採用担当と現場との価値観のズレ。解消した施策とは?|採用コンサルティング事例 vol.1 CASE

採用担当と現場との価値観のズレ。解消した施策とは?|採用コンサルティング事例 vol.1

弊社、株式会社クイックの採用コンサルティングサービスをご体感いただいた株式会社セントメディア様(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)に、お話を伺ってきました。

どんな採用課題が、どんなふうに解消されたのか。
改善のエッセンスを取り入れていただくことで、貴社の採用力アップにお役立てください。

右:日田様(株式会社セントメディア セールスアシスト事業部 営業企画グループ リーダー)
左:福島淳史(株式会社クイック 採用コンサルタント 課長)

目次

すべての派遣会社・請負会社にとっての共通課題

福島淳史:株式会社クイック

今回、採用コンサルティングを受けたときのことを振り返っていただき、どんな課題がどんな風に解決されたのか。その一端を、記事をお読みいただいている方にお伝えできればと思っています。

日田

ではまず、どこからお話ししましょうか。

福島淳史:株式会社クイック

そうですね。
採用コンサルティングを導入いただいた経緯について、改めてお聞かせいただけますか?

日田

はい。まず弊社のご紹介からになってしまうのですが、株式会社セントメディアは、販売・コールセンター・オフィスワークなどの人材派遣サービスをコア事業とする会社です。

日田

私は、セールスプロモーションのアウトソーシングを請け負う部署に所属しており、携帯販売やアパレル販売などの正社員の採用を主業務としています。
いわゆる請負の業態で他社と差別化しにくいなか、継続的に採用成果をあげ続けるためにはどうすれば良いか、というのが最大の課題でした。

福島淳史:株式会社クイック

セントメディア様とは、採用コンサルティングをきっかけに求人広告のご依頼もいただくようになりました。以前は、どのように採用活動をされていたのでしょうか。

日田

前の担当の方からは、広告の打ち出し方やデザイン、出稿プランなど、日々、細かなご提案はいただいていました。
ただ、改善ベースの取り組みでは頭打ち感もあり…、そんなときに状況を打破できる一手としてご提案いただいたのが「採用コンサルティング」実施のお話でした。

採用担当と全国の現場責任者を交えて、ディスカッションを実施

福島淳史:株式会社クイック

派遣・請負の会社は、携帯販売店やアパレルショップなどを直接運営しているわけではありませんから、求職者が求める「現場に近いリアルな情報」が不足しています。そのため広告表現はメリットの訴求が主体の、総花的な内容になってしまいがちです。

福島淳史:株式会社クイック

そこで、採用ターゲットのペルソナやセントメディア様の魅力を整理することで、一つ一つの広告に対して、いまよりも強い意図(指向性)を持たせたいと考えました。

日田

今回のような間接的な施策は、即営業数字に反映されづらいこともあり、忙しい現場のスタッフに協力を得づらい部分です。コンサルティングという形で、第三者の方に入っていただくことで社内調整もスムーズに進められました。

福島淳史:株式会社クイック

窓口となる日田様はもちろんですが、最終的に現場のコーディネーターの方の協力も得なければ、取り組んだ成果を採用効果に反映させることはできません。
そのために、採用担当と現場とで、採用に関する目線合わせをすることが必須だと考えました。

福島淳史:株式会社クイック

そんな理由から、今回は無理をお願いして、遠方の方も含めて各拠点のキーマンの方にお集まりいただけるようにお願いしました。

日田

最終的に、現場マネージャー、人事マネージャー、広告担当、支店長といった、様々な領域の方に参加してもらえることになりました。

福島淳史:株式会社クイック

これまでも他の領域の方と、面と向かって話す機会はあったのでしょうか。

日田

普段はメールと電話でのやりとりが中心のため、久々にお会いした方もいました。
日々の業務の忙しさ追われて、じっくり採用ターゲットについて話す機会はありませんでしたね。

福島淳史:株式会社クイック

実際、意見交換してみていかがでしたか?

日田

ディスカッションをする中で驚いたのは、採用担当側で考えているターゲットと、現場の拠点長がイメージしている採用ターゲットがまったく違ったことです。
私たち採用担当としては、当然、それなりの経歴・経験のある方や、営業力、コミュニケーション力のある人でなければいけないという認識でした。

福島淳史:株式会社クイック

即戦力に近いイメージですね。

日田

はい。ところが、拠点長と会話していく中で、コミュニケーション力、と使っている言葉自体は共通でも、私たち採用担当者とは評価の基準が異なっていることが分かりました。

日田

経歴についても、高卒の方やこれまで現場系のお仕事をされていてオフィスワーク経験のまったくない方なども採用され、活躍していることを初めて知りました。

採用担当と現場コーディネーターの認識のずれ

日田

なかでも一番驚いたのは、現場では採用された人材を「育てたい」という想いをもっていたこと。
現場からは常々「とにかくたくさん応募が欲しい」という要望を受けており、私たちはそれを「即戦力レベルの人材をたくさん」と解釈して頭を悩ませていたのですが、これは誤解であることがわかりました。

福島淳史:株式会社クイック

育てる前提だからこその「たくさん応募が欲しい」だったわけですね。

日田

ええ、そうなんです。いまお話ししたことはほんの一例ですが、採用に対する認識を合わせられたことで、これまでよりも採用担当と現場の間で建設的な議論ができるようになったと感じています。

福島淳史:株式会社クイック

広告を設計する我々の立場では、セントメディア様の魅力をしっかり整理できたことが、広告制作を進めるうえで重要なヒントになりました。

日田

一つのことがらでも、受け取る人によって、魅力に感じたり、魅力だと感じなかったり・・・
また、採用ターゲットについて一段深く考えることで、個々の案件の難易度が明確に認識できたことは良かったですね。広告費をどこに重点的に使うかを考える際に参考になりました。

採用コンサルティング実施で、採用活動はどう変わったのか?

福島淳史:株式会社クイック

今回のディスカッションでは、採用ターゲットと自社の魅力を徹底的に整理しました。 あとオプションで、採用ターゲットを想定した6名ぶんのペルソナと各々のインサイトに合致するセントメディア様の魅力も整理させていただきました。

採用コンサルティング 提出資料

福島淳史:株式会社クイック

コンサルティング実施の結果、具体的に採用シーンに変化はありましたでしょうか。

日田
求人広告で伝えるべきことが明確になると、面談時に伝えるべきことも明確になりました。
面談では、求人広告で伝えにくいことや伝えきれない部分を中心に補ってあげれば良いのだ、と理解できたのは大きな進歩でしたね。
日田
現場で面談を行う方に「今回はこんな内容の求人広告を出しているので、こういう部分を面談で伝えるようにしてください」と、具体的なイメージを伝えられるようになり、採用担当から現場へとしっかりバトンを受け渡しできるようになったと思います。

採用コンサルティングによる、面接時の思考の変化

日田

これまでは現場に十分に情報が伝わっておらず、面談でお会いする求職者の方がどんな方で、どんな気持ちなのか、まずそこから探り探り会話を始めるしかなかったのですが、いまはある程度、来社される方の人物像をイメージした上で、ご納得・ご安心いただけるように事前準備して面談に臨む体制が整いました。

日田

同じ面談時間でも深いコミュニケーションができるようになり、応募後の歩留まりも改善しました。

福島淳史:株式会社クイック

これはお客様からよくいただく言葉ですが、採用戦略を考える際に「立ち戻る場所ができた」と、みなさんおっしゃいます。

日田

そうですね。PDCAの範囲が、広告の応募単価の管理から、広告も含めた採用コミュニケーション全体のトライアンドエラーへと昇華できた、そんな実感があります。

日田

実際、数字も大幅に改善していて、広告内容の改善も含め採用フロー全体の見直しを図ることで、以前に比べると、「応募単価」「採用単価」ともに50%程度のコストダウンにつながりました。

採用コミュニケーション全体を見据えてPDCAを回す

福島淳史:株式会社クイック

ありがとうございます。採用コンサルティングは、ノウハウとしてはもちろん自信をもってご提供していますが、お客様にどれだけ実践いただけるかも重要ですので、そう言っていただけると本当にうれしいです。

日田

今後も進めていく上で、何か困ったことがあれば相談させていただきます。

福島淳史:株式会社クイック

はい。いつでもご相談ください。 本日は貴重なお話をシェアいただきありがとうございました。

日田

こちらこそありがとうございました。

 

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編集・執筆/中森規仁(中小企業診断士)

コピーライター、人事(採用担当)を経て、大手人材会社でディレクターとして、クリエイティブ企画や経営戦略にひもづいた人材採用・活用のコンサルティング業務などに従事。現在はIT企業勤務の傍ら、マーケティング・人材採用の領域を専門に中小企業支援を行っている。

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