「人事部任せ」から「事業部主体」の採用戦略へ|採用難易度の高い提案営業職を3ヶ月で7名採用 CASE

「人事部任せ」から「事業部主体」の採用戦略へ|採用難易度の高い提案営業職を3ヶ月で7名採用

株式会社 TMJ様
採用戦略コンサルティング事例

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を主要事業に30年以上の歴史を持つ株式会社TMJ。クライアントへの深い理解、最適な運用設計、テクノロジーの活用、そして改善し続ける文化を強みに、厚い信頼と支持を集めています。さらに最近は「DX」「業務効率化」などが多くの企業の共通課題となる中、案件の依頼が急増。企画提案を担う営業職の人材強化が急務となっていました。そこで2022年夏、過去最高ともいえる採用難度のマーケットにおいて最短で採用成果を出すべく、新たな採用戦略に乗り出しました。

ご依頼前の課題

  • 提案営業職の採用難度が高まる中、エージェント(紹介会社)経由のキャリア採用に苦戦
TMJロゴ 株式会社 TMJ
営業統括本部 営業戦略本部 営業推進部 カスタマーサクセス推進課
渥美 具彦さん

*弊社コンサルタント 黒田昂希・福島淳史

クライアント情報

創業 1992年4月1日
代表 代表取締役社長 丸山 英毅
従業員 2593名(2022年9月末現在)
本社 東京都新宿区西新宿7-20-1 住友不動産西新宿ビル
事業 総合BPOサービス
・コンサルティングサービス
・コンタクトセンター運営
・人材派遣
・システム導入支援・提供

目次

クライアントに高い価値を提供し続けるため、事業部主体の採用プロジェクトへ。

―どんな採用課題をお持ちでしたか?

私たちの事業の柱はBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です。企業の一部門の仕事を丸ごと請け負うわけですが、ただ業務を代行するだけではありません。事業成長のための最適なビジネスプロセスをデザインして、そのプロセスを専門的に運営し、効率化・高品質化を実現させる。そんな付加価値の高い提案でクライアントからの信頼を獲得してきました。

さらに各企業が働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する中、BPO市場の需要は年々拡大し、弊社売上高もここ5年で約1.44倍に成長。最適なビジネスデザインを提案する営業の人材が圧倒的に不足していました。しかし企画提案ができるような営業職のキャリア採用の難易度は非常に高く、多くのエージェント(紹介会社)に求人依頼をしても、うまくはいきませんでした。

―クイックに依頼する経緯を教えてください。

私たちの強みは誠実できめ細やかなサービスにより、クライアントの業務効率化や成長に貢献する価値の高い提案を行えることです。その価値を維持するためには早期戦力化できる人材、つまり営業経験者を迅速に採用する必要がありました。

しかし人事に早急に必要だと採用オーダーをしても、すぐに採用数は上がりません。人事の人員も限られていますし、他部署からの採用オーダーもありますから、仕方のないことではあります。そこで人事・採用部門に任せっきりにするのではなく、事業部独自でも動こうということになったんです。そんな中、採用マーケットの状況やトレンドも踏まえた上で、短期プロジェクトの勝ち筋を提案してくれたのがクイックさんでした。

解像度高く採用ターゲットを設定し、「応募したくなる求人票」をつくる。

―どんな方針でプロジェクトを進めましたか?

これまでの採用活動は、事業部の人員計画に基づく求人票をワークフローで人事に提出し、それを人事からエージェントに送ってもらうという流れ。つまり、こちらから一方的に「こんな人が欲しい!」と言い続けているだけでした。それに対してクイックさんが提案してくれたのは「欲しい人材に出会い、選ばれる」ための施策です。

まずは「解像度の高い人材要件」を設定し、「魅力的な求人票」をつくるため、クイックさんに対象部門の現場社員&管理職への取材をしてもらいました。当時は社内でも人材要件が明文化されず、採用グレードごとに定まってもいませんでした。同じグレードの採用としてロットを大きくし統一することで、エージェントへのオーダーをわかりやすくしていこうという狙いです。

―「解像度の高い人材要件」「魅力的な求人票」とは?

管理職には「募集背景」「求める人物像(必須要件・歓迎要件)」「向いている方の志向性」「入社後の教育方針・体制」「前職の活躍事例」という内容で取材を行いました。これをもとにあらためて人材要件を明文化し、書類選考や面接においての見極めポイントなどについても、関わる人全員の目線を合わせてコンセンサスを形成。さらに人物像の解像度を上げていくために、ターゲットのペルソナをいくつか設計しました。

現場社員には、「職務内容」「主な仕事の流れ」「お客様の課題」「課題解決事例」「仕事の魅力・やりがい」「入社後のステップ」などを取材。候補者が私たちの仕事を疑似体験し、ここで働きたい・この仕事をしたいと思えるような、つまり候補者から選ばれるような求人票づくりを進めました。そして設計したターゲットのペルソナに合わせて、訴求ポイントも整理しました。

エージェントとの関係を深める。そして社内体制も整える。

―その他にどんな取り組みをされましたか?

従来のやり方では、エージェントからなかなか候補者を紹介してもらえない。せっかく紹介があっても、私たちが求める人材とマッチしない。だからエージェントの中での私たちの優先度を高め、マッチング精度を上げるために、そしてより多くの候補者と「出会い、選ばれる」ために、エージェントのRAさん(営業担当)やCAさん(キャリアアドバイザー)にも人材要件や仕事の魅力を知ってもらう必要がありました。

ただ一般的にBPO業界やその営業職に対する認知度は低く、クレーム対応担当やコールスタッフだと思っている人もいるというのが現状です。そこでクイックさん主導で、主要エージェント3社とのミーティングの機会を設けてもらったんです。

3社のCAさん、RAさんに集まってもらい、まずは私たちから今回の募集について目的や背景、仕事の詳細や魅力、欲しい人材などを詳しく伝えました。エージェントからの疑問にも答えながら「営業としての競合差別化は?」「どういう営業方針?」など、候補者の気になりそうなことを明確化。事業や仕事、求める人物像について深い共通認識ができました。人事担当だけで対応していたら即答できなかったようなこともあったので、事業部の私たちから直接伝えることができたのは大きかったですね。

―社内体制も見直されたそうですね。

実は私を含め、営業部門の中に採用に詳しい人間が一人もいなくて、当時は募集~選考のフローもほとんど未整備でした。もしかすると選考過程で他社へ流れてしまったこともあったかもしれません。だから選考プロセスでリードタイムを最大限短縮できる社内体制を再構築したんです。例えば面接は個別のスケジュールに合わせて設定するとタイミングが遅くなってしまうので、あらかじめ面談帯時間をおさえてアサインするようにしました。エージェントへの合否連絡も最長3日以内に改めました。統括本部長を巻き込んで意志・方針決定をスピード化したんです。

ただ面接・面談などは営業部門ではノンコア業務ともいえますので、現場からのハレーションもありました。最初は「そんな暇はない」「じっくり人となりを見たい」「オフラインで会ってから」という声も多かったんです。しかし「人事任せでなく、自分たちが当事者意識を持って主体的に採用活動をしたい」「採用プロジェクトは事業部の戦略においても最優先事項だ」ということを発信し続けると雰囲気も変わってきました。共通の目的があれば、みんなで協力して同じ方向に走れるのもTMJの社風です。次第に温度感が高まり、忙しくて大変な中でもスピード感のある選考プロセスを実行していくことができました。

株式会社TMJ渥美具彦様

有効応募率・書類選考通過率が大幅アップ。3ヶ月で7名のキャリア採用に成功。

―クイックとのプロジェクトの成果を教えてください。

今回のプロジェクトの目標は短期的には5名の採用、長期的には自社内の採用力を高めることでしたが、結果として3ヶ月で7名の採用に成功しました。この間、紹介数自体も増え、エージェント経由の有効応募率は38%から51%に大幅上昇。書類選考の通過率も86%に達し、マッチング精度が格段に上がったことを実感しました。

これまで過去の経験則で属人的にやっていた人材要件の設定などを、今回の取り組みで「集合知」として共通言語化できたことが、各工程のブラッシュアップにつながったと思います。またエージェントのCAさん、RAさんの思考を配慮しながら連携をとって活動できたことも、この成果の大きな要因ですね。

週次の活動の振り返りでは、採用計画/必要人員数に対するパイプライン管理(KPI)と改善検討、仕立ての進捗や懸案の検証を行うとともに、選考通過の観点や辞退理由も共有しました。それが求める人物像の解像度アップ、選考のスピードアップを加速させたと思います。また歩留まりの観点でも、面談時に自社をプレゼンするピッチを導入するなど、「面接で魅せる・惹きつける」という新たな能力も開発できました。こうした体制やノウハウを確立できたことが、いちばんの成果かもしれません。

―他に得られたことや変わったことはありますか?

採用活動において、人事と配属先の現場の情報共有と協力体制が何より重要だと実感しました。人事採用担当に営業部の事業や仕事、求める人物像を深く理解してもらえたことは、今後の採用力強化のためにも非常に価値があると思います。

それと個人的には、「採用とは他責にしやすい業務だなぁ」ということにあらためて気づかされました。採用がうまく行かないと、人事が悪い、紹介会社が悪い、人事制度が悪い、採用環境が悪い、もしくはクイックさんのせい(笑)とか。それをいかに自責として考えるかが重要なんですね。

プロジェクトレポート

プロジェクトのサマリー

クイックのRPOサービスは、採用CXの考え方を軸に、採用戦略からコミュニケーション設計、ベンダーフリーの応募獲得手法の選定、選考プロセスの設計、効果的な面接のためのトレーニングなど、コンサルティングと実行支援を通じて採用成功を一緒に実現します。

※RPOは「Recruitment Process Optimization」の略
 採用成功のために採用のプロセスを最適化するサービス
 (オペレーション代行等のアウトソーシングではありません)

※採用CXとは「Candidate Experience」の略で候補者の体験価値を向上していく取り組み。

担当コンサルタントより

今回は、3ヵ月という短期の目標設定でのプロジェクトだったこともあり、エージェント経由の課題に絞ったご支援となりました。「TMJらしさが詰まった採用ブランディング」のために、以下の5つ施策でご支援を行いました。
(1)事業部の現場社員&管理職への取材に基づく求人票の作成
(2)全体の候補者体験設計レポートの作成
(3)エージェントとの関係性強化のポイント勉強会
(4)エージェント3社へのTMJ魅力訴求説明会及び質疑応答
(5)月例ミーティングによるPDCA

「本当に欲しい人材」を採用するためには、採用戦略の設計から実行フェーズまでのプロセスの一貫性が重要であることはいうまでもありません。クイックの採用CXコンサルティングは、本当に欲しい人材に「この会社がいい」と思って入社してもらうための、認知から決意までの一連の体験プロセス(一貫したメッセージ)をデザインします。

▼候補者体験設計

候補者体験設計

「候補者が自社を知り、応募を検討し、選考に進み、内定を承諾し転職活動を終了するまでには数々の「体験」があります。「なんとなくここで良い」ではなく、「この会社が良い」と思われて選ばれる採用活動のために、それぞれの候補者にとって「価値ある体験」を創りだします。事業や仕事内容だけでなく、社風や姿勢なども感じてもらいながら志望動機を育てていくことが採用CXの基本的な考え方です。

今回のプロジェクトでは営業部門が人事とタッグを組んで、短期間で採用成功を実現するという難易度の高い目標を達成できました。TMJさんのチームワーク、社風でもある共創と対話のスタンス、あきらめない当事者意識などが存分に発揮され、この成果を生んだと思っています。

このプロジェクトの担当コンサルタント

黒田 昂希

 

株式会社クイック コンサルタント 黒田昂希

 

2014年株式会社クイック入社。リクルーティングプランナーとして企業の採用を支援。中途採用の全体設計コンサルティング・媒体選定・採用手法の設計などを行う。2020年からは新しく立ち上がった採用コンサルティングチームのメンバーとして、「採活力®」を通じた採用の調査・分析から戦略立案、リクルーティングサイトや動画のプロデュース、研修企画・講師などに従事。

福島 淳史

 

株式会社クイック コンサルタント 福島 淳史

 

2013年クイック新卒入社。リクルーティングプランナーとして中小・中堅企業を中心としたあらゆる業種のクライアントの新卒・中途・アルバイト採用支援に従事。約350社の採用支援を経て、2018年以降は最年少の事業リーダーとして採用戦略において“候補者体験”に注目した採用設計フレーム「採活力®」をまとめ、コンサルタントとしてこれまでに約150社の採用戦略設計構築を支援。「歴史に残る採用支援を」をポリシーに、事業のターニングポイントにおける採用変革を得意としている。

セミナー情報

「知名度」や「待遇」に負けない!内定承諾力アップセミナー ※無料

無料で参加できる、
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インターンや内定辞退改善、採用戦略立案のサポート、リクルーティング動画制作、Indeed活用など、様々なコンテンツをご用意しています。

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