SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは?メリット・デメリット、SNSごとの特徴を解説! COLUMN

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは?メリット・デメリット、SNSごとの特徴を解説!

ソーシャルリクルーティングとはSNSを活用する採用手法であり、企業が直接候補者と接触するダイレクトリクルーティングの一種です。広義にはSNSを活用した採用活動全般、狭義にはスカウトや選考過程における活用などが該当します。

アカウントを作れば手軽に始めることができ、無料のSNSが多いことから、ソーシャルリクルーティングを取り入れるハードルは決して高くなく、興味のある方も多いのではないでしょうか。今回はソーシャルリクルーティングのメリット・デメリットと、代表的なSNSの特徴を紹介します。

目次

SNS採用とは?

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは、企業がX(旧Twitter)やFacebookなどのSNSを活用して採用活動を行うことを指します。

近年、SNSは単なる私生活のコミュニケーションツールに留まらず、ビジネスや採用活動においても重要な役割を果たしています。若者だけでなく、幅広い世代がSNSを利用するようになり、中途採用や経験者採用においても有効な手段となっています。

SNS採用の目的は多岐にわたり、応募者の獲得やコミュニケーションツールとしてだけでなく、企業の認知度拡大やブランディング、情報発信などにも活用されます。また、InstagramやTikTokなどでは特定の層をターゲットにした採用活動を行うことができるなど、目的に応じて多様なSNSプラットフォームが活用されています。

このように、SNS採用は企業にとって効果的な採用手法として存在感を増してきており、適切に活用することでより多くの優秀な人材を獲得することが可能です。

なぜ今SNS採用が注目されているのか?SNS採用が注目されている背景

近年、SNS採用が注目を集めているのには、以下のような要因が考えられます。

SNSの利用者数が増えている

近年、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者数が急速に増加しています。特に、Z世代と呼ばれる若い世代のSNS利用時間は顕著に長く、彼らの生活においてSNSは不可欠な存在となっています。

以下の図は、コミュニケーション系メディアの平均利用時間を示した表です。

出典:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

ここから、コミュニケーション系メディアの平均利用時間は、平日、休日ともに「ソーシャルメディア利用」及び「メール利用」が長い傾向が見て取れます。
特に10代、20代がソーシャルメディアを利用する平均利用時間の長さが顕著であり、休日においては、10代平均は100分、20代平均は115分と非常に長い時間SNSを利用している事がわかります。

求職者の動向

採用市場も大きく変化しています。従来の採用活動では、求人サイトや会社説明会が主流でしたが、近年では求職者の情報収集手段が多様化しています。求職者はSNSを通じて企業の情報を収集し、仕事や企業に関するリアルな情報を求める傾向が強まっています。このため、企業もSNSを活用して求職者とのコミュニケーションを図り、自社の魅力を伝えることが必要になっています。

実際、株式会社No Companyが実施したZ世代の学生による就職活動に関する調査*によると就職活動においてSNSで情報収集すると回答した就活生は58.1%に達しました。
*「Z世代就活生のSNS活用に関する実態調査」(2023年)

このように、情報収集の手段が多様化している現代において、求職者もSNSを利用して企業情報を収集する傾向が強まっています。若手世代を中心に、SNSを通じてよりリアルな情報を求める動きが広がっており、これに合わせて企業もSNSを積極的に活用することが求められています。

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)の活用方法

採用におけるSNSの活用は、企業の認知度向上や採用ブランディングにおいて重要な役割を果たします。
以下に、SNS採用の活用方法についてご紹介します。

母集団形成の拡大

SNSは拡散力があるため、SNSを活用して採用採用を行うことにより、転職潜在層からの応募獲得が期待できます。
また、SNSの配信先はユーザーの志向に応じて決まるため、企業の理念や事業内容に共感を持つ候補者からの応募率が高まる可能性もあります。
これらの特徴から、特に、採用市場で他社に埋もれがちな新興企業やニッチな業界においては、SNSが有効な情報発信ツールとなり得ます。

企業ブランディングや認知度の向上

SNSを活用することにより、企業の魅力や特徴を広く発信することが可能です。従来の媒体では伝えきれなかったリアルな情報や社風を伝えることで企業の魅力をアピールし、採用ブランディングを強化することができます。また、定期的な投稿やイベント情報の発信により、フォロワーの増加や共感を得ることができます。

ミスマッチや早期離職の防止

SNSを活用することで、候補者の志向性や興味を把握し、企業の社風との合致度を判断することができます。面接では把握しづらい候補者の人となりをSNSを通じて深く理解し、自社との親和性が高い候補者の採用を促進します。また、SNSを通じて企業のカルチャーや働くイメージを具体的に伝えることで、採用後の早期離職を防ぐ効果も期待できます。

ダイレクトメッセージによるスカウトの機会

SNSを活用することにより、求職者に対して個別にダイレクトメッセージを送ることが可能です。

この際、従来の求人採用活動のように履歴書や職務経歴書を確認するのではなく、候補者のプライベートな情報を見ることもできるため、自社にマッチした人材かどうかの判断がし易いことが特長です。

求職者との連絡ツールとしての活用

SNSを活用することで、求職者との連絡ツールとしても活用することができます。特にLINEは、日常生活で最も使われるコミュニケーションツールの一つであることや送受信の手軽さから、求職者との連絡手段としても適しています。

また、複数の求職者と同時にやり取りする必要がある場合、LINEのグループチャット機能を活用することで、効率的にコミュニケーションを行うこともできます。

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)のメリットとは?

企業が採用手法の1つとしてソーシャルリクルーティングを利用することには、以下のようなさまざまなメリットがあります。

双方向のコミュニケーションが可能

SNSを活用することで、企業と候補者との間で双方向のコミュニケーションが可能になります。これは従来の採用手法では難しかったアプローチ方法であり、企業と候補者が相互理解を深めるために有効な手段です。

候補者を詳しく知ることができる

SNSによっては、候補者の趣味や日常の様子などのよりリアルな情報を得ることができます。これにより、従来の選考フローの中では見えにくかった候補者の人柄や適性をより深く理解することができます。

従来の採用手法では届けられない情報を伝えることができる

求人メディアや人材紹介などの従来の採用手法においては、情報のリアルタイム性や表現手法、伝達情報の幅に制限がありました。

比較的表現の自由なSNS採用においては、これらの制約から解放され、より多様な情報をリアルタイムに発信することが可能です。

ミスマッチの防止につながる

上述のとおり、SNSを活用することで、企業と候補者の相互理解が深まります。これにより、採用のミスマッチを防ぐことができ、より適切な人材選定が可能となります。また、入社後の早期離職を防止することにも繋がります。

転職潜在層へのアプローチが可能

SNSの拡散力を活用することで、従来の採用手法ではアプローチがしづらい転職潜在層にもアプローチすることができます。これにより、より自社に適した人材からの応募獲得や、応募の絶対数を増やすことが可能です。

採用コストを抑えやすい

SNSは無料で利用できるため、採用コストを抑えることができます。また、効果的な運用を継続することで、中長期的な採用活動においても低コストで効果を上げることができます。

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)のデメリットや注意点とは?

SNS採用は効果的な採用手法でありながら、その運用には様々な課題が存在します。ここでは、SNS採用に関するデメリットや注意点についてご紹介します。

長期的な運用の負担が大きい

情報が多く溢れるSNSでは、発信頻度が低いと目に留まる機会が減少し、採用成果を出すことは難しいため、定期的かつ継続的な情報発信が不可欠です。

そのため、専任担当者を配置するかチームで業務を分担するなど、コンテンツの質と量を保ちながら、効果的な運用を実現するための体制を整えることが重要です。

炎上、情報漏えいのリスクがある

SNSの特性上、不特定多数の目に触れるため、不適切な発言や情報漏洩が企業の信頼を損なう可能性があります。リスクを最小限に抑えるためには、適切なガイドラインを策定し、運用担当者にネットリテラシーを徹底的に教育する必要があります。

即効性は期待できない

SNS採用は即効性がなく、長期的な運用が必要です。フォロワーの増加やコンテンツの拡散には時間がかかるため、焦らずに継続的な発信を行うことが重要です。また、効果を実感できない初期の段階でも継続して配信を続けることが不可欠です。

コンテンツの少ない企業は成果を出すことが難しい

SNSでの運用には充実したコンテンツが必要ですが、コンテンツが不足している企業では、継続的な発信が難しくなります。この課題に対処するためには、中長期的なコンテンツ作成計画を立て、採用ターゲットに合った魅力的なコンテンツを提供することが肝要です。

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)を導入する手順

SNS活用の目的を明確にする

採用ターゲットを明確に定めることはSNS選定の基礎です。ターゲットを決定することで、求職者が求める情報や企業に対して魅力を感じる点はどこかなどを把握することができ、適切なSNSの選定や発信内容の決定が容易になります。また、ターゲットを共有することで、運用チーム全体が一貫した方向性を持つことが重要です。

適切なSNSを選定する

各SNSには独自の特徴があります。採用ターゲットにマッチしたSNSを選定することで、効果的な採用活動が可能となります。SNSの特徴を踏まえ、目的に沿った選択を行いましょう。具体的なSNSについては後述します。

運用フローを策定する

運用フローを決める際には、以下のポイントを考慮します。
– SNS担当者の選定
– 更新頻度やスケジュールの設定
– 運用マニュアルの作成

適切な担当者の選定や、更新頻度の明確化、運用マニュアルの整備が重要です。これにより、効果的なSNS運用が可能となります。

発信するコンテンツの方針を確立する

自社が伝えたい情報だけでなく、採用ターゲットが興味を持つ情報を発信することが重要です。ターゲットの関心事やニーズを考慮し、多様なコンテンツを提供することで、採用活動の効果を最大化します。

SNS採用において発信するコンテンツは、例えば「社員インタビュー」など社内で働く人に焦点を当て、社内のリアルな雰囲気が伝わるコンテンツが有効なことが多いです。そのため、会社全体の協力を得られるように採用活動の重要性やSNS採用の必要性を社内にアピールしておくことも大切です。

柔軟な運用を行う

SNS採用は、採用活動において非常に有効な手段の一つではありますが、あくまで最も重要なことは採用成功です。

そのため、SNS採用に固執しすぎず、必要に応じて他のやり方と併用したり、運用フローを見直すなど、柔軟な対応を行うことが重要です。

SNS(ソーシャルネットワークサービス)ごとの特徴や選び方

ソーシャルリクルーティングをより効果的に実施するには、SNSごとの特徴やユーザー層を理解し、目的に合わせて使い分けるスキルが必要です。SNS活用で外せないFacebookやTwitterから、昨今注目度が高まっているWantedlyまでまとめて解説します。

Facebook

Facebookは実名登録、1人1アカウントが原則のSNSであり、信頼性が高いのが特徴です。フォーマルな話題が好まれる傾向にあり、一般ユーザーの投稿はボランティア活動や進学、就職、結婚といった内容が中心的です。国内月間アクティブユーザー数は2600万(2024年3月)で30代以上が多数派、プロフィールに学歴や職歴を記載するユーザーも多く、中途採用候補者を探す媒体としては差し障りないでしょう。

リクルーティングでの活用としては、企業アカウント(または採用広報用のアカウント)を開設し「情報発信」と「問い合わせの一次対応」を行うのがおすすめです。投稿する話題は、会社イベントの様子や社員インタビューなど社内の雰囲気が伝わるものと、説明会やインターン、求人情報など採用全般に関わるお知らせを織り交ぜるようにします。

問い合わせ回答に手間をかけすぎないよう、コメントの返信や個別のメッセージ対応はシンプルな内容にとどめ、自社への興味が強いうちに採用候補者との面談をセッティングするなど選考につなげることが重要です。Facebookに登録している社員個人がターゲットと直接連絡を取れる場合も、同様に面談や求人紹介のきっかけとして活用できます。

X(旧Twitter)

短文テキストと添付の画像、動画を投稿できるX(旧Twitter)は、カジュアルな話題や速報性のあるニュースが好まれるSNSです。企業アカウントでも、かしこまった投稿よりも「中の人(投稿者)」のキャラクターを押し出した自由で個性的な投稿に人気が集まっており、採用活動においては「本音を隠さない情報発信」に向いています。

国内月間アクティブユーザー数は6,658万(2024年3月)ですが、アカウントを複数作成できるため実際の人数はこれより少なく、匿名登録が可能なことから信頼性が不明瞭な部分があります。そのためX(旧Twitter)を通じて採用することにはこだわらず、企業の情報発信の一環として利用するのが無難です。

X(旧Twitter)には、リツイートという他のユーザーの投稿を自身の投稿欄に掲載できる機能があります。そのため、いかにリツイートしてもらえる投稿ができるか、が運用において重要な観点の一つです。

Instagram(インスタグラム)

画像、動画投稿に特化したInstagramは、国内月間アクティブユーザー数が3300万((2024年3月)を超え、10~20代のユーザーが多いSNSです。写真・動画が主役のため、ファッションや料理など鮮やかで見栄えするテーマ(被写体)を扱うブランドや、リゾート地や建築物など美しい景観を投稿できる業種との相性が良い媒体です。そのため文章での説明が必要な採用関連のテーマではなく、写真をメインとしたブランディングに適しています。

ただし、商品のPRなどのために人気のインスタグラマー(Instagramのフォロワーが多く、投稿の影響力が大きい人)を採用したいといった場合には、Instagramを直接活用しても良いでしょう。

LINE

無料通信アプリLINEは国内月間アクティブユーザー数が約9,500万万人(2024年3月)に達しており、日常的に利用しているユーザーが約8割にのぼっています。

国内で最も利用されているSNSとしてどの年齢層にも使われているため、新卒採用や中途採用、アルバイト採用などさまざまな募集に利用可能なサービスです。

通常の個人アカウントでは管理が難しくなるため、採用活動ではLINE@を利用して公式アカウントを作成し、必要に応じて管理ツールの導入を検討しましょう。日常の連絡ツールとして利用されているため、内容は選考の日程調整などの個別連絡に適しています。

Wantedly

Wantedlyはビジネスのつながりに特化したSNSで、登録企業数は3万弱、個人ユーザーは約383万人を超えています。業界はIT、Web関連、20代~30代の転職希望者が多く、選考よりカジュアルな面談を指す「話を聞きに行きたい」というボタンから企業側にコンタクトをとれるようになっています。

特徴的なのは、年収などの待遇の掲載が禁止されていることです。そのため年収の高さや福利厚生の安定感を売りにすることはできず、投稿内容を通じてビジョンや価値観への共感が重視される媒体です。企業での利用は有料ですが、成果報酬ではなく月額利用料のみとなっており、人材紹介料よりは費用を抑えることができます。

LinkedIn

LinkedInは海外の利用者が多いビジネス特化型のSNSです。グローバル企業を目指している人や研究者など、海外での活躍も見据えて登録するユーザーが多くなっています。検索機能が充実しており、求める人材に必要なスキルを絞り込んで候補者を探し、アプローチをするのに適しています。各国に拠点があるなど、国をまたいだ事業に取り組む会社に向いているSNSです。

YouTube

YouTubeは、世界最大の動画共有プラットフォームであり、国内で7,120万人のユーザーが利用しています。YouTubeを用いることにより企業の文化や雰囲気をリアルに伝え、入社後のミスマッチを防ぐことが期待できます。動画は情報を分かりやすく伝えるため、ブランディングにも有効です。ただし、動画制作には専門知識とコストが必要な点には留意が必要です。

TikTok

TikTokは15秒程度の動画を配信するSNSであり、月間1,700万人が利用しています。若年層に圧倒的な人気を誇り、主に10代から20代のZ世代が中心となっています。投稿できるのは動画だけであり、自身に適した短い尺の動画が次々と流れてくるTikTokは、運用を適切に行うことができればかなりの拡散力を期待できます。

TikTokは同じ動画を他のSNSにも載せることができるため、X(旧Twitter)やInstagramとの併用もおすすめです。TikTokやX(旧Twitter)、Instagramの運用では適切なハッシュタグを設定することが非常に重要です。

まとめ

SNSを活用するソーシャルリクルーティングは、工夫次第で自社の魅力をアピールして採用につなげることができる一方で、その運用には人的コストやスキル、ノウハウが必要です。

弊社クイックでは、採用成功のためのSNS運用を代行しております。求人媒体を用いて40年以上採用のご支援をしている実績を踏まえて採用戦略を策定、SNSの選定からコンテンツ制作を行います。専門のコンサルタントが貴社の採用成功に向けて伴走させていただきますので、SNS採用にお悩みの企業様はぜひ、お問い合わせください。

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