この3点を守るだけで、バイトのドタキャンや辞退を減らせます。
最初に、結論だけ先にお伝えします。
以下の3点を守るだけで、採用途中での辞退を大きく減らせる可能性があります。
- 求人募集では、仕事内容やシフトについて具体的に記載する
- 応募があった場合、その日にすぐ面接の約束を取り付けて、面接もできるだけ直近の日付を設定する
- 面接は「振るい落とす場」ではなく、応募者の「不安や疑問を解消する場」と考える
なぜこの方法で辞退が減らせるのか、順番に解説していきたいと思います。
辞退が起こるタイミングについて。
面接の辞退を防止するためには、まず辞退がいつ起こっているのかを知ることが大切です。
こちらの図をご覧ください。
求人に応募した人が、どの段階で辞退を決めたかの調査結果です。
- 応募から連絡がつながるまで:47.3%
- 連絡がつながってから面接前日まで:36.7%
- 面接当日:16%
面接当日に確認の電話をしている企業やお店も多いと思いますが、実は応募者は、面接当日よりもずっと前に、辞退を決めてしまっていることが分かります。
アルバイト面接を辞退する理由。
次にバイト面接を辞退する具体的な理由について見ていきましょう。
ご覧になっていかがでしょうか。
辞退理由のなかには、ちょっとした工夫で辞退防止できそうなものもたくさんあります。
特に以下の4つについては、根本原因は共通しています。
- すでに他の仕事に就くことが決まったため
- 面倒くさくなったため
- その会社・お店からの連絡や対応が遅かったため
- 他の用事ができたため
応募者への対応スピードが、辞退防止のカギ。
いま挙げた4つの辞退理由は、どれも対応スピードを上げることで解決できます。
辞退理由(1)すでに他の仕事に就くことが決まった。
応募者は複数の仕事に同時に応募していることも多いです。
早く面接して早く合格を伝えないと、良い人ほどよそで採用が決まってしまいます。
辞退理由(2)面倒くさくなったため。
求人に応募した瞬間が、求職者のモチベーションがもっとも高い状態です。
できるだけ、意識の高い状態で面接の約束を取り付けて、面接して、採用決定まで進めてしまうことが重要です。
応募から2~3日後、バイトに応募したことを忘れかけた頃に連絡がきたのでは、その場では、会話の流れで面接の約束を取り付けられたとしても、すでに気持ちはバイトから離れてしまっていることも十分にあり得ます。
辞退理由(3)その会社・お店からの連絡や対応が遅かったため。
まさにそのものズバリの辞退理由です。
対応が遅すぎたために、応募者の意欲が低下してしまった状態です。
一般的には、応募のあったその日中に面接調整するのが望ましいとされています。
ネットの求人広告などであれば、夜に応募が入ることもありますので、その場合は、翌日のできるだけ早いタイミングで返事を返すようにしてください。
大手チェーンや派遣・請負などの企業によっては、
「応募後〇分以内に面接調整する」と、
ルール決めをして運用しているところもあるくらいです。
対応は、早ければ早いほど有利になります。
辞退理由(4)他の用事ができたため。
もともと面接に行こうと予定していた曜日や時間に、友達との約束が入ってしまうのはよくあることです。
特に大学生などの若い世代は、お誘いを断ることで、あとあと気まずい関係になるのを避けたいと考える人が多いので、バイト面接よりもプライベートの約束を優先されてしまうのです。
これも早く日程調整して、早く面接することで、防止することが可能です。
仕事の内容が嫌になって辞退する人は、具体的に何が嫌になったのか。
次に、面接を辞退する一番多い理由である、
「応募後、その仕事の内容が嫌になったため」について考えていきます。
そもそも「仕事内容が嫌になった」とは具体的にどういうことなのでしょうか。
以下がその調査データです。
結果は、
- 勤務時間 37.5%
- 職種や仕事内容が自分に出来るか不安になった 35.7%
- 給与 28.6%
- 勤務地26.8%
…と続きます。
求職者の方は、面接に行く前にあれこれと考え、悩み、自分で結論を出してしまいます。
アルバイトを募集する側が考えがちな
「詳しいことは、面接に来てくれたときに説明すればいいや」
は、通用しないのです。
求人募集の工夫で、辞退を防ぐことができる。
さきほどの「仕事が嫌になった理由」をもとにしながら、順に解説していきます。
こちらのコラムとも共通する部分があるので、時間がある方はぜひご一読ください。
⇒アルバイトを募集しても、応募が来ない原因と対策。ポイントは若者目線。
シフトは正確な「日数・曜日・時間」を記載する。
自分にとって最重要な何か(学校・家庭など)が、まずあって、そのなかで空いた時間を使ってお金を稼ぎたい。
これがアルバイトをする人の基本的な考え方です。
バイトに応募する人にとって、シフトは絶対条件です。
働いて欲しい時間があらかじめ決まっているなら、無理にシフトを広く見せずに、ピンポイントの勤務時間を書いたほうがマッチングしやすくなります。
「シフト自由」と書く場合でも、シフト例をいくつか併記するなど、求人に信憑性を持たせる工夫をしておくと、応募した人は安心します。
シフトがあやふやに書かれていると、より具体的にシフトが提示されている求人があった場合、求職者は他所に行ってしまいますのでご注意ください。
リアルな仕事内容や職場の様子を伝える。
応募してくるのは、アルバイト慣れしている人ばかりではありません。
大学生になって初めてアルバイトする人もいますし、接客が初めて、販売が初めて、という職種未経験の人もいます。
関わる仲間の顔が見えるように写真を掲載したり、仕事の手順を丁寧に説明したりして、働くイメージを持ってもらえる求人内容にすることが大事です。
電話やメールでは親切丁寧な対応を!
また、応募の電話がかかってきたときの電話対応も大切にしてください。
飲食店などで「混雑時に丁寧な対応なんかしていられない」という場合は、あらかじめ電話可能時間を求人広告に記載しておくことをお勧めします。
その際、スタッフさんにも求人募集していることは共有しておいてください。
せっかく勇気をふりしぼってお店に連絡したのに、そこで不親切な電話対応をされてしまうと、応募者の気持ちは萎えてしまいます。
面接後に辞退が起こる原因。
ようやく面接までこぎつけても、面接後に採用決定の連絡をしたタイミングで
「電話がつながらない」
「辞退したいと断られる」
ケースが少なくありません。
その理由を示しているのが、こちらのデータです。
データを見ると、面接後の辞退理由で多いのは、
- 1位:別の仕事のほうが、仕事内容や条件が良かったから
- 2位:仕事内容が想定していたものとは違っていたため
- 3位:求人票に載っている条件が実際と違っていたため
- 4位:職場や、店長・社員、面接官の雰囲気が悪かったため
- 5位:別の仕事のほうが、雰囲気が良かったため
と続きます。
実は、さきほどお伝えした求人募集の工夫を実践することで、2番目と3番目の辞退は防止することができます。
この調査結果をご覧いただけば、仮に、あいまいな求人募集の表記で面接までつなげたとしても、合わない人は結局、実態が明らかになった時点で離脱してしまうことをご理解いただけると思います。
面接では、応募者の不安や疑問の解消につとめましょう。
面接後の辞退理由の1位は「別の仕事のほうが、仕事内容や条件が良かったから」となっています。
確かに、あきらかに競合の条件が良くて、手も足も出ない場合ももちろんあると思います。
ですが、多くの場合、その差は僅差ではないでしょうか。
- 働き方にどのくらい融通がきくのか
- どんなペースで昇給していくのか
- 飲食店のまかないなど、時給に現れない+αのメリットはあるのか
求人募集のためにヒアリングしていると、あきらかにメリットなのにお店の人はそれが当たり前だと思い込んでいて、自らの魅力に気づいていないこともよくあります。
待遇について誤解されたまま辞退されるのは非常にもったいないです。
求人募集をする際は、競合と比べて自社はどの点が優位なのか、求人広告の営業スタッフに確認しておくことをお勧めします。
むしろ、面接されているのは会社・お店だと認識する。
辞退理由の4番目、5番目は、職場の人や雰囲気が理由の辞退です。
お店などでは特に、営業時間の忙しい合間をぬって面接することも多いと思います。
ここでお店のバタバタ忙しい感じや働く人の疲労感が応募者に伝わってしまうと、あまり良い印象を与えません。
いったん採用されて輪の中に入ってしまえば気にならないことでも、初対面の状態では応募者はブラックバイトに警戒してナーバスになっているため、辞退の原因になることがあるのです。
営業中のお店の様子をこっそり見に来る人もいるくらい、最近の若者はアルバイト探しに慎重になっています。
むしろ面接されているのは企業やお店側だという気持ちで、面接に臨んでください。
面接後は、すみやかに合否を連絡する。
面接後は、すみやかに合否の連絡をするよう心がけてください。
面接を通じて、応募者の不安・疑問がしっかり解消されていれば、その場で合格を伝えてしまっても大丈夫です。
他にもアルバイトの選考を受けている場合の対応。
応募者が、他のアルバイトと併願しており悩んでいる場合は、もう一方の結果を待ってあげましょう。
対面での感触にもよりますが、無理に急かすと辞退されてしまいがちです。
そして、他社の選考を待つ場合は、残念ながら辞退になったとしても必ず連絡が欲しいことを伝えておきましょう。
採用が上手な店長さんのなかには、「また気が変わったらいつでも気軽に連絡してね」と、応募者とLINE交換をしておく方もいるそうです。
良いと思った応募者については、辞退後もフォローすることが大事。
なぜなら、他所のバイト先にいったとしても、一定の確率で、いざ働いてみると職場に合わなくてすぐに辞めてしまう人がいるからです。
学生さんからすれば、またイチからバイト先を探すのは大変ですよね。
事前に「気が変わったらいつでも連絡してね」と一声かけておくことで、もしかしたらそのタイミングでお店のことを思い出して、連絡して来てくれるかもしれません。
さきほどお伝えした採用の上手な店長さんは、LINEで応募者とつながっておいて、優秀な子にいつでも連絡をとれるように、人材のリストを抱えているのだそうです。
よろしければ参考にしてみてください。
まとめ
冒頭でもお伝えしましたが、最後にもう一度おさらいです。
バイト募集でドタキャンや辞退を防止するためには、以下の3点にご注意ください。
- 求人募集では、仕事内容やシフトについて具体的に記載する
- 応募があった場合、その日にすぐ面接の約束を取り付けて、面接もできるだけ直近の日付を設定する
- 面接は「振るい落とす場」ではなく、応募者の「不安や疑問を解消する場」と考える
そして応募後は迅速な合否連絡を。
応募者に正直に向き合い、一緒に働きたいことをストレートに伝えます。
アルバイト探しに不安に感じている応募者は多いです。
時給の10円、20円よりも、職場の雰囲気や社員さんの人柄を重視する人はたくさんいます。
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