自社のニーズに合う採用イベントはどれ?
採用フェーズや目的によって実施すべき採用イベントは異なります。「接触できる学生の特徴」を縦軸に、「イベントを実施することで期待できる効果」を横軸に取り、採用イベントをマッピングすると下記のようになります。
「個別企業説明会のプログラムに座談会を入れる」など、ニーズに合わせてイベントを掛け合わせることも可能です。イベントを通して達成したい目標は何かを意識しながら検討しましょう。次章以下で、それぞれの採用イベントの特徴を詳しく解説します。
接触できる学生の数を増やしたい場合の採用イベント
接触できる学生の数を効率よく増やしたい場合の採用イベントとして、「全業界対象タイプの合同企業説明会」「業界・職種特化タイプの合同企業説明会」「個別企業説明会」「大学訪問・学内説明会」があります。ここでは、それぞれの特徴とイベント例を紹介します。
※2・3章で紹介しているイベントについて
新型コロナウイルス感染拡大などの影響で開催を中止しているイベントもございます。最新情報は公式サイトでご確認ください。また、イベントの申し込み締め切りなどが終了しているものもございます。あくまで、イベントを企画するときの参考資料としてお役立てください。
全業界対象タイプの合同企業説明会
合同企業説明会の中で最も一般的なタイプで、主に就活情報サイトを運営している企業が開催しています。多くの来場者が見込めるため、一度に多くの学生に出会えます。主催者や開催時期によって異なりますが、規模の大きなものになると出展者数が数百社、来場者数が数万人に及ぶものもあります。
リクナビ合同企業説明会
2大就活サイトの一つであるリクナビの合同企業説明会は、全国55都市、300回以上、来場者数34万人以上、出展企業数1万7,000社以上という実績を誇ります(2018年6月~2019年3月末)。
リクナビの合同企業説明会は開催期間が長く、就活準備期にはインターンシップの情報を求める学生に、採用情報公開後・選考開始後には今まさに就職活動を行っている学生に接触できます。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響について 2020年7月末までの合同企業説明会の開催を中止しています。8月以降のリクナビイベントは、事態の状況を見極めながら再開を検討するようです。
マイナビ就職EXPO、マイナビ就職イベント
もう一つの2大就活サイトであるマイナビの合同企業説明会には「マイナビ就職EXPO」と「マイナビ就職イベント」があります。「マイナビ就職EXPO」が全国20都市で開催されるのに対し、「マイナビ就職イベント」は地域密着型イベントとして全国47都道府県で開催されています。このようにマイナビの合同企業説明会は開催エリアが広いため、地域密着型で採用活動を行いたい企業に向いています。それぞれの開催時期と2018年の開催実績は下記の通りです。
開催時期 | 開催回数 | 総来場者数 | 総出展企業数 | |
マイナビ就職EXPO | 3月~5月 | ― | 約24万人 | 約9,900社 |
マイナビ就職イベント | 3月~8月 | 236回 | 約5万8,000人 | ― |
※新型コロナウイルス(COVIT-19)感染拡大の影響について 来場者数が一定を越えた場合は入場制限を行うなどの感染対策を行った上で、一部のイベントを開催しています。
キャリタス就活フォーラム
キャリタス就活の合同企業説明会は「キャリタス就活フォーラム」という名前で開催されています。その規模は年間全国30都市、開催約200回、来場者数20万人以上と、リクナビやマイナビに次ぐレベルです。
学生と気軽にコミュニケーションできる特別ブース「ソーシャルパーティ」など、学生目線で企画されたユニークなコンテンツが用意されています。自社ブースに加え、これらの企画を活用して来場学生にアプローチできます。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響について 入場前に検温を行うなど感染対策を行った上で開催しています。WEB合同企業説明会も実施しています。
業界・職種特化タイプの合同企業説明会
業界や職種に特化した合同企業説明会なら、全業界を対象としたものよりターゲットを絞れます。
アクセス就活FOCUS
アクセス就活を運営するアクセスネクステージは、介護・福祉業界、保育業界、食に携わる企業や、接客・サービス・店舗マネジメント職など、特定の業界・職種に限定した合同企業説明会を開催しています。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響について
マスクやフェイスシールドの配付など感染対策を行った上で開催しています。
学研就職セミナー
学研が主催する「学研就職セミナー」は熱心な理工系学生に出会えると好評です。理工系の学部生・院生を幅広く対象とするものから、理工系の女子学生、高専生と対象を絞ったものまでさまざまなセミナーが開催されています。
クリ博就職フェスタ
クリ博ナビを運営するイマジカデジタルスケープは、マスコミ・コンテンツ業界の企業に特化した就職イベント「クリ博就職フェスタ」を開催しています。ゲーム、アニメ、広告、マスコミ、Web/IT、デザイン業界などから50社以上(2019年度実績)の企業が出展し、クリエイター志望の学生が多く集まります。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響について
中止、ないしはオンラインでの開催に切り替えています。
個別企業説明会
個別企業説明会なら、合同企業説明会よりも時間をかけて自社をアピールできます。また、自社に対する志望度がより高い学生が集まるのもメリットです。
クイック|WEB説明会
人材紹介サービスを提供するクイックでは、コンサルタント職などを志望する学生向けにWEB説明会を実施。説明会のプログラムには自社や仕事内容の紹介だけでなく、採用支援を通して得たノウハウを生かし「面接対策講座」を組み込んでいます。
大学訪問・学内説明会
大学訪問・学内説明会は、ターゲットとしている大学の学生に直接アプローチできるのが特徴です。時間や手間はかかりますが、信頼関係を構築できれば大学側から優秀な学生を紹介してもらえることがあります。
筑波大学|学内企業説明会
筑波大学が開催している学内企業説明会の場合は、WEBフォームやメールで出展の申込みができるようです。ただ、応募社数が多数の場合は、出展できるかどうかは主催者側の判断となります。
※会社説明会のプログラムについては「内定承諾率を上げる、魅力的な会社説明会の考え方とは」で詳しく解説しています。
学生の質を重視したい場合の採用イベント
より志望度の高い学生や、求めている人材に近い学生との関係を構築するには、インターンシップや座談会、勉強会などが有効です。
インターンシップ
学生と接する時間が長く、実際に業務の一端を体験してもらうことで、適性を見極めやすいのがインターンシップの特徴です。優秀な学生に早期からアプローチできる、志望度を上げられるなどのメリットがあります。
サイバーエージェント|全職種向け 実践就業型インターンシップ
日本を代表するITベンチャー企業のサイバーエージェントは、メディア事業、ゲーム事業などさまざまな部署で実務体験できる就業型インターンシップを企画しています。体験期間は約1カ月間。就業先の部署での実務体験以外にも、事業部を横断したランチの開催などが予定されているため、企業全体の雰囲気を理解することが可能です。
講談社|1day インターンシップ「とんがり講座19-20」
大手総合出版社である講談社が主催する1dayインターンシップです。編集、校閲、営業など各現場で活躍する社員が講師となり、実際の業務を模した課題に取り組んでもらいます。1回あたり100名が参加できるため、より多くの学生に出版社の仕事のリアルに触れてもらうことができます。
セガ|ゲームの「オモシロさ」を考えよう!1dayコース
ゲームをはじめとする多数のエンタテイメントを提供するセガが主催する1dayインターンシップです。グループワークを通じてゲームプランナーの仕事を体験してもらうプログラムになっています。プランナー以外にも、総合職、プログラマ、デザイナー向けと職種別にインターンシップを企画することで、仕事に対する理解促進が期待できます。
座談会・社員交流会
実際に働いている社員と交流することで、説明会だけでは伝わりにくい会社の雰囲気を感じてもらうことが可能です。学生の疑問や不安に丁寧に寄り添うと、働く姿をよりリアルにイメージしてもらいやすくなるだけでなく、良い印象を持ってもらえる可能性が高まります。
FUNDBOOK|21′選考直結型社員交流会
M&A仲介サービスを提供するFUNDBOOKが開催した社員交流会です。学生にとって身近とは言えないM&Aの仕事やベンチャー企業の雰囲気などについて、食事をしながら社員が答えます。ベンチャー企業で働く不安を解消するとともに、志望度を上げる効果が期待できます。
KDDI|KDDI Career Meeting
通信大手のKDDIは、職種別に座談会を積極的に開催しています。KDDIの職種は営業・企画などの業務系職種と、エンジニア・デザイナーなどの技術系職種に大別されます。職種が多く、仕事内容がイメージしにくいと感じる学生に向けて、それぞれの職種の社員が直接話すことで、仕事に対する理解を深めてもらう試みです。
セミナー・勉強会・ワークショップ
特定の職種に必要な勉強会やワークショップを行うことで、熱意のある学生との出会いが期待できるのがこのイベントの特徴です。業界や仕事内容の理解を深めてもらうことで、入社意欲が高まる効果も期待できます。
コロプラ|ポートフォリオ勉強会
スマホゲームを提供するコロプラは、デザイナー志望の学生が就職活動で必要となるポートフォリオの作り方に関する勉強会を開催しています。選考時に必要なものの準備を支援するという着眼点がユニークですね。企画そのものに「ものづくりにこだわる」姿勢が感じられる取り組みです。
採用イベントを成功させるヒント
最後に採用イベントを成功させるヒントを解説します。
採用計画が成功の肝
自社の事業計画(未来)と採用実績(過去)をもとに採用課題を整理し、その課題を解決するために必要な採用イベントが何か見極めた上で、採用計画を立てることが大切です。
知名度が低く採用母集団の絶対数が足りなかったのであれば、合同企業説明会に積極的に参加する必要があります。優秀な学生に早期からアプローチしたいのであれば、インターンシップで早めに接点を作らなければなりません。採用イベントは採用活動を成功させるための通過点であり、ゴールではないことを肝に銘じましょう。
※採用戦略の策定方法については「採用を成功に導く「採用戦略」のポイントとは」で詳しく解説しています。
採用コンサルティングサービスの活用
採用活動のためのリソースが社内に十分にない場合は、採用コンサルティングを活用する選択肢があります。コンサルティング内容は会社によって異なりますが、市場の調査・分析から採用計画の立案、実行支援まで包括的に行ってくれるサービスもあり、どのような採用イベントを実施すべきか明確になります。
クイックの「採用コンサルティング」について詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
採用イベントには合同企業説明会やインターンシップ、社員交流会……、さまざまなものがあります。実施にはコストがかかりますので、自社の採用課題にマッチしたイベントを行うことが採用効率を高める鍵です。今回は具体的な事例を中心に紹介しましたが、どのような採用イベントを実施すればいいのかお悩みの際は、採用コンサルティングサービスの活用も検討してください。
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