新卒採用における座談会とは?
新卒採用における座談会とは、学生と企業の社員が直接対話し、企業の雰囲気や仕事の内容について学生が詳しく知ることのできる場です。
通常、学生が質問しやすい雰囲気を醸成するため、カジュアルな形式でおこないます。企業側は仕事の内容や社風、福利厚生を説明し、学生から質問を受ける形式が一般的です。
座談会の基本的な流れや学生からの質問例などについて詳しく知りたい方は、「座談会とは?採用における重要性やメリットを解説!」の記事を参考にしてください。
【企業側】座談会の目的・メリット
企業側が座談会をおこなう大きな目的は、学生の入社意欲を引き上げることです。ここでは、座談会の目的・メリットを詳しく見ていきます。
学生に企業の理解を深めてもらう
学生に企業理解を深めてもらうことは、大きな目的のひとつです。
先輩社員などの現場社員が対面で学生と接することで、社風や価値観、働くイメージを学生に肌で感じてもらえます。仕事の内容を現場社員から直接聞くことにより、仕事の魅力や自社の技術力を伝えられるメリットもあります。
学生の疑問や不安を解消する
学生の疑問や不安を解消するために、学生が質問しやすい座談会は有効な手段です。
学生が疑問や不安を解消できないと、選考離脱や内定辞退につながるリスクがあります。座談会は、学生が企業のリアルな一面や仕事の裏側を知ることができるため、入社後の不安や疑問を解消する手段として最適といえます。企業側も学生の本音に触れられるため、ミスマッチ防止につなげられるでしょう。
学生の入社意欲を引き上げる
座談会の最大の目的は、学生の入社意欲を引き上げることです。
応募→選考→内定→入社までの各段階で、学生の入社意欲を右肩上がりに引き上げる手段として、座談会は効果の高い取り組みです。選考の各段階で自社にマッチした座談会の実施によって、採用の歩留まりを高められます。
【学生側】知っておきたい座談会の参加目的トップ3
座談会を実施するには、学生の参加目的を知っておくことが重要です。リクナビの調査によると、座談会や説明会の参加目的は次のグラフのとおりです。ここでは、参加目的トップ3を詳しく解説します。
(※引用)株式会社リクルート:リクナビ「【質問例あり】会社説明会や座談会では、どんな質問をした? 先輩アンケート」
参加目的1位:仕事内容について知りたい
「仕事内容について知りたい」は、67.7%と最も高い参加目的です。
学生には、企業の採用サイトやパンフレットだけではなく、社員と直接話すことで、仕事のリアルなイメージを掴みたいニーズがあります。実際にどのような業務やプロジェクトに関わり、仕事に取り組んでいるかなどを生の声で聞くことができるため、学生は働くイメージや仕事の魅力を感じ取ることが可能です。
参加目的2位:職場の雰囲気や社風について知りたい
「職場の雰囲気や社風について知りたい」は、64.6%と1位に次いで高い参加目的です。
学生は、説明会や面接では感じ取れない職場の雰囲気や社風を知るため、座談会に参加することが多いと考えられます。座談会は、学生が社内の人間関係やコミュニケーションのスタイル、組織風土が自身の価値観とマッチしているかなどを感じ取り、入社後の具体的なイメージ形成に役立てられます。
参加目的3位:給与や制度、福利厚生について知りたい
「給与や制度、福利厚生について知りたい」は、54.6%と3番目に高い参加目的です。
給与や制度、福利厚生といった待遇面の質問は、会社説明会や面接では質問しづらいため、選考の場とは離れた座談会で知りたいニーズがあると考えられます。人事担当者や責任者ではなく、先輩社員とざっくばらんに話せる座談会であれば、より学生が質問しやすい環境を醸成できるメリットがあります。
【目的別】座談会の実施タイミングと学生ニーズに合わせたテーマ
座談会は、実施タイミングによって目的が異なります。ここでは、座談会の実施タイミングと学生ニーズに合わせたテーマを解説します。
【母集団を形成したい】インターンシップ実施時
インターンシップ実施時期などの母集団形成段階は、学生に企業理解を促し、興味を持ってもらうことが重要です。座談会で実施するテーマとしては、事業内容やリアルな仕事・プロジェクトへの取り組み、職場の雰囲気・価値観が伝わるテーマがおすすめです。
【選考離脱を防ぎたい】選考中
最終面接前や後などの選考段階では、疑問や不安の解消によって、選考離脱を防ぐことが大切です。座談会では、給与や福利厚生、異動・転勤の制度などのテーマを取り上げて、学生の疑問や不安が解消できるようにしてください。ただし、選考中の場合は、学生側を一同に集めることが困難なケースもあるため、個別のカジュアル面談の実施も有効です。
【内定辞退を防ぎたい】内定承諾後
内定後の段階は、内定辞退が発生しないように内定フォローが重要になります。座談会では、働くイメージや内定者同士の絆を深めるテーマが最適です。先輩社員との交流を通じて、業務内容や職場の雰囲気をつかめれば、内定者は働くイメージを具体化できるでしょう。内定者同士が親しい関係を築くことで、互いに共感し合い、新しい環境への不安や課題に対してお互いにサポートできるメリットもあります。
座談会の実施形式
座談会の実施形式には、主に「オンライン形式」「対面形式」「パーティー形式」があります。ここでは、それぞれの実施形式を解説します。
オンライン形式
オンライン形式では、ZoomやGoogleMeetなどのWeb会議サービスを使うことが一般的です。
Zoomでは「ブレイクアウトルーム」、GoogleMeetでは「ブレイクアウトセッション」など、参加者を少人数のグループに振り分けて、グループ単位の座談会実施が可能です。
- 学生を数名単位にグループ分けする
- 先輩社員が各グループのブレイクアウトルーム/セッションに参加する
- 一定時間経過したら、先輩社員が他グループのブレイクアウトルーム/セッションに移動する
このように、ブレイクアウトルーム/セッションの機能を活用すれば、手軽に座談会をおこなえます。ZoomやGoogleMeetは、一定の終了時間前からカウントダウンが表示され、自動的に終了させるタイマー機能が備わっているため、主催者の運営がしやすいメリットもあります。
(※参考)Google LLC:「Google Meet でブレイクアウト セッションを使用する – 会議の主催者」
(※参考) Zoom Video Communications Inc:「ブレイクアウト ルームを使用して集中して議論 | Zoom」
対面形式
対面形式は、企業のオフィスや指定された場所でおこなう形式です。
学生がリラックスして話せるように、グループ毎にテーブルを設置するなど、多くはカジュアルな形式です。年齢の近い先輩社員などが参加し、仕事の紹介や質疑応答などリラックスした雰囲気でおこなわれます。対面での座談会は、直接的なコミュニケーションが取りやすく、参加者同士の結束感を高める効果があります。
パーティー形式
パーティー形式は、立食パーティーのように自由に交流できる形式です。
軽食や飲み物を提供することでリラックスした雰囲気を醸成でき、自然なコミュニケーションが生まれやすいメリットがあります。開始時に、気軽にコミュニケーションをとれるようなアイスブレイクゲームを取り入れると、参加者同士が打ち解けやすくなり、より効果的でしょう。
参考にしたい!座談会が盛り上がるおもしろいアイデア4選
座談会は、テーマだけを決めても、会話が弾まずに盛り上がらないリスクがあります。ここでは、座談会が盛り上がるおもしろいアイデアを紹介します。
【1】お題形式でフリートーク
お題形式のフリートークは、参加者同士が気軽に会話を楽しむ方法のひとつです。
テレビ番組のようにお題を発表し、学生から先輩社員、先輩社員から学生に質問するなど、リラックスした雰囲気のなかで座談会を盛り上げることができます。お題形式のフリートークを通じて、参加者同士が気軽にコミュニケーションをとり、お互いをより深く理解できるような座談会にすることが可能です。
【2】会食形式での懇親会
会食形式での懇親会は、参加者同士が交流しやすく、コミュニケーションを促進する手段です。
参加者同士が飲食を共にすることで会話が自然に弾み、リラックスした雰囲気を生み出すことができます。こうした場は、仕事に関することだけでなく、趣味やプライベートの話題も出やすいため、参加者同士の深い絆が生まれやすいメリットもあります。
【3】他者紹介で絆を深める
他者紹介の形式は、内定者同士の絆を深める効果的な方法のひとつです。
内定者同士がお互いの背景や価値観、趣味などを知れるため、相互理解や交流が深まる効果があります。内定者に紹介カードを用意してもらい、それを参考にしながら相互に他者紹介する方法などがおすすめです。
【4】クイズ形式で盛り上げる
クイズ形式は、参加者の興味を引き出す有効な手段です。
楽しさや競争心を呼び起こして興味を引き出すほか、チームでクイズに取り組むことで、内定者同士のチームビルディングを促進できるメリットもあります。 企業に関するクイズを出す「企業トリビア」や、参加者を複数のチームに分け、各チームでクイズに挑戦する「チーム対抗クイズ」など、テーマに合わせたクイズ形式を採用するとよいでしょう。
座談会を盛り上げるポイント3つ
座談会を盛り上げるには、事前の準備や運営の工夫も重要です。ここでは、座談会を盛り上げるポイントを解説します。
【1】プロフィールの準備(社員・内定者)
座談会では、参加者同士を知る手段としてプロフィールの準備が欠かせません。
プロフィールの準備によって、参加者が自己紹介をスムーズかつ効果的におこなえます。また、同じ質問やトピックに基づいたプロフィールを準備することで、参加者同士が共通の話題でコミュニケーションをとりやすいメリットもあります。簡潔なプロフィールであれば名札のプレート、詳しいプロフィールならばパンフレットなどの準備が必要でしょう。オンラインであれば、PDFファイルやGoogleなどのクラウドツールの活用も考えられます。
【2】テーマに応じたツールの準備
座談会を盛り上げるには、テーマに応じたツールの準備が不可欠です。
お題形式であれば「お題を発表するボード」、クイズ形式であれば「クイズのお題や回答の準備」、他者紹介であれば「紹介カード」など、テーマに応じたツールを準備しましょう。準備する手間は発生するものの、こうしたツールの事前準備によって、座談会をより盛り上げることができます。
【3】学生・内定者全員の質問機会を設ける
全員に質問する機会を設けることで、参加者は当事者意識をもって積極的に参加しやすくなります。
内定者同士や先輩社員とのコミュニケーションが深まるほか、他の参加者の質問を通じて、企業理解をより深めてもらえるメリットがあります。座談会の途中や最後に、全体での質問セッションを設け、気になることや疑問点を自由に質問できるようにしましょう。質問ボックスを用意し、そこからランダムに選ばれた質問に答える形式も、座談会を盛り上げる手段として有効でしょう。
座談会を盛り上げるための3つの注意点
最後に、座談会を盛り上げるための3つの注意点を説明します。
【1】先輩社員の人選は前向き・活気ある人材
先輩社員として前向きな姿勢と活気ある人材を選ぶことは、座談会の成功に大きく影響します。
消極的でコミュニケーションが乏しい先輩社員が参加すると、盛り上がりに欠け、ネガティブな雰囲気の座談会になるリスクがあります。活気のある人材を選ぶことでポジティブな雰囲気を作り出し、学生の志望度を引き上げることができるでしょう。
【2】司会進行には雰囲気作りが求められる
座談会での司会進行は、声のトーンや笑顔だけでなく、話しかけやすい雰囲気作りが求められます。
司会者はフレンドリーで親しみやすい態度をを心掛け、気軽で活気のある雰囲気を作り出し、参加者がリラックスできるようにしてください。適度なジョークや軽いユーモアを交えれば、参加者の笑い声や一体感が生まれ、座談会の雰囲気が一層活気あるものになるでしょう。
【3】人事が介入しすぎない
座談会は、参加者同士のコミュニケーションが主体となるべきであり、運営側の人事が介入しすぎないことも重要です。
参加者同士の自発的な交流を尊重するほか、会話の自然な流れが妨げられないように、人事の過度な介入は避けたほうが望ましいでしょう。学生が人事に質問しにくいことも、気軽に先輩社員に聞けるような運営によって、参加者が本音で意見を交換できる場を提供することが可能です。
【4】「質問しない学生」がでないための工夫・配慮
学生の疑問や不安を解消するには、「質問しない学生」がでないための工夫・配慮が不可欠です。
学生によっては質問に抵抗を感じることもあるため、参加する学生全員が質問しやすい環境整備が重要になります。単に、全員に質問がないか聞いていくだけでなく、「事前に質問を募る仕組みを作る」「匿名質問ボックスを導入する」なども有効でしょう。特に、質問に抵抗を感じる学生にとっては、匿名性がある「匿名質問ボックス」があると、気兼ねなく質問できるメリットもあります。
まとめ
本記事では、座談会の目的や学生のニーズ、目的別の実施タイミングのほか、実施形式、盛り上がるテーマ・アイデアや注意点を解説しました。
学生の座談会参加目的は、「仕事内容」「職場の雰囲気・社風」「給与や制度、福利厚生」を知ることが上位を占めています。学生がこれらを質問しやすい「盛り上がる座談会」の運営が学生の志望度を引き上げる重要なポイントになります。
本記事を参考に、盛り上がる座談会を運営し、自社の新卒採用を成功させてください。
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