人材育成マネジメントとは?必要な理由や実行の手順を解説 COLUMN

公開日:2023.09.05

更新日:2023.09.05

人材育成マネジメントとは?必要な理由や実行の手順を解説

人材育成マネジメントは、従業員のスキル向上を戦略的に促進し、組織の競争力を高める組織戦略の1つです。

この記事では、なぜ人材育成マネジメントが必要なのかやその効果、実行手順や役立つ資格も併せてご紹介します。

目次

人材育成マネジメントとは

人材育成マネジメントとは、人材育成を長期的に運営するための活動全般のことを指します。

これには、例えば研修の実施やメンター制度の導入といった具体的な人材育成の施策に加え、施策の運用のための社内体制の整備やメンターへの依頼など、人材育成に関わる全ての活動が含まれます。

人材育成マネジメントは従業員の能力を高めて個々人のパフォーマンスを高めるだけでなく、適切に運営された場合には企業の継続的な成長を促進する結果をもたらすため非常に重要な組織戦略の1つです。

人材育成マネジメントはなぜ必要なのか?

採用難易度の高まり

昨今の少子高齢化による影響で労働人口は減少し、採用難易度は高止まりが続いています。

そのため、HRM(Human Resource Management)の代表的な6つの施策(採用 育成 評価 処遇 配置 代謝)のうち、社内人材の活用に関する重要性が高まっています。

人材育成を強化することにより、社員の定着や活躍を促進することができるため、人材育成の重要性が高まっています。

人材育成マネジメントを適切に運営することで人材育成の効果が高まるため、人材育成マネジメントが必要となっています。

キャリアの多様化

女性の社会進出の増加やフリーランスの登場、正社員以外の人材活躍の増加により、キャリアの感じ方や業務量、職務能力、契約の形態などキャリアの多様化が進んでいます。

このような変化の中で、従来型の終身雇用を前提とした人材育成システムでは対応しきれないケースが増えてきてきております。そのため、多様なキャリアを踏まえた新しい人材育成手法の確立と実行が必要となっています。

加えて、VUCA(不確実性、不安定性、複雑性、曖昧性)の時代と言われる現在においては、1度確立した人材育成手法に拘泥するのではなく、市場の変化に応じて柔軟に改変・改善していく必要があります。

そのため、人材育成を全体管理・運用していく人材育成マネジメントが重要となっています。

人材育成マネジメントの効果やメリット

人材育成マネジメントは、生産性の向上と定着率の向上という具体的なメリットをもたらします。
従業員の成長と満足度を重視する組織文化を築くことで、企業は競争力を高め、持続的な成長を達成することができます。
以下、それぞれのメリットについて詳細をご紹介します。

生産性の向上

従業員に対する適切な人材育成マネジメントの提供は、生産性の向上に直結します。
従業員が必要なスキルや知識を習得することで、効率的な業務の遂行が実現するからです。

また、定期的な研修やトレーニングを通じて最新情報に触れることで業務プロセス自体の改善が期待でき、生産性の向上や、結果としての企業の競争力を強化することが可能です。

定着率の向上

人材育成マネジメントの導入は、以下の理由により定着率の向上をもたらします。

まず、従業員は自分のスキルや能力を成長させる機会を提供されることで、自身のキャリアに対する満足感を高めます。
また、組織が従業員の成長をサポートする姿勢を示すことは、従業員が組織の中での長期的なキャリア展望を持つ事に繋がります。
さらに、人材育成の過程で企業理念を浸透させることにより、従業員組織への帰属意識を高めることも可能です。

以上の理由から、定着率の向上に繋がる効果があります。

人材育成マネジメントの手順

人材育成マネジメントは、以下の手順で実行します。

現状の課題を可視化

人材育成の第一歩は、現在の組織内の課題やニーズを明確に把握することです。
従業員のスキルやパフォーマンスの評価、業務遂行上の障害、チームの課題などを分析・可視化します。
具体的な課題を特定することで、育成の方向性を決定し、目標を設定する際の基盤を築くことが可能となります。

参考:「人材ポートフォリオ」とは?注目されている理由と実行方法

目標の設定

可視化した課題に基づいて、従業員の育成における具体的かつ定量的な目標を設定します。
例えば、特定のスキルの向上、プロジェクトリーダーシップの強化、コミュニケーション能力の向上などが目標として考えられます。
また、目標設定には、従業員自身の意欲やキャリアパスを考慮することも大切です。

これらの目標設定においては、経営視点を含むことが最も重要です。企業としてありたい姿や事業目標の達成を踏まえた目標を設定することで、人材育成マネジメントの方向性に一貫性を持たせることが可能となります。

計画の立案

目標が設定されたら、具体的な計画を立案します。
具体的な施策としては、例えば従業員(層)ごとに必要な研修やeラーニング、メンター制度の導入などがあります。
これらの施策を、どの期間に実施するのかというタイムスケジュールを踏まえた計画として作成します。

この際に重要なのは、育成内容に加えて育成者のマネジメント計画を含めることです。
実際に育成を担当する研修担当やメンターの選定や求めることも併せて整理することで、目標達成の可能性を高めます。

目標共有と実行

立案した計画と目標を従業員と共有します。従業員が目標に対する理解と意欲を持ち、自身の成長に向けて取り組むことが大切です。透明なコミュニケーションを通じて、従業員が目標に向かって前進するサポートを提供します。従業員が自身の成長に貢献することを強調し、組織全体でその達成を支援する文化を醸成します。

定期的な振り返り

人材育成の過程で、定期的な振り返りが欠かせません。実施した施策の効果を定量的に振り返ることで育成プロジェクトの育成プロセスの途中で方向性を修正し、最終目標の達成に向けて最適なアプローチを見つける助けとなります。

人材育成の手法一覧

人材育成マネジメントにおいて重要となるのは、やはり実際の育成施策です。
そのための手法をご紹介します。

➀OJT(On the Job Training)
最も簡単な人材育成の手法はOJTと呼ばれるもので、実際の業務を行いながら必要なスキルを習得してもらいます。実務を通じた学習をするため、即効性のある能力を身につけやすいことがメリットです。

②研修 / セミナー
自社の従業員による研修を実施する場合と、外部の講師を招く場合があります。前者の場合は社内の具体的な業務に関することや企業理念の浸透を目的とした創業からのストーリーを伝えることが多いです。一方で後者は、新入社員に対して一律の基礎能力を習得させる目的で実施されることが多いです。

③eラーニング
eラーニングとは、パソコンやタブレット端末などの電子機器を用いて研修を実施する手法のことです。オンラインで実施することができ、また、各々が自身のタイミングで実施できるのが特長です。

④メンター制度
メンター制度とは、先輩社員を後輩社員の育成担当にする制度のことを指します。担当の後輩に対して業務上のアドバイスや質問対応を実施することで、より細かなフォローを提供することが可能です。

メンター制度を導入することにより、後輩社員の育成だけでなく、先輩社員のマネジメントスキル習得を促すという副次的な効果も期待できます。

⑤SD(Self Development)の促進
SDは自己啓発とも呼ばれ、従業員が自ら能力開発を実施することを指します。企業として、このSDを促進する方法は、例えば社外セミナーや書籍購入に関する費用の補助などが考えられます。
これにより、従業員自身の興味・関心に応じた知識・スキルの向上が期待できます。

人材育成に役立つ資格

①キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは、個人が自分の職業やキャリアに関する目標を達成するためのアドバイスや支援を提供する専門家のことであり、国家資格です。

個々人の能力や興味、価値観に基づいたキャリア選択を支援することができる資格であるため、人材育成の場面で活かせるケースは多いでしょう。

②メンタルヘルス・マネジメント検定試験
メンタルヘルス・マネジメント®検定試験とは、メンタルヘルスに関する効果的なケアやサポートを提供するための適切な知識を持っていることを証明する試験です。この試験は、働く環境の整備も範囲に含まれることが特徴です。

従業員の心理的課題を早期に把握し、適切な対処法を実施することで、問題の深刻化を防ぐことができます。また、メンタルヘルスに配慮した働き方が浸透することで、組織全体の長期的な成功に寄与します。この試験を通じて習得されるスキルは、個人と組織の健康な成長をサポートする重要な要素と言えるでしょう。

③ビジネスマネジャー検定
ビジネスマネジャー検定とは、マネージャーが身につけておくべき基礎知識の習得を証明する資格です。

「人と組織のマネジメント」、「業務のマネジメント」、「リスクのマネジメント」の3つの要素に分けて知識習得をしたマネージャーは、人材育成において成果を挙げることができるでしょう。

クイックができること

弊社クイックでは、「マネジメント」、「キャリア」、「メンタルヘルス」、「コミュニケーション」の4つの項目に分類された研修プログラムをご用意しております。

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本質的な人材活躍を実現するためには、採用活動の大前提となる人材要件設定にはじまる採用活動から人材育成・評価に至るまでのフローにおける一貫性を有することが肝要です。

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