応募者の心を掴む採用キャッチコピーとは?他社9事例でコツを解説! COLUMN

公開日:2022.10.03

更新日:2022.10.04

応募者の心を掴む採用キャッチコピーとは?他社9事例でコツを解説!

「毎年同じ採用キャッチコピーを使いまわしているので、一度リニューアルしたい」
「今どきの学生に響きやすいキャッチコピーが分からず困っている……」

多くの企業が、採用サイトのトップページにインパクトのある「採用キャッチコピー」を載せています。企業の採用サイトに訪れた応募者の興味を一瞬で惹きつけるためには、採用キャッチコピーはとても重要な存在です。

欲しい人材を獲得するという採用サイトの目的はどの企業にも共通していますが、採用キャッチコピーを通じて、自社のイメージをどのように創っていくか企業によってアプローチ方法はさまざまです。

今回は採用キャッチコピーの基本的な目的や作成手順、訴求方法が異なるいくつかの他社事例を紹介します。自社らしさをどのようにキャッチコピーで体現するかの参考にしてみてください。

目次

採用キャッチコピーの目的

まずは採用キャッチコピーを作る目的を3つの観点から解説します。

応募者を集める

魅力的な採用キャッチコピーがあれば、自社の考え方に共感してくれる応募者を集めやすくなります。

応募者が企業の採用サイトをチェックする際、トップページに書かれているキャッチコピーは最初に目に入る文章です。つまりキャッチコピーはユーザーが企業の採用情報を知る上での最初の情報であるため、重要なタッチポイントです。

キャッチコピーが魅力的であれば、サイトを訪れたユーザーが求人詳細や応募条件など他ページの情報に目を通す確率も高まります。結果として応募者を増やし、採用の母集団形成に役立つのです。

採用ブランディングになる

「このキャッチコピー=あの会社」と、キャッチコピーを見るだけで会社を認識できたという経験は誰しもあるかと思います。

キャッチコピーのインパクトというのはそれほど強く、たとえそれまで知らなかった企業であっても、キャッチコピーをきっかけにその企業に前向きなイメージを抱かせる効果もあるのです。つまりキャッチコピーは、自社の独自性や魅力、事業について周知させる「ブランディング」に非常に効果的と言えます。

ブランディングの視点で考えると、採用キャッチコピーは「自社らしさ」が表現されていることが重要です。いかに魅力的なキャッチコピーであっても、自社の企業イメージにマッチしない文章であれば、結果的に応募者の記憶に残りにくくなります。

さらに採用キャッチコピーは採用の応募者だけでなく、取引相手や消費者なども目にすることから、幅広い人々に企業ブランディングを浸透させる手段にもなります。

ミスマッチを防ぐ

キャッチコピーは「自社らしさ」や「自社の大事にしていること」を体現していることに他なりません。従って、キャッチコピーに共感・共鳴した応募者は、自社の風土やカルチャーに馴染みやすくなるため、採用キャッチコピーには採用のミスマッチを防ぐ効果もあると言えます。

例えば変化やスピードを重視するようなキャッチコピーを掲げている企業に、内省型でじっくり考えて行動したいタイプの応募者は興味を持たない確率が高いでしょう。キャッチコピーがない場合、仮にこの応募者がエントリーしたとしても、選考途中でご縁がなくなる可能性が高いと言えます。
採用サイトを見た段階でスクリーニングできれば、結果的に採用効率が上がるというメリットもあるのです。

もちろんスクリーニングの効果だけでなく、より自社に馴染んで活躍できる人材の応募確率を上げることがキャッチコピーの目的であることは言うまでもありません。

魅力あるキャッチコピーを作るためには

次に実際にキャッチコピーを作るプロセスを3ステップで紹介します。

求める人材像を設定する

キャッチコピーをいきなり作り始めるのではなく、まずは「どんな人に響いて欲しいのか」という求める人材像を設定するようにしましょう。

面接などの選考のために既に求める人材像を設定しているケースでも、キャッチコピーを作る場合はもう少し詳細に描くことをおすすめします。

これはマーケティング用語で「ペルソナ」と言い、ターゲットとなる人材像の日常の生活や行動などまで、かなり細かく描く作業です。求める人材像の経歴やスキルなど基本的な項目に加えて、「家族構成」「趣味」「バイト先」などを想像して設定してみましょう。

求める人材像のペルソナを設定することで、応募者が「仕事に求めるもの」「共感しやすい理念や価値観」「どのようなキーワードで企業を探しているのか」などを想定することができ、より効果的なキャッチコピーを作りやすくなります。

自社の魅力を抽出する

次に自社の魅力を改めて洗い出しましょう。

魅力的なキャッチコピーを作るには、自社の独自性や他社との差別化ポイントを知る必要があります。そのため、自社の働き方や事業内容はもちろん、自社のミッション・ビジョン・バリューなどを改めて確認するようにしましょう。

情報が集まったら、その中から特に応募者に対して伝えたい自社の強みや、最も伝えたいメッセージをピックアップします。
キャッチコピーの文章はそれほど長くはないため、この段階では「技術」「スピード」などのキーワードを洗い出す作業と捉えてください。

フレーズに落とし込む

自社の魅力抽出でピックアップされたキーワードを使い、キャッチコピーに使用するフレーズに落とし込みます。
単語が「技術」であれば、「技術で世の中をリードする」「日々の生活に欠かせない技術」など、徐々に文章に近づけていくイメージです。

この段階になると、全くアイデアが出なくて困るという方もいるかもしれません。そんな時は競合他社や、採用キャッチコピーが評判になっている他社の事例などをチェックすると良いでしょう。

「競合と比べてどう違いを表現するのか」や「この言い回しは自社のニュアンスに近い」などのヒントが得られるはずです。
またキャッチコピーを1つに絞り込んだり作り込んだりする前に、なるべく複数の目でチェックすることも重要です。社内のさまざまな部署の人間の目を通すことで、より「自社らしさ」が磨かれていくでしょう。

心を掴む他社のコピー事例

前述した「自社の魅力を抽出する」で触れたミッション、ビジョン、バリューを採用キャッチコピーで表現している企業を紹介します。
どの方向性で自社のキャッチコピーを作るのかを考えながら、記事をお読みいただければ幸いです。

3-1. 企業ミッション表現型のコピー例

ミッション(Mission)とは「日々果たすべき使命」です。企業が活動を通じてどのような使命を実現したいのか、それを表現した事例を紹介します。

良品計画

感じ良い暮らしと社会の実現
挑戦の原動力は、「社会や人の役に立つ」

良品計画キャッチコピー

良品計画
https://careers.muji.com/jp/recruit/

「社会や人の役に立つ」のが自らの使命であることをシンプルに表現しているキャッチコピーです。

派手さはないものの、実直さや真摯さが感じられ、まさに「感じ良い暮らし」にフィットした抑制の効いた表現が印象的です。

良品計画の企業理念である“『人と自然とモノの望ましい関係と心豊かな人間社会』を考えた、商品、サービス、店舗、活動を通じて 『感じ良い暮らしと社会』の実現に貢献する。”を、学生に向けてストレートに表現し直しているのも注目ポイントでしょう。

素朴な色合いの社員画像とキャッチコピーの相性も良く、生活のあらゆる場面に自然に馴染みたいという企業理念をデザイン上でも演出しています。

ファーストリテイリング

服を変え、常識を変え、世界を変えていく。

ファーストリテイリングキャッチコピー

ファーストリテイリング
https://www.fastretailing.com/employment/ja/fastretailing/jp/graduate/

誰にとっても身近な「服を変える」という行動から、最後は「世界を変える」とダイナミックに世界観が変わるのが印象的なキャッチコピーです。

一見すると挑戦的なメッセージにも思えますが、トップページのすぐ下に「ファーストリテイリングはどのように世界を変えるのか?」というコンテンツがあり、ファーストリテイリングがどのように使命を果たそうとしているかを丁寧に解説しています。

赤と白でまとめた採用サイトデザインもキャッチコピーとマッチしており、影響力の大きな仕事をしたいと思っている応募者に響きやすそうな作りになっています。

吉本興業

一生、面白い仕事。

吉本興業キャッチコピー

吉本興業ホールディングス
https://recruit.yoshimoto.co.jp/

お笑いで有名な吉本興業らしい、面白さを短い一文に集約させたコピーです。

採用サイトでは一笑、一勝、一翔、一商、一照、一匠、一Showと「ショウ」の文字が変化していき、さまざま仕事の役割、やりがいを込めて表現しています。最後に「一生」へと落ち着くのが最大のメッセージでしょう。

「お笑いに一生携わって働きたい」「一生お笑いを続けたい」という人には刺さりやすいキャッチコピーであるとともに、採用の場面だからこその「一生」という使命の重みも感じられます。

企業ビジョン表現型のコピー例

ビジョン(Vision)とは「実現したい未来」です。企業が活動を通じてどのような未来や社会を創っていきたいかを表現した事例を紹介します。

サカタのタネ

はじめの、一粒。

サカタのタネキャッチコピー

サカタのタネ
https://www.sakataseed-recruit.jp/

手のひらの上に大切そうに置かれた種の横に「はじめの、一粒。」というシンプルなキャッチコピー。企業ビジョンを象徴している好事例です。

“花・野菜の品種開発を通して世界の人々の生活文化向上に貢献する。”というミッションを掲げているサカタのタネですが、命の源である自社の仕事に未来への強い責任を感じさせてくれるコピーです。種=自分たちの仕事が、未来の命への第一歩目であると巧みにアピールされています。

手書き風の書体でキャッチコピーを表現しているのも、地に足が付いた実直な仕事スタイルを彷彿させます。

ヤマトグループ

「変わる」が創る
「未来のスタンダード」

ヤマトグループキャッチコピー

ヤマトグループ
https://yamato-transport-recruit.com/

シンプルな文章ですが、未来に向けて「変わる」という潔い表現が力強く印象に残るキャッチコピーです。

100年の歴史を持つ運輸企業だからこそ、自ら変革していく、新しい人材と一緒に未来をつくっていくという強い想いを感じます。インターネットやAIの普及で「人が運ぶ」という価値が大きく変わり始めている現代において、未来を創造していくことができる人を強く求めているのかもしれません。

採用サイトの背景に、採用コンテンツ以外の「DX」「地方再生」「AI」等のキーワードが並べられているのも、運輸業を取り巻く変化がいかに激しいかをうまく表現しています。

TOPPAN

可能性を絞るには、早すぎる。

TOPPANキャッチコピー

TOPPAN
https://www.toppan.co.jp/recruit/shinsotsu/

ペーパーレスなどの影響で激変する印刷業界は、急速な変革を求められています。その目まぐるしい変革のなかで、自由な発想で新たな価値や未来を創造していくビジョンを体現したキャッチコピーです。

印刷業界という理由でエントリーを迷う学生に向けてのメッセージとも読み取れますし、今後社会に出て行く学生へのエールとも受け取れるキャッチコピーです。

もっと自社のことをよく知ってほしいという想いも感じられるため、さまざまな想像が膨らむキャッチコピーに興味を惹かれて事業内容などを閲覧してもらう効果も高いかもしれません。

企業バリュー表現型のコピー例

バリュー(Value)とは「お客様に提供する価値・強み」です。自社の強みを前面に出したキャッチコピーの事例を紹介します。

ワコール

Beauty for people  世界の女性に寄り添う

ワコールキャッチコピー

ワコール
https://career.wacoal.co.jp

直訳すれば「人々のための美しさ」となり、かなり高い視点からのバリューを表現した言葉です。

このような大きな言葉は一見、差別化が難しいものですが、想いや事業規模の大きさがバックボーンにあるため、自社の提供価値をシンプルに伝えている採用キャッチコピーと言えます。

英語そのものは野心的ですが、日本語での「世界の女性に寄り添う」という言葉にはホスピタリティーが感じられ、多くの人々の共感を得られるであろうキャッチコピーです。

SMBC

いい子になるな、いい個になれ。

SMBCキャッチコピー

SMBC
https://www.smbc-freshers.com/

「いいこ」という韻をうまく使い、未来に向けて個人の力を競争力の源泉としたいという強いメッセージが感じられます。

金融や銀行などは学生にとっては固いイメージを持たれがちかもしれませんが、このキャッチコピーにより、個の発想力や行動力を大切にしている企業であることをアピールしています。最近の多くの企業が求めている「型にはまらない人」に向けたコピーと言えます。

子と個の対比を考えると、子どもではなく、社会に責任を持った大人になろうという採用サイトらしい学生全体に向けたメッセージとも捉えることができそうです。

大成建設

「地図に残る仕事。」とは

大成建設キャッチコピー

大成建設
https://www.taisei.co.jp/saiyo/new/

企業コピーとしても馴染みがある「地図に残る仕事。」を軸にして、採用キャッチコピーにアレンジしている事例です。

採用サイトでは、「地図に残る仕事。」のアンサーとして、「自らの足跡を残すこと」「人々の記憶に残る仕事」「地域住民の生活や社会に貢献すること」などいくつかの文章が切り替わって流れていきます。地図に残る仕事は1つとは限らず、見る人ごとにバリューを作り出してほしいというメッセージが感じられます。

地図に残るような社会的に責任重大で尊い仕事に対し、真摯な姿勢を感じることができます。

4. キャッチコピーを作るコツ

キャッチコピーは自社らしさが表現できることが第一の目的ですが、人々の記憶や印象に残るためにはいくつかテクニックもあります。ここからは、特に採用キャッチコピーで押さえておきたいコツを紹介します。

短く、シンプルにする

キャッチコピーは「短くわかりやすく」がポイントです。

言いたいことを全部詰め込もうとすると、それはただの説明文になってしまいます。キャッチコピーは他者への伝わりやすさも重要です。簡単に記憶できて、かつ印象に残るためにはシンプルさが欠かせません。

例えば、マーケターなら必ず意識するYahoo!ニュースのトピックスは、見出しを15.5文字(15文字と半角スペース1つ)に設定しています。15.5文字というのが一目で内容を把握でき、スマホで見るのにちょうどよい文字数だからです。

15.5文字はひとつの目安ですが、SNSなどで拡散する上でも短いキャッチコピーの方が効果的です。短く、曲解されないシンプルなキャッチコピーを目指しましょう。

リズムを意識する

古くは俳句のような【5・7・5】のリズム、近年ではラップのような韻を踏んだリズムなど、日本語において「リズム」は、メッセージを発信する上で大切です。キャッチコピーを作成する際にも、リズムを意識してみましょう。実際に声に出して読んでみるのもおすすめです。

リズムを作るためには、言葉選びと共に句読点の使い方が非常に重要です。句読点をうまく使うことで、リズムのよい文章を作れます。

「あなたと、コンビに、ファミリーマート」(ファミリーマート)
「今日を愛する。LION」(LION)
「ひとのときを、想う。JT」(JT)

上記のように句読点を使ってリズミカルなキャッチコピーに仕上げる手法は取り入れやすいので、一度試してみてください。

相手に語りかけるようにする

まるで隣にいる友人に気軽に話しかけるように、口語的でわかりやすい採用キャッチコピーを作っている企業は比較的多い傾向にあります。

社会人としての本格的な就業経験がない学生にとって、親しみやすさは重要です。社訓に書いてあるような漢字だらけの長い文章をそのまま採用サイトに掲載しても、学生には響かないでしょう。

親しみやすさを出す1つのパターンとして「疑問形」があります。「一緒に未来を創りませんか?」「どんな社会を実現したいですか?」などと問いかけることで、読み手との距離感はぐっと縮まります。

話しかけられているかのようなキャッチコピーは、人の心にすっと入り込みやすいだけでなく、疑問形のキャッチコピーは、読み手がその答えを自然と探してしまう効果もあります。つまり、単なる閲覧者ではなく「自分なら」と我がごととして捉えてもらう効果が期待でき、印象に残りやすくなるのです。

5. まとめ

採用キャッチコピーは、母集団形成においても、応募者の記憶に留まり続けるためにも、非常に重要な位置付けです。

採用サイトのみならず、採用選考の全てのタッチポイントで意識すべきコンセプトにもなるため、人事担当者自身も納得できるキャッチコピーを考案することが望まれます。
ただしマーケティング的な要素も求められるため、人事担当者の中には、キャッチコピーが思いつかない!というお困りの声も聞かれます。

そんな方は発想を広げるためにも、もっと他社のキャッチコピーで学んでみるのはいかがでしょうか。弊社では500社の採用キャッチコピーをまとめた資料を無料でダウンロードができます。他社のノウハウを活用しながらも、ぜひ自社の採用で役立つ効果的なキャッチコピーを作ってください。

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