アルバイトの人手が不足している主な業界
ここでは、アルバイトの人手不足に悩む主な業界を2つ紹介します。
小売
2020年4月株式会社帝国データバンクが非正社員の不足について調査したところ、総合スーパー・コンビニエンスストアなどを含む「各種商品小売」業の人手不足割合が最も高いことが分かりました。
以前から人手不足が深刻な各種商品小売業。その主な原因に「休みが取りにくい」「非正規労働者が多い」などがあります。そんな中、新型コロナウイルス感染拡大の影響でスーパーやコンビニの需要が増加し、人手不足感が加速しています。また、消費者の「コロナ疲れ」により、従業員に対して過剰な要求や心無い言葉を投げる消費者が増えているようです。通常の業務に、消費者への対応や新型コロナウイルス感染防止策がプラスされ、従業員への精神的負担は増大。今後、さらに人手が不足することが考えられます。
医療・介護
上記の調査によると、非正社員が「不足」している業種6位が「医療・福祉・保健衛生」でした。
少子高齢化に加え、「給料の安さ」や「人間関係の悪化」などによりもともと人手不足に悩む医療・介護業界。新型コロナウイルスの感染リスクと隣り合わせの状況が続いている中で、感染拡大防止策を講じながら業務を行う従業員に責任がのしかかっています。もしも病院・施設でクラスターが発生し、多くの医療・介護の従事者が感染した場合、人手不足に拍車がかかる可能性があります。
アルバイトの人手が不足する原因
アルバイトの人手が不足する原因は何でしょうか。考えられる原因として2つあります。
労働環境が悪い
アルバイトの離職率が高い、求人募集しても人が集まらないといった場合は、労働環境に問題があるかもしれません。自社は「仕事内容に見合った給与額」「有給休暇が取得しやすい」「ハラスメントが発生していない」など、誰もが気持ちよく働ける環境でしょうか。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、「初めての正社員勤務先を離職した理由」としてよく挙げられていたものは、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかっため」「賃金の条件がよくなかったため」「人間関係がよくなかったため」などです。労働環境の悪さは離職のきっかけになる可能性もあるため、見直してみることをおすすめします。
社会情勢の変化による需要の拡大
自社の労働環境が良くても、社会情勢の変化によって人手が不足することがあります。以前から少子高齢化は問題になっていますが、引き続き高齢者が増え、生産年齢人口が減少すると、人手不足感が加速します。2016年は27.3%だった高齢化率(65歳以上人口割合)が、2040年には35.3%までに増えることが推測されています。2040年以降も高齢化率は上昇し続ける見込みです(※)。
1章の内容と重なりますが、昨今は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、スーパーやコンビニといった「各種商品小売」や「介護業界」「医療業界」などの需要が高まっています。ちなみに、今まで人手不足が目立っていた「飲食店」「旅館・ホテル」は、自粛する消費者が増えたからか「過剰」状態になっています。
※参照:内閣府「平成29年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)」
アルバイトの人手不足を解消するには?
アルバイトの人手不足を解消するためには、適切な「求人募集」「選考」「入社後のフォロー」を行うことが大切です。ここでは、それぞれ何を意識すると良いかを簡単に説明します。
賃金・条件を見直す
求人募集を行う前に、まず雇用条件や待遇が適切かどうか確認してみてください。賃金については、同エリアや同業種よりも低く設定されているようであれば、見直しが必要かもしれません。
また、求めるスキルや欲しい人材のタイプを明確にし、求人募集欄に記載することも大切です。介護職の募集であれば、「資格:介護職員初任者研修以上は優遇する」「求める人物像:施設のご利用者様一人一人に寄り添ったケアをしたい方」という具合です。
自社に合った方法で応募者を集める
雇用条件や待遇が決まったら、自社に合った方法で募集をかけましょう。募集方法は、WEB求人媒体やハローワーク、求人検索エンジンなど多種多様で、方法によって特徴が異なります。
求人検索エンジンの場合は、ターゲットにピンポイントに訴求できる点がメリットです。求人検索エンジンは、無料掲載枠も有料掲載枠も用意されているもの、有料掲載枠のみのものなどサービスによって選択肢が異なります。Indeedの場合は有料掲載・無料掲載が用意されており、有料掲載にすると無料掲載した広告よりも求職者に目に止まりやすい位置に掲載されるため、クリック数を増やすことが期待できます。
「パート・アルバイトの求人方法9種を基礎から解説 人を集める方法も」ではアルバイトの求人方法別にメリットやデメリットなどを解説しているので、自社の目的に合う方法を選択したい方はぜひ参考にしてみてください。
応募数をUPさせるコツ| 職場の雰囲気を伝える
アルバイトの応募数を上げるポイントは、待遇や条件だけでなく職場の雰囲気や仕事の内容が伝わる求人広告にすることです。リクルートジョブズの求人広告に関する調査によると、「仕事探しをする時に、どのようなことに不満を感じますか」という質問に対して「職場の雰囲気に関する詳細が少ない・不明確」と回答した求職者が約7割いることが分かっています。職場の雰囲気が伝わるよう、適切な写真や、人柄が伝わるエピソードなどを掲載しているでしょうか。
職場の雰囲気が伝わりやすい求人広告の作り方については、「アルバイト応募が来ない…対策は「職場の雰囲気を伝える」こと」で解説していますので、ぜひご覧ください。
面接では求職者の不安や疑問を解消する
面接では求職者の不安や疑問に寄り添い丁寧に回答することが、辞退防止や定着率アップにつながります。質疑応答の時間はきちんと確保しましょう。
また、ふるい落とすために面接をするのではなく、求職者と企業側のニーズすり合わる場として活用するイメージで行うと、自社へのイメージが良くなり、志望度アップが期待できます。
選考結果は即日~翌日以内に伝える
アルバイトの選考結果は、即日~翌日以内に伝えるようにしましょう。
アルバイト採用は、中途・新卒採用と違い、「今すぐに働かなければいけない」と緊急度が高いマインドで面接を受けている人が少なく、数日後に結果を伝えるとすっかり忘れていることも。一方で、緊急度が高い求職者は他の企業と併願していることが多く、選考結果に時間をかけているとすでに採用が決まっていることがあります。アルバイト採用は、「その場で合否を出す」というマインドで面接に臨むことが理想です。
アルバイトを育てる
採用活動は「採用して終わり」ではありません。より長く働いてもらうため、アルバイトとの信頼関係を構築したり、アルバイトが成長できるよう適切な指導を行ったりしましょう。教育制度や指導マニュアルを整備しておくと、教育がしやすい上に業務に関する知識・スキルの均一化を図ることができます。
まとめ
アルバイトの人手不足を解消するためには、応募数を増やすだけでなく、人材が定着するよう働きかけることも大切です。企業によって人手不足の原因は異なるため、本記事で紹介した原因・対策を参考に改善策を検討してみてはいかがでしょうか。
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