お客様情報
ジャパンパイル株式会社様は、業界トップクラスの売上高を誇る総合「建設基礎」会社です。建設基礎とは、文字通りあらゆる建築物の「地中に埋まっている土台部分」を指し、私たちの暮らしや社会活動に不可欠なインフラを地中から支える、極めて社会貢献性の高い事業を展開されています。
同社は、基礎杭の製造と施工、それぞれに高い専門性を持つ建設基礎3社が統合して誕生した経緯を持ち、業界最大級の企業規模を実現しています。アジアパイルホールディングスの中核企業として、建設基礎の設計・工事・製造という全工程を自社で一貫して手掛けられる唯一無二の存在です。その技術力は、マンションやオフィスビル、テーマパーク、橋梁、道路、学校など、多岐にわたる建設プロジェクトに活かされており、目には見えない場所から社会の安全と発展を支え続けています。
このように、業界のリーディングカンパニーとしての確固たる地位を築いている一方で、採用市場においては特有の課題に直面していました。それは、業界No.1というブランド力がありながらも、学生にとってより身近で華やかなイメージを持つ大手ゼネコンやサブコン、設計事務所といった企業群と、同じ土木・建築系の優秀な学生層を奪い合うという厳しい現実です。企業の根幹を支える次世代の技術者を確保することは、同社が今後も業界のトップランナーとして走り続けるための最重要課題であり、単なる人員補充に留まらない、未来への投資そのものでした。
お客様とクイックの関係
弊社クイックは、ジャパンパイル様の採用活動に対して、新卒採用領域を中心に、母集団形成から採用実務のアウトソーシングに至るまで、継続的なご支援をさせていただいております。特に、応募学生への初期対応や選考への参加を促す連絡業務などは、弊社のパートナー企業である株式会社ツナググループ・ホールディングスと協業し、ジャパンパイル様の採用担当者様の負担を軽減する体制を構築しています。
また、ご支援の範囲は新卒採用に限りません。中途採用においても、弊社の人材紹介事業部が業界経験を持つ即戦力人材の採用をお手伝いし、さらにグループ会社を通じてIndeedでの求人募集をサポートするなど、多角的かつ包括的なパートナーシップを築いています。
ご依頼前の課題
ジャパンパイル様では、新卒採用において毎年10~15名程度の採用を目標に掲げ、施工管理職、基礎設計職、営業職等での募集を行っていました。特に事業の核となる施工管理職や設計職については、土木・建築系の学部生・院生をターゲットとしていましたが、大手ゼネコンなどとの人材獲得競争が激化し、優秀な人材の確保が年々困難になっていました。
その結果、同社は二つの大きな課題に直面していました。一つ目は、競争激化による「母集団形成の困難さ」、二つ目は、選考に進んだ候補者が最終的に内定承諾に至るまでの「歩留まりの低下」でした。
ご提案内容と具体的なご支援内容
従来の採用活動が限界を迎えつつある中で、弊社は26卒採用に向けて、単なる施策の追加ではなく、採用活動全体の仕組みを変革するご提案をいたしました。それは、これまで個別に動いていた採用チャネルや関係者をデータで繋ぎ、一気通貫した戦略的な採用活動を実現することでした。
<母集団形成>
まず、最重要課題であった土木・建築系学生の母集団形成を強化するため、24卒採用からご提案し導入いただいていた建築土木学生特化型のマッチングイベントの活用をさらに推し進めました。これは、不特定多数の学生が集まる大規模な説明会とは異なり、同社が求める専門性を持つ学生と、より深く、質の高いコミュニケーションを取ることを目的とした戦略的な一手です。これにより、競争が激しい市場において、新たな優秀な候補者との接点を創出するための母集団形成を目指しました。
また、その他の採用チャネルについては、土木・建築系学生をはじめ、文系学生まで幅広いターゲットを対象としました。マイナビやリクナビといった大手就職サイトを中心とした合同企業説明会への複数回出展を通じて、より多くの学生との接触機会を確保しました。
<伴走支援>
優れた候補者との出会いを入社へと繋げるため、伴走支援のあり方を以下のように見直しました。
① マッチングイベントで出会った学生のフォロー強化
これまでの課題は、イベントで有望な学生と接点を持っても、その後のフォローが断片的になり、学生の志望度を維持・向上させることが困難だった点にありました。そこで、イベント運営会社とジャパンパイル様との間で、イベントで接触した学生の情報を一元管理する共有リストを作成しました。
このリストでは、各学生の志望度や接触状況、選考への参加状況を可視化しています。これにより、誰がいつ、どのようなフォローを行うべきかが明確になりました。さらに、イベント運営会社からも学生と定期的に接触し、ジャパンパイル様への興味喚起や選考参加を促す対話を実施していただきました。
② 定例MTGの精度向上
25卒採用までは、月に一度の定例MTGにおいて、採用プロセスごとの進捗数字が記載された資料をもとにMTGを実施し、主に実務面での連絡・相談を行うことが中心でした。しかし、この形式では、母集団形成や歩留まり改善に対する支援が十分に行き届いていないという課題がありました。
そこで、これまで以上の情報連携を行うことにより、エントリーから内定承諾までの全プロセスの数値をリアルタイムで把握・分析できるようになりました。その結果、各採用チャネルごとの応募数や選考歩留まりを詳細に分析することが可能となり、具体的な課題を迅速に特定できるようになりました。その上で、データに基づいた改善策を随時ご提示し、より効果的な採用活動の実現を支援しました。
成果
定量的な成果として、26卒採用の内定承諾者数は18名に達し、前年の12名から6名増加しました。この数字はこれまでの最高承諾数17名を超える過去最高の実績となります。さらに、建築土木系マッチングイベント経由では、前年の1名から4名の承諾獲得に成功しました。また、総応募者数も前年比で約20%増加し、母集団形成においても大幅な改善を実現しました。(2025年9月4日時点)
しかし、今回の成功の本質は、単なる数字の向上だけではありません。最も重要な成果は、ジャパンパイル様が本来持つ強みを最大限に発揮できる環境を構築できたことです。同社の採用チームは、以前から学生一人ひとりの悩みや相談にきめ細やかに対応し、現場社員を巻き込みながら真摯な情報提供を行う、学生に寄り添う採用活動に定評がありました。
今回の取り組みでは、クイックをはじめアウトソーサーやイベント運営会社との情報連携を強化する仕組みを構築したことで、採用チームの方々がより本質的な学生対応に集中できる環境が整いました。これによってジャパンパイル様が学生により深く向き合うことができたことが、前年を大幅に上回る内定承諾へと繋がったと考えています。
また、次年度に向けては、説明会や選考に参加する学生の志向の変化に対応すべく、動画を活用した採用コミュニケーション設計の再構築という、新たなご支援の機会もいただいております。この度のご支援内容を土台に、弊社はこれからもジャパンパイル様の採用パートナーとして、変化し続ける採用市場を共に勝ち抜いていく所存です。
お客様のお声
クイック様のご支援により、26卒採用で18名の内定承諾を得られたことは大きな成果でした。弊社は「地中に埋まる土台部分」を扱うため、学生からは地味な印象を持たれがちです。しかし、世の中に必要不可欠な「縁の下の力持ち」という弊社の役割に共感してくれる学生には、じっくり話すことで興味を持ってもらえると以前から感じていました。日常業務を抱える中での対話時間の確保や、学生一人ひとりのニーズの把握が課題でしたが、クイック様を軸としたアウトソーサーやイベント運営会社の方々との連携体制が整ったことで、学生へ適切なタイミングで適切なフォローが実施できるようになりました。学生と全力で向き合える環境を構築してくださったクイック様と関係の皆様に、心より感謝申し上げます。今後も採用パートナーとして、引き続きよろしくお願いいたします。
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