弊社の研修事例のご紹介(健康経営ゲーム)
今回は「健康経営ゲーム」というビジネスゲームを活用しました。
写真のようなカードを使った経営シミュレーションゲームです。
この研修における「健康」の意味合いは、心身ともにすこやかに働くことができる良い会社・良い組織のあり方について考えるもの、とご理解ください。
広義の意味合いで「健康」という言葉を使っています。
誤解をおそれず言うならば、ホワイト企業を目指すためのシミュレーションゲーム、だと表現しても良いかもしれません。
研修の概要(ゲームルールと研修の流れ)
まずはゲームのルールなど概要をお伝えします。
ゲームの目的(目指すゴール)
参加者は全員が同じ会社の一員という設定で、みんなで協力して次の目標を目指します。
→会社の目標の達成(資産1億円の達成)
→個人の目標の達成
参加メンバーには、以下の画像のように、1~8番までの社員カードが割り当てられ、カードに書かれた役割が与えられます。
①社長
②人事部
③頭脳明晰な管理職
④信頼できる管理職
⑤粘り強い社員
⑥挑戦的な社員
⑦ハツラツとした社員
⑧評価されたい社員
メンバーごとに、個別の目標が設定されているので、会社全体の目標達成とともに、各人が個人目標の達成を意識するような形になります。
たとえば、人事部のゴール条件は「ゲーム終了時に「精神」「体力」が3未満のチームがない」こと。
社長であれば「ゲーム終了時に全チームが保有する実績カードの総数が30枚以上」であること。
※「精神・体力・実績」については後ほどご説明します。
役職や立場によって、個人の目標(ゴール条件)が異なるのは現実の会社と同様です。
ゲームの参加者がそれぞれの個人目標に向き合いながら、同時に会社全体の目標(資産1億円以上の達成)も目指していかねばならない点に、このゲームの妙味があります。
ゲームの流れ
スタート時には、各社員にカード(「プロジェクト」「資金」「精神」「体力」)が配布されます。
参加者は、手元にあるプロジェクトを実行することで、新たなプロジェクトカードや資金を得ることができ、これを繰り返すことで目標資金1億円を目指します。
プロジェクト実行時には、実施者の「体力」と「精神」が消費されますが、逆に資金を使うことで社員の体力や精神を回復できるプロジェクトもあります。
たとえば以下のようなプロジェクトです。
・フィットネスクラブ提携
・人間ドック・がん検診の補助
・朝方勤務
・ノー残業デイ
企業が一般的に導入している施策ではないでしょうか。
いずれも、費用はかかりますが、社員の働きやすさに寄与する施策です。
企業としては、利益を得るための活動だけではなく、社員が働きやすい環境を作るための環境整備にもバランスよく投資を行う必要があり、ゲームにおいても同様の構造となっています。
また、プロジェクトの実行に成功するごとに、各社員は「実績値」を1ポイント得ることができます。
最初にご説明しましたが、「実績」は社長の目標になっていた値です。
色んな社員が活躍することで、会社全体で30ポイント以上の実績を上げることができれば社長の目標は達成となります。
実に社長らしい目標設定ではないでしょうか。
(実績値はホワイトボードに書いて管理します!)
一方で、プロジェクトを実行して実績をあげるためには「体力」や「精神」を消耗しますが、人事部としては従業員には心身ともに健康に働いてもらうという役目があります。
そのため人事部に課されたゴール設定は「ゲーム終了時に「精神」「体力」が3未満のチームがない」ことが設定されているのです。
とても理にかなった設定であることをご理解いただけると思います。
ゲーム実施の様子(映像)
この研修の特徴は、ゲームの特性を活かして短時間でメンバーが打ち解け、活気ある研修を実施可能な点です。
参考までに、開始直後と後半の様子を動画でご紹介します。
小一時間でこの差。やらせ一切なしです。
ゲーム開始直後は、ルールを十分に把握できていないこともあり、みんなが様子見の状態になっています。新卒採用などでグループワークを実施したときと同じような状況ですね。
時間とともにリーダーシップをとる人が現れて、徐々に暗黙の役割分担がされていくのは、まさに組織の縮図です。弊社の場合は、自己主張の強いタイプの人間が多いため、最後の最後まで、ややまとまりに欠けますが…(笑)
普段の実施では、もう少し組織らしく統制のとれた状態になることが多いです。組織のカラーが色濃くでるという意味では、人事の方にとっては興味深いと思います。
ゲーム実施の様子(レポート)
健康経営ゲームは、
→企画フェーズ
→実行フェーズ
→ファシリテーターによる一言コメント
この3ステップの繰り返しで進行します。
上記を2~3回繰り返して、終了後にはゲームを通じて得た学びを共有し合う「振り返りタイム」を実施。
全体で1.5~3時間ほどの実施時間となります。
※ファシリテーターによる一言コメントは、ゲームを学びあるものにするために、参加者の状態に合わせてすべきことを示唆したり、場合によってはより直接的な助言を与えたりする等、進行をフォローするためのものです。
時間の長短は実施の状況に合わせて、ある程度自由に設定可能です。
社内研修など学びの要素が強い場合には、最後の振り返りの時間をゲームの時間と同じくらいたっぷりとることもあります。
第一フェーズ
第一フェーズは、ルールの把握や個々人の目標のすり合わせなどに時間を費やしてしまい、プロジェクトの実行に取り掛かるのが遅れてしまいました。
社長の目標を達成するには実績30が必要ですから、少なくとも30個のプロジェクトを成立させなければなりませんが、第一フェーズで成立させられたのは8件のみ。
少し遅れぎみのスタートとなってしまいました。
第二フェーズ
第二フェーズともなると、テーブルをはさんで議論が活発になってきました。そして各人が、積極的にプロジェクトを実行しはじめます。
が、ここでスタンドプレーや焦りによる不注意が原因で、ミスが多発します。
メンバーの一人が、プロジェクト成立に必要な資源が不足した状態で、ファシリテーターにプロジェクトの実施を申告してしまいました。
この場合、プロジェクトは失敗となってしまい、本来、得られるはずだった資金や新たなプロジェクトカードを得ることができません。投じた体力や精神、資金も戻ってきません。
この厳しさはまさに現実と同じで、非常にリアリティがあります。
参加者の一人は思わずこのリアクション。
(嘘みたいですが、やらせではないです)
しかし、何度か失敗がありつつも、みんなが積極的に行動した結果、実績値は23まで伸びました。資金は8100万円。
最終フェーズに向けて、残す課題が明らかになってきました。
第三フェーズ
事前の企画タイムには、改めて、個人目標の確認をすることに。
第二フェーズでは、実績値30という目標に向けて、実績を上げることに集中するあまり、メンバー個人の目標達成がおざなりになっていたためです。
資金目標が未達状態なのも気がかりのようでした。
資金を達成するためにプロジェクト成立を優先すると、メンバーの体力や精神が不足します。
しかし、メンバーの体力や精神に配慮しすぎると資金がショートしてしまいます。
最終ターンにも関わらず、考え込んでしまい、参加者の手が一時止まってしまう一幕もありました。
まさに現実に企業が置かれている状況そのものです。
ワークライフバランス、健康経営、言葉ばかりが独り歩きしていますが、実際には経営状況との兼ね合いがあります。
その困難さを、身をもって体験できるのが健康経営ゲームの醍醐味です。
振り返りタイム
まずは個人での振り返りを実施。目標達成できた要因、できなかった要因、もっとこうしていれば良かったと思うことなど、感想をシートに書き出していきます。
その後、個人の学びをグループで発表し学びを深めます。
ファシリテーターは、ゲーム実施中の参加者の様子を観察し、学びにつながりそうな行動や発言をメモしておき、振り返りの場でシェアすることで、参加者に対して能動的に「気づき」を与えられます。
振り返りの内容は研修の目的に合わせてアレンジが可能です。
インターンシップなどで使用する場合は、自社の働き方や人材活用のスタンス、上司との関係性など、社風の伝わるポイントにフォーカスすると、自社らしさの理解促進につながります。
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