内定通知書とは?
内定通知書とは応募者に内定を知らせる書類を指し、オファーレターとも呼ばれています。新卒採用では送付する場合がほとんどですが、中途採用では内定から受け入れまでの期間が短いため送付しない場合もあります。
「内定」とは、求職者と企業の間で就労開始予定日からの労働契約が成立している状態を指すため、求職者が自社に応募した行為を「労働契約の申込み」とする場合は、内定通知書は「労働契約の申込みの承諾」を示す書類になることもあります。
採用通知書との違い
一方で採用通知書は、求職者に対して正式に採用を決定したことを伝える書類を指します。採用通知書を送り承諾を得た後に送るケースが一般的ですが、送らないケースも。送らない理由としては、「内定通知書を採用通知書として扱っている」「電話やメールで伝えている」などがあります。
内定通知書のテンプレート|記載事項は?
内定通知書と採用通知書の発行は法的な義務はないため、記載事項は企業が自由に決めることができます。以下に内定通知書のテンプレートを記載したので、ぜひ活用ください。
〇〇年〇〇月〇〇日
(応募者氏名)様
(社名)
代表取締役 〇〇 〇〇
内定通知書
謹啓 ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。
この度は、多数の企業の中から当社に応募いただきまして誠にありがとうございます。また、度々ご来社いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。
慎重な採用選考の結果、貴殿を採用させていただくことに決定いたしましたのでご連絡いたします。
つきましては同封した書類をご確認いただき、必要事項を記入の上、期日内にご返送ください。
なお、入社日や入社手続きについては◯月◯日頃にご案内いたします。ご不明点等ございましたら、末尾に記載しました連絡先までお問い合わせいただけますと幸いでございます。
〇〇様と共に働く日を社員一同、心よりお待ち申し上げております。
謹白
記
1.提出書類:内定承諾書 1通
2.提出期限:令和〇年〇月〇日
3.労働条件
雇用期間 期間の定めなし
※契約は自動更新、更新基準は〇〇、〇〇。就業場所 東京都〇〇 〇丁目‐〇‐〇 業務内容 〇〇部〇〇課〇〇業務 始業・就業時刻、休憩時間、所定時間外労働の有無に関する事項 通常業務:〇〇時〇〇分~〇〇時〇〇分
休憩時間:60分
所定時間外労働:有(1ヶ月◯時間程度)休日 年間休日〇〇日
定例日:毎週土日、国民の祝日休暇 年次有給休暇:6ヶ月継続勤務後〇〇日付与 賃金 基本給:〇〇〇,〇〇〇円
諸手当の額または計算方法:通勤手当◯円(1ヶ月の定期代相当額を支給)
みなし残業代:〇〇,〇〇〇円
賃金締日・支払日:毎月〇日〆・〇日払い退職に関する条件 定年制:有(60歳)
継続雇用制度:有(65歳まで)※上記以外の労働条件については就業規則〇〇に準じる
以上
問い合わせ先:株式会社〇〇〇〇
人事担当〇〇〇〇
TEL 〇〇〇‐〇〇〇〇‐〇〇〇〇
MAIL 〇〇〇〇@〇〇.〇〇.〇〇
以下、内定通知書の記載事項について簡単に解説します。
応募へのお礼
例)
謹啓 ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。この度は、多数の企業の中から当社に応募いただきまして誠にありがとうございます。また、度々ご来社いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。
まず、応募してもらったことへの感謝を伝えましょう。頭語、繁栄を喜ぶ言葉、感謝の言葉の順番で書くのが一般的です。
採用内定のお知らせ
例)
慎重な採用選考の結果、貴殿を採用させていただくことに決定いたしましたのでご連絡いたします。
つきましては同封した書類をご確認いただき、必要事項を記入の上、期日内にご返送ください。
なお、入社日や入社手続きについては別途ご案内いたします。ご不明点等ございましたら、末尾に記載しました連絡先までお問い合わせいただけますと幸いでございます。
〇〇様と共に働く日を社員一同、心よりお待ち申し上げております。
応募へのお礼を述べたら、内定が決まったことを簡潔に伝えます。後日、入社日や入社手続きなどについて改めて連絡する際はその旨を記載すると、親切です。また、最後に「〇〇様と共に働く日を社員一同、心よりお待ち申し上げております」と、気持ちの込もったメッセージを添えると、良い印象を持ってもらいやすくなります。
提出書類の案内
例)
提出書類:内定承諾書 1通
同封している書類があれば、その書類について明記しましょう。このとき、部数も忘れずに記載します。
書類の提出期限
例)
提出期限:令和〇年〇月〇日
内定承諾書の提出期限は、内定通知後1週間~1ヶ月以内に設定するのが一般的。承諾の可否について悩む求職者もいるかと思いますので、余裕を持ったスケジュールを心掛けてください。
入社日
例)
入社日は〇〇年〇月〇日です
例)
入社日や入社手続きについては◯月◯日頃にご案内いたします
入社日が決まっている場合は、入社日を記載しましょう。決まっていない場合は、いつまでに案内するのかを伝えます。
労働条件
給与、就労場所などの労働条件を書きます。労働条件の記載事項は、労働基準法で規定されているため、確実に明記しましょう。
書面の交付により明示しなければならない事項は以下の通りです。
【書面の交付により明示しなければならない事項】
(1)労働契約の期間に関する事項
(2)期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
(3)就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
(4)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
(5)賃金(退職手当及び⑧の臨時に支払われる賃金を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期に関する事項
(6)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
※厚生労働省「採用時には、どのような労働条件をどの程度明示しなければならないのですか?」を元に作成
労働条件通知書を別で送付する場合は、内定通知書に労働条件を記載しないこともあります。
労働条件通知書についてくわしくは「3.内定通知書、いつ送る?同封する書類は?」で説明しています。
人事担当者の連絡先
例)
人事担当〇〇 〇〇 TEL〇〇〇‐〇〇〇〇‐〇〇〇〇 MAIL〇〇〇〇@〇〇.〇〇.〇〇
内定者が質問や相談しやすいように、担当者名や電話番号、メールアドレスを記載しましょう。
内定通知書、いつ送る?同封する書類は?
最後に、「内定通知書を送るタイミング」と「内定通知書を送る際に同封する書類」を説明します。
面接日から10日以内に送る
結果通知が遅いと求職者は不安に思うため、内定通知書は面接日から10日以内に送りましょう。
内定者は自社以外にも採用選考を受けている可能性が高く、内定をもらっている場合もあるため、他社に先を越されないためにも素早い対応を心掛けることは非常に大切になります。また、内定通知書の送付は内定者フォローの一環なので、迅速な対応は内定者に好印象や安心感を与え、内定辞退の防止につながります。
内定通知書を送る際に同封したい主な書類
内定通知書と同封して送る主な書類に「入社(内定)承諾書」と「労働条件通知書」があります。
入社(内定)承諾書
内定承諾書とは、応募者が内定を承諾し、企業へ入社することを表明する書類を指し、中には入社承諾書や入社誓約書などと呼ぶ企業もあります。内定承諾書を返送してもらうことで、内定辞退を避ける効果が期待できます。
労働条件通知書
労働条件通知書とは、企業が内定者に対して賃金や契約期間、勤務地などの労働条件を知らせる書類をいいます。労働契約を結ぶ際に事業主側から労働者に対して提示する義務があるため、「内定通知=労働契約の締結」とするかつ、内定通知書に労働条件通知書の必須事項を記載しない場合は、忘れずに同封しましょう。
労働条件通知書のテンプレートは厚生労働省のホームページに掲載されてありますので、くわしくは「主要様式ダウンロードコーナー」をご覧ください。
まとめ
内定通知書とは応募者に内定を伝える書類を指し、採用通知書とほぼ同義です。内定通知書の発行は法的な義務ではないため、記載事項は企業が自由に決めることができます。今回紹介したテンプレートを例に、作成してみてください。
※近年はメールで採用通知を行うこともあります。採用通知メールについては「採用・不採用メールの書き方【テンプレート付き】電話での伝え方も」で紹介しているので、ぜひご覧ください。
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