面接で聞くべきことは?チェックシートの活用法も解説 COLUMN

公開日:2022.03.23

更新日:2022.03.23

面接で聞くべきことは?チェックシートの活用法も解説

採用面接は、自社が求める人材であるか見極めるための重要な機会です。そのため面接官は、事前にどのような人材が欲しいか、面接時に何を聞くべきかを明確にしておくことが大切です。そこで今回は、面接時に聞くべき質問や質問チェック項目など、事例も交えて紹介します。

目次

面接で聞くべきこととは?|ほしい人材を見極める質問例

面接で自社の求める人材を見極めるには、質問を重ね求職者の能力や考え方を理解する必要があります。ここでは、面接時に聞くべき4つの項目を紹介します。

・コミュニケーション能力を確認する質問
・仕事に対する考え方を確認する質問
・ストレス耐性を確認する質問
・人柄を確認する質問

コミュニケーション能力を確認する質問

コミュニケーションスキルは円滑に仕事を進めていく上で必要です。仕事上のコミュニケーション能力を測る質問例を紹介します。

【質問例】
友だちや先輩とコミュニケーションを円滑にするために、心がけていたことはありますか? (新卒採用)
【質問例】
仕事を進めていくうえで円滑なコミュニケーションを取るために必要なことは何だと思いますか?(中途採用)

 

【ポイント】
応募者のコミュニケーションに対しての考えやポリシーを探るための質問です。応募者の考え方が、社風や既存社員とマッチするかを判断するために活用できます。

【質問例】
これまで周囲を巻き込んで何かをやり遂げたことはありますか? (新卒・中途採用)

 

【ポイント】
周囲との仕事の進め方やコミュニケーションの取り方を理解するための質問です。求職者の協調性の有無を見ることもできます。

【質問例】
あなたはどのようなことが好きですか?

 

【ポイント】
対応力やコミュニケーション能力を測るため、あえて漠然とした質問をするのも一つの手です。「仕事における好きなことですか?」のように、質問の意図を汲み取る姿勢を確認できます。

仕事に対する考え方を確認する質問

仕事に対する考え方を知ることで、企業と応募者の本質的な価値観にミスマッチがないか見極められます。事業は企業理念に沿って展開されているため、仕事に対する考え方がマッチしていない人材を採用しても、活躍があまり期待できません。また、ミスマッチによる早期離職のリスクも高まります。

【質問例】
企業選びで大切にしていることはなんですか? (新卒採用)

 

【ポイント】
就業経験のない学生には、企業選びの軸を聞くことで仕事の価値観を伺えます。

【質問例】
人生で一番の失敗を教えてください。(新卒・中途採用)

 

【ポイント】
失敗から学んだことや乗り越えた方法を聞くことで、仕事にどれだけ向き合える人材かも見極められます。

ストレス耐性を確認する質問

面接では、厳しい状況にも立ち向かう気力があるか、ポジティブに考える力があるかなど、応募者のストレス耐性を見極める必要があります。

【質問例】
どのような時にストレスを感じますか?ストレスを発散する方法を教えてください。 (新卒・中途採用)

 

【ポイント】
ストレスを感じるポイントやどの程度負荷がかかるかを確認できます。また、自分で対処する能力の有無も把握できます。

【質問例】
納得できないことを要求されたらどうしますか?(新卒・中途採用)

 

【ポイント】
ストレスの回避能力を測る質問です。相手からの失礼な要求に対して「仕事だから」と割り切れるタイプは、ストレスを感じにくいとされています。

人柄を確認する質問

求職者のスキルや経験に加え、人柄を重視する企業も多くあります。応募書類だけでは把握しづらい人間性の見極めも面接の重要なポイントと言えます。

【質問例】
あなたは周囲の人からどのような性格だと言われますか? (新卒・中途採用)

 

【ポイント】
周りからの評価を聞くことで、自己評価とのズレを確認できます。エントリーシートに書いてある自己分析は、主観的である場合が多いため、客観的な情報から理解を深められます。

【質問例】
アルバイトやサークルではあなたはどんな役割でしたか? (新卒採用)

 

【ポイント】
グループ内での役割を聞くことで、既存社員との関係が良好に築けそうか確認できます。

【質問例】
苦手なタイプはどんな人ですか? (新卒・中途採用)

 

【ポイント】
例えば、「遅刻する人が苦手」なら人との約束を守るタイプ、「相手の意見を聞かない人が苦手」なら人の意見を積極的に取り入れるタイプと連想できます。

面接で良い人材を見極めるポイントは?

応募者の中から、自社にマッチする良い人材を見極めるポイントを3つ紹介します。

・コミュニケーション能力があるか
・仕事に対する上昇志向があるか
・自社のカルチャーとマッチしているか

コミュニケーション能力があるか

業務を円滑に進めるにあたって、コミュニケーション能力の高さは重要です。「コミュニケーション能力」の見極めには、オープンクエスチョンが役立ちます。オープンクエスチョンとは、「はい」や「いいえ」で答える質問ではなく、自由に回答できる質問です。表現力やプレゼン能力、表情などの基本的なコミュニケーション能力を確認できます。

仕事に対する上昇志向があるか

仕事に対する上昇志向の有無は、入社後の成長スピードを左右するため面接での確認が重要です。上昇志向の高い応募者は、自分のスキル向上に積極的に取り組む素質があるため、入社後、早い段階での戦力化が期待できます。目標達成のために継続して取り組んでいることや、その具体的な内容を聞くと、応募者の上昇志向の高さを確認できます。

自社のカルチャーとマッチしているか

自社の社風や企業理念などのカルチャーと応募者の価値観がマッチしていると、入社後にモチベーション高く業務に取り組み、成果を上げることが期待できます。自社のカルチャーと完全に一致する人材はなかなかいません。面接を通して、考え方が似ており、自社で実力を発揮できる人材を選ぶことがポイントです。仕事に求めることや今後どのようなキャリアを築きたいかなどを質問すると共通点を見つけやすくなります。

面接官が心得ておくべきポイント

面接は会社から見れば人材を見極めるための場であり、応募者からすれば「この会社が働きやすそうか、働きたいと思える会社か」を判断するための重要な場です。面接官の印象が悪ければ、応募者の志望度が下がる可能性があります。良い人材を獲得するために、面接官が心得ておくべきポイントを3つご紹介します。

・会社の顔として対応する
・応募者がリラックスできるように良い雰囲気をつくる
・NG質問を避けモラルを守る

会社の顔として対応する

面接では、「面接官のような人と一緒に働きたい」と思ってもらえる対応を心がけてください。応募者が選考中に接する社員は少なく、一番多く接する機会のある面接官の印象が会社全体の印象につながります。応募者は、話を丁寧に聞いてくれる、適切なフィードバックをしてくれるといった面接官の対応に良い印象を持ちます。

応募者がリラックスできるように良い雰囲気をつくる

応募者の本質を見極めるため、できるだけリラックスした雰囲気を作ることが大切です。面接は面接官の人柄も全く分からない状態ではじまります。どんなに高い能力を持っていても、緊張すると自己アピールが十分にできないという応募者もいるかもしれません。面接の冒頭で、面接官の自己紹介や、軽い雑談などをすると雰囲気を和らげる効果があります。

NG質問を避けモラルを守る

面接では下記のような、職業安定法で定められたNG質問が多数あります。

・本人に責任のない事項の把握
・本来自由であるべき事項(思想信条にがかわること)の把握
・ハラスメントや差別につながる恐れがある質問

これらの質問では候補者の能力、適正を測ることは出来ず、職業差別につながる恐れがあります。また、NG質問をする会社はモラルが低いと思われかねません。SNSや口コミサイトでマイナスの情報を流され、応募者の減少につながるリスクもあります。面接でのNG質問について詳しく知りたい方は「面接時のNG質問は?面接官が聞いてはいけない質問事例を紹介」をご覧ください。

面接をスムーズに行う3つのコツ

限られた時間の中で応募者の適性やスキルを見極めるためには、スムーズに面接を実施し、話を引き出す必要があります。ここでは、面接をスムーズに実施するための3つのコツについて解説します。

【1】応募者をリラックスさせる質問を用意する
【2】面接チェックシートを用意する
【3】面接官トレーニングを実施する

【1】応募者をリラックスさせる質問を用意する

応募者の良さを引き出すには、相手を緊張させないことが大切です。堅苦しい質問ばかりだと緊張もほぐれないため、面接の冒頭であえて本題と関係のない質問をするとリラックスした雰囲気をつくれます。例えば、今日の天気・交通ネタ・趣味など以下のような質問が有効です。

・雨(猛暑)の中、大丈夫でしたか?
・ここまで迷わずに来れましたか?
・キャンプが趣味のようですが、おすすめの場所はありますか?

面接で使えるアイスブレイクの話題については「【面接官必見】採用面接時のアイスブレイクのポイントを解説」をご覧ください。

【2】面接チェックシートを用意する

面接チェックシートを用意する大きなメリットは、応募者を客観的に評価できる点です。シートには応募者への質問事項や、評価項目を記載します。面接官はシートに沿って質問をし、応募者の回答をもとに採点する流れです。面接官が複数人いる場合、面接官の主観や経験によって評価にばらつきが生じることを防ぎます。

【3】面接官トレーニングを実施する

面接官トレーニングを行うことで面接の質が向上し、応募者の内面的な魅力を引き出せます。面接官トレーニングでは、面接官の役割や心構え、面接の進め方、コミュニケーションのポイント、合否の判断基準などの内容を学べます。面接官による主観的な判断を防ぎ、自社にマッチした人材の採用につながります。面接官トレーニングについて詳しくは「「面接官トレーニング」で採用増加?効果や身に付けるべきスキルとは 」をご覧ください。

まとめ

採用面接は、自社が求める人材を見極めるための重要な機会です。そのため面接官は、どのような人材がほしいかを明確にし、面接時に見極めるための質問を準備しておくことが大切です。求める人材と応募者のニーズがマッチすれば離職率の低下も期待できるので、十分準備してから採用面接を行ってください。

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コピーライター、人事(採用担当)を経て、大手人材会社でディレクターとして、クリエイティブ企画や経営戦略にひもづいた人材採用・活用のコンサルティング業務などに従事。現在はIT企業勤務の傍ら、マーケティング・人材採用の領域を専門に中小企業支援を行っている。

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