導入背景
Braze株式会社様は、事業開始以来、主にリファラルや人材紹介会社を通じて中途・即戦力人材の採用を行い、組織の基盤を築いてきました。
2024年4月には水谷様が代表取締役に就任し、日本法人のさらなる事業拡大と組織強化が推進され、それに伴い採用基準の見直しも行われることとなりました。
従来の採用基準では、職務経験やスキルなどの「ハードスキル」(いわゆるスペック)を重視する傾向が強く、面接後に意欲が低下して辞退となる方がいるという紹介会社からの声や、面接官が候補者の本音を探りきれず合否に迷うなど、選考過程での見極めや魅力づけが課題となっていました。会社として、プラットフォームサービスの機能面だけではなく顧客へのソリューションやサポート・フォローの手厚さが各部署が連携してサービスを提供できることも強みであるため、日本企業向けにその強みをより発揮していくためにも、今後入社をいただく方に会社として必要とするヒューマンスキルを重視した採用を行う必要があると考えていました。
また、面接を担当するマネージャー層のスキルにばらつきが見られることが問題として浮き彫りになっていました。特に、入社後にマネージャーに昇格した社員の中には、前職を含めて面接官としてのトレーニングを受けたことがない方も少なくありませんでした。
こうした状況を踏まえ、採用プロセスの質を向上させ、面接官の育成を強化するため、面接官向けトレーニングを実施することとなりました。
面接官トレーニング実施前の課題感
・面接におけるヒューマンスキルの評価方法
・面接官の選考スキルのばらつき
クイックの面接官トレーニングを導入した理由
Braze株式会社様が抱えていた上記の課題に加え、水谷様を交えたトレーニング導入の検討過程で、「求めるヒューマンスキルの要件が明確に定義されていない」という新たな課題が浮上しました。
この状況を踏まえ、クイックは以下のアプローチを提案しました。
1.面接官トレーニングの実施前に、面接官(マネージャー)への1on1ヒアリングを行う
2.ヒアリング結果をもとに、共通して必要とされているヒューマンスキルの要件を洗い出す
3.「Braze株式会社様が求めるヒューマンスキル」を明確に言語化する
4.言語化したスキルを踏まえ研修プログラムをカスタマイズ
この提案は、単なるスキルセット習得のための研修にとどまらず、Braze株式会社様の現状に応じた段階的なアプローチを踏まえたカスタマイズが可能な内容となっていました。この点を評価いただき、クイックの面接官トレーニング導入を決定していただくことになりました。
導入内容
・採活力レポート(人材要件レポート)
面接官を務めるマネージャー層を中心に1on1ヒアリングを実施。その内容を基に企業としての共通要件を取りまとめ、求められるヒューマンスキルの言語化をしたレポートを作成しました。
・面接官トレーニング(2日程)
「候補者のタイプ要件を判断する基準や確認方法を理解し、本音を引き出す面接が実践できる」状態を目指し、2日間の面接官トレーニングを実施しました。基礎的な内容から候補者理解まで、座学とロールプレイングを交えた実践的なプログラムをカスタマイズして提供しました。
研修実施結果について
講義中も活発な質疑応答が行われ、受講者の積極的な参加が見られました。ロールプレイングの実践や受講者同士での意見交換も相まって、単に聞いて学ぶだけではない、双方向的で充実した2日間のプログラムを実施することができました。
【受講者の声(一部抜粋)】
1.
「前職では確認項目が多く、質問して回答を得る形式の面接になりがちでした。そのため、傾聴がおろそかになっていたことに改めて気づきました。今後は面接でも傾聴の姿勢を心がけ、より深い掘り下げができるようにしていきたいです。」
2.
「人材要件の確認ポイントを1次面接と2次面接で役割分担し、効果的にヒアリングする仕組みの必要性を感じました。また、できていると思っていた傾聴についても、自分が思わぬ壁を作っている可能性に気づきました。ヒアリングについても、直接的な聞き方だけでなく、角度を変えて本質を引き出す質問のバリエーションを増やすべきだと思いました。」
3.
「講師の説明とロールプレイング演習を通じて、多くの気づきを得ることができました。特に、傾聴における非言語コミュニケーションの問題点は自分では気づきづらく、ロールプレイング実施時のオブザーバーからの指摘で認識することができました。」
4.
「面接官の役割は評価をすることだけでなく、候補者に対して自社をアピールすることも重要だという点を理解しました。また、ロールプレイングを通じて、質問を準備することの重要性も実感しました。今後は、当社が求めるパーソナリティを理解するための質問をしっかり準備して面接に臨みたいと思います。」
今後、実際の面接を行う際に、受講者の皆様には研修で学んだことを実践しながら、必要に応じて研修内容を振り返り、活用していただければと感じています。
最後に
面接の主要な目的である「見極め」と「魅力づけ」を効果的に行うには、自社の人材要件と魅力を明確に言語化し、面接官全員で共有することが不可欠です。
「面接官トレーニング」は、面接をより効果的に行うための研修ですが、単にプログラムを受講してスキルを学ぶだけでは十分ではありません。事前に人材要件や自社の魅力を整理しておくことで、研修で学んだことをより実践的に活用するための準備が整います。
面接官トレーニングの実施をご検討の企業様には、弊社の採用戦略設計ツール「採活力」のカスタマイズ活用と併せて実施されることをお勧めいたします。
面接課題の解決にご関心をお持ちの場合は、ぜひご連絡ください。弊社の専門コンサルタントが、貴社の状況に応じた最適なソリューションをご提案させていただきます。
このプロジェクトの担当コンサルタント
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株式会社クイック コンサルタント 杉本 恵美
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