考:株式会社リクルート 就職みらい研究所 『採用活動中間調査』2023年卒)

選考は対面+オンラインのハイブリット型が主流

コロナ渦で一気に主流となったオンライン面接は、2023年卒においても約6割の企業が実施しており、もはや選考手法として定着した状況がうかがえます。

2023年卒の注目したい傾向としては、対面面接を実施した企業が89.2%となり、前年比7.5ポイント増加している点です。選考段階や目的に応じて、対面とオンラインのハイブリット型の選考が今後も主流となっていくでしょう。

参考:株式会社リクルート 就職みらい研究所 『採用活動中間調査』2023年卒)

SNSによる情報収集が増加

学生の情報収集源については、相変わらず企業ホームページや就職情報サイトが主流なのは言うまでもありません。

その一方で、2023年卒に増加したのがTwitter、InstagramなどのSNSを通じた情報収集です。とりわけLINEのオープンチャットは情報収集だけでなく、就職相談や就活の情報交換の場としての利用が目立ちました。

参考:株式会社リクルート 就職みらい研究所 『採用活動中間調査』2023年卒)

スカウト型サービスの台頭

売り手市場が続く状況で、企業側から学生に積極的にアプローチするスカウト型サービスの利用が増加したのも2023年卒の特徴です。

2022年卒に「スカウト・逆求人型サービスを利用開始した」企業は19%でしたが、2023年卒に利用を開始した企業は25.9%になりました。前年に人材獲得競争のシビアさを実感したことで、スカウトサービスの利用へと繋がった企業が多い状況がうかがえます。

参考:株式会社リクルート 就職みらい研究所 『採用活動中間調査』2023年卒)

2024年卒の採用活動の展望

これまで2023年卒の特徴的な動きを紹介してきましたが、ここからはそれらを踏まえて2024年卒に向けた採用マーケットの展望についてポイントを解説していきます。

2024年度は採用数を増やす企業が増加

回復傾向が見て取れた企業の2023年卒の採用数ですが、2024年卒の見通しでも上昇傾向にあります。

2023年卒と比較して採用人数が「変化なし」と回答した企業が71%と最も多いですが、「減らす」と回答した企業は1.7%である一方、「増やす」と回答した企業は7.6%と5.9ポイント上回っています。

依然不透明な社会情勢が続いてはいるものの、人材の活力を企業の競争力強化につなげたいと考える企業が多くなってきたと言えるでしょう。

対面+オンライン混合での実施が増加傾向

2023年卒の対面+オンラインのハイブリット選考は、2024年卒でも増加されることが予想されます。面接だけでなく、個別説明会などのイベントでも同様のハイブリット傾向は続く予想です。

オンラインで省プロセスを進めつつも、じっくりとコミュニケーションを取る対面機会も設けるなど、目的に応じて使い分けが広がっていく見込みです。

スカウトサービス、SNSサービスの活用がより顕著に

2023年卒に目立った、企業側のスカウトサービスの利用や、学生側のSNSによる情報収集は、2024年卒において同様の増加傾向が続くことが予想されます。

企業は「待ちの採用」ではなく「攻めの採用」として、積極的に欲しい人材にアプローチするスカウトサービスへの利用を増加させるでしょう。その裏側で、学生側は知らない企業の情報収集をSNSで行い、よりリアルな情報への接触を求める動きが強まることも予想されます。

2024年卒の採用成果を出すために

企業側にとっては依然として厳しい人材獲得競争が予想される2024年卒の採用ですが、そのような状況下で採用成果を出すポイントとは何なのでしょうか。ここからは企業側の視点ではなく、学生側の視点に立った上で、2024年卒の採用設計のポイントを解説していきます。

柔軟な採用コミュニケーションの設計・構築

近年の新卒採用は、パンデミックなどの不可抗力的な環境変化や、SNSの普及による影響を受けてきたと言えます。今後もどのような変化が訪れるか分からないため、採用コミュニケーションは社会情勢や学生の生活様式に合わせて柔軟に設計することがポイントとなります。

具体的にはインターンシップの実施、採用HPのデザイン、伝達手段、オンライン・対面を活用した説明会や面接の実施など各種手法を画一的に実施するのではなく、目的を設定したうえで実施すべきでしょう。

目的や目標、どのようなコミュニケーションを取るかが整理できていれば、環境変化が起こった際にも臨機応変に対応できるようになります。

学生との接点を増やし動機付けすることの重要性

昨今主流となりつつあるオンラインでの説明会や面接ですが、手軽なことがメリットである半面、学生への動機付けがどうしても弱まるデメリットがあります。

従来は対面での面接が学生への動機付けのメインのタッチポイントだったかもしれませんが、今後は面接以外のすべてのタッチポイントを通じて学生に自社の魅力を訴える努力が必要になるでしょう。

かと言って、まだ学生がそれほど自社に興味喚起されていなような初期段階で、過剰な情報提供を行うもの逆効果になりかねません。「この段階ならこういう情報を求めているのでは?」など、相手の状況を想定して適切な情報提供を行うことが重要です。

インターンシップは、その目的や目標設計が最重要

インターンシップは今後も実施する企業が増えると予想され、学生と早期接触できる重要なイベントとなるでしょう。

インターンシップを実施する企業が増えれば増えるほど、その目的や目標設定が重要になっていきます。早期接触だけに目を奪われて単にインターンシップを実施するだけでは、他社との差別化ができなくなってしまいます。

インターンシップを通じて学生に自社のどのような魅力を知ってほしいのか、または学生の立場に立った際に働く意義をどのように感じて欲しいのか、などの目的設定を行うようにしましょう。インターンシップ募集の際にも、きちんと目的を言語化した広報を行えば、他社インターンシップとの差別化になり、応募が集まる可能性が高まります。

企業理解だけではなく、仕事理解にも注力したインターンシップ設計

インターンシップ設計は、企業理解だけでなく仕事理解も促す設計にすると、学生にとっても有意義な機会となりやすくなります。

採用観点ではどうしても自社の魅力を伝える企業理解に注力しがちですが、学生にとっては社会に出る前の初の就業体験となるのがインターンシップです。「この会社で働く」だけでなく「この仕事をする」まで踏み込んだインターンシップの設計ができれば、学生はより働くことについての臨場感を得ることができます。

働く意義を初めて体験させてくれた企業には、好印象が残りやすくなります。仮に新卒採用でご縁がなかったとしても、今後顧客や取引先でインターシップ参加者と関わることまで想定すれば、企業ブランディングにも繋がることでしょう。

近年の動向を踏まえた採用戦略を策定しよう

ここ数年の新卒採用は、採用手段も学生の意識も大きく変化しています。人事担当者とし近年の採用マーケットのトレンドを意識した活動が行えない場合、狙った採用の成果を得ることが難しくなってしまいます。
特に近年企業も学生も注目しているインターンシップは、積極的に活用することをおすすめします。

インターンシップに関するノウハウ記事をWeb上に多数公開しています。
インターンシップの設計や運用に不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。</span style=”font-size: 14pt;”>

 

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