プロジェクトの背景:未来への投資としての、新たな挑戦
株式会社エム・トラスト様は、東京都日野市を拠点にマンション等の大規模修繕・防水工事を行う企業です。
「誠実施工(嘘を付かない)」を信条に業績は右肩上がりで、業界内では確固たる信頼を築かれています。一方で、新卒採用においては以下のような新たな壁に直面していました。
● 学生認知の課題: BtoBかつ地域密着型企業のため、業界外の学生にはまだその魅力が十分に届いていない現状。(学生にとっては就活で、初めて出会う企業である。)
● 職種の課題: 特に「施工管理」や「現場作業員」といった職種は、魅力を正しく伝える難易度が高い領域である。
● 体制の課題: 初めての新卒採用であり、スケジュールや選考の進め方含めて、社内に知見が一切ない状態である。社内に知見を蓄積し、仕組みを一から構築していくスタート地点である。
前回の「採活力」で導き出した採用コンセプトは「誠実なまま、居られる場所」。
このコンセプトを軸に、エム・トラスト様らしい温かい社風を学生に届けるための活動がスタートしました。
実施施策:戦略的な「待ち」ではなく、攻めの「伴走」活用
設計した採用計画やコンセプトを発信し実行に移すため、具体的な母集団形成(集客)からクロージング(口説き)まで、クイックさんの「伴走支援」をフル活用し、以下の施策に取り組みました。
A:集客フェーズ(出会う)
❶ 合説イベントへのブース出展
合同説明会への出展も初めてのことでした。単なる「ブース出展」で終わることのないように、以下事前準備を行いました。
● 事前の現地見学: クイックさんにも事前見学の日程調整を頂き、イベント出展までに現地見学を実施しました。どんなブース装飾が良いのか。どんな呼び込みをしている企業がうまくいっているのか。など、他社のプレゼンや当日の動きを肌で感じることで、自分たちはどのように運営するとよさそうか、を具体的にイメージすることができました。
● ロープレ実施: 自社オフィスにコンサルタントの髙嶋さんにもお越しを頂き、説明会から選考誘致までのロープレを実施しました。自社を魅力的に伝える表現の仕方や、実際に自分たちのロープレにもFBをもらいながら、進めていきました。選考誘致にむけた最後の学生さんへのクロージングトークもセットで考えていきました。
● 定例での状況報告: イベント前後もクイックさんとは情報連携し、学生の反応に合わせて「NEXTアクションとして何をすべきか。」を、学生ごとに具体的な行動レベルで会話をしながら進めていきました。
❷ ダイレクトリクルーティングの活用
今回、認知獲得の要となったダイレクトリクルーティングは、1名でも多くの学生さんと出会うために以下のように活用を進めていきました。
● 目標KPIの徹底: 「毎月最低600通(1日30通)」の配信を目標とし、オファー文面の開封率なども意識しながら運用しました。文面はクイックさんからご提案を頂き、その内容を弊社でも少しカスタマイズをしながら配信をしていきました。
● 継続的な運用: オファー承諾や選考に繋がった場合にはお互いに成果共有をし合いました。本当に地道な活動でしたが、徐々に前進をしている。という実感を持ちながら、進めることができたと思います。
B:口説きフェーズ(入社を決意させる)
❶ 面接・面談設計(ツールの「活用」まで実践)
今回、クイックさんに説明会スライドの企画・制作をお願いをしました。スライドも作って終わるのではなく「どのように話せば、自社の魅力が効果的に伝わるのか。」を選考シーンでも実践できるように、トレーニングを重ねていきました。弊社には、学生さんに配る採用パンフレットなどもありませんでしたから、説明会スライドを面談や面接時にどのように有効活用していくのか、を考えていきました。
採用ツールの活用方法:実際には、説明会スライドは2in1で印刷し、採用パンフレットの代用として活用するなど、少しの工夫を積み重ねて、採用活動を進めていきました。
カジュアル面談ロープレ: イベント出展の練習とは別軸で、採用チームとクイックさんでカジュアル面談ロープレ(30分)を実施し、スライドも用いてどのように学生の緊張をほぐすのか、対話力を強化しました。
❷ 選考管理(学生ごとのコミュニケーション管理)
「採用活動は、自社を売り込むための営業活動と同義である」という基本的な考え方のもと、クイックさんと、学生の状況に合わせて選考プロセス一つ一つを進めていきました。
● 学生理解: クイックさんとの定例MTGは月に1回のペースで進めています。「志望理由」「他社の選考状況」「迷っている理由」をそれぞれ明確にしていき、学生一人ひとりに対するNEXTアクションを設計し、実行に移していきました。
● 最後に選んでもらうためのコミュニケーション: 学生の関心ごとや不安に合わせてコミュニケーション設計し、最後に”やっぱりエム・トラストが良い”を生み出す採用活動を実現しました。
成果:数字と組織の変化
地道な活動の結果、初年度ながら以下の成果につながりました。
● ダイレクトリクルーティング: 累計オファー承諾 25件
● 合説イベント: 合計2回出展し、各イベントで20名以上の着座の獲得。
● 内定承諾: 2名獲得
そして、組織内にも変化がありました。
当初は、地道な新卒採用活動に対する懸念の声もありましたが、社内から「新卒採用を通じて、優しい気持ちになれた」などの、組織全体をさらに前向きにするきっかけにもなっています。
【内定者の声】なぜ、この会社を選んだのか?
実際に内定を承諾した学生へのインタビューから、エム・トラスト様の「誠実さ」がどのように伝わったのかが見えてきました。
Case 1:Aさん(人間関係重視 / 文系)
「最初は少し緊張したけれど、実は誰よりも優しかった」
Q. 入社の決め手は?
就活の軸は「人柄や人間関係」でした。合同説明会で初めてお会いした時、職人さんが多い業界ということもあり少し緊張しました(笑)。でも、実際に話してみると、どの企業の方よりも優しく、親身になってくれました。
選考も「面接」というより「雑談」のような雰囲気で、私の素の部分を見てくれている安心感がありました。オフィスも清潔感があり、社員同士の関係性が良いのが伝わってきたことが決め手です。
Case 2:Bさん(勤務地・ライフスタイル重視 / 理系)
「ボランティア活動を続けたい。そんな私の想いも尊重してくれた」
Q. 入社の決め手は?
私は週末に子どもたちへ語学を教えるボランティアをしており、それを続けられる環境(勤務地や休日)を重視していました。エム・トラストはその希望を叶えられるだけでなく、会社の理念である「誠実さ」や「人にされて嫌なことはしない」という考え方が、ボランティアを通じて私が大切にしている価値観と深く共感できると感じました。
また、職種(施工管理か営業か)を入社後の研修で判断できる柔軟性も、キャリアに迷っていた私には大きな安心材料でした。
まとめ:採用成功の鍵は「飾らない誠実さ」と「地道な伴走」
エム・トラスト様の採用成功は、派手に採用広報ができたから。ではありません。
1.「誠実さ」という自社のコアバリューを信じ抜いたこと
2.ターゲット学生に対し、飾らずありのままの「人」で向き合ったこと
3.オファー送信やロープレなど、地道なプロセスを徹底したこと
採用経験が浅くても、知名度がこれからであっても、想いと行動があれば採用はできる。
エム・トラスト様の事例は、多くの企業様に勇気を与えるケーススタディであると考えています。
このプロジェクトの担当コンサルタント
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株式会社クイック リクルーティング事業本部
入社年:2018年入社(中途) 成長途中の中小企業~大手クライアントなど企業規模や業界、中途・新卒・アルバイトパート領域問わずに、多くのクライアント企業の採用をご支援。 2023年より、採用の企画戦略を扱うコンサルティングチームに所属。 採用HPや説明会スライドなどの採用ブランディングや研修講師にも従事。
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