採用代行とは?
まずは採用代行の基本について説明します。
採用にまつわる業務を代行してくれるサービス
採用代行とは、その名の通り採用にまつわるさまざまな業務を代行してくれるサービスです。RPO(Recruitment Process Outsourcing)、または採用アウトソーシングとも呼ばれています。基本的に最終面接と採用の可否の判断以外はすべて代行可能ですが、希望や予算によって求人媒体の管理や説明会の開催といった一部の業務のみを代行するというケースもあります。人手不足で専任の採用担当者がいない、採用のノウハウがない、採用数を増やしたい、離職率が高いなど、採用に関するありとあらゆる悩みを解決に導きます。
費用はどのくらい?
料金設定は採用代行会社によって違いますが、求人媒体への応募者の管理や面接日の調整といった一部のみを代行してもらう場合は月額10万円台から可能です。ただ、多くの行程にプロ目線を取り入れて採用活動全体のクオリティーを上げたい、より専門的で手厚いサービスを受けたい、採用担当者がいないので全体的な業務を代行してもらいたいという場合は月額40万円以上かかる場合がほとんどです。
採用代行サービスの内容を紹介
続いて採用代行サービスの具体的な内容について紹介します。
採用ターゲットの選定
まずは採用ターゲットを定めるために、採用代行会社の担当スタッフが企業の求める人物像や採用についての意向を詳しくカウンセリングします。採用の目的や募集から採用までの期間、理想とする採用ターゲットの前職、経歴、性格、将来的なビジョンなど、ひとつひとつの項目を洗い出していくことで、採用活動の方針が明確になっていきます。
採用計画の具体化
採用目標を達成するための求人方法や予算、期間について計画していきます。採用ターゲットや採用予定人数に合わせて、各種求人媒体への出稿、採用サイトや採用パンフレットの作成、説明会・就活イベントの開催なども組み込みます。
採用パンフレットについて詳しくは→「採用パンフレットの基本 目的や作り方、制作のコツまで」
母集団形成
母集団とは、自社の求人に興味や関心を持っている人のことです。母集団は採用活動そのものの成功を左右するほど重要な要素ですが、ただ人数が多ければいいというわけではなく、どんな人物を集められるかも大切です。母集団形成の方法には、就職サイトや自社の採用サイト、インターンシップや説明会、SNSなどがあります。さまざまな方法から、採用目標達成のために最も効果的なものを選んで運用します。
求人広告や採用サイトの管理
採用活動に欠かせないのが求人広告や採用サイトです。媒体や掲載する項目、写真やデザインの選定、広告やコンテンツの原稿作成・修正などを行います。
採用サイトについて詳しくは→「採用サイトの作り方 採用担当者向けに基礎からコツまで解説」
応募者とのやりとり、面接日の設定
求人媒体や採用サイトなどを通してコンタクトがあった応募者とやりとりし、企業の担当者のスケジュールと照らし合わせながら面接日を設定します。
内定者フォロー
内定者の不安を解消し、内定辞退を防ぐためのフォローを行います。具体的には、内定者懇談会や職場見学の開催、メールなどを使った入社までの定期的なやりとり、内定者限定のSNSの運用などです。
人事の教育
人事担当者に対して、採用にまつわる知識のレクチャーや課題解決のためのアドバイス、面接のトレーニングなどをします。採用活動の中でトラブルや悩みが出てきた場合に相談することもできます。
採用代行のメリット・デメリット
採用代行には、それぞれメリットとデメリットがあります。活用する際の参考にしてください。
メリット
採用代行の代表的なメリットは以下の通りです。
プロ目線での採用活動ができる
採用代行の最も大きなメリットは、プロ目線での採用活動ができることです。採用代行会社は、採用に関する専門的なノウハウやスキルがあることはもちろん、さまざまな企業の採用成功例や失敗例について把握しています。そうした膨大なデータと経験の中から、その企業に合った採用活動の提案が可能です。また、採用の最新情報やトレンドについても押さえているため、時代の変化に合った流動的な採用活動ができるようになります。
採用担当者の雑務が減る
採用活動の中でも、特に新卒採用は年間を通してさまざまな業務があり、中途採用や通常業務と平行して行う場合は採用担当者の負担が大きくなりがちです。求人媒体への応募者の管理や求人広告の作成などの雑務を採用代行に依頼することで採用担当者の負担が減り、最終面接の準備などのコア業務だけに集中できるようになります。
採用プロセスを学べる
採用代行は、さまざまな職種・業種の採用実績に基づいているため、活用することで成功率の高い採用プロセスが学べます。初めての採用活動でわからないことが多い場合や、これまでの採用活動に行き詰まりを感じている場合などは、採用代行を利用して見本になってもらうのも良いでしょう。
デメリット
一方、採用代行には以下のようなデメリットもあります。
応募者との信頼関係が築きにくい
採用活動を代行してもらうことで、応募者とのメールなどでのやりとりや対面でのコミュニケーションが減ってしまうと、彼らとの信頼関係構築がスムーズにいかなくなる場合もあります。応募者の中には、採用代行スタッフと関わる機会が多かったことから、内定先企業のスタッフよりも信頼できると感じ、内定先への入社意欲が揺らいでしまうケースもあります。採用代行を活用する場合は、意識的に応募者とのコミュニケーションを増やすことが大切です。
採用の全体像が見えにくい
採用の行程を代行してもらうと、どうしても採用の全体像が見えにくくなり、リアルタイムの進行具合が把握しにくくなります。その結果、自社の採用方針と違った方向に進んでいることに気づかず、採用ターゲットではない人物が選考を通過してしまうこともあります。こうした事態を防ぐためには、採用代行スタッフとの綿密なやりとりや情報共有が必須です。
採用代行会社や担当スタッフによって差がある
採用代行会社はたくさんありますが、その中にはもともと採用に関する業務を行っていたケースがあれば、全く別分野のアウトソーシングをやっていたことから業務を拡大して採用代行を行っているものの、まだ知識や経験が乏しいケースもあるのが実情です。後者の場合は、採用目標が達成できなかったり、採用担当者の負担軽減が叶わなかったりすることもあります。また、個々の採用代行スタッフのレベルや、専任担当制または複数担当制などのシステムによっても採用目標の達成度は変わります。いくつかの会社を比較検討し、自社に合った採用代行会社と担当スタッフを見極めることが必要です。
採用代行をうまく活用するためのポイント
最後に、採用代行を活用する際のポイントについて説明します。
【1】採用活動のすり合わせをしっかり行う
採用代行を活用する際には、採用代行会社とのすり合わせが大切です。具体的な採用目標はもちろん、求人広告への反響や応募者の動向などもしっかりと共有し、その都度現状と今後の動きについて確認することで、採用活動の成功率が変わってきます。
【2】業務分担は明確にする
採用活動には、書類選考や面接から、求人広告会社との打ち合わせや応募者とのやりとり、インターンシップや説明会などの開催といった多岐に渡る業務がありますが、これらのどの部分を採用代行に依頼するのか明確にすることが必要です。業務分担について把握していないと、応募者に対して採用代行と自社から二重に連絡をしてしまったり、採用代行にお願いしたと思っていた業務が実は自社の担当で、事前に計画していたスケジュールがくるったりといったトラブルが起こることもあります。
【3】社内調整を事前に行っておく
昨今では、採用活動全体の動きが早まっている傾向にあり、少しでも早く人材を確保するために面接当日~翌日に選考結果を連絡する企業も少なくありません。また、応募者はレスポンスが早い企業に好感を持ちやすい傾向があります。そのため、採用通知や応募者とのやりとりなどの際にスピーディーな対応ができるかどうかは、最終的な人材獲得率に大きく関わります。
まずは、面接官や合否を決定する決裁者のスケジュールを事前に押さえておくなど、社内調整を事前に行い、ロスが生じないようにしておきましょう。社内調整が不十分なために予定通りに面接や内定出しが進まないというケースはよくある失敗です。その上で、採用代行を活用する際には、状況ごとの対応スピードまで代行会社としっかりと共有し、外部とのやりとりでもロスを生じさせないよう努めましょう。
【4】応募者や内定者とコミュニケーションをとる
応募者の管理や説明会の開催、内定者フォローなど、応募者や内定者と関わる場面で採用代行を利用する場合は、採用代行スタッフに丸投げしないように注意しましょう。採用担当者など応募先の社員との交流頻度が少ないと、応募者の入社意欲が下がって選考辞退や内定辞退を招くこともあります。応募者とのコミュニケーションを欠かさず、不安や疑問を積極的に相談してもらえるような関係性を目指しましょう。
まとめ
採用代行はプロ目線で採用活動をサポートしてくれるサービスで、採用担当者の負担を大きく減らすことにもつながります。うまく活用して、採用活動の悩みを解決しましょう。
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