VUCAとは?VUCA時代を生き抜くために企業が必要なこと COLUMN

公開日:2023.10.19

更新日:2023.10.19

VUCAとは?VUCA時代を生き抜くために企業が必要なこと

地球環境の変化、AIの急速な普及そして新型コロナウイルスの蔓延などから、
現代はVUCAの時代と呼ばれています。
本記事では、VUCAの意味や企業に求められることについて解説します。

目次

VUCAとは

変化の激しい時代と言われる現在、ビジネス環境は日々変化しています。このような環境下においてビジネスを推進するために、VUCA(ブーカ)という言葉が注目されています。

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったもので、不確実性が高く、将来の見通しが立ちづらい状況を表す頭字語です。

元々は冷戦終結後の多角化・不透明化する軍事戦略を表現する方法として1990年代にアメリカ陸軍が生み出した軍事用語でしたが、2010年代、インターネットやデジタル技術の発展、SNSの台頭を背景に、「VUCAワールド」「VUCA時代」のようにビジネスでも用いられるようになりました。

ここから、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの言葉の意味とビジネスへの影響についてご紹介します。

1. Volatility(変動性)
変動性は、市場や環境が急激に変化する特性のことを指しています。AIをはじめとする新しい技術の発展や価値観の多様化などさまざまな要因がビジネスに影響を与える現在は、これまでの常識が通じない、変化の激しい時代であると言われています。企業は変動する市場に対応するために、常に市場のトレンドを監視し、素早く対応していく必要があります。

2. Uncertainty(不確実性)
不確実性は、将来の状況や結果が予測困難であることを指しています。デジタル技術の進歩を伴う急速な市場の変化や予期せぬ疫病、働き方の多様化などが進行する現在、事業計画や戦略策定はますます困難となっています。企業としては、想定外な事象が起こり得ることを踏まえた柔軟な戦略策定が重要となります。

3. Complexity(複雑性)
複雑性は、ビジネス環境がこれまで以上に多面的で多くの要因が絡み合っていることを指しています。経済のグローバル化やテクノロジーの進化など多岐にわたる要因がビジネス環境に影響を与え、これまで以上に複雑性を増しています。このような複雑性を1つ1つ紐解きながら顧客のニーズに答えることで、企業の市場優位性も増していくと考えられます。

4. Ambiguity(曖昧性)
曖昧性は、情報や状況が不明確で、多義的であることを指しています。変動性(Volatility)・不確実性(Uncertainty)・複雑性(Complexity)が複雑に組み合わさることで、因果関係が不透明な事象が増え、正確な判断が難しくなります。企業は適切な情報収集を行い、収集した情報に対する解釈能力を向上させることが重要です。

VUCAが注目されている背景

VUCA時代のビジネス環境では、これらの要素が常態化しており、企業はこの変動と不確実性を適切に捉える必要があります。これらの要素は社会全体の流れとして起こっているため、どの企業も避けることはできません。そして、適切な対応がなければ、企業は市場での競争力を維持し、成長することが困難になります。そのため、VUCAについて正しく理解し、適切な戦略を構築することが重要です。

VUCA時代を生き抜くために企業ができること

ここまでご紹介したように、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性に満ちているVUCA時代に適応するために、企業は新しいアプローチとスキルを獲得する必要があります。以下に、VUCA時代を生き抜くために企業が求められる重要なポイントをご紹介します。

OODAループを活用する

VUCA時代に対応するために、OODAループという意思決定手法が注目されています。OODAは「ウーダ」と読み、Observe(観察)、Orient(分析)、Decide(決断)、Act(実行)の頭文字を取ったもので、アメリカ合衆国の戦闘機操縦士であるジョン・ボイド氏が発明しました。特定の対象に対して継続的な実行改善を行うPDCAと異なり、対象を限定せずに観察、情報収集を行う点がOODAの特徴です。

OODAループの手順は以下の通りです。

1.Observe(観察)
状況や環境を注意深く観察し、情報を収集します。この段階での正確で包括的な情報収集が後のステップの基盤となります。

2.Orient(分析)
収集した情報を分析し、自分自身や組織の状況を理解します。過去の経験、知識、価値観と新たな情報との統合が行われ、状況への理解が深まります。

3.Decide(決断)
分析した情報をもとに、意思決定を行います。可能な選択肢を検討し、リスクや利益を考慮して最適な戦略を策定します。

4.Act(実行)
決断した行動計画を実行します。迅速かつ適切に行動することで、複雑な状況や変動の激しい環境への対応が可能となります。また、実行後の結果を観察し、改善をしつつ次のサイクルに活かします。

マネジャーの育成を強化する

VUCA時代においては、様々な不確定要素に対して柔軟でスピーディーな対応が求められるため、意思決定の重要性が高まります。そのため、精度高く柔軟に意思決定ができるよう、マネージャーの育成を強化することが肝要です。企業は、マネジャーに対してリーダーシップ、コミュニケーション、プロジェクト管理、チームビルディングなどのスキルを磨く機会を提供することで、変化への適応力を高めます。継続的な学習と成長の機会を提供することで、マネジャーが新しい状況にスムーズに適応できるよう支援することが可能となります。

主体性の高い人材を育成する

VUCA時代においては、単に指示に従うだけでなく、自発的に行動し、実行・改善していく主体性の高い人材が求められます。企業は、自己分析の機会や失敗を恐れずにチャレンジできる環境を従業員に対して提供することで、主体性の高い人材を育成する必要があります。柔軟性を持ちつつ、挑戦的な目標に向けて積極的に取り組む文化を醸成することが重要です。

多様な人材を取り入れる

VUCA時代は多様性が重要です。異なるバックグラウンドや専門知識、経験を持つ多様な人材が、新たな視点とアイディアをもたらし、創造的な解決策を生み出します。企業は、多様な人材を積極的に採用し、多文化的な環境を育むことで、イノベーションと柔軟性を促進することができます。チームの多様性を尊重し、それぞれの強みを活かすことで、変化への適応力が高まります。

組織のビジョンを明確にする

VUCA時代においては、様々な変化にさらされることになるため、軸とすべき組織のビジョンや目標、方向性が明確であることが重要です。これにより、一致団結して変化へ対応することが可能な組織作りができます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

変動性の高いVUCAの時代において、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が必要です。大量のデータを取得・整理し、データに基づいた分析と意思決定をすることが重要です。そのため、DXを実現することによりITツールを活用し、複雑化したビジネス環境に対する臨機応変な対応力を獲得する必要があります。

以上の6つの対策を総合的に活用することで、VUCA時代において適応力の高い企業となり、変動する市場での競争力を強化することが可能です。企業はこれらの対策を継続的に採用し、持続的な成長と進化に向けた取り組みを展開していくことが重要です。

VUCA時代に必要なマネジメントとリーダーシップ

VUCA時代に必要なマネジメントとリーダーシップは、急激な変化と不確実性の中で組織を適応させ、成長させるための重要な要素となります。以下は、VUCA時代に必要なマネジメントとリーダーシップの具体的なポイントです。

明確なビジョンの設定
VUCA時代において組織のビジョンを明確にする必要があると述べましたが、リーダーがビジョンを示し、それに向かってメンバーを導く役割を果たすことが重要です。それにより、組織単位、チーム単位で団結した組織形成が可能となります。

新たな情報の積極的なインプット
VUCA時代は情報が急速に変わるため、リーダーは常に新たな情報を収集し、組織にフィードバックすることで、組織全体が変化に適応できる環境を作る必要があります。

ステレオタイプの排除
既存のやり方が通用しないVUCAの時代において、リーダーは、既存の枠組みやステレオタイプにとらわれず、新しい視点やアイディアを受け入れることが重要です。特に、多様な人材を採用する必要のあるVUCA時代において、フラットな視点を持ち続けることが大切です。

決断力と行動力
VUCA時代では予期せぬ変化が急速に起こるため、迅速な意思決定と行動が求められます。リーダーは適切な判断を迅速に下し、即座に行動に移す能力を持つ必要があります。

組織情報をできる限り公開すること
変動性の高い環境下においては、メンバーが状況を把握しやすい環境を作ることが重要です。そのため、可能な限り組織の情報を共有・公開する必要があります。リーダーは、組織の情報、状態を整理・伝達する必要があります。

メンバーの主体性を喚起すること
VUCA時代においては、メンバーが自らの仕事や役割に責任を持ち、組織全体の成功に向けて積極的に取り組むことがこれまで以上に求められます。そのため、リーダーはメンバーの主体性を喚起することに意識を向ける必要があります。

これらの要素はVUCA時代におけるマネジメントとリーダーシップの基本的な側面を示しています。リーダーはこれらを実践することで、組織全体が変化に適応しながら持続的な成功を達成するための環境を整えることが可能です。

VUCA時代に求められるスキル

VUCA時代には、従来のスキルだけではなく、新たなスキルが求められます。以下は、VUCA時代に重要なスキルです。

情報処理能力
VUCA時代には、多くの情報が利用可能ですが、その情報を正しく理解し、効果的に活用する能力が求められます。情報処理能力が高いことで、変動する状況に適応しやすくなります。

仮説構築能力
不確実性の高い状況では、明確な未来を予測することは難しいため、仮説を立てる能力が重要です。仮説をもとに検証し、柔軟に対応することが求められます。

実行力
急速に変わる状況に対して、迅速かつ適切に行動する能力が不可欠です。即座に判断し、実行することで市場の変化に適応できる競争力を維持します。

変化に対する柔軟性
VUCA時代には従来のやり方が適応できないだけでなく、1度上手くいったやり方も短期間のうちに成り立たなくなることも多々あります。このような状況において、1つのやり方に固執するのではなく、変化に応じて柔軟に対応する柔軟性が必要です。

コミュニケーションスキル
前述した通り、VUCA時代は多様性が重要であり、異なるバックグラウンドや専門知識、経験を持つ多様な人材を採用する必要があります。そのため、多様な価値観を持った従業員間のコミュニケーションを円滑に行う必要があります。

クイックができること

ここまでVUCA時代に企業が生き抜くために必要なことをご紹介してきました。不確実性が高く、変化の激しい時代において、前年踏襲型の企業活動では上手くいかないことが多くなっています。

採用活動において前年の採用効果を参考に目標設定や歩留り推定を行うことが多く見受けられますが、VUCAの時代において、これでは通用しなくなっているのも事実です。

日々変化する需要に対応するため、求職者(候補者)の就職活動内での体験と志望度の関係を継続的に観測し、その変遷をもとに採用目標や訴求内容・訴求方法を変化させていく必要があります。

クイックでは、「採活力」というサービスをご用意しております。

「採活力」とは、ワークショップやインタビューをベースに、求める人材要件・自社らしさを言語化し最適な採用設計を提供するサービスです。

「採活力」をご利用いただくことで求職者(候補者)の志望度の変遷を踏まえた、計測可能で継続的な採用活動の実行が可能となります。

また、「採活力」は、経営・人事・現場のそれぞれの立場の意見を踏まえた採用設計を実施することにより、社内の採用認識をすり合わせることが可能です。

このような「採活力」をご活用いただくことにより、VUCAの時代に必要な変化への対応力を、組織全体として醸成することが可能です。

気になる企業様はぜひ、お問い合わせくださいませ。

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