いつ連絡すべき? 採用連絡の基礎知識
まずは採用連絡を行う際の基本について説明します。
採用連絡は電話が一般的
採用連絡は電話で行うのが一般的です。
電話による採用連絡では、応募者がその場で入社意思を示してくれることもあり、口頭の方が採用手続きや入社日など今後についてスムーズに話を進めることができるからです。
また、電話での受け答えから応募者の心情を伺うことで内定辞退に気づくきっかけになり、その対策を立てたりすることにもつながります。まずは電話で採用を伝えて後日改めて内定通知を郵送するというケースもあります。
なお、不採用の場合は今後のスケジュールについて話し合う必要がないため、メールで連絡することが多いです。応募書類とともに不採用通知を郵送することもあります。
メールで採用通知をする場合について詳しくは→「採用・不採用メールの作り方 電話の場合も【例文付き】」
採用連絡は1週間以内に
選考結果の連絡は面接から1週間以内に行うのが基本ですが、人材不足が叫ばれる昨今ではより早まる傾向にあります。
面接から採用連絡までに日数が空いてしまうと、応募者は「不採用だったのかもしれない」と考え、他社の選考に参加したり、保留にしていた他社の内定を承諾したりすることもあるからです。
特に、中途採用で同業他社との競争率が高い場合などは面接日から1~3日以内に採用連絡を済ませ、少しでも早く人材を獲得しようとする傾向がみられます。
また、人材紹介会社経由で選考を受けた場合は、面接日当日に採用連絡をすることが多いです。
時間帯は午前中が多い
採用連絡をする時間帯は、応募者からの時間指定などがない限りは午前中が一般的です。
日中は仕事や学校の授業があって連絡がとりにくい転職者・就活生でも、午前中に連絡をしておけば昼休みや終業後などに折り返してくれることがあります。
ただし、できるだけ早く確保しておきたい有望な応募者については、面接日当日の夜に連絡してもかまいません。
採用の電話連絡スクリプト【新卒・転職者・バイト】
続いて、採用の電話連絡のスクリプトと応募者別の注意点について解説していきます。
新卒採用者への電話
新卒の場合は、入社日までに数カ月空くことがほとんどであり、その間に内定辞退が発生する可能性もあります。
それを防ぐために、採用連絡の際には採用する旨を伝えることに加えて、早めにミーティングの約束を取り付けることが大切です。
実際に会うことで内定者との絆を深め、迷いや不安を取り除くことにつながります。また、内定者の入社を歓迎していることも忘れずに伝えてください。
採用担当者:先日は最終面接にお越しいただきありがとうございました。社内で検討いたしました結果、○○様は採用ということになりました。
応募者:内定をいただき、ありがとうございます。ぜひ御社で働かせて頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
採用担当者:早速ですが、入社に際してミーティングを行いたいのですが、来週ご都合の良い日にちを教えていただけますか?
応募者:○日以外であればいつでも大丈夫です。
採用担当者:では△日の▲時にご来社いただけますでしょうか?
応募者:承知いたしました。
採用担当者:詳細についてはメールにてご連絡いたします。これから○○様と一緒に働けることを楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします。
中途採用者への電話
転職者の場合も、新卒と同じく入社を歓迎する気持ちを忘れずに伝え、内定辞退を防ぐために採用連絡時にミーティングの約束を取り付けることが望ましいです。
ただ、転職先が決まった後は現職での引き継ぎや退職の手続きなどが必要となることも多く、そちらを優先して行わなければならない場合はメールや電話のやりとりがメインになります。
採用担当者:この度は、当社の採用選考にお越しくださいましてありがとうございました。厳選なる審査の結果、○○様を正社員として採用することになりました。
応募者:ありがとうございます。
採用担当者:つきましては、○月×日までに当社に入社していただけるかどうかをお電話またはメールにて、私までご連絡いただけますでしょうか。
応募者:承知いたしました。
採用担当者:入社に際してご不明点などありましたらいつでもお問い合わせください。社員一同、ぜひ○○様と働きたいと思っております。よろしくお願いいたします。
アルバイト採用者への電話
アルバイトの場合は入社前のミーティングなどは行わず、入社日に手続きを行うことがほとんどです。
採用を伝えるとともに、面接時にヒアリングした入社日で問題ないかを確認しましょう。
採用担当者:先日は面接にお越しいただき、ありがとうございました。社内で検討いたしました結果、○○様をアルバイトとして採用することになりました。入社日は面接でお伺いした通り、○日でよろしいでしょうか?
応募者:ありがとうございます。はい、○日で問題ありません。
採用担当者:では○日の△時にお越しください。持ち物などの詳細は追ってメールいたします。
応募者:承知いたしました。
採用担当者:ご不明点などありましたらいつでもお問い合わせください。○○様と働けることを楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします。
面接通過の連絡や不採用通知について
面接通過後の連絡や不採用通知はセンシティブな連絡なので、応募者に配慮して対応しましょう。
面接通過の連絡の場合は?
面接通過の連絡では、次の選考ステップに参加してもらいたいことを伝え、承諾が得られた場合は日程について相談します。また、面接官やおおよその面接時間について伝えることも忘れないでください。
採用担当者:先日は、一次面接にお越しいただきありがとうございました。○○様に最終面接に進んでいただきたく、連絡いたしました。ご参加いただけますでしょうか?
応募者:ぜひよろしくお願いいたします。
採用担当者:ありがとうございます。つきましては、来週のご都合の良い日にちを教えていただけますでしょうか。
応募者:○日か△日であれば大丈夫です。
採用担当者:では○日の■時にご来社ください。当日は弊社代表とお話いただき、面接時間は30分前後の予定です。どうぞよろしくお願いいたします。
不採用通知はメールで
不採用通知の連絡はメールで行いましょう。
メールで行うことで企業の採用業務の効率化が期待できるだけでなく、応募者に採用結果をなるべく早く通知することができます。
不採用通知を電話で行うと、採用担当者や応募者の都合で連絡が取れる日時が限られてしまうため、採用結果の通達が遅れてしまう可能性があります。
企業と応募者の双方のタイミングで通知・確認できる方が双方メリットがあるため、不採用通知はメールで行うほうが望ましいです。
不採用通知の具体的な例文については、以下の記事で詳しく解説しています。採用結果の通知に対応中の人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
採用・不採用メールの書き方【テンプレート付き】 電話での伝え方も
採用通知電話で意識すべき4つのポイント
最後に、採用通知電話のポイントについて説明します。
【1】社名をはっきりと伝える
応募者は、複数の企業の選考を同時進行で受けていることもあるため、どの企業の誰からの電話なのかをはっきりと伝えることが重要です。
電話では声が聞き取りにくいこともあるので、普段以上にハキハキと話すことを心がけましょう。
【2】応募のお礼を忘れない
採用・不採用関係なく、自社の求人に応募してもらったことに対するお礼の気持ちをしっかりと伝えましょう。
たくさんの企業の求人がある中で、自社の選考に参加するために時間やお金をかけてくれた応募者に対して感謝するのは社会人としてのマナーです。
もしお礼がなかったり、お礼をしていてもいい加減な口調であったりした場合は自社の印象にも悪影響を及ぼします。
不採用だった人でも実力をつけて再度求人に応募してくれる可能性もありますし、自社の取引先に就職して関わることもあるため、最後まで丁寧に対応することが重要です。
【3】応募者の都合に配慮する
採用結果を電話で伝える場合、応募者が電話ができる状態か確認する必要があります。
近年では多くの応募者が連絡先を自身の携帯電話にしているため、応募者が外出している可能性も十分に考えられます。
求職者に電話をする際には、「(会社名)の○○と申します。ただいまお電話よろしいでしょうか?」と状況を確認してから本題に入りましょう。
もし応募者が電話に出ず、留守番電話につながった場合は、採用に関する連絡であること、再度連絡する旨を残しましょう。
ただし、採用の可否は留守番電話では伝えず、電話がつながったときに伝えましょう。
【4】採用後の流れをまとめておく
採用の場合は、電話する前に採用後の流れについてまとめておきましょう。
入社日当日に入社にあたって必要となる書類を持参してもらうのか、それとも書類を事前に送ってもらうのかなどを確定させておき、電話の際に伝えます。
電話の後には今後の流れについてまとめたメールを送り、認識のギャップがないようにすることが大切です。
また、入社日などを決めるために、入社前に来社してもらうケースもあります。
入社前に会う機会を設けることは内定者の不安解消や内定辞退・早期離職防止の役割もあるので、内定から入社日まで数カ月程度空く場合はぜひ行いましょう。
採用通知電話で追加で聞きたいポイント
最後に採用通知電話で応募者に追加で聞きたいポイントを紹介します。
応募者に入社意思を固めてもらうためにも、必ず確認しておきましょう。
他社の選考状況・入社意向
応募者の中には、他社と並行して就職活動を行っている方も多くいます。
こういった場合には「他社の選考状況はいかがですか?」とストレートに聞くことをおすすめします。
他社の選考状況を応募者から話してくれることはほとんどなく、あいまいな伝え方をしてしまうと本来聞きたいことを聞くことができません。
また併せて入社意向も確認しておきたいポイントです。
応募者の素直な気持ちを聞くためにも「正直、弊社への入社意向はいかがですか?」とストレートに聞きましょう。
まとめ
電話による採用連絡は、採用を伝えることに加えて内定者の心情を伺う役割を持ち、内定辞退防止につながるケースもあります。意識すべきポイントに沿って、有効活用しましょう。
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