【徹底解説】外国人採用|知るべきルール・メリット・ビザ手続き・注意点を徹底解説! COLUMN

2019.05.20

2023.07.27

【徹底解説】外国人採用|知るべきルール・メリット・ビザ手続き・注意点を徹底解説!

労働力不足が深刻化している日本では、女性やシニアといった多様な労働力を活用することが社会全体の課題となっており、外国人もその例外ではありません。特に近年は訪日外国人の増加により多言語対応の必要性が高まっている他、優秀なエンジニアは国境を超えた獲得競争が激しくなっています。今回は外国人採用のメリットと共に、採用に必要な手続き、受け入れの際の注意点について解説します。

※本記事は、専門的な知見が必要な内容を含むため、社会保険労務士の監修を受け作成しております。

目次

外国人採用・求人の動向

はじめに、外国人採用動向について解説します。

企業における外国人採用の動向

厚生労働省の調査によると、2022年10月末現在における外国人労働者数は1,822,725 人で、前年比 95,504 人増と外国人届出が義務化された2007年以降、過去最高を更新しています。一方、外国人を雇用する事業所数は298,790 所で、前年比 13,710 所増加し、同様に調査以降、過去最高の結果です。国籍別では、ベトナムが 462,384 人と最も多く、外国人労働者全体の25.4%を占めています。次いで中国は385,848 人(同21.2%)、フィリピン は206,050 人(同11.3%)と続いています。

(※参考)厚生労働省:「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)

在留資格別の外国人労働者数と新しい在留資格「特定技能」の外国人動向

在留資格別の外国人労働者数

在留資格別の 外国人労働者数は、永住者や日本人の配偶者といった「身分に基づく在留資格」が595,207 人(外国人労働者全体のうち32.7%)と最も多い状況です。次いで、教授、高度専門職、技術・人文知識・国際業務、特定技能など「専門的・技術的分野の在留資格」が 479,949 人(同 26.3%)、「技能実習」が 343,254 人(同18.8%)と続いています。

新しい在留資格「特定技能」の動向

2019年4月に、新たな在留資格として創設された特定技能。この特定技能とは、特定技能とは、人手不足が深刻な特定12分野で、単純労働を含む幅広い業務に従事できる在留資格のことです。

出入国在留管理庁の調査によると、2021年12月末の49,666人から2022年12月末には130,915人と、特定技能外国人は263%増と急激に増えています。この背景として、本来、「産業分類ごとの技能試験」と「日本語試験」に合格していなければならない「試験ルート」について、技能実習3年を良好に終えた外国人の場合は、特別にこの試験をパスできるなどから急増していると考えられます。特定技能を詳しく知りたい方は、法務省 出入国在留管理庁の「特定技能制度とは | 特定技能総合支援サイト」のサイトをご確認ください。

(※参考)法務省 出入国在留管理庁:「特定技能在留外国人数の公表

外国人採用のメリット

グローバル化が加速度的に進む今日、日本語を含む複数の言語を話せることの価値は高まる一方です。特に「高度人材」と呼ばれる専門知識・スキルを持ち合わせた人材については国境を超えた獲得競争が行われています。単なる「労働力」としてだけでなく、企業の中核を担う「人材」としても、活躍が期待される外国人。彼らを採用するメリットには下記のようなものが考えられます。

優秀な若手人材の確保

IoT、フィンテック(金融)、HRテック(人材)、リテック(不動産)といったテクノロジー産業の発展により、それを支えるエンジニアは常に超過需要の状態。特に新卒のエンジニアは国内だけに目を向けていては採用数を確保することが難しく、中国やインドといったアジア圏の優秀な学生を採用したいという企業が増えています。

多言語対応

訪日観光客は増え続けており、日本政府観光局(JNTO)によれば2018年には3,119万人を記録。さらに2020年には4,000万人の訪日客獲得が政府目標として掲げられており、宿泊業・飲食業・小売業を中心に多言語対応のニーズが高まっています。日本で働く外国人の中には自国の言語はもちろん、日本語、英語が話せるマルチリンガルも多く、接客や通訳・翻訳など幅広いシーンで語学能力を生かせます。

海外展開の架け橋

グローバル化が進み、日本国外への進出を考えている企業が規模を問わず増えています。そんな時、現地の言語はもちろん、文化や商習慣、最新情報に精通している外国人従業員は海外展開の架け橋(文字通り「ブリッジ要員」とも呼ばれます)として重要な役割を担います。

新しいアイデアの創出

異なるバックグラウンドで育った外国人は、日本の常識にとらわれない自由な発想でアイデアを出してくれるでしょう。職場環境の改善といった身近なところから、新商品開発や新規事業の構想まで、さまざまな場面での貢献が期待されます。そのためにはもちろん、国籍を問わず日頃から従業員の意見を吸い上げる環境、仕組みを整えることが重要です。

組織の活性化

性別・人種・国籍・宗教・年齢・学歴の多様性を企業の競争力につなげようという「ダイバーシティ(Diversity)経営」という考え方が日本でも浸透してきました。外国人を採用することで、従業員間でさまざまな交流や気づきが生まれ、前述したような新たなアイデアの創出にもつながります。

外国人採用の課題

外国人採用は、前章で紹介したようなメリットが多くありますが、一方で課題もあります。ここでは、外国人採用の課題を説明します。

意思疎通の困難さ

まずあげられるのは、意思疎通の困難さです。

日常会話はある程度できたとしても、ビジネス上、求める日本語コミュニケーション能力を有する人材が少ないことが課題となることが多いでしょう。とくに、日本語の曖昧な表現が外国人に伝わりにくいことや、専門用語の理解が難しいことも大きな課題です。

文化や習慣の違い

次にあげられるのは、文化や習慣の違いです。

宗教上の理由による食事の規制や礼拝の習慣など、文化や習慣の違いを踏まえた配慮が必要になります。受け入れる外国人の状況に応じて、社内レクリエーションの見直しや食事の提供方法のほか、社内に礼拝の施設を作ることも必要なケースがあります。

採用手続きの煩雑さ

採用手続きの煩雑さも大きな課題です。

就労ビザの手続きはもちろん、在留留資格の変更手続きや在留資格に応じた採用ポジションを踏まえて、採用手続きをおこなうことが重要です。とくに、在留資格の変更手続きを伴う場合は、不法就労とならないよう、確実に入社日前までに手続きを終えておく必要があります。

人事が知るべき外国人採用ルール

外国人採用には、遵守すべきルールがあります。ここでは、厚生労働省で解説されている外国人採用のルールを説明します。外国人採用のルールを詳しく知りたい方は、後述の厚生労働省のサイトをご確認ください。
(※参考・引用)厚生労働省:「外国人の雇用

就労可能な外国人の条件(在留資格など)

外国人は、出入国管理及び難民認定法(入管法)で定められた在留資格の範囲内において、日本での就労が許可されています。そのため事業主は、外国人の雇い入れ時に、在留カード又は旅券等により、在留資格を確認することが必要です。

雇用管理の改善と再就職援助の努力義務

外国人は、日本の雇用慣行の知識や求職に関する情報を十分に有していないことから、事業主は、雇用する外国人が能力を発揮できるよう、職場に適応しやすくする措置や雇用管理改善を図ることが求められています。また離職する場合の再就職援助の努力義務が課せられています。(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第7条

外国人雇用状況の届出義務

外国人を雇用する事業主には、外国人の雇入時や離職時に、氏名や在留資格を確認し、ハローワークへ届け出ることが義務づけられています。

外国人採用の流れ

続いて、「外国人を雇いたい」と思ったときの募集方法から受け入れ準備までを解説します。

【1】求人方法を選ぶ

最近では外国人採用に特化した求人媒体や人材紹介会社も増えており、さまざまな求人募集の方法があります。

人材紹介会社

「海外居住者を採用したい」「初めて外国人採用を行う」という場合におすすめなのが外国人採用に特化した人材紹介会社です。ニーズに合致した人材の紹介だけでなく、就労ビザの申請や住宅手配までサポートしてくれる業者もあります。一社単独の海外現地面接会を行う「Bridgers」、世界ランクトップ200位内の大学出身者に特化した「JobTessio」、IT・エンジニアを中心に高い紹介実績を誇る「Jellyfish」、派遣・紹介予定派遣に強い「Randstad」などがあります。

求人広告媒体

外国人採用に特化した求人広告媒体は、留学生や既に日本で就労している外国人向けのものが多いため、日本語の習熟レベルによるミスマッチを防いだり、就業のための準備を省いたりできる可能性が高くなります。アルバイトや派遣などさまざまな雇用形態に対応しているため、正社員以外での採用を希望している場合にもおすすめです。「NINJA」「Gaijinpot Jobs」「Nippon仕事.com」などがあります。

ハローワークなどの公的機関

東京、名古屋、大阪の「外国人雇用サービスセンター」や各地の新卒応援ハローワークでは、外国人を採用したい国内企業と日本で就職したい外国人とのマッチングを行っています。こういった公的機関の就職面接会や留学生インターンシッププログラムを利用することもおすすめです。

大学、専門学校などの教育機関

大学や専門学校には学生たちの就職支援を行う就職支援課やキャリアセンターがあります。外国人留学生を多く受け入れている教育機関の就職支援課を通じて求人票を出したり、インターンシップを募集したりすれば、日本での就職意欲の高い優秀な学生にアプローチすることができます。

社員からの紹介(リファラル採用)

社員からの紹介・推薦を受け採用選考を行うリファラル採用は、コストを抑えつつ、質の高い人材を確保できる採用手法として近年注目されています。自社内に既に外国人が働いている場合、その人の人脈を頼りにするのも選択肢のひとつです。

SNS(ソーシャルリクルーティング)

ブログFacebook、Twitter、InstagramといったSNSを活用した採用(ソーシャルリクルーティング)は欧米、アジア圏で一般的になっています。短期間で結果を出すことが難しく、投稿を続けなければならないなどの手間はありますが、長期的に外国人を採用し続けたい場合には有効です。ビジネスに特化したLinkedIn(リンクトイン)というSNSもあります。

【2】書類選考時に就労ビザの要件を満たすか確認する

日本人と外国人の雇用で最も違う点は、就労ビザがなければ仕事に就けず、仕事をすると不法就労となってしまうということです。また、就労ビザを保持していたとしても、定められている要件に当てはまらない業務内容や勤務時間などの業務を行うと不法就労となってしまいます。安易に就労を認め不法就労となった場合、事業主も罰せられます。この点は非常に注意が必要です。

また、学校を卒業した外国人の場合は書類選考で学校での専攻内容、職務経歴等を確認し、就労ビザの取得要件を満たしているか、あるいは変更の必要がないかについて確認していくことになります。ただし、基本的に学校の専攻内容と関連した業務でないと就労ビザは取得できず、さらに就業できる業務に制限もあり、卒業した学校の種別によっても要件が細かく分かれています。

応募者が海外在留の場合

技能実習を含む18種類の就労ビザにはそれぞれ、取得するための必須条件が細かく定められているため、募集職種や仕事内容に該当する就労ビザの取得要件を満たしているかを確認します。例えば「技術・人文知識・国際業務」の場合には、これから従事する予定の職務に関連のある分野を専攻して大学等を卒業していること、または、10年以上の実務経験があることなどが定められています。就労ビザの取得要件については「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」に記載があります。

応募者が日本在留の場合

「在留カード」の提示を(中途採用の場合は「在職証明書(※)」も併せて)求め、現在持っている在留資格や職務経歴を確認します。現在持っている在留資格で就くことのできる職種と、就業予定の職種が同じであれば特に手続きは必要ありませんが、異なる場合には「在留資格変更許可申請」を行う必要があります。留学生を新卒で採用する場合や、「特定活動ビザ(就職活動などのために特例で下りるビザ)」で日本に在留している外国人を採用する場合も同様に「在留資格変更許可申請」が必要です。

ただし、在留資格の変更については各種の要件があります。不明点は行政機関によく確認するか、在留資格に詳しい行政書士や、外国人の労務に詳しい社労士などの専門家に相談することが必要でしょう。

※在職証明書は企業に勤めている、または勤めていたことを証明する書類で、勤務先(だった)企業が発行するものです。正式なフォーマットは存在しないため、就労ビザの取得要件を職歴で満たす場合は必ず「雇用期間」を記載してもらってください。

【3】課題や面接でスキルや日本語のレベルを把握する

応募職種や在留資格の要件を満たすことがわかれば、課題や面接を通してスキルや日本語のレベルを把握します。会話はできても読み書きは苦手という方もいるため、筆記試験を行い日本語の習熟度を確認します。選考過程の中でメールや電話でやりとりすることでももちろん確認できるでしょう。

【4】採用時に雇用条件をすり合わせる

採用が決まったら、雇用形態や賃金、労働時間、休日などの雇用条件を話し合い、雇用契約書を作成します。外国人であることを理由に日本人よりも給料を低くすることは違法(労働基準法第三条)であり、「日本人が従事する場合の報酬と同等以上の報酬を受けること」が就労ビザの取得要件にもなっています。雇用契約書は2部作成し、労使双方が署名・押印の上、会社と労働者が1部ずつ保管します。この際可能な限り、日本語の雇用契約書に加え、母国語または英語などその人が理解できる標準的な言語に翻訳したものを作成、配布します。

【5】就労ビザを申請する

外国人採用の手続き上最も重要なのが就労ビザの申請です。全部で28種類ある在留資格のうち、就労可能なもの(就労ビザ)は18種類。海外在住の外国人を日本に呼び寄せて採用する場合には必ず「在留資格認定証明書」の交付申請が必要です。既に日本国内にいる場合も、留学生を新卒で採用する場合や転職前と別の職種で採用する場合には「在留資格変更許可申請」が必要になります。就労ビザの申請準備から申請結果が出るまでには通常2~4ヶ月程度かかると言われているため、外国人を採用する際には余裕を持った採用計画を立てましょう。また、選考の結果が良好で内定を出す場合でも、在留資格の変更手続きが許可されない場合は内定を取り消す旨を伝えておく(雇用契約に停止条件を付けておく)とリスクが減らせます。
困ったときには外国人に特化した採用代行サービスを利用したり、行政書士にビザ申請の代行を依頼したりするという選択肢もあります。

【6】受け入れ準備を行う

就労ビザの取得に成功すると、いよいよ具体的な受け入れ準備を行います。外国人が入居可能な住宅の手配、入社後の研修準備、二ヶ国語に対応した就業規則や業務マニュアルの作成などが考えられます。また、海外にいる外国人を招く場合は、入国審査の際に必要なビザの発給申請についての指導や来日時のフライト手配まで行っておくと安心です。
このほか、就業後にはハローワークへの外国人雇用の届出義務があります。また、技能実習生を受け入れる場合は定期的な監理団体による監査などもあるので、外国人の雇用に関する各種の制度について注意深く確認することが必要です。

在留資格・就労ビザ手続きの実務フロー

在留資格の種類によって手続きは異なりますが、ここでは、一般的な実務フローを解説します。

在留資格認定証明書の交付申請

地方出入国在留管理局の窓口で、本人、または代理人より在留資格認定証明書の交付申請をおこないます。「高度専門職」の在留資格を申請する場合は、活動に係る「ポイント計算表」と、「ポイントを立証する資料」を提出し、高度外国人材の認定を申し出ます。

在留資格毎の申請書や必要書類、部数については、出入国在留管理庁の「在留資格認定証明書交付申請」をご確認ください。また、在留資格の種類を確認したい方は、同庁の「在留資格一覧表」を参考にしてください。

在留資格認定証明書の交付

申請に基づき、出入国在留管理庁によって審査がおこなわれます。在留資格に該当し、上陸条件が適合すれば、地方出入国在留管理局から在留資格認定証明書が交付され、本人、または代理人に送付されます。なお、在留資格に該当せず、上陸条件が適合しない場合は、「在留資格認定証明書」は交付されません。

在留資格認定証明書を採用する外国人へ送付

代理人として企業が在留資格認定証明書の交付申請をした場合は、採用する外国人に、地方出入国在留管理局から送付された在留資格認定証明書を送付します。

在外日本公館で提示しビザを申請

居住地最寄りの日本大使館、または総領事館等でビザを申請します。必要に応じて、日本大使館、または総領事館から連絡を受け、面接の実施や追加書類提出の依頼を受けることがあります。

在外日本公館にてビザ発給

審査が終了し、許可が下りれば、在外日本公館にてビザが発給されます。これから採用する外国人が入国する場合は、原則として在留資格認定証明書交付日から3ヶ月以内に日本に入国する必要があります。

(※参考)外務省:「外務省: 就労・長期滞在査証(ビザ)手続きチャート」/日本貿易振興機構(ジェトロ):「在留資格認定証明書取得からビザ取得までの流れ

外国人採用の注意点

言語・文化の違いを踏まえた対応をする

日本語の習熟度にもよりますが、ストレートなコミュニケーションに慣れている外国人に曖昧な表現をすると相手を困惑させる可能性があります。例えば「すぐにやって」ではなく、具体的に「明日の正午までに対応して」など、平易かつ具体的に指示することを意識しましょう。また、人前で叱責されることを嫌う、家族やプライベートの時間を大事にするといった育った国・文化による価値観の違いや、豚肉を食べない、女性はヒジャブを着用するといった宗教上の理由による習慣の違いを理解・尊重することも大事です。

社内への情報共有・周知を徹底する

初めて外国人を採用するという場合は、特に受け入れる側の社員たちの不安も大きいものです。まずは、どういったバックグラウンドを持った人物が入社するのか早めに周知すること。そして、さまざまな場合を想定して懸念されることを吸い上げ、社員も巻き込んで解決策を考えることをおすすめします。社内に語学に堪能な人がいれば、その人に教育係をお願いしておくなど、お互いに気持ちよく仕事ができる環境をつくりましょう。

入社後は定期的なフォローを行う

来日直後は特に新しい文化、習慣に慣れることに時間がかかったり、ストレスを感じたりします。入社後は定期的に面談を行い、業務上の悩みはもちろん、生活上困っていることについても丁寧にフォローを行いましょう。また、日本でキャリアを積むことに対して意欲的な人も多いため、長期的なキャリアプランを明示することも職場に定着してもらうために必要なことのひとつです。

就労可否別 在留資格の種類

外国人は、出入国管理及び難民認定法(入管法)で定める在留資格の範囲内で日本における活動が認められています。就労可否別に区分すると、次の3種類に大別されます。

定められた範囲で就労が認められる在留資格【18種類】

次の18種類の在留資格が定められた範囲で就労が認められています。

「外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、技能実習、特定活動」

一般的には、コンピューター技師等における「技術」、通訳や語学の指導等における「人文知識・国際業務」、企業が海外の本店・支店から期間を定めて社員を受け入れる「企業内転勤」、中華料理などのコック等における「技能」の4種類のケースが多いです。

就労活動に制限がない在留資格【 4種類】

次の在留資格をもって在留する外国人は、就労活動に影響はありません。

「永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者」

原則として就労が認められない在留資格 【5種類】

次の在留資格をもって在留する外国人は、原則、就労活動は認められません。ただし、この在留資格者がアルバイト等の就労活動を行う場合には、地方入国管理局から「資格外活動」の許可を受ける必要があります。

「文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在」

(※参考)厚生労働省:「外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください。

知っておきたい在留資格「高度人材」

高度人材とは、高度外国人材の受入れの促進を目的に、ポイント制を活用した出入国在留管理上の優遇制度として、「高度人材ポイント制」を2012年5月より導入しています。

学歴や職歴、年収、年齢といった項目ごとのポイントを計算し、合計が70点に達した場合、次のような出入国在留管理上の優遇を受けることが可能です。

【高度専門職1号】

➀複合的な在留活動の許容
②「5年」の在留期間の付与
③在留歴に係る永住許可要件の緩和
④配偶者の就労
⑤親の帯同
⑥家事使用人の帯同
⑦入国・在留手続きの優先処理

【高度専門職2号】

・高度専門職1号の活動と併せてほぼ全ての就労資格の活動をおこなうことができる
・在留期間が無期限となる
・高度専門職1号に示す③~⑥までの優遇措置が受けられる

高度人材ポイント制について詳しく知りたい方は、出入国在留管理庁の次のサイトをご確認ください。

(※参考・引用)出入国在留管理庁:「高度人材ポイント制とは? | 出入国在留管理庁

    在留資格手続きにおける実務上の注意点

    在留資格手続きには、実務上、多くの留意点があります。ここでは、代表的な留意点を解説します。このほかの実務的な注意点を知りたい方は、法務省 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」を確認してください。

    従事させたい業務が保有する在留資格で可能か

    雇用する外国人が管轄の地方出入国在留管理局に「就労資格証明書」の交付申請をおこないます。この就労資格証明書によって、採用後に従事させる業務が保有する在留資格でおこなえる業務に該当するか確認することが可能です。諸手続きの内容は、出入国在留管理庁の次のサイトをご確認ください。

    (※参考)出入国在留管理庁:「就労資格証明書交付申請」 

    外国人の雇用を終了したときの手続き

    外国人の雇用を終了した場合、事業主は、「中長期在留者の受入れに関する届出」の努力義務が課せられています。ただし、「芸術、宗教、報道、技能実習、特定技能」は対象外です。

    「在留資格認定証明書交付申請」等の企業による代理申請は可能か

    「在留資格認定証明書交付申請」については、代理申請可能です。一方、「在留資格変更許可申請」と「在留期間更新許可申請」は、原則として雇用される外国人本人の申請となります。ただし、申請取次制度を利用する、あるいは事前に在留申請オンラインシステムの利用申出承認を受けている企業は、代理でオンライン申請が可能です。

    まとめ

    今後ますます採用ニーズが高まることが予想される外国人。その採用には就労ビザの申請など慣れない手続きも多いですが、困ったときにはさまざまな民間・公的サービスを利用することが可能です。採用後はこまめにフォローを行い、長く活躍できる人材に育てましょう。

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