オンライン面接とは
オンライン面接(Web面接)とは、採用担当者と応募者がオンライン通話サービスを介して行う面接形式のことです。応募者が来社する必要がなく、企業・応募者共に都合を合わせやすい方法です。
2010年代以降、大容量通信に対応した通信インフラの整備が進むと共に、SkypeやFaceTimeといったビデオ通話サービスが普及したことで、オンライン面接に対する物理的・心理的ハードルが下がってきました。
特に近年は採用難による人材獲得競争の激化を背景に、地方在住の方や海外の人材にアプローチする手法として、積極的にオンライン面接を導入する企業が増えています。
オンライン面接導入のメリット
オンライン面接を導入することで、面接にかかるコストの削減や、対面では難しかった記録、さらにはスキルの共有に取り組みやすくなります。また、対面ゆえのハードルを下げる効果も期待できます。
地方や海外在住者が応募しやすい
選考にオンライン面接を導入することで、地方や海外など遠方に住む方の応募ハードルが下がり、採用対象を広げることができます。
就職活動に必要な費用の中でも、負担が大きいのは交通費と宿泊費です。特に地方在住の学生は都市部の学生に比べ2倍近くの費用をかけているというデータもあり、地域格差の問題は就職活動にも影を落としています。
遠方在住の学生が、移動にかかるお金や時間を理由に応募を諦めたり、選考から離脱したりするのは、採用難に悩む企業にとって避けたい事態です。かといって、交通費負担や出張面接も予算や人手の問題で難しい、そんなときにオンライン面接は学生・企業双方にメリットのある選択肢です。
面接コストを削減できる
オンライン面接は、面接の準備や運用にかかる費用・時間を削減し、採用担当者の負担を軽減できます。オンライン面接の場合、社内外に広い面接会場を確保したり、当日受付や誘導をしたりする手間がかかりません。そのため会場代や人件費、交通費の抑制につながります。
通信環境の整った会議室、パソコン、カメラやスピーカーなどの周辺機器は、採用面接の有無にかかわらず会社に備えられていることがほとんどです。多くの場合、高額な追加投資なく導入・実施ができるでしょう。
面接スキルの向上に活用できる
オンライン面接は面接を担当する社員の教育やスキルアップにも役立ちます。
一般的なWeb会議ツール、オンライン面接ツールには録画機能があるため、面接の様子を録画することで、面接の振り返りや教材に活用することができます。通常の対面の面接ではわざわざ録画を実施しないため、記録や改善点をまとめようとしても担当した社員によって差が出てしまいます。かつクローズドな空間になるため問題や好事例の共有が困難でしたが、オンライン面接ではこれらの課題を一度に克服できます。
面接内容を共有して振り返ることで、担当者が異なってもバラつきの出にくい、採用基準に沿った選考に近付けられます。
オンライン面接導入のデメリット
このようにメリットが多いオンライン面接ですが、ネットワークを介するために対面とは違ったトラブルが起こり得ます。オンライン面接を行う際は下記の点に注意しましょう。
ミスコミュニケーションが起きやすい
オンライン面接は、対面で行う面接に比べてミスコミュニケーションが発生しやすいというデメリットがあります。
通信品質が向上しているとはいえ、「画面越し」と「対面」では、声の聞き取りやすさ、表情の読み取りやすさに隔たりがあるのは事実です。オンライン面接を行う際は、以下の点に気をつけましょう。
<オンライン面接を行う際の注意点>
- 面接前に通信環境をチェックする
- 大きな声で、はっきり、ゆっくり話す
- 質問は短く、端的にまとめる
- 回答が聞き取れなかった場合は、落ち着いて聞き直す
もちろん、一次面接はオンライン、最終面接は対面、などと選考段階に合わせて使い分けることも必要です。
ネットワークトラブルの可能性がある
オンライン面接には、ネットワークトラブルによって面接が中断したり、予定時間をオーバーしたりするリスクもつきものです。
通信状況を確認しておくのはもちろん、事前に応募者に推奨環境を知らせるなどの対策でトラブル発生のリスクを抑えると共に、時間をロスしないようトラブル発生時の対処方法を決めておきましょう。電話やメールなど、オンライン面接とは別の連絡方法を確保しておくのが基本です。
<ネットワークトラブル発生時の対処方法(例)>
- 応募者に電話やメールで指示を出す
- 通信環境の確認、アプリの再ログイン、パソコンの再起動などその場でできる対処を行う
- 残り時間が一定時間を切った場合は電話面接や別日に切り替える
録画データの流出リスクがある
オンライン面接の内容が録画データとして残るため、管理が不十分だと外部に漏えいしてしまうリスクがあります。信用問題に関わるうえ、面接のやりとりには応募者のプロフィールや企業秘密が含まれます。個人情報として適切に取り扱い、閲覧を社内PCに限るなど厳格に管理しましょう。
また、応募者が面接の様子を録画している可能性もあります。応募者側から流出したデータがSNSを通じて拡散された場合のレピュテーションリスクもないとは言い切れません。当然のことではありますが、面接官の態度や質問の内容、面接中に開示する情報には細心の注意を払いましょう。
オンライン面接ツールの便利な機能
オンライン面接に特化したツールなら、個別に面接用URLを発行し、応募者に共有するだけで面接を始められます。
Skypeなどの通常のオンライン通話サービスの場合、応募者にもサービスの利用登録をしてもらう必要があります。また、普段からそのサービスを利用している場合は、プライベートで利用しているアカウントを企業に開示することに抵抗のある方もいるでしょう。
アカウントの要否や機能を確認し、使い勝手の良いツールを選びましょう。オンライン面接ツールの主な機能は以下の通りです。
管理機能
スケジュール管理
あらかじめ予約可能な日程を登録しておけば、応募者が予約を申し込むだけで、面接の日程調整が完了します。面接の候補日を個別にメールで送り、集計して再度調整するといった手間がかかりません。
応募者管理
応募者別に基本情報や選考書類、面接動画、評価、選考結果などを一元管理できる機能です。
※管理できる項目はツールによって異なります。
面接機能
録画面接
企業があらかじめ設定した設問に対して、応募者が時間があるときに回答を録画・投稿する機能です。面接の日程調整から実施までの工程を省けるため、スピーディーな選考が実現できます。
グループ面接
多拠点接続が可能で、複数の応募者を一度に面接することが可能です。本社・支社両方の社員に参加させたい場合にも使えます。
記録機能
録画
面接の様子を録画・保存できます。何度も見返せるだけでなく、面接に同席しなくても、動画を閲覧することで評価に加わることができます。
メモ
面接中の所感などを自由にメモできる機能です。
評価シート
面接中に画面内で応募者の評価ができる機能です。第一印象やコミュニケーション力、求める能力など、項目ごとに定量評価ができます。
コミュニケーション機能
チャット
テキストメッセージの送受信ができる機能です。面接中(面接ルーム内)のみの場合もあれば、面接時以外にもやりとりができる場合もあります。
アンケート
アンケートやヒアリングシートの形で、企業が用意した設問に答えてもらう機能です。
資料共有
面接中にPDFなどの資料を画面上で共有する機能です。リアルタイムで説明箇所をポインターで示したり、メモを書き込んだりできる場合もあります。
画面共有
面接中に面接官が見ている画面をそのまま応募者に共有できる機能です。
オンライン面接ツール比較表
代表的なオンライン面接ツールについて、上記で紹介した機能の有無をまとめました。比較検討の際に参考にしてください。
管理機能 | 面接機能 | 記録機能 | コミュニケーション機能 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日程調整 | 応募者管理 | 録画面接 | グループ面接 | 録画 | メモ | 評価シート | チャット | アンケート | 資料共有 | 画面共有 | ||
採用面接に特化 | BioGraph | ◯ | ◯ | OP | ─ | ◯ | ◯ | ─ | ◯ | ◯ | ─ | ◯ |
HARUTAKA | ◯ | ◯ | ◯ | ─ | ◯ | ─ | ─ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
interview maker | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ─ | |
Web会議全般に対応 | Calling Meeting | ─ | ─ | ─ | ◯ | ◯ | ◯ | ─ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
connect live | ─ | ─ | ─ | ◯ | ◯ | ─ | ─ | ◯ | ─ | ◯ | ◯ | |
V-CUBE ミーティング | ─ | ─ | ─ | ◯ | ◯ | ─ | ─ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
OP…オプション(有料)メニュー
まとめ
採用難やそれに伴う採用担当者のマンパワー不足に伴い、HRテックを積極的に導入する企業が増えています。その中でも、オンライン面接は企業、応募者双方にメリットの大きい選考方法です。選考フェーズに合わせて上手に活用することで、採用活動の円滑化に役立つでしょう。
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