5年後のリーダーを採用するために、いまやるべきこと。
―採用に関して、どんな課題をお持ちでしたか?
事業構造の変革を進める中で、求める人物像や採用のメッセージを変えていく必要があるというのは採用チームの共通認識でした。ただ年間の採用活動に追われる中で、新たな採用計画を立て、それを現場に浸透させることができていませんでした。言い訳にしかなりませんが、就職活動の早期化に対応しようとすると、前年度の振り返りをする間もなく、次年度の準備を始めなきゃいけないという状況だったんです。
そのため採用活動がどうしても場当たり的な感じになってしまい、経営・事業部・採用チームの連携もうまく行かず、「かみ合ってないなぁ」と思うことばかり…。本来は自分たちで何とかすべきことですが、ここは専門家に入ってもらったほうがいいと判断し、クイックさんに相談したんです。
―クイックと一緒に、どんな取り組みを行いましたか?
まずは構造改革後の事業に必要な人物像の再定義から始めました。出版・広告事業から、お客様の抱える事業課題を総合的に解決するソリューションカンパニーへ。そうなれば当然、課題解決思考の人材が必要になります。もちろん「こんな学生が欲しい!」と訴えるだけで採用できるとは思っていません。課題解決思考の学生から「選ばれるための魅力」の発信が不可欠です。だから会社や事業の魅力、ソリューションという仕事のやりがいを整理したり、競合する企業の状況を分析したり、そうした基礎づくりからスタートすることにしたんです。
さらにコンサルタントの福島さんから「採用成功のためには全社を巻き込んで取り組むことが最重要」というアドバイスをもらいました。そこで採用チームが中心となり、経営や事業部のすべての社員に当事者意識を浸透させることにも力を注ぎました。
「採るべき人材」の定義から
「採るべき人材に選ばれる」ための戦略へ
―ここまでの取り組みで社内に変化は見られましたか?
「採用したい学生像」を定義するだけではなく、「欲しい学生がいちばん入社したい会社」になるためにはどうすればいいかを考える。これは私たちにはなかった発想です。採用メッセージとして何を発信するかを見直すことはもちろん、選考や会社訪問、社員面談などのすべての接点で、学生にどのような印象を与え、どのように志望動機を形成していくか。こちらがしっかりとデザインしていくことがとても重要だと知り、採用チームの責任感や目的意識も大きく変わりました。
具体的な取り組みとしてはまず「何を発信するか」を考えるにあたり、いまいる社員それぞれが仕事のやりがい、将来の目標を言語化してアウトプットするという取材や研修を行いました。その中で誰もがイキイキと自分の言葉で表現する姿を見て、社内の変化を実感しています。いい採用をするには採用チームだけでなく、全社員が情報を共有し、全社員でムードをつくっていかないといけない。そんな理解や認識が社内に広がってきたんです。さらに自分の仕事や目標を言葉にすることで、会社として目指すことへの納得感も明確になってきたような気がしています。
だからいま、今後の採用の本シーズンが楽しみになっています。全社一丸となって採用に取り組む元年として、クイックさんとともに新たな採用戦略にチャレンジしていきたいと思っています。
ありがとうございました。
その後の取り組みや実際の採用状況については
また<後編>でお話を伺います。
プロジェクトレポート
プロジェクトのサマリー
クイックでは、採用戦略において比較的短期間でかつ効果的に改善に取り組める“採用活動”に注目した採用設計フレーム「採活力®」をベースに採用戦略コンサルティングをご提供しています。再現性高く成果を出すことができるフレームワークではあるものの、決して型どおりではなく、各社様の課題や社内事情に合わせて最適な道筋を一緒に考えていくことを大切にしています。
ここまでの支援内容
(1)【候補者体験設計】
経営・事業部・採用チームが一体となってパフォーマンスを最大化
学生が体験する選考プロセスにおいて、それぞれの接点に意味を持たせ、一貫したストーリーを創り出すことで志望動機を形成していきます。採用にかかわる全員が情報・目的を共有することで、全社員に「当事者」として活躍していただきます。
(2)【ストーリーワーク】
仕事の本質をストーリーで伝える課題解決体験インターンシップ
社員インタビューをもとに実際の課題解決のプロジェクトをストーリー化し、疑似体験していくインターンシップです。ストーリー仕立てだからこそオンライン実施でも臨場感を生み出しやすく、自社らしさが自然に伝わり、印象に残るインターンシップを実現することができます。
(3)【リクルーター研修】
会社・事業・人の魅力で学生を惹きつけ競合に勝つ
学生の志望度を育てる採用面接官・リクルーターの育成です。「自分に向き合ってくれた」「本音で話せた」「この人と一緒に働きたい」と思われるためには、採用にかかわる社員全員が人として真摯に学生と向き合うことが重要。仕事の魅力だけでなく人の魅力を感じてもらい、いちばんに選ばれる会社を目指していきます。
担当コンサルタントより
「この会社がいい!」を創りだす、採用CXコンサルティング
目指すのは「この会社“で”いい」ではありません。 候補者も社員も、採用活動に関わったすべての人が「この会社“が”いい」になる採用支援です。内定辞退の防止だけでなく、入社後への強い動機を生む採用活動を目指しました。
「本当に欲しい人材」を採用するためには、採用戦略の設計から実行フェーズまでのプロセスの一貫性が重要です。クイックの「採用CXコンサルティング」では、欲しい人材に「この会社がいい」と思って入社してもらうため、認知から決意までの一連の体験プロセス(一貫したメッセージ)をデザインします。
※CXとは「Candidate Experience(候補者体験)」の略
候補者が企業を知り、応募を検討し、選考に進み、内定を承諾して就活を終えるまでには、数々の「体験」があります。「なんとなくここでいい」ではなく、明確に「この会社がいい」と思われて選ばれる採用活動のために、候補者一人ひとりにとっての「価値ある体験」を創り出します。事業や仕事内容だけでなく、社風や姿勢なども感じてもらいながら志望動機を育てていくことが「採用CX」の基本的な考え方です。
ここまでの取り組みでは、まず夏から秋にかけて採用プロジェクトメンバーと一緒に前年度の振り返りと課題の明確化、次年度の採用目標の設定(定量・定性)を行い、候補者体験設計のためのミーティングを重ねました。2024年度の採用成功に向け、そこにかかわる全社員を集めてのキックオフを実施し、プロジェクトオーナーである駒口さんから目標や全体のコンセプトを共有。経営・事業部・採用チームが一丸となって一貫した採用活動を創り上げていくために、一人ひとりが役割認識を強く持って参画することが、今回のプロジェクトの最重要ポイントだったからです。
同時進行で、インターンシップの企画づくりのためのインタビュー、面接や面談でのコミュニケーション改善のための研修も行いました。その中で、すでに動き始めていたインターンシップからの早期選考のための学生との接点のつくり方、早期のタイミングでの学生フォローのポイントをお伝えするなど、コンサルタントとして伴走してきました。
「この会社がいい」を創り出すためには「人」の力が不可欠です。そして「人を巻き込む」ことこそがクイックの採用コンサルティングの最大の特徴です。経営者、現場責任者、若手社員を問わず全員が採用活動に関わることで、研修の類では得られないチームビルディングやエンゲージメント効果、インナーブランディング効果が生まれます。
このプロジェクトの担当コンサルタント
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株式会社クイック コンサルタント 福島 淳史
2013年クイック新卒入社。リクルーティングプランナーとして中小・中堅企業を中心としたあらゆる業種のクライアントの新卒・中途・アルバイト採用支援に従事。約350社の採用支援を経て、2018年以降は最年少の事業リーダーとして採用戦略において“候補者体験”に注目した採用設計フレーム「採活力®」をまとめ、コンサルタントとしてこれまでに約150社の採用戦略設計構築を支援。「歴史に残る採用支援を」をポリシーに、事業のターニングポイントにおける採用変革を得意としている。 |
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