採用コンサルタントとは? メリットや成功に導く選び方を解説! COLUMN

採用コンサルタントとは? メリットや成功に導く選び方を解説!

採用活動に悩みを抱える企業にとって、強い味方となるのが採用コンサルタントやコンサルティング会社です。しかし、実際のサービス内容がよくわからず、利用をためらっている採用担当者もいるでしょう。本記事では、採用コンサルタントやコンサルティング会社の基本やメリット・デメリット、選び方のポイントまで解説していきます。

目次

採用コンサルタントとは?

まずは採用コンサルタントの概要について説明します。

人材採用に関する課題解決を支援する職種

採用コンサルタントとは、企業の人材採用に関する問題解決をサポートする職種です。採用のノウハウがない、専任の採用担当者がいない、目標の採用人数に届かない、早期離職者が多いなどの採用に関する課題を抱えた企業に対して、課題解決のためのさまざまなサポートをおこなう採用活動のプロフェッショナルです。近年の少子化や人手不足などの影響から、採用活動の悩みを抱える企業は増えており、それにともなって採用コンサルタントの需要も高まっています。

採用コンサルティングと採用代行の違い

採用コンサルティングと採用代行は、いずれも採用コンサルタントが提供するサービスを指します。採用コンサルティングは、企業の採用担当者に対して採用活動のフォローをしたり、採用ノウハウを伝授したりするのが主で、採用代行は企業の採用担当者の代わりに採用活動の実務面を担うのが主です。ただし、なかには採用コンサルティングと採用代行が並行しておこなわれたり、採用コンサルティングの一環として採用代行が含まれたりすることもあります。

採用コンサルタントが取得している主な資格

採用コンサルタントに必須となる資格はありません。しかし、採用コンサルタントの領域は幅広く、直接的には採用戦略立案から施策実施までの人事面、間接的には経営全般やマーケティングなどの知識が求められます。そのため、社団法人が認定する資格のほか、国家資格にも役立つ資格があります。

採用コンサルタント【難易度:不明】

この資格は、一般社団法人総合経営管理協会の認定資格です。人材採用の意義や重要性を明確化し、経営視点に立った人事・採用業務のあり方を体系的に学ぶことが可能です。採用活動に関する法律や実務知識を網羅し、採用フローの構築に役立つポイントや採用実務のテクニックを習得できます。

【概要】

  • 年4回開講(1月、4月、7月、10月)
  • 3ヵ月の通信講座のほか、スクーリング、認定試験を加えた4ヵ月のカリキュラム
  • 「知識編」「計画編」「実務編」の3分冊のテキストで体系的に学ぶ

詳しくは、次の総合経営管理協会のサイトをご確認ください。

(※参考)一般社団法人 総合経営管理協会:「採用コンサルタント講座

社会保険労務士【難易度:高】

社会保険労務士は、社会保険労務士法に基づく国家資格です。人材に関する専門家であり、採用から退職までの人事サイクルにおいて、労働や社会保険に関する諸問題や年金相談に応じるほか、労働社会保険や紛争解決手続きといった業務を担います。また、人事に関する専門知識を活かして、人事制度の設計など企業を支援するコンサルタントとして活躍している有資格者もいます。

【概要】

  • 合格率:6~7%程度
  • 受験資格:「学歴」「実務経験」「厚生労働大臣の認めた国家試験合格」の3つに分けられ、このなかのいずれか1つを満たしている必要あり
  • 試験科目:労働基準法や労働安全衛生法、雇用保険法のほか、労働関係の一般常識、社会保険、厚生年金保険法など

詳しくは、次の全国社会保険労務士会連合会のサイトをご確認ください。

(※参考)全国社会保険労務士会連合会:「社労士になるには

中小企業診断士【難易度:高】

中小企業診断士は、中小企業支援法に基づく国家資格です。中小企業における経営課題の診断や助言をおこなう専門家であり、幅広い知識の下、企業の成長戦略策定から実行までのアドバイスをします。経営全般の知識やコンサルティング能力が問われますが、人事関連の試験科目としては、一次試験では企業経営理論における「人的資源管理」、二次試験では「組織・人事に関する事例」が出題されます。

【概要】

  • 合格率は:3~4%程度(一次試験、二次試験ともに18%程度)
  • 受験資格:年齢・性別・学歴等に関係なく、だれでも受験可
  • 試験科目:一次試験は、経済学や財務・会計、企業経営理論、中小企業経営・中小企業政策など/二次試験は、筆記試験、口述試験

詳しくは、次のサイトをご確認ください。

(※参考) 中小企業庁:「中小企業診断士関連情報

(※参考)一般社団法人 中小企業診断協会:「中小企業診断士制度

採用コンサルタント・コンサルティングのサービス・仕事内容

次に、採用コンサルタント・コンサルティングのサービスや仕事内容を紹介します。

採用戦略の立案

採用コンサルタント・コンサルティングで最初におこなうことは、採用戦略の立案です。企業の経営戦略の下、自社に必要な人材要件を明確化し、効果的に採用活動を展開するためには、採用戦略の立案が不可欠です。求める人材像を具現化し、採用市場や競争環境分析の下、採用戦略を立案します。そのためには、自社の採用課題を明らかにするとともに、経営層・現場・人事の三者で採用認識を共通化することも重要です。

採用課題や採用戦略を詳しく知りたい方は、「採用課題とは?見つけ方や一覧、採用フローを徹底解説!【チャート図付】」や「採用戦略とは?今から使えるフレームワーク5選や立て方、ポイントを徹底解説」の記事をご参考ください。

採用プロセスの設計

立案した採用戦略に基づき、採用プロセスを設計します。ボトルネックとなっていたプロセスに着目し、求職者のニーズに応えることができる採用チャネルや手法を検討します。各チャネルで伝える情報や採用認識が異なると、採用ミスマッチを引き起こす恐れがあります。一貫した採用認識の下、全ての採用プロセスを設計することが重要です。

採用CX(候補者体験)の設計

採用プロセス毎に、採用CX(候補者体験)を設計します。求職者が自社を認識してから、企業比較、応募、選考の段階を経て、入社決意に至るまでの各採用プロセスでの設計が必要です。重要なポイントは、採用プロセスが進むほど、求職者の入社意欲が高まるように設計することです。採用コンサルタントやコンサルティング会社によっては、独自のフレームワークで、効果的に採用CXを構築するケースもあります。

採用CXを詳しく知りたい方は、「【事例付】採用CX(候補者体験)とは?成功に導く採用戦略構築ポイント」の記事をご参考ください。

採用活動の計画

採用活動の計画を立てるために、採用コンサルタントが企業の採用担当者に採用予定人数や、採用ターゲットなどについてヒアリングをおこないます。ヒアリング内容をもとに採用活動全体のスケジュールを立て、成功率を上げるための方法、必要なツールやイベントについて分析していきます。

採用サイトや説明会などを利用した集客

自社の求人に興味がある母集団を形成するために、集客率の高い採用サイトや採用パンフレットの作り方、会社説明会や就職セミナーの開催方法をプロ目線でレクチャーまたは代行します。単に母集団の人数を増やすのではなく、そのなかの採用ターゲットの割合をいかに増やせるかどうかも重要です。

面接官のトレーニング

企業の採用担当者に対して、応募者に自社の魅力を存分に伝え、選考・内定辞退の防止につながる面接方法のトレーニングをします。また、面接官同士で合否判定を統一するためのノウハウを伝授し、採用活動の効率化を図ります。一次面接など参加人数が多い場合や、応募者が遠方に住んでいる場合などは面接官を代行するケースもあります。

内定者フォローの取り組み

採用ターゲットの内定辞退を防ぐために、インターンシップ制度の整備や内定者懇親会の計画・開催に取り組みます。さらに、ビジネスマナーなどの研修やグループワークの企画立案から実施代行までをおこなうケースもあり、入社後には即戦力として活躍できるようサポートします。

早期離職を防止する職場環境作り

早期離職を防止するために、既存社員を対象にした新入社員を受け入れるための意識作りやOJT研修のレクチャー、働きやすさ向上を目的とした人事制度や福利厚生の見直しなどをおこないます。

採用コンサルティングのメリット・デメリット

採用コンサルティングには以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

プロ目線の採用活動ができる

採用コンサルティングの最大のメリットは、プロ目線の採用活動ができることです。採用コンサルタントは、採用に関するさまざまな知識や経験があることはもちろん、世の中の動きや採用のトレンドを押さえているため、それらをかけ合わせながら自社にとって効果的な採用方法を提案してくれます。また、第三者である採用コンサルタントが客観的な分析をすることで、これまで気付かなかった採用活動の問題点を発見し、問題解決につながることもあります。

採用担当者の負担を軽減できる

特に中小企業では、「採用担当者がさまざまな業務を抱えていて採用活動に集中できない」「採用に携わる社員が足りない」などの理由から、採用活動をスムーズに進められないケースがみられます。その場合は採用コンサルティングを活用し、求人広告の原稿作成や面接の日程調整などのノンコア業務を代行してもらうことで、採用担当者の負担軽減につなげられます。

デメリット

場合によってはコストがかさむ

コンサルティング内容によって、料金は大きく変わってきます。また、コンサルティング会社によって料金システムが異なり、月額数十万~数百万円としているところもあれば、説明会や母集団形成など工程ごとに料金を設定しているところもあります。当然コンサルティングを依頼する範囲が広いほど料金は高くなりますが、結果が期待できるレベルのコンサルティングを求める場合はそれなりの料金が必要になるのが実情です。

応募者とのコミュニケーションが疎かになりやすい

採用活動のどの行程を採用コンサルタントに任せるのかにもよりますが会社説明会や内定者フォローなどを採用コンサルタントに一任してしまうと、応募者や内定者とのコミュニケーションの機会が減り、信頼関係が構築されないこともあります。内定辞退や早期離職の防止には、採用担当者に対して信頼感が持てるかどうかも影響するため、応募者や内定者とは積極的にコミュニケーションを取り、不安があればいつでも相談してもらえる環境を整えておきましょう。

失敗しない採用コンサルタント・コンサルティング会社の選び方ポイント

採用コンサルティングを有効活用するためには、事前に複数の採用コンサルティング会社で見積もりをし、サービス内容や採用活動の予算を照らし合わせましょう。
加えて、担当の採用コンサルタントを見極める際には、以下のポイントに注意することが大切です。

自社の課題や段階を明確化しておく

最初におこなうべきことは、自社の課題や段階の明確化です。

自社の課題や、「調査・分析段階」「戦略立案段階」「施策構築段階」「施策運用段階」のどの段階であるかによって、依頼先が異なります。自社に合ったコンサルティング会社や採用コンサルタントを選定できるよう、あらかじめの課題や段階を明確化しましょう。

採用コンサルタントやコンサルティング会社の強みや専門性を把握する

自社の課題や段階を明確化したあとは、採用コンサルタントやコンサルティング会社の強みや専門性を把握します。

採用コンサルタントやコンサルティング会社は、経営コンサルティング系や広告系、人材サービス系など多岐にわたります。経営コンサルティング系は戦略面、広告系は求人募集面、人材サービスであればプロセス全般など、系統毎に強みや専門性が異なります。それぞれの強みや専門性を把握することで、自社に合った採用コンサルタントやコンサルティング会社の選定が可能です。

スタートからゴールまで伴走してもらえる

最後に重要なことは、スタートからゴールまで伴走してもらえることです。

自社の採用課題と向き合い、現状分析から戦略立案、実施、振り返りの全般を支援してもらえる採用コンサルタントやコンサルティング会社を選定することが重要です。これにより、自社の課題に最適なソリューションを提案してもらい、改善した採用プロセスを定着化させることができます。

弊社クイックでは、長年にわたり蓄積してきた採用ノウハウや実績の下、採用戦略立案から実行、改善の採用プロセス全般をワンストップでご提案可能です。ベンダーフリーの立場で採用課題に向き合い、スタートからゴールまで伴走し、お客様の課題解決をご支援しています。弊社クイックの採用コンサルティングサービスにご興味ある方は、こちらをご確認ください。

まとめ

本記事では、採用コンサルタントやコンサルティング会社の基本やメリット・デメリット、選び方のポイントを解説しました。自社の課題や段階に合わせて、スタートからゴールまで伴走してくれる採用コンサルタントやコンサルティング会社を選定することで、プロ目線の下、自社に最適な採用活動の実現や採用プロセスの定着化が可能です。

自社の課題や段階に合わせた採用コンサルタントやコンサルティング会社を選定し、採用活動を成功させましょう。

また、採用に関わる方なら知っておきたい法律を以下資料にまとめております。
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コピーライター、人事(採用担当)を経て、大手人材会社でディレクターとして、クリエイティブ企画や経営戦略にひもづいた人材採用・活用のコンサルティング業務などに従事。現在はIT企業勤務の傍ら、マーケティング・人材採用の領域を専門に中小企業支援を行っている。

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