【中小企業対応】2020年卒の新卒採用徹底解説! スケジュールから準備まで COLUMN

公開日:2018.12.27

更新日:2022.09.29

【中小企業対応】2020年卒の新卒採用徹底解説! スケジュールから準備まで

2019年卒の新卒採用も徐々に落ち着き、2020年卒の新卒採用の準備に着手し始めている人事担当者の方もいらっしゃることでしょう。また、2020年卒の学生を対象に初めて新卒採用を行う予定の企業様もあるかもしれません。今回は、2020年卒の新卒採用のスケジュールや準備について解説していきます。

 

目次

2020年卒の新卒採用スケジュールとは?

まずは2020年卒の新卒採用を行う場合のスケジュールについて紹介していきます。

2020年卒の新卒採用スケジュール

経団連加盟企業の場合、2020年度入社対象の新卒採用は3月1日以降に広報活動開始、6月1日以降に選考活動開始とされています。このスケジュールは2017年度入社対象から4年連続で同じです。よって、経団連加盟企業はこれに則って新卒採用を行いますが、実際には3月の広報活動解禁後、インターンやグループワーク、先輩社員との面談を通して水面下での選考を行い、6月初旬には内定を出す企業が多いようです。

経団連非加盟企業の場合は、経団連の示したスケジュールに沿う必要はありません。しかし、経団連のスケジュールに合わせて活動する就活生が多いことから、経団連と同じような流れで新卒採用を行う企業がスタンダードです。ただし、中には広報解禁や選考、内定出しを経団連加盟企業よりも数カ月早く行う企業もあります。その場合、3~4月には内定を出し、6月には内定辞退者が出ることを見越して、7月以降は第一志望の企業に落ちた就活生へのアプローチを始めるといったパターンが考えられます。

中小企業も、経団連のスケジュールに従う必要はありませんが、多くの就活生が大手企業を志望することを念頭に置いて新卒採用を行うケースが多いです。大手企業は、3~5月にかけて説明会を行うため、同時期に中小企業が説明会を行っても就活生が集まらない可能性があります。そのため、その時期を外した12月~4月もしくは6月~10月に広報から内定出しまで行う必要があります。

また、ベンチャー、マスコミ、外資系企業は、前年秋頃から選考を行い、経団連加盟企業が広報活動を始める3月にはすでに内定を出し終えていることがほとんどです。そして6月には二次募集を行うこともあります。

採用の具体的な方法や細かいスケジュールについて詳しくは→【人事担当者必見】新卒採用のスケジュールの組み方とコツ

採用広報はインターンシップと並行して5月まで

3月1日の採用広報解禁以降、採用サイトにエントリー済みの学生へのアプローチや、会社説明会の開催が可能となります。6月の選考スタートにあたって、3月~5月までは学生に自社の魅力をアピールし、エントリーにつなげるための期間です。そのために、グループワークや先輩社員との面談を行い、実質的な選考を兼ねているケースもみられます。
また、多くの企業は採用解禁前年の6月頃からインターンシップを開催し、翌年2月まで採用広報の準備と並行して行う必要があります。インターンシップは学生の就業体験の場であり、経団連は採用選考活動とは一切関係ないことを明確にすべきとしていますが、実際には学生の囲い込みという意味合いもあるようです。
経団連加盟企業の場合、インターンシップは2017年まで 5日以上開催することが規定されていましたが、2018年の新卒採用から1日でも開催可能となりました。そのため、経団連加盟企業はインターン開催の自由度が高まり、経団連非加盟企業は強力なライバルが増えたといえます。インターンシップの情報提供や参加受付を6月前から行う企業も増えており、多くの企業はインターンに参加する学生を確保するための工夫が必要です。
通常、夏インターンは6~9月、冬インターンは10~2月に行われますが、この採用解禁前の期間でもホームページや冊子による不特定多数に向けた採用広報を行うことが可能です。

選考は経団連加盟企業6月~、非加盟企業は2月~

経団連加盟企業の場合、6月から面接などの選考を行い、随時内定を出していきます。一方、経団連非加盟企業の場合は2月から選考を行い、3月には内定を出すこともあります。企業が内定を出すタイミングは年々早まっている傾向があり、経団連加盟企業でもまだ選考が始まっていない5月中に実質的な内々定を出すこともあります。
ただ、内定を早く出しても、学生は納得が行くまで就活を続けるケースも多く、内定辞退を防ぐためには先輩社員を交えた懇談会や社内行事への参加などを通した内定者フォローが不可欠です。

【補足】2021年から採用指針は廃止される?

2018年10月9日、経団連が2021年春入社以降の新卒学生が対象の「採用選考に関する指針」を廃止すると正式に発表しました。今後は政府が採用指針を定めていくこととなっており、現時点で企業や学生の動きに大きな変化が出る可能性はないようです。今後の新卒採用に関しては、文部科学省や厚生労働省、内閣官房で取り決め、2021年春入社の学生については現行ルールと同じ日程を適用する見通しです。

2020年卒の新卒採用で必ずすべき準備

次に、2020年卒の新卒採用に向けた具体的な準備について説明します。

採用戦略は前年5月までには固めるのが望ましい

採用の前年(2019年)6月からインターンシップを開始することを考えると、採用ターゲットの選定から具体的な採用活動の流れ、インターンシップの内容などの採用戦略は前年5月には固まっているのが理想的です。
ただ、その年の採用活動と平行して翌年の採用戦略を固めていくのはかなりハードです。特に中小企業など、人事部のマンパワーが不足しがちな企業には厳しいでしょう。その場合は夏までには採用戦略を確定させることを目標に動きましょう。

採用戦略を決めるにあたって押さえておくべきポイントは以下の通りです。

人材要件

新卒採用では「どんな人材を採用するか」という人材要件を具体化することが非常に大切です。人材要件が定まっていないと、採用・不採用の基準がはっきりせず、本来であれば不採用となるような人材を採用してしまったり、逆に自社に必要な人材を不採用にしてしまったりする可能性が出てきます。
そのためには、「3年後に○○ができる人材がほしい」「△△の事業を拡大してくれる人材がほしい」など新卒採用の目的を絞り込み、それに合う人物像を見出していくことが大切です。また、社内で活躍している何人かの社員の共通点を採用基準にするという方法もあります。
このとき、人事担当者だけでなく、最終面接に参加する経営陣も一緒に考え、意見を出し合うことが重要です。そうすることで、社内の採用方針の統一化につながります。

自社のアピールポイント

大手企業の多くは、わざわざアピールせずともそのブランド力で学生を集められることが多いです。しかし、それができない中小企業の場合は、自社のアピールポイントを確立することが採用のカギとなります。
アピールポイントが思い浮かばないという場合は、「事業」「仕事内容」「社員・役員」「ビジョン」「社風」という項目に沿ってそれぞれの特徴を洗い出していき、組み合わせるのがおすすめです。1項目のみのアピールでは、どうしても大手企業と並んだ場合に見劣りしてしまいますが、複数の項目を組み合わせることでアピール力がアップします。

採用目標

採用目標の人数によって、採用活動の内容や期間が変わってきます。各部署が求めている新入社員数、数年後に定年退職を迎える社員数、プロジェクトや売り上げ目標などを達成する上で必要な人数などをヒアリングし、計算することで、採用目標人数を定めていきましょう。

インターンで熱意ある学生にリーチ

インターンシップに参加する学生は、その企業への興味や関心があり、インターンシップを情報収集の一貫として捉えていることもあります。その中でも、特に6月の夏インターンに参加している学生は、早期から企業の情報収集をしたいという姿勢を持ち、就活への意識が高い傾向が強いです。このような熱意や意欲のある学生には、その後の選考にも引き続き参加してもらえるようにコンタクトをとるのもいいでしょう。インターン参加者のみが出席できるミーティングや説明会を行う場合もあります。

2020年、新卒採用市場はこうなる!

2018年現在、売り手市場といわれている新卒採用市場ですが、2020年に向けてどうなっていくのでしょうか。

売り手市場はまだまだ続く

ここ数年、企業は深刻な人手不足が続いており、学生優位の売り手市場となっていますが、それはしばらく変わらないようです。少子化に伴い、今後は新卒者が本格的に減少していきます。よって企業の事業継続のためには、新卒者を一定のペースで採用する必要があります。

いかに学生に自社を認知させるかが重要

知名度などから大手企業への就職を希望する学生が多い一方で、中小企業は新入社員の獲得に苦戦している傾向にあります。そうした状況から抜け出すために、中小企業は学生への自社の認知を促すことが求められます。大手人材サービスなどが開催する合同会社説明会に積極的に参加したり、オウンドメディアを充実させたりといった取り組みを行いましょう。

さらに採用は「早期化」する

年々、早期化している新卒採用ですが、今後もその動きは強まっていく可能性が高いです。6月の選考解禁が、実質的に3月の広報解禁と同時に行われている企業もあり、その結果としてインターンなどで3月以前から接触している学生には3~4月に内定を、3月の広報解禁後に就活サイトなどからエントリーした学生には5~6月に内定を出す場合もあるようです。こうして新卒採用が複数回に分かれるような形になることで、採用の早期化・長期化につながっています。採用予定人数の取りこぼしを少なくすることが期待できる反面、学生との接触の機会が増えることで人事担当者の負担が大きくなってしまいがちなので、これまで以上に下準備を入念に行う必要があります。

新卒エージェントや逆求人の利用が増える

就職エージェントはこれまで中途採用向けのサービスというイメージが強いものでしたが、ここ数年では新卒向けのエージェントも増えてきました。学生の中には、就職活動の際に将来のビジョンが具体的に描けず、「自分に合った会社がどんなものなのかわからない」という方も少なからずいます。そんな学生に対して、本人に合いそうな会社を紹介してくれるのが新卒エージェントです。エージェントが学生と企業のマッチングを行うことで、内定辞退や入社後のミスマッチを減らすことにつながります。
また、逆求人とは、逆求人イベントなどを通して学生が自分をアピールし、それに対して興味を持った企業が学生にコンタクトを図るというものです。ただ学生からのエントリーを待つのではなく、企業自ら学生にアプローチしに行くことで、これまで出会えなかったような学生に出会えたり、自己アピール能力に長けた学生に出会えたりするなどのメリットがあります。
採用活動は年々多様化しており、今後はこうしたサービスがより一般的になっていくでしょう。

リファラル採用が拡大する

リファラル採用とは、自社の社員に紹介・推薦してもらうことで人材を獲得する採用手法です。低コストで社風に合った人材や優秀な人材の獲得できる可能性が高いということで、新卒採用でも導入が加速しています。
実際リクルートキャリアが運営する就職みらい研究所の調査によると、19卒の学生にリファラル採用を実地する予定と回答した企業は調査対象の14.3%で、18卒採用でリファラル採用を実地した企業の割合よりも4.8%増加しています。
優秀層の学生の間でナビサイトを全く利用せず学生時代のつながりを使って就活を行う風潮があることもあり、リファラル採用は今後も拡大していくでしょう。

まとめ

2020年卒の新卒採用は、基本的な流れは昨年と変わらないものの、早期化が予想されます。自社の求める学生の獲得に向けて、しっかりと準備をしていきましょう。

 

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コピーライター、人事(採用担当)を経て、大手人材会社でディレクターとして、クリエイティブ企画や経営戦略にひもづいた人材採用・活用のコンサルティング業務などに従事。現在はIT企業勤務の傍ら、マーケティング・人材採用の領域を専門に中小企業支援を行っている。

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