オンラインインターンシップとは?メリットや実施する際の注意点をわかりやすく解説 COLUMN

公開日:2023.04.20

更新日:2023.07.11

オンラインインターンシップとは?メリットや実施する際の注意点をわかりやすく解説

コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして、多くの企業で採用活動のオンライン化が進みました。

面接や説明会はもちろんのこと、学生に仕事を体験してもらうインターンシップもオンライン化の動向が見られ、実施したり、今後の運用を検討されている人事担当の方も多いのではないでしょうか。

しかしどのような内容がオンラインインターンシップに適しているのか、何に注意すべきなのかわからないという声も聞かれます。

今回は、オンラインインターンシップの導入方法をわかりやすく解説していきます。

プログラム内容や他社の事例、実施の注意点なども紹介していきますので、オンラインインターンシップをご検討中の方は参考にしていただければ幸いです。

目次

オンラインインターンシップとは

オンラインインターンシップとは、職業体験(インターンシップ)をオンラインで実施する取り組みのことです。

従来のインターンシップは、学生が企業に直接足を運び、実際の業務を体験する対面型が主流でした。しかし近年はITツールが急速に発達していることもあり、インターンシップをオンラインで実施する企業が増加傾向にあります。

2020年以降は、新型コロナウイルスの影響も相まって、オンラインインターンシップの利便性が高く評価されるようになりました。

当初、オンラインインターンシップは、大手企業や最新テクノロジーを導入している企業が中心でした。しかしニューノーマルな働き方が定着した昨今では、多くの企業で導入が進んでいるのが実情です。

株式会社ディスコが2022卒の学生に行った調査によると、約8割の学生がなんらかの形でオンラインインターンシップに参加していることがわかりました。
参考:インターンシップに関する調査 | 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

このような調査結果をふまえると、今後もオンラインインターンシップを実施する企業はさらに増加していくと予想されます。

オンラインインターンシップの代表的な内容

オンラインでのインターンシップを検討している企業で関心が高いのは、どのような内容で実施できるかという点ではないでしょうか。

ここからは、オンラインインターンシップの代表的な4つの内容を紹介します。

グループワーク

グループワークは、参加者を数人ずつのグループに分け、あらかじめ設定されたテーマに沿ったディスカッションをおこなうことです。

インターンシップの基本プログラムとして、多くの企業で実施されている内容といえます。

グループワークは、オンラインでも対面型とほぼ同じ内容のプログラムで実施が可能です。Webツールによっては「ブレイクアウトルーム機能」のような、参加者を少人数のグループに分けてミーティングをおこなえる機能があります。

グループワークを実施するのであれば、対面型と変わらない形式で実施可能な機能を持つツールを探すとよいでしょう。

社内会議の見学

リモートワークの働き方が普及する昨今、社内会議の見学をオンラインインターンシップで実施する企業も増えています。

Web会議の環境が整っており、普段からWeb会議をおこなっている企業であれば、学生に参加してもらうこと自体に大きな手間はかかりません。

学生側も自宅にいながら社内の雰囲気を体感できるため、企業と学生どちらにもメリットの大きいプログラムといえるでしょう。

工場などの施設見学

自社製品・サービスの製造プロセスを知ってもらう目的で、オンラインによる工場見学を実施している企業があります。

工場見学のメリットは、一度に大勢の学生の参加が可能な点です。

ツールによっては一度の開催で数百人単位の見学が可能になるので、より多くの学生に自社をアピールしたい企業におすすめの方法でしょう。

書類の作成

実際の業務の資料や会議資料などの書類作成も、オンラインインターンシップで実施できる内容のひとつです。

画面共有をすれば対面とほぼ同じ要領で進められるので、社内でおこなっている指導内容を大きく刷新せずに実施できます。

また、「誰が・いつ・どこで使用する資料なのか」を伝えることで、学生は社員個々人の役割や部署の位置づけなどをイメージしやすくなります。

マンツーマンでの実施がメインになりますが、グループワークでも実施可能な応用範囲の広い内容といえるでしょう。

オンラインインターンシップのメリット

多くの企業で普及しているオンラインインターンシップ。あらためて代表的なメリットを2点お伝えします。

コストの削減

オンラインインターンシップは、対面型と比べて低コストで実施できるのが利点です。

対面型のインターンシップでは、学生の交通費や宿泊費を負担する場合があります。また、一度に多くの学生に対して実施する対面型のインターンシップでは、社外の別会場を用意するための費用も必要です。

オンラインインターンシップなら、これら全てのコストを削減できます。

学生側の自宅にインターネット環境とパソコンなどの端末があれば、費用をかけずに実施できるため、企業側にとって大きなコスト削減になるでしょう。

アプローチできる学生の増加

オンラインインターンシップによって、これまでなかなか接点が持てなかった遠隔地にいる学生ともつながりを持てるようになります。

また対応できる社員の不足により対面型では数名の学生しか受け入れられなかった企業でも、オンラインなら複数名を同時に受け入れることができます。

企業概要の説明やグループワークなど、1日完結型のインターンシップであれば、開催日数を増やすことで、より多くの学生と接点を持てるようになるでしょう。

オンラインインターンシップのデメリット

メリットの大きいオンラインインターンシップですが、注意すべき点もあります。

今回は2点のデメリットをお伝えするので、実施の際には留意しましょう。

オフィスの雰囲気が伝わりにくい

実際のオフィスの様子や仕事の進め方を伝えたい場合、オンラインインターンシップではリアルな雰囲気が伝えきれないリスクがあります。

特にリモートワークが進んでいる企業では、社員それぞれも自宅にいることが多く、オフィス内の雰囲気まで読み取ってもらうのは難しいでしょう。

オンラインインターンシップに参加した学生に対し、入社後はオフィスでの業務を求めている企業も注意が必要です。実際のオフィスで働き出した途端、社内の雰囲気が合わずに離職してしまうケースもあるからです。

学生の人柄が把握しにくい

社内オフィスの雰囲気が伝わりにくいのと同様に、オンラインでは企業側も学生を理解しにくくなってしまいます。

対面型のインターンシップでは、学生の何気ない一言や所作、雰囲気から性格や強みをある程度読み取ることができます。

しかし画面越しでは学生から読み取れる情報が少ないため、その学生が自社に適しているのか否かも判断しにくいといえるでしょう。

オンラインインターンシップの実施ポイント

今後オンラインインターンシップの導入を検討している場合、実施にあたり注意してほしいポイントを4点紹介します。

ターゲットとなる学生に参加してもらう

インターンシップはただ参加者を増やすのではなく、自社のターゲットとなる学生に参加してもらう必要があります。

そのためには、会社の理想にふさわしい人物像を明確にし、ターゲットとなる学生が興味を持ちそうなプログラムを実施しなければなりません。

学生を対象にしたイベントでは、「自社が伝えたいこと」という視点でプログラム内容を決定しがちですが、それだけではターゲットが参加する動機につながらない可能性があります。

プログラムを企画する際は、「ターゲットとする学生のニーズに叶った内容かどうか」という視点で内容を決定していくのが望ましいでしょう。

対面型開催より短時間でおこなう

オンラインインターンシップは、対面型開催より短時間でコンパクトな実施が望ましいです。

オンラインインターンシップは、対面型に比べて疲れやすく飽きやすいという特徴があります。

自宅から参加する学生は集中力が途切れやすく、主催者側の説明する時間が長ければ長いほど意識が散漫しやすいでしょう。

また、学生のなかには参加人数が多いと質問しにくいと感じる人もいます。消極的な学生に対しては、少人数で開催したりチャットツールを活用したりして、参加しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。

学生が興味を持つ内容にする

企業からの一方的な情報提供ではなく、学生が興味を持つ内容にすることが大事です。

インターンシップに参加しているのは、自分の可能性を模索している学生です。企業側には、知見を広めるサポートをしてあげるというスタンスが求められます。

オンラインインターンシップであれば、映像やワークを組み合わせることで、学生が飽きずに楽しめるコンテンツ設計が可能です。

主役を学生として、学生が興味を持つ内容にすることで、満足度のみならず自社のブランディングにもつながるでしょう。

リモートワークなど働き方の実態を知らせる

リモートワークの重要性が問われる昨今、企業がどこまでオンライン対応をしているかは学生にとっても興味深いポイントです。

自社で採用しているオンラインツールの活用方法など、リモートワークの実態を見せることは企業としての対応力をアピールするチャンスです。

コロナ禍で広がった「働く場所や時間を選べる」リモートワークのニーズは、若手層を中心に今後も続くと予想されます。

インターンシップでリモートワークを体感してもらい、オフラインと同様の働き方が実現できることを伝えていきましょう。

オンラインインターンシップの実施事例

最後に、オンラインインターンシップを実施している企業3社の事例を紹介します。

自社で実施する際の参考にしてください。

株式会社サイバーエージェント

サイバーエージェントでは、職種別にオンラインインターンシップを開催しています。

そのなかでもエンジニア職では、オンラインインターンシップで「ゲーム開発」を実施しています。オンラインでも社員とコミュニケーションをとりつつ、業務の現場を見られることが特徴です。

講義によるインプット、お題に対するアウトプットを通して、入社後の仕事をリアルにイメージできます。また、学生にはメンターがつくため、サポートを受けながらインターンシップに参加できる安心感があるのもメリットでしょう。

参考:サイバーエージェントのインターンシップ

三菱UFJ銀行 グループワーク(新製品の企画)

三菱UFJ銀行のオンラインインターンシップは、仕事内容の理解を重視するプログラムで実施されています。

グループでケーススタディに取り組み、行員の仕事を体感できるのが特徴です。社員インタビューも実施しているため、自分が働くイメージを高められるメリットもあります。

就労経験がない学生の立場になって考えられたプログラム内容といえるでしょう。

参考:三菱UFJ銀行インターンシップインフォメーション

アスノシステム株式会社様

システム開発、Webインテグレーションのアスノシステム株式会社は、学生が主人公となり課題に挑むオンラインインターンシップを実施しています。

映像を見ながら自分が主人公となって物語に没入し、ワークに挑戦するという「ドラマ仕立て」のインターンシップが特徴です。

学生の満足度は非常に高く、「映像+ワークが織り交ぜられていて、他社との違いを感じた」「社員の実際の体験を映像で追体験することで、SEの仕事を明確にイメージできた」といった意見があったそうです。

参考:学生が主役のインターンシップ『STORY WORK』で「正直ここまでとは!」と驚くほどの採用成功

オンラインインターンシップを実施する際の注意点

オンラインインターンシップによって、会社の機密情報が漏えいしないよう守秘義務に関する指導を徹底することも大切です。

オンライン開催の場合、画面のスクリーンショットや録画など、リアル開催よりも参加者が取得できる情報の自由度が上がります。

口外しないことはもちろんですが、SNSで発信する範囲への注意喚起もしっかりとおこなってください。

まとめ

この記事では、オンラインインターンシップの主催者側が意識すべきポイントと企画事例をご紹介しました。

インターンシップの企画は、企業が「学生に伝えたいこと」「知ってもらいたいこと」という内容になりがちです。特にオンライン開催がはじめての企業では、会社説明をメインとしたプログラムに偏りやすい傾向にあります。

インターンシップの最終的な目的は、学生に自社への興味づけをして優秀な人材を確保することです。一方通行な内容にならないよう、自社の魅力をアピールできる内容を検討していきましょう。

インターンシップに関するノウハウ記事をWeb上に多数公開しています。
インターンシップの設計や運用に不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

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