1.保育士採用の実態
1.1.保育士採用の難易度
まず、保育士採用の実態を把握したいと思います。
保育士の採用難易度を測るために有効な指標の1つに、「有効求人倍率」があります。
これは、企業の求人数を求職者数で割った数で、「数字が高い程競争が激しく、採用が難しい」と判断することができます。
以下のグラフから、保育士の有効求人倍率(赤色)と全職種の有効求人倍率(ピンク色)の差を確認することができます。
(出典:保育士の有効求人倍率の推移(全国))
有効求人倍率は0.8倍を超えると採用が難しくなると言われています。
全職種においても1.35倍と採用難易度が高いことが確認されますが、保育士の採用に至っては2.49倍と、採用の厳しさが見て取れます。
それでは、なぜ保育士の採用難易度はこれほど高くなっているのでしょうか。
人手不足が叫ばれる保育士ですが、その数自体は増加しています。
以下の「保育士の登録者数と従事者数の推移」を示したグラフからは、保育士登録者数、従事者数が共に増加していることが見て取れます。
(出典:厚生労働省 保育士の現状と主な取組)
保育士の数そのものは増えているにもかかわらず有効求人倍率が高まっているという現状から、保育士に対する需要が大きく高まっていることが推察されます。
1.2.保育士の需要増加とその要因
実際の保育ニーズを保育施設の申込数から確認できます。
以下のグラフは、「保育施設の受け皿数と申込数の推移」を示しております。
(出典:厚生労働省 令和3年4月の待機児童数調査のポイント)
直近の申込数については新型コロナウイルス感染症を背景とした利用控えがあると推察されますが、全体の傾向として申込者数は増加していることが分かります。
また、保育の受け皿も拡大しており、保育士を求める新設の保育施設が増加*していることも有効求人倍率が高まっている要因の1つだと考えられます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
*厚生労働省子ども家庭局保育課が発表する「保育を取り巻く状況について」によると、保育所等の数は平成24年から令和2年までの間に1.5倍以上に増加しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここから、保育士の需要が増加している2つの理由をご紹介いたします。
①女性の就業率の上昇に伴う保育所利用率の増加
厚生労働省による以下の調査から、女性の社会進出と就業率の増加に伴い、保育所の利用率が高まっています。
そのため、少子高齢化が進む中であっても保育所の利用児童数は増加の傾向を示します。
(出典:厚生労働省子ども家庭局保育課 保育を取り巻く状況について)
また、同調査によると、子育て家庭のうち、「近所に子どもを預かってくれる人がいる」と回答した割合は39.9%であり、半数を越える家庭において近所に子どもを預かってくれる人がいないことが分かります。
ここから、核家族化などの家族のあり方の変化も保育ニーズの高まりに影響していると考えられます。
②預かり保育(延長保育)の増加
以下のグラフは、「預かり保育を実施している幼稚園の割合」を示しています。
(出典:文部科学省初等中等教育局 幼稚園における預かり保育の促進について)
預かり保育を実施している幼稚園の割合は増加の一途をたどり、令和元年度においては全体の87.8%に上ります。
幼稚園教諭免許状・保育士資格の併有促進のための支援策についてによると、保育士免許と幼稚園教諭免許をどちらも所有する割合が9割近くに上るため、幼稚園への需要の多様化が、ひいては保育士需要の高まりを引き起こしていると考えられます。
2.保育士採用にIndeedが向いている理由
ここまで保育士採用の実態についてご紹介しましたが、ここからは実際に保育士採用を成功させるための手法についてお伝えします。
保育士採用において活用するサービスは、「Indeed(インディード)」をおすすめします。
理由は、以下の通りです。
2.1.閲覧される可能性が高い
前述した通り、保育士は有効求人倍率が高い状態が続いています。
そのため、1人の求職者に対して求人数が多く、求人メディアに掲載しても見られることがない可能性が高いです。
従って、ユーザー数が多いIndeedをご活用いただくことがおすすめです。
①他主要求人メディアとの比較
以下の写真が示す通り、Indeedは月間訪問者数が2,600万以上と、他の主要な求人媒体と比較して圧倒的に多くのユーザー数を誇ります。
(参照:Similarweb, 総訪問数, 2023年2月)
また、ただ訪問するだけではなく、1回の訪問で多くのページをより長い時間をかけて見ていることが分かります。
これは、Indeedが求職者と親和性の高い求人原稿を表示させていることがこのような結果をもたらしていると考えられます。
②保育専門メディアとの比較
コチラの保育士専門転職サイトの比較情報によると、各サイトの求人数は以下の通りです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
保育士ワーカー・・・50,000件以上
保育士人材バンク・・・20,000件以上
マイナビ保育士・・・20,000件以上
保育士バンク・・・50,000件以上
ほいく畑・・・4,000件以上
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方、Indeed上で「保育士」と検索すると、「771,319件の求人」がヒットします。
求人数の多さは知名度やユーザー数と相関があるため、保育士専門の転職サイトと比較してもIndeedのユーザー数はダントツだと言えそうです。
以上のようにユーザー数が多いのは、SEO対策が非常に強いことが要因の1つです。
Google上で「●●市 保育士」や「保育士 求人」と検索すると、Indeedの求人原稿が上位に表示されます。
そのため、Google上で求人検索をした求職者にもアプローチすることができ、結果として多くのユーザーがIndeedの原稿を閲覧しています。
従って、有効求人倍率が高い保育士の募集をするにはIndeedがおすすめです。
2.2.潜在層へのアプローチができる
保育士採用を実施するにあたり、潜在層へのアプローチが可能であるか否かはその成功に大きな影響を与えます。
以下のグラフは、保育資格の有資格者における、保育士職種への就業を希望する割合を示したグラフです。
(出典:厚生労働省 保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて)
保育資格を有する人のうち、半数近くが保育士職種での就業を希望していないことが分かり、潜在保育士の多さを物語っています。
一方で、以下の就業を希望しない理由が解消した場合の保育士への就業希望について尋ねたアンケートの結果によると、「希望する」との回答割合が6割を越えています。
※就業を希望しない理由については後述
(出典:厚生労働省 保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて)
以上より、保育士資格を有するが保育士職への就業意欲が高くない方が多く存在するため、潜在層へもアプローチが保育士の採用において重要です。
Indeedは非登録型のサービスであり、前述した通りSEO対策が非常に強く検索流入の数が多いことが特徴です。
そのため、転職サイトに登録するほどではないが転職を検討している、転職潜在層に対しても求人を届けることができるという強みを持っています。
2.3.クリック課金制のため、予算の無駄が少ない
Indeedはクリック課金制という、「原稿がクリック(=閲覧)されてはじめて費用が発生する仕組み」を取り入れています。
有効求人倍率が高い(=求職者に対して採用したい企業の数が多い)保育士採用においては、従来の掲載課金型メディアの場合、原稿が閲覧されることもなく掲載終了してしまうことも少なくありません。
Indeedに掲載すれば必ず応募が獲得できるというわけではありませんが、少なくとも原稿が閲覧されてから支払いが発生するため、予算を効果的に活用することが可能です。
また、クリック課金制であるIndeedは、効果に応じて原稿の掲載・非掲載を随時変更することが可能です。
そのため、採用充足したタイミングで有料掲載を停止することにより、費用を抑えて無駄を省くことが可能です。
3.保育士採用採用のIndeed掲載ポイント
3.1.求職者が気になるポイントを記載する
2.2で示した保育資格の有資格者が保育士としての就業を希望しない理由については、以下の2つのグラフにてアンケート結果が記載されています。
(出典:厚生労働省 保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて)
(出典:厚生労働省 保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて)
保育士としての就業を希望しない理由は保育士職の就業に対する不安の表れでもあるため、これらの内容について丁寧に解説し、安心してもらうことで応募獲得の可能性が高まります。
以下、何点か掲載例をご紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
○責任の重さ・事故への不安
・安全管理や事故防止対策について(設備が新しく、事故の恐れが少ないなど)
・勤務日数や時間、体調不良の急な休みが可能なことなど無理なく働けること
・保育士の数と園児の数の比率(目が行き届くこと)
・敷地内で外遊びができるため、園外活動が少ないこと
など
○就業時間が希望と合わない
週○日の勤務であるのかや勤務時間といった基本的な情報に加え、以下の内容を記載することで求職者の方が就業時間に関する具体的なイメージを持つことができます。
・残業の有無 / 月に何日発生し、月平均残業時間はどれくらいか
・時短勤務の有無
また、例えば週4勤務のアルバイト・パートを2名採用したい場合、週3勤務のアルバイト・パート3名の採用の方が求職者にとって就業時間に関する自由度が高く、その分採用成功の蓋然性は高まります。
当然、それに伴う採用・育成・活用の工数は増しますが、採用ができないことによるリスク・デメリットと併せて検討してみる余地はあるかと思います。
○ブランクがあることへの不安
ブランクがあることへの不安の中身を分解すると、能力面、体力面、人間関係の3つに大別されると考えられます。
そのため、それぞれについて、例えば研修制度の充実やパート・派遣などの雇用選択が可能であること、また、職場の雰囲気が良いことをアピールすると良いでしょう。
特に職場の雰囲気については働くスタッフの年齢・性別構成や簡単なプロフィールなど、一緒に働くことになるスタッフ情報は詳細に記載することで求職者の方が働くイメージを持ちやすくなります。
また、Indeedは5枚まで写真を添付できるため、写真を用いて視覚的に職場の雰囲気を伝えることも非常に効果的です。
上記3つの不安の要素については、Indeedは原稿の文字数に規定がないため、それぞれについて詳細に記載することがおすすめです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これらはあくまで1例であり、貴社の特徴に応じてカスタマイズして原稿に記載していただくことで掲載効果が期待できます。
また、Indeedは求職者の検索キーワードに準じた原稿を表示させるため、求職者の方が気になるポイントを整理して原稿に記載することは、Indeedのアルゴリズム上も非常に重要です。
なぜなら、求職者は自身が気になる要素をキーワードとして検索をする場合が多く、こうした要素が散りばめられた原稿は検索にヒットしやすくなるためです。
他にも、コチラから、弊社が提供する「8つの魅力シート(自社の魅力発見シート)」をダウンロードすることが可能です。
求職者から見た「自社の魅力」とは何かを整理するためのワークシートですので、貴社の魅力(=求職者が気になるポイント)の整理のためにぜひご活用ください。
3.2.人気キーワードを記載する
前述した通り、Indeedは求職者の検索キーワードに準じた原稿を表示させます。
詳しくは、「求職者の検索履歴」「検索ワード」「原稿内のキーワード」がうまくかみ合った際に原稿が表示される仕組みとなっています。
そのため、検索されやすいキーワードを原稿内に散りばめることで原稿が上位表示されやすくなります。
例えば「保育士」の募集では、次のようなキーワードがクリック数(=閲覧数)上位の人気検索キーワードです。
(参照:Indeed管理画面 2023 年 2 月からの保育士の求人 の人気検索キーワード)
貴社の募集条件に100%合致するキーワードのみではなく、近しいキーワードも記載することにより、表示可能性が高まります。
ただし、応募に繋がらないクリックは無駄クリックと呼ばれ、いたずらにご予算を費消してしまいます。
応募に至る可能性が高い求職者にアプローチできるようなキーワード設定が肝要です。
また、人気検索キーワードを踏まえた原稿設計をすることも可能です。
例えば今回の場合、人気検索キーワードとして、「保育士」という資格名がそのまま検索ワードとして選択されていることが多く、「保育士」という職種で働きたいという明確な意思が読み解けます。
以下の厚生労働省の調査から、保育士として就業する意思がある方の理由について確認することが可能です。
(出典:厚生労働省 保育士の現状と主な取組)
アンケート結果からは、以下のような原稿設計が想定できます。
・子どもの成長を感じる瞬間など、子どもとの関わりを通してやりがいを感じる具体的なエピソードの記載
・保育士という職業の社会的な意義(待機児童の解消や家庭支援など)
4.保育士の採用事例
弊社にてご掲載いただいた企業様の採用事例をご紹介します。
【企業情報】関東で保育園を4施設運営している学校法人
【職種 / 雇用形態 / 勤務地】保育士 /正社員 / 東京都
【広告費用/掲載期間】¥209,094 (広告費) / 1ヵ月
【結果】2名(応募)⇨ 1名(採用)
【お客様の状況】
・保育補助は他社媒体で採用できているが、有資格者の保育士は応募が0。
・法人のHPが整っていない
【掲載方法】
法人全体の理解を深めてもらう為に、Indeedの企業ページを活用しました。
企業ページの中では、以下の内容を記載しました。
・法人の説明
・代表の教育に対する考え方
・学校法人が実施している事業内容
・目指す教育事業
法人のルーツや経営方針といった説明だけでなく、代表の考えや法人が目指す方向を示すことにより、現在のあり方だけでなく将来におけるあり方もイメージを持てる状況を提供しました。
【結果】
十分な情報量を提供することができ、保育方針に共感した有資格者の50代女性を採用することができました。
採用HPとしても活用することできるIndeedの強みを活かした採用事例です。
求人原稿では伝えきれない職場の雰囲気やカルチャーなど、画像や動画を公開することで、働くイメージを求職者に伝えることができます。
一般に、求職者の8割が求人原稿を見た後に該当企業のHPを確認すると言われています。そのため、Indeedを活用した企業ページの整備は採用活動全般において非常に有効です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
関連記事:Indeedの企業ページとは?作り方や編集、企業ページプレミアムを簡単解説
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5.まとめ
今回の記事では保育士でのIndeed活用についてご紹介しましたが、そもそも自社の魅力はなんなのかを整理すること、応募があった際にできるだけ早く応募者に連絡することなど、保育士採用にかかわらず採用において重要な項目を押さえておくことも大切です。
弊社クイックでは、Indeed関連の資料やセミナー開催もしておりますので、採用にお困りの企業様はぜひ、お問い合わせください。
セミナー情報