採用広報のノウハウ解説!トレンド、手法、ツール選択の秘訣も COLUMN

採用広報のノウハウ解説!トレンド、手法、ツール選択の秘訣も

近年、採用活動における広報の重要性が高まっています。しかし選考やオペレーション業務ではない「採用活動」ゆえに、必要性を感じていながらも取り組みには至らない企業も多いのではないでしょうか。

採用広報は、活用の仕方次第ではコスト削減やミスマッチの防止など、大きなメリットを生み出す可能性があります。なぜ今採用広報が求められるのか、どのようなメリットを得られるのか解説します。

目次

採用広報とは? なぜ重要視されるのか

採用広報は、商品やサービスの存在ではなく、「就職先としての魅力」を多くの人に知ってもらう、いわば採用活動の土台づくりになる取り組み。まずはその必要性を理解することが大切です。

求める人材の応募を促進するための広報

採用広報とは、求める人材の応募を促進するための広報活動です。どのような媒体を選ぶかにかかわらず、採用につなげることを目的とした情報発信であれば、採用広報に含まれると考えてよいでしょう。

消費者や顧客、取引先などステークホルダーに向けて商品やサービス、IR情報を伝えるための企業広報とは性質が異なるため、ターゲット設定や発信内容を精査する必要があります。

すぐに成果が出るとは限らない長期施策

採用広報では短期間で成果を出すことが難しいため、「急募のポストへの応募につなげる」といった狙いでスタートさせることはおすすめできません。適切なコンテンツを発信するためには、経営者から現場の社員まで社内各所の協力を取り付け、全社的に方向性を一致させなければなりません。

また、採用広報はあくまで応募やマッチングを増やすための入り口です。選考への橋渡しとなるよう、適切な目標や期間を見極める必要があります。社会情勢や市場のトレンドにも影響を受けるため、長期的な試行錯誤を要する可能性を認識しておきましょう。

売り手市場の採用難対策には不可欠

すぐに効果が出ない施策であるにもかかわらず、採用広報の重要性が高まっている背景には、近年の採用難が影響しています。

リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査」によると2019年卒、2020年卒の大学(院)卒求人倍率はいずれも1.88倍、1.83倍と高い水準にとどまっています。特に300人未満の企業では8.62倍(2020卒)と超売り手市場であり、知名度や資金力がある大企業と比べて人材確保が極端に困難な状況です。

新卒一括採用から中途採用へシフトする動きもありますが、2018年下半期では中途採用で必要な人数を確保できなかった企業が過去6年で最高となるなど、年齢や経験に関係なく採用難であることがうかがえます(同「中途採用実態調査」)。

少子化により採用難が自然に解消する見込みがない中で、貴重な人材を確保するためには、採用広報を通じて効率的にターゲットに自社の情報を届け、興味を持ってもらうことが不可欠です。

飾らない情報発信が求められている

企業がWebサイトやSNSを運用するのが「当たり前」になっている現在、会社の理想だけを見せる情報発信ではなく、等身大の飾らない情報や本音を発信することが求められています。

昨今のコンプライアンス意識の高まりから、ユーザー(読者)は実際の労働環境と異なる職場の見せ方や、パワハラや休暇の取得拒否といった法律違反の可能性がある「ブラックな情報」に敏感になっています。透明性の高い情報発信は、ユーザーやその中にいる求職者の支持を得るための大前提です。

SNS普及、価値観の多様化の影響

さらに、情報へのアクセス方法が変化したことも影響しています。

SNSで誰でも匿名で情報発信できるという状況から、企業の評判や口コミの投稿も非常に多く、求職者が「求人票には書かれていないが、実際は長時間労働が常態化している」といったマイナスの情報を見つけることも容易です。社員や関係者の不満・不安の声を無視して良い面だけを発信していると、いずれは実態とのギャップが明るみに出てしまい、企業イメージ低下の原因になります。

また、働くことに対する価値観も時間とともに変化しており、求職者が仕事を選ぶ基準が多様化し「自分に適した会社はどこか?」という視点で企業情報を調べるようになりました。求職者の価値観に自社がマッチしていることが伝わるよう情報発信を充実させるのは、関心を持ってもらうために効果的です。

採用広報を行うことで得られるメリット

では、採用広報を行うことで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

応募数、採用数の増加

まず挙げられるメリットに、応募数や採用数の増加があります。

採用広報を行うことで母集団形成を強化し、認知度を高めることで関心を持つ人の数を増やせることによるメリットです。消費者向けの広報の場合は対象者が幅広く、反響を得られても採用に結びつくとは限りませんが、採用広報では発信内容やターゲットを限定しているため興味を持ってもらいやすく、効率が良いという利点もあります。

内定承諾率の向上

採用広報で会社の情報を周知することは、内定承諾の後押しにもつながります。

このメリットは、特に新卒採用において強みになります。転職者はすでに業界への理解があり、年収などの条件面も重視する傾向にありますが、これから社会人になる学生にとっては業務内容や職場の雰囲気など、判断材料は企業が発信する情報が頼りです。コーポレートサイトに概要が記載されているだけの会社よりも、事業方針や実際に働く社員の様子などが伝わってくる会社の方が、学生にとって安心感があるのは言うまでもありません。

将来的な離職率の低下

採用広報の間接的なメリットとしては、情報発信により入社後のギャップを軽減させる助けになります。会社の良い面・課題両方をオープンに発信していれば、「入社してみたら思っていたのと違った」といった不満は生まれにくくなります。

会社への不満や不信感は離職を検討する要素になり得るため、広報を通じて企業のアカウンタビリティを果たすことで従業員エンゲージメントを高め、リスクを減らすと捉えてもよいでしょう。

戦略的な採用広報を実現するには 

効果のある採用広報を行うには、戦略を立てることが重要になります。ここでは、戦略的な採用広報を行うためのステップを紹介します。

効果検証が可能な目標・KPI設定

戦略的な採用広報を実現するには、最終的な目標への達成度合いを検証・評価できるKPIの設定が必要です。

「認知」「SNSフォロー」「説明会参加」「採用ブログ閲覧」「採用サイト閲覧」「応募」のようにゴールまでのプロセスを細かく分けた上で、ステップごとにKPIを設定しましょう。細かくKPIを設定しておくと、効果が出ないときの軌道修正が容易になることはもちろん、費用対効果も見えるため、採用広報の計画が挫折しにくくなります。

ミスマッチを防ぐ精確なターゲット設定

ターゲットを具体的に設定することが、効果的な採用広報の出発点です。

ターゲットの属性を細かく絞り込めば、それに伴い広報で届ける内容も具体的に決めることができます。漠然とした「優秀な人材」では現場の社員の協力を得にくいですが、スキルや人柄を明確にすれば採用に関わる社員全員が共通認識を持って取り組むことができます。

人物像を明確にするポイントについては、「採用を成功に導く『採用戦略』のポイントとは」で詳しく解説しています。

自社に合う手法・ツールの選択

訴求したい内容・ターゲット層を踏まえ、適切な採用手法・ツールを選択します。手法・ツールは、パンフレットや採用サイト、ブログ、動画、SNSなどさまざまです。企業文化を伝えるならオウンドメディア、若年層や新卒に向けて社員の人柄を伝えるならTwitterなどのSNSというように、目的・ターゲットと相性の良い手法・ツールを選びましょう。

採用の「PESOモデル」

採用広報では、かつてオウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアを柱とした「トリプルメディア」による戦略策定が主流でしたが、最近ではアーンドメディアの分類を見直し「シェアドメディア」を加えた「PESOモデル」が有力視されています。

それぞれのメディアの性質を踏まえて自社に足りない部分を強化するなど、ツール選択の参考にしてみてください。

※参考:広報会議「図 1 トリプルメディア(POEM)から「PESO」へ」をもとに作成

※オウンドメディアを使った採用広報について詳しくは→ 「オウンドメディアリクルーティングとは?メリット、導入手順、コンテンツ事例まで易しく解説。

社内外への確実な周知

運用でつまずかないよう、採用広報開始前に社内外への周知を徹底することも大切です。

社内での周知はおろそかになりがちですが、採用広報を展開し始めてから広報内容と社員の情報発信が矛盾しているといった事態は、混乱やイメージ低下を招くおそれがあります。スタートを就活解禁日に合わせるなどのスケジュール面、発信する内容の方向性や公開範囲のすり合わせなどの共有事項を、関係者にもれなく伝えることがスムーズな運用を支えます。

まとめ

採用競争が激化している現在、ターゲットに効果的に情報を届ける「採用広報」は、どのような企業にとっても必要性が高まっているといえます。活用するメディアによってはコストを抑えつつ運用することも可能ですので、待ちの採用から攻めの採用に転換したいと考えている採用担当者の方は、戦略の1つとして知っておいて損はないでしょう。

監修/中森規仁

コピーライター、求人媒体の管理・運用職を経て、2011年クイックに入社。ディレクター・プランナーとして、求人広告や採用企画(採用プランニング・採用ツールのご提案)に携わっています。2018年より本メディアの編集・執筆も兼任。御用の方はこちらまで⇒nakamori-norihito@919.jp

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