【新卒・中途別】母集団形成は採用マーケティングがキモ!手法12選も紹介 COLUMN

【新卒・中途別】母集団形成は採用マーケティングがキモ!手法12選も紹介

採用活動のプロセスで、最初におこなうべき母集団形成。しかし、採用マーケティングの下、自社に適した手法でおこなわなければ、十分な母集団を形成することは困難です。

本記事では、母集団形成のメリットや採用マーケティングとの関係性のほか、母集団形成のポイント、実施ステップ、母集団形成手法を徹底解説します。

目次

母集団形成とは?

はじめに、母集団形成の概要や注目される背景を解説します。

母集団形成とは

母集団形成とは、自社に応募する求職者を集めること。もともと、「母集団」とは統計学上、調査対象の集合全体を指しますが、採用分野における「母集団」は、自社の求人に興味・関心を示す求職者全体の数を意味します。

「応募→書類選考→適性試験→一次面接→最終面接→内定→入社」までの一連の選考プロセスが進むに連れて、残る人数が減少するため、必要な採用人数に応じた母集団形成が不可欠となります。ただし、自社の採用ターゲットを集められるよう、「質」と「量」の両面で母集団形成をすることが重要です。

母集団形成が注目される背景

少子高齢化を背景に人材不足が深刻化するなか、採用市場は激化し、売り手市場が加速しています。リクルートワークス研究所の「採用見通し調査」によると、2023年卒採用における充足率は78.5%と、過去10年で最低との調査結果がでています。

新卒採用の充足率の推移
(※)リクルートワークス研究所:「ワークス採用見通し調査(新卒:2024年卒)」図表11 新卒採用の充足率の推移より

従業員規模別では、5000人以上の企業が98.7%である一方で、5~299人の企業は65.5%と低い水準にとどまっているように、従業員規模が小さいほど充足率が低いことがわかります。

従業員規模別 新卒採用の充足率
(※)リクルートワークス研究所:「ワークス採用見通し調査(新卒:2024年卒)」図表12 従業員規模別 新卒採用の充足率より

売り手市場が加速するなか、こうした新卒採用の充足率の低下も相まって、母集団形成が注目されています。

母集団形成4つのメリット

次に、知っておきたい母集団形成のメリットを紹介します。

採用ミスマッチの防止

一つ目は、採用ミスマッチの防止です。

母集団形成のプロセスには、採用マーケティングの下、自社に最適な採用ターゲットを定めることは欠かせません。そのため、採用ターゲットとならない求職者が母集団の対象とならないことから、採用ミスマッチの防止が期待できます。

選考の効率化

二つ目は、選考の効率化です。

母集団形成をおこなわない場合は、採用ターゲットとならない求職者も応募するため、選考工数が多くなります。母集団形成をおこなえば、選考プロセスの初期段階から採用ターゲットが適した人材となっているため、効率的な選考が実現可能です。

戦略的な採用活動の実現

三つ目は、戦略的な採用活動の実現です。

母集団形成するには、自社の目標採用人数から逆算した、必要な母集団人数の把握が重要になります。過去の応募人数に対する入社割合から、次のように逆算をすることで、必要な母集団人数を算出できます。

【母集団形成数 算出例】

  • 応募率10%
  • 書類選考通過率30%
  • 一次面接通過率30%
  • 最終面接通過率70%
  • 入社率50%

 

この場合、母集団を対象とした自社への入社割合は0.315%となります(10%×30%×30%×70%×50%)。仮に、採用目標人数を10名とした場合、必要な母集団人数は3,174.6名(10名÷0.315%)と算出できます。このように母集団形成によって、選考プロセス毎の必要人数を把握できるため、戦略的な採用活動が実現可能です。

人材力の強化

四つ目は、人材力の強化です。

自社にマッチした人材を採用し続けられれば、パフォーマンスを発揮できる従業員が増え、人材力の強化を図ることができます。この人材力の強化により、組織力が上がり、生産性の向上につなげることが可能です。また、自社の価値観に共感する求職者が集まりやすくなるため、長期的には企業文化の醸成も期待できるでしょう。

母集団形成に欠かせない採用マーケティング

自社の採用ターゲットに適した母集団を形成するには、採用マーケティングが不可欠です。ここでは、採用マーケティングの概要や母集団形成と採用マーケティングとの関係性を解説します。

そもそも採用マーケティングとは

採用マーケティングとは、求める人材を確保するために、採用分野に消費者向けマーケティングのフレームワークを取り入れた活動のこと。そもそも、この消費者向けマーケティングとは、「企業が顧客ニーズを探り、最適な製品・サービスを提供しながら、さまざまな手法を用いて市場を創造していく活動」を意味します。

つまり、採用マーケティングは、「企業が理想の人材ニーズを把握し、適した職場を醸成しながらその魅力を伝え、採用ターゲットに入社を促す活動」であり、採用市場における、競合他社に打ち勝つ戦略を立てるプロセスを指します。

採用マーケティングについて詳しく知りたい方は、「採用マーケティングとは?メリットやフレームワーク、7つの実施ステップを解説」の記事をご参考ください。

母集団形成と採用マーケティングとの関係性

母集団形成は、採用マーケティングにおける目的のひとつと位置付けられます。

この採用マーケティングは、競合他社に打ち勝つ戦略を立てるプロセスを指します。具体的には「認知→興味→応募→選考・内定→入社」までの一連のプロセスのことで、この過程で採用CX(候補者体験)を高めることが重要です。この一連のプロセスのうち、母集団形成とは認知・興味段階に対する取り組みで、自社の求人に興味・関心を示す求職者を醸成します。

採用マーケティングがもたらす母集団形成の効果

適切な採用マーケティングを実施しなければ、母集団形成を効果的におこなうことはできません。採用マーケティングによって、自社の採用ターゲットを明確化し、競合他社に打ち勝つための母集団形成プロセスを効果的に構築できます。また、自社の採用ターゲットを母集団とするため、効率的な選考や、自社の価値観に合った人材を集めることが可能です。

【新卒・中途別】人事が知るべき母集団形成のポイント

これまで、母集団を形成するには、採用マーケティングが不可欠であることを説明してきました。ここでは、母集団形成のポイントを新卒・中途別に解説します。

新卒採用の母集団形成ポイント

新卒採用における母集団形成ポイントには、次の二つが挙げられます。

採用ターゲットの明確化

一つ目は、採用ターゲットの明確化です。

新卒採用の場合、中途採用とは違い、経験やスキルが職務に直結しないため、ポテンシャル採用が基本です。そのため、スキルや経験ではなく、学生の潜在的な能力や将来性を重視した採用方法になります。

この潜在的な能力や将来性などを求める人物像に落とし込み、採用ターゲットを明確化することが重要です。

学生スケジュールを踏まえた計画立案

二つ目は、学生スケジュールを踏まえた計画立案です。

2024卒から採用直結型インターンシップが解禁されるなど、ますます選考の早期化傾向が強まっています。競合他社に打ち勝つためには、他社に先んじた母集団の形成が重要です。大学生は、大学3年の6〜8月の就活準備時期から就活を本格スタートさせ、各企業が実施する採用イベントやインターンシップに参加しますが、近年では大学1〜2年生を対象とした採用イベントも多く見受けられます。こうした学生の就活スケジュールを踏まえた計画をすることで、他社に遅れることなく、母集団の形成が可能です。

大学生の就活スケジュールや採用イベントについて詳しく知りたい方は、「【新卒・中途別】採用イベント16選!イベントの種類や特徴を徹底解説」の記事をご参考ください。また、インターンシップについて詳しく知りたい方は、「【人事必見】インターンシップで何をさせる?内容や事例、1day企画も解説」も参考にしてください。

(※参考)内閣官房:「2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動について(周知依頼)

中途採用の母集団形成ポイント

中途採用における母集団形成ポイントは、次の二つが挙げられます。

具体的な採用ターゲットの設定

一つ目は、具体的な採用ターゲットの設定です。

中途採用は、新卒のポテンシャル採用とは違い、即戦力採用が基本です。そのため、必要なスキルや経験を明確化し、具体的な採用ターゲットを設定することが重要になります。ただし、高い次元の要件を定めてしまうと、母集団が少なくなってしまう恐れがあります。そのため、「必須条件」と「歓迎条件」に分けるなど、母集団の数を確保できるように落としどころを工夫することもポイントです。

現場の社員とコミュニケーション

二つ目は、現場の社員とコミュニケーションです。

想定している採用ポジションの情報をよく知るのは、現場の社員以外に他なりません。採用ターゲットの設定時はもちろん、求人者への職務説明、採用面接など、現場社員からの協力は不可欠です。現場社員から円滑に協力を得られるよう、日頃から現場社員とコミュニケーションを密にしておくとよいでしょう。

採用マーケティングに基づく母集団形成ステップ

母集団形成は、採用マーケティングのフレームワークを活用することがポイントです。ここでは、採用マーケティングに基づく母集団形成ステップを解説します。

  • 環境分析-3C分析
  • 環境分析- SWOT分析
  • ターゲット設定- ペルソナ
  • キャンディデイト・ジャーニーの設定(カスタマージャーニー)
  • 採用チャネル(候補者体験)の設計-採用ファネル
  • 施策実施
  • 改善活動

環境分析-3C分析

まずは、自社を取り巻く採用マーケティング環境分析として、3C分析をおこないます。

消費者マーケティングにおいて、この3Cとは「Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」を指しますが、採用マーケティングでは、Customer(市場・顧客)を「Customer(自社のニーズに合う求職者)」に置き換えて分析します。採用市場における自社の立ち位置を把握し、戦略を練るための分析をおこないます。

環境分析- SWOT分析

次におこなうのは、採用戦略を構築するためのSWOT分析です。

SWOT分析とは、「Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)」の4つを軸に、内外環境を分析し、自社の戦略の方向性を検討するためのフレームワークです。3C分析で把握した自社の立ち位置において、「どのような機会に自社の強みを投入するのか」「自社における脅威は回避する」「脅威を機会に転換する」など、戦略の方向性を立案します。母集団形成の観点では、「他社と違う視点で採用ターゲットのセグメンテーションをおこなう」などが有効でしょう。

ターゲット設定- ペルソナ

消費者マーケティングで活用されるペルソナとは、企業が商品やサービスを提供する象徴的な顧客像のこと。「ターゲット」よりも、より細やかに人物像を設定することで、真の顧客ニーズを把握できるため、付加価値の高い商品・サービスの提供が可能です。

一方、採用マーケティングにおけるペルソナとは、求める人材像を具現化した架空のプロフィールのこと。人材要件で設定したスキルや経験、価値観をもとに作り上げます。さらに、必須条件と十分条件に分けることで、採用市場の状況に応じた的確なアプローチが可能になります。

ペルソナ設定に役立つワークシートをダウンロードしたい方はこちら

キャンディデイト・ジャーニーの設定(カスタマージャーニー)

カスタマー・ジャーニーとは、顧客が商品・サービスの認知から購入するまでの一連の購買行動や思考のプロセスを示すもの。顧客視点に立った商品開発やサービスの検討が可能です。これを応用した「カスタマー・ジャーニーマップ」を作成すれば、プロセス毎のニーズや課題を可視化でき、効果的に施策を立案できます。

キャンディデイト・ジャーニーは、カスタマージャーニーの考え方を採用分野に取り入れたもので、採用戦略や母集団形成を効果的に立案することが可能です。採用マーケティングとは?メリットやフレームワーク、7つの実施ステップを解説」の記事では、キャンディデイト・ジャーニーマップの一例を示していますので、参考にしてください。

採用チャネル(候補者体験)の設計-採用ファネル

キャンディデイト・ジャーニーマップをベースに、採用ファネル各段階における採用チャネル(候補者体験)を設計します。

「認知→興味→応募→選考・内定→入社」の各段階で、求職者を右肩上がりに動機付けるため、ペルソナに適した候補者体験の設計が重要です。特にポイントとなるのは、一貫した採用活動となるように設計すること。母集団形成の観点では、自社の採用ターゲットを集めるために、認知・興味段階における候補者体験の設計がキモになります。たとえば、採用サイトの制作はもちろん、SNSの活用など「採用DX」を取り入れるほか、合同企業説明会や座談会、インターンシップなど、自社の状況に応じた「採用イベント」の実施も有効でしょう。

採用DXについて詳しく知りたい方は、「採用DXとは?導入ステップや事例・ツール、成功ポイントを徹底解説!」の記事をご参考ください。また、採用イベントを詳しく知りたい方は、「【新卒・中途別】採用イベント16選!イベントの種類や特徴を徹底解説」の記事を参考にしてください。

施策の実施

設計した採用チャネル(候補者体験)の施策を実施します。

母集団形成においては、前章で触れた採用サイトの制作やSNS活用による募集活動が、認知・興味段階で重要な施策です。具体的には、採用マーケティングの分析に基づいたサイトを制作できる「採用サイト制作支援ツール」や、拡散力の高いSNSの特徴を活かしたTwitterやInstagramなどのSNS採用が有効でしょう。また、合同企業説明会には、業界特化型や企業規模型、仕事準備型など、求職者のニーズや状況に適した採用イベントがあります。自社に適したイベントに参加し、アプローチすることが効果的です。

改善活動

母集団形成は、一度で計画した母集団の人数を充足することは困難です。

「母集団形成4つのメリット」の章で示した下記の例の場合、それぞれの通過率で想定したケースでは、目標採用人数10名に対して、自社への入社割合は0.315%でした(10%×30%×30%×70%×50%÷10名)。

しかし、実際に集めた母集団人数が少ないケース、またはそれぞれのプロセスで想定した通過率より低いケースなど、どのプロセスがボトルネックになっているかを分析し、改善することが重要です。

【母集団形成数 算出例】

  • 応募率10%
  • 書類選考通過率30%
  • 一次面接通過率30%
  • 最終面接通過率70%
  • 入社率50%

 

一連の採用活動終了後、必ず振り返りをおこない、採用活動のPDCAサイクルを回してください。

母集団形成手法12選【マス型・ワントゥワン型】

母集団形成の方法は、採用ターゲットの「広さ」を切り口にすると、「マス型」と「ワントゥワン型」の二つに分けることができます。

「マス型」とは、求職者全体を対象に、一律的なアプローチをすること。一方、「ワントゥワン型」とは、一定の基準で区分した求職者を対象に、個別的なアプローチをすることをいいます。なお、母集団形成方法は、採用ターゲットに応じた採用手法と位置付けることができるため、ここでは、「【2023年版】採用手法12選を徹底解説|最新トレンドや選定ポイントも紹介」で紹介した採用手法12選の概要を紹介します。それぞれの手法を詳しく知りたい方は、前述の採用手法の記事を参考にしてください。

マス型 母集団形成方法8選

マス型の採用手法は、不特定多数の集団に向けたアプローチとなります。ここでは、マス型の主な採用手法の概要を紹介します。

採用手法 人数規模 運用難易度 労力 コスト 専門人材 緊急度
就職ナビサイト 中~高
人材紹介
各種イベント 小~中 中~高
クリック課金型 中~大 中~高 中~高 低~中 中~高
ハローワーク 小~中 無料 低~中
自社採用サイト 小~中
ミートアップ 低~中
ソーシャルリクルーティング 小~中 中~高 中~高

【1】就職ナビサイト

新卒サイト・転職サイトなどの就職ナビサイトは、最も活用されている採用手法です。新卒採用は「リクナビ」、中途採用は「リクナビNEXT」などがよく使われる就職ナビサイトのひとつです。

利用する求職者が多いため、効果的にアピールできれば、より多くの母集団を形成できます。

【2】人材紹介

人材紹介とは、人材紹介会社から人材バンクに登録している求職者を紹介してもらう採用手法のこと。自社の要件にマッチした求職者を紹介してもらえるため、募集の手間をかけずに効率的な選考ができます。一度に多数を採用することには向いていないため、母集団形成の観点では大きな効果を見込みにくいといえますが、専門的な人材をピンポイントで採用するには有効です。

【3】各種イベント

各種イベントとは、新卒向けでは、リクナビなどの合同企業説明会、中途向けでは、リクナビNEXTの転職フェアなどに企業が出展し、自社ブースに求職者を集める採用手法です。大勢の求職者と接触できるため、母集団形成に効果を発揮しますが、認知度の低い企業は埋もれてしまうリスクがあります。自社ブースの装飾を工夫するなど、求職者からどのように注目を集めるかが重要になります。

【4】クリック課金型

クリック課金型とは、Indeedのように、Web上における求人情報のクリック数に応じて課金される求人広告サービスです。

クリック課金の仕組みであることから、コストを最小限に抑えることが可能です。また、上位表示するための「リスティング広告」のサービスも提供されているため、予算や状況に合わせた求人掲載ができます。

【5】ハローワーク

ハローワークは行政サービスであり、全てのサービスを無料で受けられることがポイントです。また、2021年9月21日より、「ハローワークインターネットサービス」のオンラインサービスが拡大し、利便性が向上しています。求職者から直接応募を受けられる「オンライン自主応募」や、オンラインで応募者管理が可能な「求人者マイページ」など、オンライン機能が強化されていることも注目でしょう。

【6】自社採用サイト

自社採用サイトとは、求人情報をアピールするために自社で設置するWebサイトのこと。近年では、採用ブランディング確立を目的に、コーポレートサイトとは別に独立した採用サイトを立ち上げる企業も多くあります。

募集要項はもちろん、自社のビジョンや事業、社員紹介など、自社の魅力を訴求するほか、母集団形成に効果が高い「社員ブログ」などを活用し、オウンドメディアとして成長させていくケースもあります。

【7】ミートアップ

ミートアップとは、社員と交流できる機会を応募前の求職者に提供し、企業側から気になる人材にアプローチする採用手法です。カジュアルなミートアップにすることで、求職者はリラックスして参加できることから、ありのままのカルチャーを感じ取ってもらえることが大きなメリットでしょう。しかしミートアップは、労力や開催頻度が高くなる課題があり、母集団形成の観点では、多人数の母集団形成は困難と考えられます。

【8】ソーシャルリクルーティング

ソーシャルリクルーティングとは、TwitterやYouTube、FacebookなどのSNSを活用した新しい採用手法です。

SNSの拡散性や情報伝達の容易性をメリットに、近年、採用活動における利用が拡大しています。母集団形成の観点では、「いいね」や「リツイート」による拡散によって、広い母集団にリーチできることが大きなメリットです。

ワントゥワン型 母集団形成方法4選

ワントゥワン型の採用手法は、ダイレクトリクルーティングのような特定の求職者を対象とした個別アプローチです。ここでは、ワントゥワン型の主な採用手法の概要を紹介します。

採用手法 運用難易度 労力 コスト 専門人材 緊急度
ダイレクトリクルーティング 中~高 中~高 中~高
リファラル採用 中~高 中~高 低~中 中~高
ヘッドハンティング
アルムナイ採用 中~高

【1】ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、リクルートダイレクトスカウトなど、企業が求職者に直接アプローチする攻めの採用手法です。

具体的には、ダイレクトリクルーティングサービスにおける人材データベースなどからスクリーニングし、企業から求職者にアプローチします。多くのダイレクトリクルーティングサービスでは、データベースの検索や閲覧、メール機能が備わっていることが一般的です。

【2】リファラル採用

リファラル採用とは、自社の社員から知人や友人を紹介してもらう採用手法です。

母集団形成の観点では、自社をよく知る社員から、気心知れた知人・友人にアプローチするため、自社にマッチした人材を母集団の対象にできることが大きなメリットです。ただし、紹介を受けた後の選考フローは、通常の求職者と同様なため、制度上、求職者の選考が有利になることはありません。

【3】ヘッドハンティング

ヘッドハンティングとは、他社の活躍人材を自社に引き抜く採用手法です。

一般的には、転職潜在層にアプローチするため、採用期間が長期化する可能性があります。また、費用や年俸が高くなることが一般的ですが、事業上、必要な人材を確保するための有効な手段のひとつです。ただし、母集団形成の観点では、対象人数は極めて少数となるため、量の拡大に寄与することは困難といえます。

【4】アルムナイ採用

アルムナイ採用とは、退職した自社の元社員を再雇用する採用手法です。

自社をよく知り、他社で経験を積んだ貴重な人材を自社に迎え入れられるように、制度化している企業もあります。

母集団形成の観点では、アルムナイ採用を前提として、元社員と交流するコミュニティを構築する事例もあり、新たな母集団形成スキームとして有効な手段といえます。

【新卒・中途別】母集団形成法一覧

母集団形成には、新卒・中途別に適した方法があります。ここでは、新卒・中途別に母集団形成方法の一覧を紹介します。

新卒採用向け母集団形成方法

新卒向けの母集団手法は、就職ナビサイトなどのマス型が大半です。新卒採用における主な母集団形成方法は次のとおりです。

【マス型】

  • 就職ナビサイト
  • 人材紹介
  • 各種イベント
  • クリック課金型
  • ハローワーク
  • 自社採用サイト
  • ミートアップ

 

【ワントゥワン型】

  • ソーシャルリクルーティング

 

特に就職ナビサイトは、リクナビなどの大手に大半の学生が登録しているため、母集団形成の観点では、重視すべき手段といえるでしょう。

中途採用向け母集団形成方法

中途採用向けの母集団形成手法は、マス型とワントゥワン型の全ての採用手法が対象となります。

【マス型】

  • 就職ナビサイト
  • 人材紹介
  • 各種イベント
  • クリック課金型
  • ハローワーク
  • 自社採用サイト
  • ミートアップ
  • ソーシャルリクルーティング

 

【ワントゥワン型】

  • ダイレクトリクルーティング
  • リファラル採用
  • ヘッドハンティング
  • アルムナイ採用

 

中途採用は新卒と違い、不定期におこないますが、母集団形成の観点では、年度末や長期休暇前など転職者が出やすい時期を狙って母集団形成手法を講じるとよいでしょう。量を狙うならば、就職ナビサイトなどのマス型、質を狙うならば、ダイレクトリクルーティングなどのワントゥワン型が基本です。

なお、近年ではダイレクトリクルーティングでAIが活用されるなど、手間がかかる実務を効率化し、母集団形成を容易におこなえるサービスも登場しています。

知っておきたい母集団形成方法の注意点

これまで、母集団形成のステップやポイント、手法を紹介してきましたが、ここでは母集団形成をおこなううえでの注意点を解説します。

採用ターゲットをあやふやにしない

母集団形成にあたって重要なのは、採用ターゲットを明確化すること。この採用ターゲットをあやふやにしたまま母集団形成をおこなうと、採用ターゲットにあわない求職者が選考フローにのるため、採用効率が大幅に低下する恐れがあります。

経験やスキル、価値観などの採用ターゲットを明確化し、母集団を形成することが重要です。

採用コンセプトをしっかりと作りこむ

母集団形成において、手法やチャネルを重点におく企業もあるでしょう。しかし、その前提となる採用コンセプトをしっかり作りこんでいないと、統一感のない母集団形成手法を組み合わせてしまうリスクがあります。

求職者ニーズに合わせて、設計した採用ターゲットと自社らしさを「自社の独自価値」として提供する採用コンセプトの策定が重要です。この独自価値によって、競合他社との差別化を図り、母集団形成を有利に展開しましょう。

母集団形成方法を組み合わせる

母集団形成は、「質」より「量」と考える企業もあるかもしれません。しかし、求職者ニーズが多様化するなか、「量」を求めたマス向けの全方位的な手法だけでは、十分な母集団の形成が困難となる恐れがあります。

たとえば、Indeedのようなクリック課金型の求人広告サービスでは、求職者ニーズを分析した運用によって、母集団形成効果を高めることが可能です。こうした各々のメリットを踏まえて、自社に適した母集団形成方法を組み合わせることも有効でしょう。

Indeedを詳しく知りたい方は、「Indeed(インディード)とは? 採用成功させるための情報まとめ|仕組み・費用・効果など」の記事をご参考ください。

まとめ

本記事では、母集団形成のメリットや採用マーケティングとの関係性のほか、母集団形成のポイント、実施ステップ、母集団形成手法を徹底解説しました。

採用市場が激化する昨今、母集団形成に飛躍的な効果が見込めるSNS採用や、新たな母集団としてアルムナイコミュニティなどにも注目が集まっています。

本記事を参考に、採用マーケティングの下、自社の採用ターゲットに適した母集団形成方法を実践しましょう。

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