そもそも、なぜ「自社には魅力がない」と考えてしまうのか
よくあるお悩みのパターンがこちら。
他にいくらでも良い会社はあるので、他社と比べるとウチなんて…という発想です。
おそらく、こういった思考に陥っているほとんどの企業が、ある一方向から企業の魅力を捉えて、ネガティブな判断をしていると思われます。
実はこれ、とてももったいない考え方なんです。
ほとんどの企業は、気づいていないだけで何らかの魅力を持っていることが大半です。
ただ、その魅力に気づくためにはちょっとしたコツが必要なので、いまからその方法をお伝えします。
企業の魅力には8つのパターンがある
上記は、弊社が採用コンサルティングを行う際に使っているフレームワークで、企業の魅力を8つに分類した表になります。
・目標の魅力
∟理念・ビジョンへの共感
∟戦略の将来性
・構成員の魅力
∟風土の親和性
∟人材・人間関係の豊かさ
・活動の魅力
∟仕事・ミッションの醍醐味
∟事業・商品の特徴・競争優位性
・特権の魅力
∟職場環境・勤務場所の利便性
∟制度・待遇の充実度
ご覧のように、企業の魅力は大きく4つのカテゴリーに分類され、さらに各カテゴリーのなかで2つのパターンにわかれます。ひとくちに「企業の魅力」と言っても、実はこんなにもバリエーションがあるのです。
この表を片手に、自社の魅力について議論いただくだけでも、普段とは異なったアイデアが出やすくなるのではないでしょうか。
8つの魅力については、こちらよりPDF版をダウンロードすることができます。
企業が発信している魅力には偏りがある
8つの魅力の表をご覧いただき、「そういうことか!」と既にお気づきになられた方もいらっしゃるかもしれません。
多くの企業が「魅力」だと認識しているのは、表の右下にある「特権の魅力」に偏っていることがとても多いんです。
ところが、実際には企業の魅力には様々な観点があり、求職者が企業を選ぶ要因はとても複雑です。この認識のギャップが、採用のアンマッチが起こる原因の一つにもなっています。
たとえば、給与が良ければ応募が集まるのであれば不動産の営業職はもっと楽に採用ができるはずですし、オフィスが快適であれば人が集まるのであれば、街中の一等地にあるコールセンターにも、もっと応募が殺到しても良いはずです。
しかし、実際には両職種とも、楽に採用できているかと問われれば、決してそんなことはないはずです。
求職者が、「一つの魅力」だけを根拠に、企業を判断していないことをご理解いただけると思います。
突出した魅力がない、普通の企業はどうすればいいのか
魅力には8つのパターンがあるのはご理解いただけたと思います。
しかし、そもそも発信すべき魅力が見つけられない企業はどうすれば良いのでしょうか。
こちらもよくいただく質問なので解説させていただきます。
上記の8つの魅力を記載した表をご覧いただくと、
「強いて言うなら当てはまる魅力はありますが、こんなのは他社でも普通だと思いますよ…」
という反応を示される方が、けっこうな割合でいらっしゃいます。
そうなんです。仮に自社らしい魅力があったとしても、上には上が、もっとすごい会社はいくらでもあるという悩み…。これは世界一や日本一の企業でもない限り、すべての企業が抱える共通の悩みでもありますね。
ちなみに、弊社にご相談いただいた場合には、こんな考え方で対処していただいています
企業独自の魅力は、「魅力と魅力のかけ合わせ」によって作り出せる
これが答えです。
企業の魅力は、魅力と魅力の掛け算で作り出すことができます。
たとえ一つひとつの魅力はずば抜けていなくても、いくつかの魅力が掛け算されることで、非凡な特徴に生まれ変わることが多々あります。
・給与が普通で
・休みもそこそこで
・仕事内容もまぁまぁ合っていて
・いっしょに働く人たちも悪い人じゃない
言葉だけ見ると、これという特徴のない仕事に思えますが、現実にはこういった職場は、ストレスなく長く働ける良い環境だと受け止められることが多かったりします。
100人に1人のスキルを3つ習得すれば、100×100×100で、100万人に1人の人材になれる、という能力開発の考え方がありますが、それと発想は同じです。
いくつかの特徴をかけ合わせることで求人のレア度は上げることができる、とご理解ください。
会社の特徴は、伝え方ひとつで、ポジティブにもネガティブにもなる
さて、ここまでは企業の魅力を発見する方法についてお伝えしてきました。
その次に重要なのが、発見した魅力を求職者に対してどんなふうに伝えるかという表現の部分です。
せっかくの魅力的なメリットも、表現の仕方に失敗すると、逆にネガティブな印象を持たれてしまうことだってあるのです。
「アットホームな職場」はブラック企業、という風評被害
求人について、インターネット上によく書かれている風評の一つに「求人募集に『アットホームな職場』と書いている企業はブラック企業だ」というものがあります。
これはどんな根拠でそう言われているかと言いますと、アットホームかどうかは受け取り方の感覚の問題のため、どこの企業でも言おうと思えば言えてしまう言葉だから。裏を返せば、ほかにPRすべきことのない企業が、とりあえず「アットホームな職場」と書いているのではないかと言うのです。
なかなか鋭いご指摘だと思う一方、この判断には誤解も多く含んでいると感じます。
多くの求人では、まったく悪意がないどころか、むしろ会社の雰囲気を伝えるための定番のフレーズとして、アットホームという言葉を利用しているのではないでしょうか。
メリットは具体的に書かなければ、メリットだと感じてもらえない
なぜ「アットホーム」という表現は誤解を受けてしまうのか。
それは表現が抽象的すぎて、具体的に職場の様子をイメージできないからです。
実は、アットホームの他にも同様の例はいくつもあります。
たとえば、こんなフレーズを広告文に書いていないでしょうか。
・丁寧に教えます
・優しい先輩がいます
・明るい雰囲気の職場です
これらの言葉を求人で使うこと自体は問題ありません。
ただ、もう少し具体的な説明もいっしょに書いてあげないと、これがメリットだとは求職者にまったく伝わらないのです。
場合によっては上記したようなネガティブな印象を与えてしまうこともあります。
メリットを具体化するためには、どう考えれば良いか?
せっかくなので、メリットを具体的に表現するとはどういうことか、実例もご紹介させていただきます。
昔、求人をお手伝いさせていただいたお客様の話です。
その企業様は、15時になると社長も含めた社員全員で、お菓子を食べながら10~15分休憩する習慣があったため、そのことを求人情報に記載しました。
こんなふうに会社の特徴を具体的に書くことで、アットホームである事実をより詳しく伝えることができます。
貴社の魅力は、果たして求職者にきちんと届いているでしょうか?
過去に出した求人広告などがお手元にございましたら、ぜひチェックしてみてください。
大切なのは、自社の特徴を臆せずPRすること
ほとんどの企業は、よほど自信のある特徴でなければ、あえて求人広告などでその特徴をPRしようとはしません。
しかし、先ほどお伝えしたように、企業独自の魅力とは、掛け算によって決まるものです。一見、取るに足らないように思える小さな魅力でも、積み重なることでユニークな価値が生まれます。
また、ちょっとした表現の工夫で、等身大の魅力を伝えることも可能になります。
こんなのは魅力じゃない。
この程度、他社でも同じ。
そんなふうに安易に切って捨ててしまわずに、自社の魅力を素朴にPRすることで、活路が開けることは多々あります。
以下で、魅力を整理するためのワークシートをダウンロードいただけます。よろしければご活用ください。
自社の魅力を発見するための「採用コンサルティング」承ります
弊社では、採活力という独自のフレームワークを用いて採用活動の支援を行っています。
今回ご紹介した8つの魅力の考え方も、そのなかの一つです。
弊社の採用コンサルティングではまず、貴社の魅力の抽出に留まらず、貴社の事業・ビジネスモデルを考慮した上で、どんな人物を採用すべきかというペルソナ(人物像)、ターゲット設定を行うためのワークショップを実施させていただきます。
その上で、実際にどんなメッセージを、どんなメディアや手法で届けるべきかというクリエイティブの領域、面接ではどんなコミュニケーションをすべきかというリクルーター領域といった、採用計画から、候補者が入社に至るまでの採用フロー全体の設計までを、ご提案させていただくことが可能です。
費用は30万円~。
詳細をまとめた資料もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。
こちらよりダウンロードが可能です。
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採用課題を解決に導く採用戦略構築のポイント
採用活動においても、パフォーマンスの要となるのは「戦略」の設計です。 コンサルティングサービス「採活力」は、貴社に最適な採用コミュニケーションを設計し、採用活動を成功へと導きます。
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