「Google しごと検索」が日本でも提供開始!採用担当者が知っておくべきこと。 COLUMN

公開日:2019.01.23

更新日:2022.11.25

「Google しごと検索」が日本でも提供開始!採用担当者が知っておくべきこと。

日本でのGoogle しごと検索(Google for jobs)提供が、2019年1月23日よりいよいよスタートしました。

Googleからの公式発表はこちら⇒Google しごと検索で、仕事探しをもっとスムーズに!

Google しごと検索については、リリース前から様々な情報が飛び交っていたため、消化不良になっている方も多いのではないでしょうか。そんなGoogle しごと検索について、採用に関わる方が知っておくべきポイントにしぼっておまとめしました。

目次

Google しごと検索(Google for jobs)とは?

Googleが提供する検索の機能の一つです。
求人に関わるキーワードが検索されると、検索結果画面に優先的に求人情報が表示されるようになります。

Google しごと検索は何がすごいの?

これまでは求人に関わる検索をした場合、Indeedや求人サイトが上位に表示されていました。
Google しごと検索の登場により、この勢力図が塗り替わる可能性があります。

検索結果ページ:Google for jobsよりもIndeedが上位に表示されている

実際の検索結果画面がこちら↑

事前情報では、Google しごと検索はリスティングを除く最上位に表示されるという情報もありましたが、検索ワードによってはタウンワークやIndeedなど、通常のWebサイトが1番目に表示されることもあるようです。

しかし日本でリリースして早々、さっそく上位表示されている点はさすがGoogleです。今後はGoogle しごと検索を介して仕事を探す人も、徐々に増えていくと思われます。

Google しごと検索に求人を載せる方法は?

Google しごと検索の掲載方法について。
大きくは3つのパターンがあります。

方法1:自社の求人ページをGoogle しごと検索に合わせて改修する

Googleが求人内容を正しく読み取るために、求人情報の構造化データを求人ページ内に記述する必要があります。

と説明を受けると難しそうですが、採用をする側からすればとても簡単な話で、サイトを制作してもらった会社にGoogle しごと検索の対応方法が書かれた記事、たとえばこんな記事(Google for Jobs対応 求人情報構造化データ JobPostingおさらい)を読んでもらって、作業をお願いすればそれでOKです。

もし求人内容を頻繁に更新する必要がある場合は、簡単にサイトを更新できるCMS機能を付けてもらうと後々便利です。

方法2:新しくWebサイトを制作する

採用ページをお持ちでない場合は、新しくサイトやページを作ることになります。
上記のURLに書かれたようなGoogle しごと検索が定めるルールに従って、サイト制作すれば、掲載求人をクローリングしてもらえるようになります。

方法3:これまで通り、求人サイトに求人を掲載する

当然と言えば当然の話ですが、個別の企業がGoogle しごと検索に対応する以上のスピード感で、求人各社や採用管理システム各社もGoogle しごと検索への対応を進めています。
これまで通りの採用活動を続けていれば、自動的に貴社の求人もGoogle しごと検索上に表示されることになります。

Google しごと検索に対応済みの大手求人サイト:2019年1月23日現在

リクナビNEXT、マイナビ転職、エン転職、フロムエーナビ、バイトル、An、はたらいく、doda等。

すべての求人媒体がGoogle しごと検索に対応するとは限らない!?

Google しごと検索がリリースされて間もない現在では、IndeedやタウンワークがGoogle しごと検索よりも検索上位に表示されることもあります。

この検索結果が時間の経過とともにどうなるのか分かりませんが、もしもIndeedやタウンワークが引き続き上位を死守できた場合、このままGoogle しごと検索に対応しないという選択をとる可能性がゼロとは言い切れません。

IndeedとGoogle しごと検索は、求人検索エンジン同士、シェアを食い合う関係にあります。
リクルートは果たしてGoogle しごと検索と共存していくのか、それとも独自の道を行くのか…。

いずれにしても、求人を行う企業の方が困ることはないはずですので、ご安心ください。

Google しごと検索には、いますぐ対応すべき?

Google しごと検索に自社のサイトを直ちに対応させるべきかどうか。
この点はひょっとしたら、採用に関わる方の一番の関心事かもしれませんね。

これは結論、急いで対応させる必要はありません、が私たちの見解です。
理由は2つあります。

1つ目の理由は、ユーザー側が、使い慣れない新サービスにスイッチするまでには、それなりに時間がかかるため、すぐに対応しなくてもそれほど影響はないから。

2つ目の理由は、Google しごと検索が正式にリリースされたことで、これから具体的な情報が続々発表されるからです。大量採用の必要がない一般の企業は、いまの段階であわてて動かずに、まずはGoogle しごと検索について、情報を収集した上で対応したほうがリスクは最小で済みます。

Google for jobsとIndeedの違いは?

Google for jobsもIndeedも、どちらも求人専門の検索エンジンです。
大きく異なるのは、Indeedだと標準で利用できる機能――求人情報の直接投稿と応募受付・管理、アクセス解析機能が、Google for jobsにはないことです。

どんな企業でも使いやすいのはIndeed

Indeedは、求人の直接投稿・応募者管理・アクセス解析がセットになっており、すべて無料で利用できます。
CMなどでアピールされているように、本当に0円から採用をスタートできる環境が整っています。

Google for jobsへの対応には、最低限の投資は必要

Google for jobsの場合は、求人の直接投稿ができないため、必ず自社で求人ページを持つ必要があります。
連動した採用管理システム「Google Hire」は、月額費用がかかります。併せてG suiteというGoogleのグループウェアを導入している必要があり、こちらの利用料も必要になるようです。

※2019.9.3追記
Googleは採用管理システム「Google Hire」の廃止を発表しました。
2020年9月1日までに同サービスは終了となります。

Google for jobsがリリースされると、採用にどんな影響が出るの?

Google for jobsが、既存の求人サイト等の採用手法からどの程度シェアを奪うかによって、影響のレベルは変わってきますが、次のような変化が起こる可能性があります。

求職者のWeb上での動き方に変化が起こる

細かい流れを無視して、大まかに表すと以下のような変化が起こります。

IndeedやGoogle for jobs以降の、求職者の動き

昔はGoogleで「営業 港区」などと検索すると、求人サイトの求人一覧ページが上位に来ていました。
そこにIndeedが登場し、検索上位を次々と独占し始めたのが2018年までの流れ。
そして2019年1月、Google for jobsがリリースされたことで、2つ目の図のような世界観ができあがります。

IndeedやGoogle for jobsが台頭することで、求人サイトの詳細ページにダイレクトにアクセスしてくるユーザーが増えると考えられます。

求人広告の常識がひっくり返る可能性がある

求人サイト内の導線を介さずに、GoogleやIndeedから直接、求人ページへの流入が増えると、これまで常識だった、大きな広告枠を買えば求人サイト内で上位表示され効果が出やすい、という力技が通用しにくくなります。

ただ、求人サイトは現状、ブックマークやアプリ経由で利用するユーザーが多く、上述したような検索経路で流入してくる求職者は極々少数派です。
あくまでもGoogle for jobsが既存の求人サイトに対して全面勝利した場合こうなるかも、という話です。
当面は影響ないはずですし、そうなる保証もありません。

求職者によるクチコミの影響を受けやすくなる

Google for jobsでは、外部サイトに書き込まれた企業レビューも併記されます。

Google for jobsでのクチコミの表示のされ方

こんな感じです。
クイックの評判、キャリコネだと悪いなぁ…、どうしよう……。
といったような不都合な事態がおこります(笑)

レビューの引用元は、キャリコネ、カイシャの評判、派遣会社チェキ、インディードなどです。
ネガティブな書き込みをされると応募は減りますし、ポジティブなクチコミが増えれば逆に採用の追い風にもなります。

これまではクチコミサイトにわざわざ訪問した人だけが見ていたクチコミが、よりオープンな場所で公開されることになるため、企業は、これまで以上に会社の風評に注意を払わなければなりません。

円満退職が少ない企業は危ない

Google for jobs上でのクチコミ公開がきっかけで、企業クチコミの閲覧をする人がいまよりも増えた場合。
これまで人材を雑に扱っていた企業は、手痛いしっぺ返しを食らうことになります。

雑に扱うというのは、パワハラや長時間労働のような過酷な働かせ方はもちろんのこと、社員の成長に投資しない、評価制度に納得感がないといったような、企業側が自覚しづらい点まで、標的になってしまうものだとお考えください。

・いま貴社の退職者の何割がポジティブな退職(円満退職)でしょうか?
・退職者にクチコミの投稿をお願いできる関係性はありますでしょうか?

この問いに、自信を持ってYesと答えられる企業が、今後の採用シーンでは有利になります。

職務内容の記述がますます重要になる

これは既存の求人広告においても同じく重要だったのですが、IndeedやGoogle for jobs上ではもっともっと重要になります。
理由は両者の仕組みの違いによるものです。

<PVが決まる要素>

求人広告⇒求人内容も影響するが、契約プランの大小にかなり左右される
Indeed・GFJ⇒求人内容とユーザーの検索意図がマッチしていれば増える

<CVが決まる要素>

求人広告⇒求人内容とユーザーの検索意図がマッチしていれば増える
Indeed・GFJ⇒求人内容とユーザーの検索意図がマッチしていれば増える

求人広告では、大きい広告スペースを買えば、比較的カンタンにPVを増やすことができる仕組みになっています。求職者に対してあまり優しくない条件だったとしても、PVを集めることで、力技で採用成功させることも…それなりには可能でした。

しかし、IndeedやGoogle for jobsでは、職務内容とユーザーの検索意図を照らし合わせて、マッチングの度合いを判断されてしまうため、表示回数を増やすためには、職務内容の説明文を充実させることが必須です。
ここを怠ると、応募数うんぬん以前に、求人が表示すらされないという事態がリアルに起こります。
※ゴリ押しも不可能ではありませんが、まっとうに運用するのと比べて、クリック単価が異常に高くなります。

Google for jobsで選ばれるための、求人情報作成のコツは?

求人検索エンジン(AI)は、ユーザー一人ひとりに対して、その人が満足する求人情報を返そうとします。
ここまで何度も繰り返しお伝えしてきた通りです。

そこで大切になるのは、「仕事内容の記述=マッチングを促進するために、検索エンジンに対して与えるヒント」でもある、という認識です。
具体的には、自社のターゲットとなる人物のペルソナを設計すること。そして、ターゲットとなる人物にとって、自社のどんな点が誘因となり得るか、強みの分析を行うこと。
この2点の仮説と検証を繰り返すことが、IndeedやGoogle for jobsにおける運用の柱になります。

採用に関わる方からすれば、いまさら感のある主張だと思いますが、原理原則に従い基本に忠実に運用することが、IndeedやGoogle for jobsを取り巻くいわゆるSEO(検索エンジン最適化)の領域においては最良の道なのです。

最後に:採用トレンドの変化に振り回されないためにすべきこと

Google for jobsに限らず、移り変わる採用市場のトレンドに振り回されないためには、自社の採用で「誰に」「何を」伝えるべきかを明確にし、採用の方向性を示すための採用コンセプトを打ち立てることが大切です。
目指したいところと採用したい人物像が明確であれば、どんな新しい採用手法が出てきても、その取捨選択は容易になります。

Google for jobsの利用が広まることで採用の経路や手段に変化はあっても、魅力的な企業に人が集まるという本質は変わりません。むしろ、新しいテクノロジーによって、求職者が求人情報に出会いやすくなった分だけ、中小企業にとっては採用のチャンスが広がったと前向きに捉えることもできます。

Google for jobsによる採用市場の変化は、日々の採用活動を見つめなおす良い機会になるのではないか。私たち自身も、自社の採用を行っていくなかで、そんなふうに感じています。

【関連ページ】
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編集・執筆/中森規仁(中小企業診断士)

コピーライター、人事(採用担当)を経て、大手人材会社でディレクターとして、クリエイティブ企画や経営戦略にひもづいた人材採用・活用のコンサルティング業務などに従事。現在はIT企業勤務の傍ら、マーケティング・人材採用の領域を専門に中小企業支援を行っている。

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