面接官の役割
求職者の見極めを行い、ミスマッチを防ぐ
採用面接では、求められるスキルや自社の価値観に適合する人材を見極めることが肝要です。そのため、面接官には、履歴書や職務経歴書には現れない候補者の本質や意欲を引き出すことが求められます。これにより、採用ミスマッチを未然に防ぐことができます。
自社の魅力をアピールする
面接官は、候補者に対して直接的な口頭コミュニケーションが取れるという強みを持っています。
そのため、面接官が面接を通じて候補者に自社での働きやすさや成長の機会を明確に伝えることで、彼らの入社意欲を高めることができます。
面接官が行うべき準備
評価基準を明確化し、社内で共通認識を持つ
採用面接の成功には、評価基準の明確化と社内での共有が不可欠です。評価基準を明確にすることで、採用メンバーが一貫した視点で候補者を評価し、ミスマッチを防ぐことができます。面接評価シートの活用や事前の評価基準の共有を通じて、採用プロセスをスムーズに進めましょう。
履歴書や職務経歴書を読み込む
面接前には、候補者の履歴書や職務経歴書を十分に読み込んでおくことが重要です。これにより、面接時に適切な質問をすることができ、候補者のスキルや経験を的確に評価することができます。また、経歴の整合性や嘘がないかを見極めることも重要です。
面接の流れを決め、把握する
限られた面接時間を有効活用するために、面接の流れと時間配分を事前に決めておくことが必要です。企業説明や質疑応答など、各項目に割り当てる時間を明確にすることで、円滑な面接を行うことが可能です。複数の面接官がいる場合は、時間配分の調整やコミュニケーションを密に行うことがポイントです。
面接の流れ
採用面接は、企業にとって極めて重要なプロセスです。適切な流れを持つことで、効果的な面接を実現し、最適な候補者を採用することが可能となります。一般的な採用面接の手順は以下の通りです。
まず、面接前半ではアイスブレイクを行います。この段階では、緊張をほぐし、候補者との間にリラックスした雰囲気を作り出すことが重要です。
その後、自社の概要や採用ポジションに関する説明を行います。候補者にとっては、企業の理解が深まり、自身との適合性を判断する材料となります。
次に、候補者を評価するための質問を行います。面接官は、候補者のスキルや経験、そして人物像をより深く理解するための質問を行います。この段階で候補者の適性や志向性を的確に評価し、企業とのマッチング度合いを判断します。
最後に、候補者からの逆質問を促します。候補者が企業について理解を深め、自身の関心や疑問を解消するための時間を与えます。また、面接官は候補者に対して入社条件や勤務スケジュールなどの詳細を説明し、最終的な連絡や手続きについて話し合います。
これらの流れを実行することで、採用面接の効果を最大化し、適切な候補者を選定することが可能となります。
面接で聞くべきことは?質問例をご紹介!
ここから、面接で聞くべき質問例についてご紹介します。
イントロダクション
外は寒いですよね。体調は問題ないですか?
空調の設定温度は適切ですか?寒さは感じませんか?
今日は電車でお越しですか?混雑はいかがでしたか?
弊社までの経路は迷いませんでしたか?
ご自宅から弊社までどれくらいの時間がかかりましたか?
今日は雨でしたが、電車でお越しになりましたか?
本日はご自宅からお越しですか?
今日はどの手段でお越しになりましたか?
弊社に到着するまでにどれくらい時間がかかりましたか?
カメラや音声に問題ありませんか?(オンライン面接時)オンライン面接は初めてですか?
何かお困りのことがございましたらお知らせください。
・・・が得意なのですね。いつからそのスキルを習得されましたか?
・・・が趣味なんですね。実は私も同じ興味を持っておりまして、週末にはよく・・・に行っているんですよ。
就活中は忙しいと思いますが、息抜きはされていますか?
会社説明会はどのようでしたか?
・・・県にお住まいだったのですね。・・・県の名産品は何ですか?
履歴書に、趣味が旅行とあるのですが、どのような場所に行かれましたか?
最近のニュースで現在お勤めの会社に関する・・・を見かけましたが、社内でその話題は盛り上がっていますか?私も中途入社で、入社してから・・・年目になります。採用担当者としては・・・年前から携わっています。
私も・・・さんと前職が同じで、△年間勤務していました。
私は・・・という点で弊社に魅力を感じ、入社を決意しました。
1分程度で自己紹介していただけますか?
これまでの経歴について簡単に紹介してください。
職歴と前職での実績についてお話しいただけますか?
趣味や好きなこと、得意なことは何ですか?
候補者理解
志望動機を確認する質問例
志望動機をお聞かせください。
弊社に魅力を感じる点を3つ挙げていただけますか?
企業選びのポイントを教えてください。
率直なところ、弊社にどのような印象をお持ちですか?
弊社以外に応募されている企業と比較して、弊社に魅力を感じる点は何ですか?
・・・が転職理由とのことですが、その課題は弊社でどのように解消されるでしょうか?
弊社のビジョンや企業理念に共感できますか?
現職では引き止められるのではないですか?
入社時期はいつ頃のイメージですか?
弊社でどのようなことを達成したいとお考えですか?
具体的にやってみたい業務内容は何ですか?
・・・職を希望する理由を教えてください。
・・・業界を志望する理由は何ですか?
ほかにどのような業界や企業の選考を受けていますか?
今回の転職活動で譲れないポイントは何ですか?
弊社でどのような経験やスキルを身に着けたいですか?
弊社の志望度は他社と比べて何番目ですか?その理由を教えてください。
転職を終了する期限はありますか?
弊社に期待することは何ですか?
自由に選べるなら、どのような会社で働きたいですか?
弊社について知りたいことはありますか?
転職先の基準として重視していることを3つ教えてください。
現職で退職理由を解消できる提案があったとしても、弊社に転職しますか?
未経験の業界に挑戦したい理由は何ですか?
弊社のミッションや価値観に共感する点は何ですか?
転職することへの意欲や覚悟について教えてください。
自己PRを促す質問例
長所と短所を教えてください。
弊社であなたの強みをどのように活かせますか?
あなたを採用するメリットは何だと思いますか?
弊社に入社して、どのように貢献していきたいと考えていますか?
前職(過去)の具体的な実績についてお話しください
前職(過去)の経験を踏まえて自己PRをしてください
周囲からどのような印象を持たれていますか?
集団の中でどのような役割を担うことが多いですか?
喜怒哀楽が変化するタイミングを教えてください。
一番の挫折経験を教えてください。
モチベーションの源は何ですか?
過去の経歴を確認する質問
業務内容には力仕事も含まれていますが、問題ありませんか?
なぜこの学校を選びましたか?
最も成長できたと感じる経験について詳しく教えてください。
前職で担当していた業務について教えてください。
最も大きな成果を得た出来事と、そのためにした努力について教えてください。
・・・に関する知識はありますか?
・・・の経験は何年ありますか?
・・・という業務をお任せした場合、遂行できますか?
会社から与えられた目標はどのようなものでしたか?
仕事を通じた評価や表彰の経験はありますか?
前職では、どのようなメンバーと競合していましたか?
前職での目標や目的は何でしたか?
新しい環境や業界に挑戦したい理由を教えてください。
最も困難だった課題やプロジェクトは何でしたか?どのように対処しましたか?
前職での失敗経験はありますか?
クライアントや上司からのフィードバックを受けた経験はありますか?
前職でのチームメンバーや上司との関係性について教えてください。
仕事観を見極める質問例
仕事で大切にしていることを教えてください。
どのような仕事にやりがいを感じますか?
働くということ、「仕事」について、どのようにお考えですか?
モチベーションを維持する方法を教えてください。
チームで仕事をする際、どのように協力しますか?
10年後、どのような仕事をしていたいですか?
転職を通じて、弊社に期待することは何ですか?
仕事をしていて最もストレスを感じたことは何ですか?
職務適性を見極める質問例
あなたの最も得意な業務やタスクは何ですか?その理由を教えてください。
過去の仕事で直面した難題と、それをどのように解決しましたか?
新しい業務に取り組む際、どのようにして新しいスキルを習得しますか?
タイトなスケジュールの業務がある場合、どのようにタスクを優先づけしますか?
どのように自身のスキルを高め続けていますか?
業務を行なう上で、どのような目標や目的を持って仕事に臨んでいますか?
プレッシャーの大きな業務に取り組む際に意識していることはありますか?
仕事に関して最も努力してきたことは何ですか?
あなたにとって働く意味や目的は何ですか?
あなたの強みを弊社の業務でどのように活かせますか?
大きなミスをしたとき、どのように対処しましたか?
仕事をする上でストレスを感じたことはありますか?
不満を感じた業務はありますか?
どのような環境下において、あなたのパフォーマンスが上がりますか?
退職理由を見極める質問例
退職を考えるようになったきっかけや理由について教えてください。
前職での実績や経験を考慮し、転職をお考えになった動機は何でしょうか?
前職での課題や不満に対処するためには、どのようなアプローチを取りましたか?
転職を検討する際に最も重視している要因は何ですか?
前職での経験から得た教訓を、今後のキャリアにどのように生かす予定ですか?
前職での成功と失敗の経験を共有いただけますか?
新しい職場で期待や希望する点について教えていただけますか?
前職での労働環境における改善点を挙げることはできますか?
前職の上司や同僚との関係から学んだことは何ですか?
転職回数が多い理由を教えてください。
転職を検討する際に、周囲からどのようなアドバイスを受けましたか?
なぜ、今転職を考えるに至ったのですか?
前職の同僚や後輩は、あなたの転職についてどのように感じていると思いますか?
退職理由に言及された条件が、前職で実現可能であれば、続けていましたか?
今後、再び転職をする場合、その理由は何だと考えますか?
退職の検討理由に対して、自ら解決を試みたり工夫した経験はありますか?結果は如何でしたか?
現職に留まるための条件は何ですか?
現在の会社で最もサポートしてくださっている方は誰ですか?その方は転職についてどのような考えをお持ちですか?
会社への退職意向を伝えた際、引き留められたり改善提案を受けたりしましたか?
なぜこの業界への転職を決断されたのですか?
将来のキャリアで目指すポジションや役割は何ですか?
前職において上司や同僚からの評価はどのようなものでしたか?
転職を検討する際に重視する条件をお聞かせいただけますか?
キャリアビジョンを見極める質問例
長期的なキャリア構築についてどのような考えがありますか?
3年後、5年後にはどのようなポジションにいたいと考えていますか?
10年後、どのような職務を担当していたいですか?
新しいスキルや知識を獲得するために取り組んでいることはありますか?
あなたのキャリア全体を通じて達成したい大きな目標はありますか?
入社後に達成したいことや実現したいことはありますか?
入社後に習得したいスキルは何ですか?
仕事とプライベートの両立についてどのような考えがありますか?
将来のキャリアに向けて、どのような知識やスキルを身につけたいと考えていますか?
周囲からどのような評価や評判を受けていると思いますか?
価値観や志向性に関する質問例
長期的なキャリア構築についてどのような考えがありますか?
3年後、5年後にはどのようなポジションにいたいと考えていますか?
10年後、どのような職務を担当していたいですか?
新しいスキルや知識を獲得するために取り組んでいることはありますか?
あなたのキャリア全体を通じて達成したい大きな目標はありますか?
入社後に達成したいことや実現したいことはありますか?
入社後に習得したいスキルは何ですか?
仕事とプライベートの両立についてどのような考えがありますか?
将来のキャリアに向けて、どのような知識やスキルを身につけたいと考えていますか?
周囲からどのような評価や評判を受けていると思いますか?
コミュニケーションスキルに関する質問例
コミュニケーションで重視している点は何ですか?
初対面の人との会話に抵抗はありますか?
複雑な情報を分かりやすく説明する際に意識していることはありますか?
プレゼンテーションや報告書作成で、効率的なコミュニケーションを図るために意識していることはありますか?
会話をする際に気をつけていることはありますか?
チームでの仕事において、他のメンバーとどのように協力していますか?
上司に企画を説明する際、説得力を持たせるためのアプローチはどのようなものですか?
オンライン上でのコミュニケーションにおいて気をつけていることはありますか?
コミュニケーションを円滑に行うための重要な要素を教えてください。
前職の業務内容を、小学生に伝えると思って説明してみてください。
あなたが好きなことについて、2分程度で説明してください。
会話の中で楽しいと感じる場面についてお聞かせください。
日々の報連相において、円滑なコミュニケーションを取るために心がけていることはありますか?
担当業務で成果を出すために工夫していることについて教えてください。
応募者からの逆質問を促す質問例
弊社の企業説明や業務内容について、気になる点やギャップはございましたか?
弊社のウェブサイトや採用情報をご覧いただきましたか?何か疑問点がございますか?
弊社での勤務をお考えの際に、現時点での不安要素はありますか?
今日の面接を通じて、何か疑問点や質問がございますか?
最後に、特にアピールしたいポイントはございますでしょうか?
最後に、お伝えしたいことはございますか?
最後に、何か質問したいことや確認したい点はございますか?
面接の質問以外の評価項目について
採用面接では、質問以外の評価項目も重要です。以下は、面接官が候補者を評価する際に注目するポイントです。
言葉遣い・礼儀(待機中)
待機中の候補者の言葉遣いや態度は、採用の決定に影響を与える要素の一つです。他の待機者やスタッフへの対応が丁寧であるか、礼儀正しい態度が見られるかを注視する必要があります。
コミュニケーションスキル
面接中の候補者のコミュニケーションスキルも重要な評価項目です。自己表現や意見の述べ方、相手の話の聞き方などのコミュニケーション能力にも注意を払う必要があります。
準備性
候補者が面接に臨む際の準備状況も評価されます。自社や職種に関する情報の把握や面接に必要な資料の持参、時間通りに面接の場に来ているかどうかも評価すべきポイントです。
視線・表情
面接中の候補者の視線や表情は、その人の気持ちや意志を表します。質問を通じたコミュニケーションだけではなく、視線や表情などの非言語コミュニケーションも候補者を理解するための重要なツールの一つです。
服装・身だしなみ
候補者の服装や身だしなみも重要な評価項目です。清潔感があり、適切な服装で面接に臨んでいるかどうかを確認してください。清潔感のある服装は、候補者の自己管理能力を判断する一つの判断材料となり得ます。
面接で良い人材を見極めるポイントは?
以下のポイントを意識しながら面接を行うことで、企業様が適切な人材を効果的に見極めることが可能です。
採用要件をしっかり定義する
採用面接において、最も重要なポイントの一つは採用要件を明確に定義することです。採用する候補者に求めるスキルや経験、性格などを事前に明確にし、それに基づいて面接を進行することで、適切な候補者を見極めることができます。
緊張を和らげる雰囲気づくりを意識する
面接では、候補者が緊張せずに自然な姿を見せることができるよう、緊張を和らげる雰囲気づくりが必要です。アイスブレイクなどの軽い会話や質問を通じて、候補者と面接官の間にリラックスした雰囲気を作り出すことが重要です。緊張している候補者は本音を伝えづらいため、和やかな雰囲気の中での面接を心がけることで、より良い人材を見極めることが可能となります。
面接チェックシートを用意する
面接チェックシートを用意する大きなメリットは、候補者を客観的に評価できる点です。シートには候補者への質問事項や、評価項目を記載します。面接官はシートに沿って質問をし、候補者の回答をもとに採点する流れです。面接官が複数人いる場合、面接官の主観や経験によって評価にばらつきが生じることを防ぎます
面接官のトレーニングを行う
面接官トレーニングを行うことで面接の質が向上し、候補者の内面的な魅力を引き出せます。面接官トレーニングでは、面接官の役割や心構え、面接の進め方、コミュニケーションのポイント、合否の判断基準などの内容を学べます。面接官による主観的な判断を防ぎ、自社にマッチした人材の採用につながります。面接官トレーニングについて詳しくは「「面接官トレーニング」で採用増加?効果や身に付けるべきスキルとは 」をご覧ください。
NG質問を避けモラルを守る
面接では下記のような、職業安定法で定められたNG質問が多数あります。
・本人に責任のない事項の把握
・本来自由であるべき事項(思想信条にがかわること)の把握
・ハラスメントや差別につながる恐れがある質問
これらの質問では候補者の能力、適正を測ることは出来ず、職業差別につながる恐れがあります。また、NG質問をする会社はモラルが低いと思われかねません。SNSや口コミサイトでマイナスの情報を流され、候補者の減少につながるリスクもあります。
面接官のNG質問の詳細については以下の記事を参考になさってください。
面接時のタブーな質問は?面接官が聞いてはいけない質問事例を紹介
まとめ
採用面接は、自社が求める人材を見極めるための重要な機会です。そのため面接官は、どのような人材がほしいかを明確にし、面接時に見極めるための質問を準備しておくことが大切です。求める人材と応募者のニーズがマッチすれば離職率の低下も期待できるので、十分準備してから採用面接を行ってください。
クイックでは、座学とロープレを用いた実践的な面接官トレーニングをご用意しております。コチラの資料にて詳細をご確認いただけますので、ご興味ございましたらお気軽にお問い合わせください。
セミナー情報
あわせて読みたい