2021年度の新卒採用ふりかえり。オンライン活用で広がる格差。 COLUMN

公開日:2021.03.02

更新日:2021.03.03

2021年度の新卒採用ふりかえり。オンライン活用で広がる格差。

新型コロナウイルス感染症の拡大でイレギュラーな採用活動となった2021年度の新卒採用。
今年も、毎年リクルートが公表している就職白書(2021年度)が発表されました。

こちらの調査データをもとに、私たちの解釈もふくめながら2021年度の新卒採用活動をふりかえってみたいと思います。

目次

学生1人あたりの活動量は増加。出会いのチャンスは多かった1年。

就職活動プロセスごとの状況出典:就職白書2021

2020年卒と2021年卒を比較すると、

  • プレエントリー数:45.3%(3.5%Up)
  • 説明会・セミナー参加数:対面34.7%(0.2%Up)、Web29.6%(10.7%Up)
  • ES提出数:61.9%(7.2%Up)
  • インターン参加者数:70.8%(8.6%Up)

などの項目が、前年よりも上昇しています。

明暗をわけたのは、説明会・セミナーの部分です。
対面での参加数だけを見ると2021年卒は大幅に減少していますが、Web開催を合算した合計値では2021年卒が一人当たり参加数17.86社(2.01社アップ)となっています。

オンラインの採用活動に対応できた企業にとっては、学生との接点を持ちやすいメリットもあったものと思われます。

オンライン対応できた企業は、就活の早期化にも対応できていた。

2021年卒 Web面接実施別 内々定・内定出しの開始時期出典:就職白書2021

内々定・内定出しの開始時期をWeb面接の実施企業と非実施企業にわけたグラフです。

2019年の12月、1月が顕著で、コロナ報道が過熱する以前から内定出しが始まっています。結局のところ、就活の早期化という外部環境の変化に対応できていた企業ほど、もともとオンライン化が進んでおり、今回のコロナ禍にも対応しやすかったという傾向が見て取れます。

まさにVUCA(Volatility/変動性、Uncertainty/不確実性、Complexity/複雑性、Ambiguity/曖昧性)という、ある種のトレンドワードを、企業組織や人事がどれだけ体現できていたかが問われた1年だったのではないでしょうか。

対面コミュニケーションが減っても、実はそんなに問題なかった。

Web選考において対面選考と比較して伝えづらくなった情報、把握しづらくなった情報出典:就職白書2021

コロナ禍により、来社や対面コミュニケーションの機会が減少しました。
人の魅力を強みに成功していた企業にとっては、苦労の多い1年になったのではないかと思います。

ただ、これは終わってみての結果論ですが、本件については、これまで対面でコミュニケーションしていたものが、Zoomなどのオンラインに置き換わっただけであるともいえます。

ですから、もともと人の魅力が強みだった企業は、オンラインに慣れることで従来のパフォーマンスの大部分を取り戻すことが可能でした。弊社の採用チームも、苦戦していたのは活動初期のころだけで、ビデオ通話に慣れてくると学生とのコミュニケーションもどんどん円滑になってきました。

グラフの数値を見ると大きな変化があるように感じますが、現実には多くの企業が横並びの条件で競っています。適切にオンライン対応できた企業に限って言えば、採用成果にそこまで大きな影響は出ていないものと思われます。

早期に対応できたことで、むしろ採用成果が上がった企業もあったのではないでしょうか。

<弊社のオンライン採用の事例です>
コロナ禍での完全オンライン採用が大成功。採用活動のフローと成功ポイントを人事担当者に聞きました。

唯一、心配があるとすれば、コミュニケーションが不十分なまま入社したことによる、入社後のミスマッチです。内定者フォローや入社後の研修など、リアリティショックを起こさないための配慮は例年よりも重要です。

オンライン化により、ますます大都市に若者が集中する?!

Web面接実施率出典:就職白書2021

関東・中部・近畿を除く、地方のWeb面接の実施率が低い傾向にあります。

距離の制約にしばられないWeb面接のメリットを、都市部の企業ばかりが享受して、地方の企業はそのメリットを活かしきれていない結果となっています。

発想を変えれば、オンライン選考できるからこそ、地方の企業が全国から募集を募ることもできるはずなのですが…。現実は、大企業ほどオンライン化への対応が早く、その数字に引っ張られる形で、都市部のWeb面接実施率が高くなっています。

コロナ禍で採用が軟化、採用課題にも変化の兆し

新卒採用における課題
出典:就職白書2021

こちらは企業が採用で課題だと感じたことをグラフ化したものです。
濃い青色が2021年度。薄い青色が2020年度です。

多くの項目で、課題だと感じている企業の割合が減っています。つまり、2021年度の採用は、例年よりよくできたと思っている企業が多いのです。

コロナ不況により、ここ数年続いていた売手市場の潮目が変化した影響も大きいものの、コロナ禍によって、もともと採用で苦戦しがちだった企業群が採用数を減らしたことも影響していそうです。
実際、「業種」に課題を感じている企業割合は4.7%も減っています。

コロナ禍でも採用継続できる企業は、経営基盤が強固で採用体制も整った企業が多いため、このような調査結果になったのではないでしょうか。

また、コロナ禍により、外部環境は買い手に有利となった一方で、「採用選考基準の統一」や「面接官の教育・訓練」「採用ノウハウの蓄積」など、企業内部の体制に課題を感じる企業が増えていることは、今後の採用トレンドの兆しかもしれません。

まとめ

コロナ不況により、新卒人材の募集企業が減り、募集定員が減り、売手市場の傾向に歯止めがかかった。
例年よりも、オンラインをふくめた学生の活動総量は増えたが、オフラインのみの活動量は減少。
オンラインに対応できなかった企業は採用で苦戦。
オンライン対応できた企業のなかには、採用好調だった企業もある

人類にとって初めての経験となる新型コロナウイルスの流行と新しい生活様式のなかで、変化にアジャストできた企業が採用成功できた1年でした。

インターンの活況や就活の早期化、逆求人(スカウト)など、新卒市場では毎年、様々なトレンド変化が起きており、その変化にいかに柔軟に対応できるかが新卒採用の成否をわけます。今年は、例年よりもその差が顕著に採用成果に現れた年だったと言えるでしょう。

編集・執筆/中森規仁

コピーライター、求人媒体の管理・運用職を経て、2011年クイックに入社。ディレクター・プランナーとして、求人広告や採用企画(採用プランニング・採用ツールのご提案)、Indeedなどの広告運用に携わっています。2018年より本メディアの編集・執筆も兼任。

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